HAVE A NICE DAY!

徒然なるままに特に音楽の話を中心にあーだこーだと書き連ねます。

『イジチュール』の夜へ マラルメ・プロジェクト3~「エロディアード」/「半獣神」の舞台から

2012年07月23日 | スポーツ/芸術/コラム
2012年7月22日(日)晴れ

京都芸術劇場 春秋座(京都造形芸術大学内)にて

『イジチュール』の夜へ

という不思議なパフォーマンスを見て来ました。


これを見ることになったのは
たまたまよく知る人がこの京都芸術劇場の会員に最近なって
何かを観にいこうということで目にとまったのがこれでした。

これを選んだ動機はおそらく多くの観客もそうであったように
教授こと坂本龍一氏が音楽で参加ということで彼の音楽を生で聴きたいという
それだけといっても過言ではありませんでした。


でも、見るからにはマラルメって?ってことで調べたりするのですが
あまりわからず、その詩とかも本屋さんで見つかるような多く流通しているものでもなく
アマゾンで見たら、パソコンが買えそうなぐらいの値段の全集しかありませんでした。

だから、まあいいかとなんの勉強もすることなく
ただ、見に行きました。


企画は浅田彰氏と渡邊守章氏
構成・演出は渡邊守章氏

朗読は渡邊守章氏と浅田彰氏
音楽・音響は坂本龍一氏
映像・美術は高谷史郎氏
ダンスは白井剛氏と寺田みさこ氏

ステージに登場するのは渡邊氏、浅田氏、坂本氏、白井氏、そして寺田氏と
5人だけでした。

最初から

「これはなんだ?」という摩訶不思議な世界に
戸惑うし、何を捉えたらいいのかも検討がつきませんでした。

とにかくフランスの19世紀後半の詩人のマラルメの詩人としての立場と
彼の作品を交差したものだというのがふんわりとわかってきました。

渡邊氏がまず一人で舞台に立ち、日本語でそしてフランス語で言葉を放たれます。
その日本語を頭の中で理解しようとするとどんどん先へ走っていってしまって
まったく追いつかないような言葉の群れに私は仕方が無く
まるで幼子が言葉を覚えるように、響いた単語だけを頭の中で繋げていきました。

虚無
夢想

永遠
精神
純粋
深夜
時間

無限
絶対
狂気
混沌
不能力


これらの言葉がぐるぐるといろんな言葉の合間に何度となく
くりかえされていきました。

この中に「暁鳥」という言葉が出て来た時に
なぜか私は村上春樹の「ねじまき鳥クロニクル」を思い出していました。
あの夜と窓とねじまき鳥のシーンが
このマラルメの描く世界に重なってきました。


このパフォーマンスを説明するのはとても難しいけれども
渡邊氏が朗読するのに合わせて美しい肉体のパフォーマンスを
静かに動いているのに静かに音もなく見せてくれる白井氏と寺田氏は
ほんとうに素晴らしくて、生きているアートを見ているようでした。

そして、ピアノをピアノとして扱うのではなく
音を出すものとしてあらゆるところから音を生み出していく
坂本氏のパフォーマンスにも驚くとともに不思議な感覚を覚えました。

そして、何より私が感動したのはステージにおかれた2枚のスクリーン板というのか
それを使って幻想的な映像を2人のダンサーと溶け合わせてみせる演出に
ほんとうにうっとりとしてしまいました。

そのシーンの中では最近発売された
The John’s Guerrilla というバンドの
『ALL POWER TO THE PEOPLE』というアルバムジャケットをそのまま
ステージで展開しているようなものもありました。

同じっていうのではなく、同じ空気感というのか。

実際にステージでその裸体をさらすというのではないけれども
おそらく絹が張られたスクリーン板(なんていうのか知らないので)の
向こうに見える人影はまさに人間の体そのものであって
それがスクリーンに写し出される映像や文字の中で
オレンジがかった肌色を自由自在に動かしていくのです。
それが本当に美しくて。
2枚のスクリーンが並べられて
それぞれに肌色の幻想がくりひろげられて対をなすわけです。

全体的にパフォーマンスにはろうそくがとても重要な小道具であり
その光がマラルメのしがみつこうとする最後の夢のような気すら
していました。

正直、日本語を聴いている時はとても重い気持ちになってしまうのに
フランス語になると体はリラックスしてほっとしていくのがなぜなんだろう?
ってずっと考えていました。

日本人だから日本語に訳さないと意味がわからないということで
日本語になっているのだろうけれども、この詩はフランス語によって
初めてその生命を輝かせるようにも感じました。
別に意味なんてわからなくてもいいのかもと思いました。

感じること。
それが詩の望むところなのでは?と。

言語を超えて、
その音だけで実は人を癒していく。

私が幼少の頃から英語の歌を聴いてそれらを愛して来たように
それぞれの国の言葉には実はみんな音楽が伴っていて
それがその言葉が一番伝えたいことなんじゃないかと。

日本語には日本語で伝える音が
フランス語にはフランス語で伝える音が

それを変えてしまうと
伝わるものも伝わりにくくなるのかもしれないと
このステージを見ていて感じました。

このステージの素晴らしいのは
それを具現化して見せてくれたことです。

日本語の朗読もしてくださって
それはいわゆる音声を選んで聴いてくれていいですよって
いうサービスであったと私は思うのです。
本当のところはそのダンスと音楽と映像とフランス語だけで
日本人の私たちでも十分に「したがって」(イジュールの意味)
夜を魂を夢を絶望を混沌を感じれると思いました。

同じ渡邊氏が朗読しているのに
自分の母国語である日本語より
フランス語で読まれている方が
数倍も心に滲みて来ました。
で、ほっとしました。
その言葉に体を委ねていたいと思いました。


今回行った動機は坂本氏だったかもしれませんが
私はフランス語の音の響きと
ダンサーの方と映像にほんとうに
すっかりまいってしまいました。
坂本氏の奏でる音たちは
そのダンスや詩にまるで真珠のネックレスでも
かけるかのようでした。


このプロジェクトは
心から素晴らしいと感動したし
意味はまったくわからなくても
自分自身に何かを持ち帰れました。

あ~もっとこのパフォーマンスを深く考えたいとも思いました。


遠い昔、イギリスで見たリンゼイ・ケンプが彼の劇団とは関係なく
だれか(忘れました)とのプロジェクトでやったパフォーマンス劇を
思い出しました。スペイン戦争が舞台となっていたそのパフォーマンス。
パントマイムと映像が交差する世界。

私は言葉を超えた言葉に心を昔から振るわして来たんだなと

人間は言葉を超えた大事なものをもっているというのを
思い出させてくれた夜でした。








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prologue~FoZZtone「INNER KINGDOM」へ...私の感じたまま、徒然なるまま。

2012年07月14日 | FoZZtone
私は大学の文学部で英文学を専攻していた。
卒論はHenry Jamesの「The Portrait of A Lady」だった。
この作品にはいろいろな聖書の一節や文学の一節などが
散りばめられていて、それを見つけるのがすごくおもしろくて
その一節が暗示することを分析していきながら
登場人物を分析していくのが私の卒論のテーマだった。

7月11日(水)に発売になったFoZZtoneの2枚組の新作
「INNER KINGDOM」を聴いていてその卒論を思い出した。

このアルバムは聴けば聴く程、いろんな発見や驚きがあって
でも、まだ私は数回しか聴けてない。
予約はしていたもののネットでの予約であったので
届いたのが12日の夜であったからだ。

でも、その数回だけでもいろんなことを感じた。

だから、まだ私自身の感じたことは
序の口であって、ここに記すことは
いわゆる私のちょっとした「INNER KINGDOM」論のプロローグに過ぎない。

だから、これがどれぐらいの規模になるのかはわかんないし、
あっという間に終わってしまうかもしれないけれど
とにかく、今日書くことはプロローグだ。

Disc physicalとDisc mentalの2枚のうち

今日はDisc mentalについて少し書こうと思っている。

ここは第一部、第二部、そして第四部となっている。
第三部もあることはあるけれど、4秒だけの無音だ。

で、私は自分のOMA2の10曲を第三部に入れ込んだ。

以前、このOMA2を選曲するにあたり
私はどこかでアフリカを感じていると書いた。
だから、ここにアフリカが全面的に出て来るのは
驚きであり、感動もした。

やはり私の中にもアフリカの母なる遺伝子があるのかもしれない。

第二部の終わりの「your song for new morning」から
自分の選曲した一曲目の「ベーコンエッグとシェービングヒーロー」への
繋がりはほんと感動を覚えた。

繋がっている.......って。

私は朝から始まるようにOMA2を選曲したからだ。

そして、私のOMA2のエンディングの「再脱走のテーマ」から
第四部へ繋がるところも感動した。

光の街へ

から

光の海へ

そしてサンセット(日没)で締めくくられるんだ。


あ、もちろんこれは私が勝手にやっているだけで
誰も「これをしろ」なんて言ってない。

でも、自分のOMA2を入れて完成!って感じで
自分では満足してしまうんだ。
変だけれど(笑)


だって、OMA2のタイトルは「from INNER KINGDOM」だよ。
だからもとはINNER KINGDOMなわけ。
こうしたっておかしくないはずだよね。

ね?


第一部の三幕の「Keller Water」はOMA2とは少し違うアレンジが
加えられていた。そのせいかわからないけれど
この終わりの方のインストやリズムが私の中では
前作の「NEW WORLD」の「Osgood」に繋がってしまうんだ。

私のまたまた勝手な解釈はKeller少年は海辺のカフカ少年
なんだ。(これは私のOMA2の選曲の時にも書いたけれど)
で、カフカは15歳で、Osgoodっていうのは15歳ぐらいの子が
訴える膝とかの痛みのことで、どちらも中学生ぐらいの子が
その背景にあるような気がしている。

もしかしたら、これを書いた渡會さん自身の中学生時代なのかもしれない。
ガーファンクルやディランを聴いていた中学時代。

そして、このアルバムを聴いて
私の遠い中学時代も記憶の海から浮き上がってきた。

音楽をひたすら聴いていたあの頃の自分が。

英語に興味を持ち始めた頃の自分が。

NHKのテレビでの英会話みたいなのを見ていたら
そこで「今日の一曲」というようなコーナーがあって
そこで初めて「サイモンとガーファンクル」というディオを
知った。そこで流れたのは「明日へ架ける橋」だったと思う。

私はサイモンとガーファンクルのフォークサウンドだけではなく
ロックからソウルあるいはレゲエなどあらゆる音楽を聴きまくった。
過去の音楽も含めて、音楽の流れを自分の中に入れこんだ。
それはすべて洋楽だった。英語の音の響きが凄く好きだったんだ。

そんな頃を思い出した。

そんな感じで今日は自分の音楽への初期衝動が芽生えた時代が
このアルバムと重なったということを書いて終わる。

続きはいつになるかはまだわからないけれど
また書くと思う。

それだけいろいろおもしろいんだ。このアルバム。



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FoZZtone REC OK! TOUR at 大阪心斎橋DROP

2012年07月08日 | FoZZtone
2012年7月6日(金)雨ときどき曇り

ほんと久しぶりにロックなFoZZtoneのライブを見て来ました。
アコースティックやインストアはあっても
通常のライブを見るまで本当に長い間待ちました。

心斎橋DROPで彼らを見るのは初めてですが
2008年の彼らのワンマンを見損なったのを
いまだに後悔していたので、とりあえず
ここで彼らを見れたということで
その悔しさが多少緩和されたかと思います。

このDROPは遠い昔、AUDIO RULEZのライブを
来て以来で、その会場の雰囲気は忘れてしまってて
ただ、バーカウンターだけはかなり印象に残っていました。

というのも、このバーカーウンターの雰囲気が
ELLEGARDENの「Missing」のPVに出て来るバーカウンターに
似ていたからです。

この日のフォズの渡會さんのMCでも
昔、このバーカウンターでMVの撮影をしたと
いう話を聞きました。MVに使われるだけの
やっぱり雰囲気がある場所なんだなと思います。

またツアー中なのでセットリストはあげない方がいいのかなと
全部はあげませんが、ちょっとだけ書きたいのだけ書かせてもらいます。


この日、私の中のフォズの代表曲3曲
「黒点」
「GENERATeR」
「LOVE」が
いっしょに聞けたことは本当にうれしかったし、幸せでした。

幸せすぎて、録画せずにその世界に入り込んでいました。

特に「黒点」と「GENERATeR」は私の中のフォズロックの中のフォズロックなのです。

「黒点」は渡會さんが初心に戻るというような事をいわれていたように記憶してます。
私にとっても出会いの曲だし、やっぱりナンバーワンの曲です。
無人島にフォズの曲を5曲だけ持っていけるというのなら
「黒点」「GENERATeR」「LOVE」「ベーコンエッグとシェービングヒーロー」「音楽」
が今現在の私の選曲です。

「GENERATeR」ではギターを下ろして、渡會さんはダイブを会場にしました。
マイクだけでうたいまくる彼を見るのも初めてな気がします。
それがすっごくかっこいいというか、まさにロックシンガーで
「見たかった!そんなロッカーを見たかった!感情がもう溢れ過ぎちゃって
もう飛び込むしか無いだろう!っていうロックンローラーを」
って思いました。竹尾さんも菅野さんも武並さんも
もうグワングワンに

We are the rock'n roll band!(俺たちはロックンロールバンドだ!)

になっていました。


この日はU-22に選ばれたBURNOUT SYNDROMESがオープニングアクトでしたが
彼らはかなりレベルが高かったです。

3人組なのですが、それぞれの役割をきっちりと担って
ロックをしっかり表現していて、そこに既存のロックに頼らず
自分たちで作り出すぞという気合いみたいなものも感じました。

よく好きなバンドのイベント見に行くときに混じっている
対バンのインディーズバンドの中に「あ~つまんない」って
いうのがあって、損したみたいな感じを抱くことがあるのですが
今回はその反対で、すごく得した!って感じがしました。

フレッシュ感とロック感と未来感満載でした。

まあ、これは独断と偏見丸出しですが
ボーカルの彼のギターの弾き方がエルレ時代の細美さんに
似てて、なんか「ぐっ」と来るものがありました。
かぶっている帽子もそれを思い出したり。

まあ、彼がエルレ聞いてたか細美氏が好きかどうかは
知りませんけれど。

でも、私は見ていて、ごめんなさい、思い出してちょっとセンチメンタルに
なりました。あの頃の彼はもう戻って来そうにないですもの。
あと声の感じは昔インディーズでがんばっていた
Jonny Aceのボーカルさんに似ていました。
歌の雰囲気もちょっと似てたかも。

これからがすごく期待されるバンドです。
フォズが発掘したダイヤモンドの原石かもしれませんね。


対バンのecosystemさんはFM802のヘビロテで
流れていた曲もやってくれました。
女性3人と男性1人というおもしろい編成のバンドでした。
どちらかというとアニソンのイメージの曲調でした。
実際アニメの主題歌とかありましたし。

結構男性が好きになるバンドかもしれないですね。

私は正直「よくわからない」バンドでした。
歌唱力や演奏力はすごいと思いますけれどね。
どこかで聴いた感じの曲ばかりでしたので。
(年重ねてるとどうもそういういらぬ情報の蓄えがあるので
許して下さいね。)
で、関西出身のバンドにありがちな
「私は関西人だ!」を強調するボーカルさんでありました。
フォズのことを「おっさん、おっさん」と強調してましたし。
竹尾さんはふつうなら「おっさん」といわれたら怒りそうですが
エコのどなたかにシャツのアイロンをかけてもらったそうなので
今回は大丈夫なようです(笑)

以前、フォズと対バンしたカミナリグモさんの上野さんのように
超大阪の岸和田出身なのにその雰囲気がない人の方が
なんか好きだったりします。どんなところでも個をしっかり持って
なにかに頼らない姿勢あるいは環境に左右されない人が好きです。

さて今回の大阪でのライブを見て、
こんなにも男性ファンが増えたんだと改めて思いました。
だから渡會さんもダイブすることができたのかなと思います。

渡會さんがMCで「自分たちを信じて来てよかった」というような
事をいわれていましたが、私たちもフォズトーンを信じて来てよかったと
このライブを見て思いました。

みんながどれだけ楽しそうに会場を揺らしていたことか!
すべての曲を何十回あるいは何百回と聞いてここに来ているファンたち!

一曲一曲の冒頭からラストまでをこよなく愛して
こよなく体と心に刻み付けてそこにいるファンを
彼らは心から愛してくれるのでしょうか?
誰それと分け隔てなく区別なく。

私はそういうバンドだと信じています。

フォズのライブのグッズに「ジャFoニカ学習帳」なるタイトルの
「ひきがたり」本があり、もちろん買いました。

ほんとこういったら渡會さんに怒られそうですが
自分の小学生の頃を思い出しました。

私には大親友がいて、その子とそれぞれに
「ジャポニカ学習帳」の無地を買って
そこにいろんなページをイラストとか
文字とかを使って、楽しめるノートなるものを
作って交換して遊んでいたのです。

色塗りができるページだったり
怖い話が書かれているページだったり

それを思い出しちゃいました。
すっかり忘れていたのですけれど。

学校に対して思い入れがある人なんだなと
改めて渡會さんに感じる「ひきがたり」本です。
イラストとか最高です!

もう何年も放ったらかしにしているギターを
引っ張りだして、弾いていこうと思っています。
すごく丁寧に解説されているし、
わかりやすく書かれていて
本当に日本一の
いや世界一の
いいえ宇宙一の「ひきがたり」本です!

ベーコンエッグとシェービングヒーローも入っていたので
もううれしくて、うれしくて!
絶対に弾くぞ~!って

Tシャツもいい感じで、今年のサマソニに
着ていこうと思っています。
サマソニでフォズのファンの方がいたら
声かけてくださいね!

他にもまだ書きたいことはいっぱいありますが
まだツアー中なので
どこまで書いていいのかわかりませんので
また改めて書くかもしれません。


最後にまったくこのライブと関係ありませんが
映像やライブで何度も竹尾さんを見るうちに
誰かに似てると思っていたら
(よくいわれる嵐の二宮くんじゃないですよ!)
スウェードのボーカルのブレッド・アンダーソンに似てるって
最近思いました。

私はブレッドをサマソニで見たことありますが
ほんと美形な人でした。








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岩崎慧ソロワンマンライブat Kyoto Sole Cafe

2012年07月01日 | セカイイチ
6月30日(土)晴のち雨

でも岩崎慧さんは雨をかわして忍者のように
歩いたのかこれっぽっちも雨に濡れなかったとご報告有り

私は珍しく車で送ってもらったので
それほど濡れることなく無事Sole Cafeへ。

実のところチケットはキャンセル待ちな人でした。
日々忙し過ぎて気がついた時にはチケットが......
でも、キャンセル待ちしてたら
「キャンセルが出ました。」とご連絡いただき
無事飛び込めました!
最後の一人に。


このところ「私もう終わっちゃうかも」っていうぐらい
頭ぐらぐら体ボロボロな毎日でした。
夜ご飯も食べずにシャワーだけ浴びて寝るような
忙しい日々でした。
仕事しながらなんか「泣きそう」になることも。


それで昨日も仕事で遅くて頭がずっと痛かったんだけれど
今日も朝起きたらまだ痛くてどうしようって思いつつも
「岩崎さんのライブだ。」と思うと少しずつ気持ちが上がって来たのです。

でも、Sole Cafeについた時はまだ頭痛がするので
いつものように大好きなSole Cafeのカフェオーレを飲むと
少しましになったような気もしました。

が、岩崎さんが登場し一曲目を歌い始めたとたんに
まるで魔法がかかったように
ベールかなんかをふわっとかけられたように
その頭痛も体のしんどさも一気にす~っと
どこかへ行ってしまったのです。

なくなりかけたエネルギーが
ぐうっとまたフルになっていくような
感覚を覚えました。

セットリストはインディーズの頃の曲もあるし
あとで思い出しているので順番もあやふやです。
どなたかもし「違うよ」っていう場合は教えて下さいね!

Touch My Head
Daylight
エイリアン
石コロブ
ウクライナ
アンテナ
美しき遠吠え
(ミイラ...少し)
ベンチ
空に星がきれい(斎藤和義カバー)
そして僕は途方に暮れる(大澤誉志幸カバー)
快楽主義者
RAIN/THAT/ SOMETHING
最初のうた
バンドマン

EN1) フォーク
EN2) ハローグッバイ


私とセカイイチの最初の出会いの曲が「石コロブ」
この曲と出会った時の気持ちはこのブログの
カテゴリーの「セカイイチ」の最初のところを見てもらったら
わかると思います。

が、本格的にセカイイチと出会うには結構時間がかかりました。
でも、今こうして歌が深くなった岩崎さんと
出会えたのがよかったのかもしれません。

まあ、私もその頃だとまだずっと若かったのですけれど(笑)

そんな出会いの曲をやってもらえて
どんなに幸せだったことか。

そして出会いの曲はいつでもナンバーワンなのです。
私にとっては。

ローリングストーンって勝手に頭の中で変換する曲です。

「エイリアン」と「最初のうた」は今日買ったCDの中に
入っている曲で、また折りをみてこのCDについても
書きたいなと思っています。


4曲を演奏されたあとにリクエストをなんでも
受け付けるということで4人の方が手をあげて
リクエストされました。

それが
「ウクライナ」から「ベンチ」までの4曲です。

ほんとうは「ミイラ」だったのですが、それは
かなりの年数やっていないとうことで少しだけ
歌われるだけということになり、そのかわりに
「ベンチ」が歌われました。

「ミイラ」ってもちろん初めて聴くのですが
少しだけ聴いても胸に響きました。

ふとアメージングストーリーを思い出したのは
私だけかもしれませんが。

「アンテナ」とか「美しき遠吠え」とか
生で聞けるなんて思ってなかったので
ほんとうにうれしかったです。

斎藤和義氏のカバーは
慧さんが16歳ぐらいの頃に
家の近くか裏手にあるトンネルの中で
ナチュラルエコーを響かせて思いっきり
歌った思い出の曲ということでした。

警察官に何度か注意されたそうです。
「君の声大きい。」って

そうそう最初の方のMCでは
コバエを飼ったという話。
そのコバエの名前がプーちゃん。
笑えました(笑)


会場に「変わったもの飼った人いますか?」っていう
質問に答える人はいませんでしたが、

変わっているかどうかはわかりませんが
蛍をインスタントコーヒーの瓶にいれて
飼ってたことがあります。
春樹風に(笑)

緑色の光はほんとうに夜中まばゆく光りました。


話がそれたので戻しますが
あと京都のタクシーの運転手さんの話も
おもしろかったです。

「~です~~~。」って最後をのばす
甲高い声の運転手さんの。

「僕声変わりなかったんです~~~。」っていうオチの。

カバー曲を歌うといわれた時
私はなぜか洋楽かと思ってしまいましたが
今回は日本の歌でした。

斎藤和義さんの曲はあとで「あ~あれだったのか」と
わかったものの彼の曲をすべて知るほどのファンでも
ないので、最初はわからなかったのですが
次にされた大沢誉志幸さんの「そして僕は途方にくれる」
を歌い始められた時、私はどれほど驚き、そして
感動したことか。


この世界にそして今まで生まれて来た楽曲はどれほど
たくさんあるかわかりません。もちろん私が生まれる前からの
曲もすべて含めて。

その中で。
その中でですよ!

私が人生の中でも95年ぐらいからしか日本の音楽を
ほとんど聞かなかった人がですよ。
サザンぐらいしか知らなかった人がですよ。
片手の手で数えるほどしかいなかった
好きなシンガーの一曲をですよ。

この日
岩崎慧さんがカバーして下さったのです!

実はこの曲のタイトルがあまりに気に入り過ぎて
作文の題名に使っちゃったぐらいの思い出曲なのです。

もちろん歌も最高だし、
イントロからもうこの曲ってわかっちゃうほど
イントロも好きなのです。

ですから、このイントロを慧さんが弾き始めた時に
「え!まさか?え!まさか?」って
内心「きゃ~!」の世界でした(笑)

彼の思い出深い「空に星が奇麗」のあとに
私の思い出深い「そして僕は途方にくれる」がくるなんて


もしかして岩崎さんにも何か思い出があるのでしょうか?

ラストの曲の時に慧さんは
メンバーの色々な活動の事に触れ
そんな中でも自分はソロのライブでも
いつもバンドへの敬意を払って
ラストにはバンドの曲をやります!と
「バンドマン」を歌ってくれました。

この曲ほんとうに素晴らしい曲ですし
慧さんがどれほど「セカイイチ」を大事に
思っているかもわかります。

アンコールはまず
ヘヴィメタをやるとかいいつつ
「フォーク」をやってくれました。
そして、間でディープパープルの有名なあの曲をチラ程度に
弾いてくれて、この分野は中内さんが得意ということで
慧さんはこちらが専門という風にある曲を弾いてくれましたが
私もどの曲かと頭の中の音楽ライブラリーが見つけるまもなく
わからずじまいでしたが、誰の曲だったのでしょう?

でも、フォークが聞けてうれしかった。

2回目のアンコールでは
「ハローグッバイ」が聞けました。
タイトルだけ見るとビートルズ思い出しますが。


あと、アコースティックライブって座って歌うものって
思ってたら、彼はずっと立って2本のマイクを立てて
歌われました。BOSSのエフェクターだったかで
リバーブして歌ってくれた時はすごいな~って思いました。
最初に歌うときにテンポとかリズムが一定じゃないと
あとで歌を重ねるときに狂ってくるもの。


チューナーはBOSSのTU-3というクロマチック・チューナーだったような...
(不確かな記憶なので)


ライブ終了後CD販売がありました。

そのCDのタイトルが「Quartier Latin」(カルチェラタン)

私が興味をもったのがそのCDの入っていた油紙。
いわゆるパラフィン紙です。

フランスではサカナとかをパラフィン紙で包んで
市場とかでは渡されるようです。
それをイメージして、おそらくフレッシュなCDという
「これ録りたてだよお~!」的な感じかなと。

カルチェラタンはソルボンヌ大学のあるところで
いわゆるアカデミックな地域。

おしゃれな学生たちがカフェで勉強してたりします。
私が留学してた時に仲良くなったフランス人の子が
ソルボンヌ大学の子で大学内に連れて行ってもらったことがあります。

すっかり忘れていたのですが、このCDを見たときに
ふわっとその光景が蘇って来ました。

そんな感じでサインも握手もしていただいて
私はなんかすごい時間をかけて
時間を泳いで、一瞬だったけれど
あの「石コロブ」の歌うたいさんと
こうして繋がれたことを本当に幸せに思いました。

この世界でこんなに人がたくさんいるのに
その中でこうして握手をしてその存在を確認できるなんて
奇跡のような気がします。

そんなチャンスはもう来ないかもしれないけれど
これからも音楽はずっと聞いていくわけで
この日のことは忘れないと思います。

そしてフランスのことを思い出すときに
この日から岩崎さんのことを思い出すでしょう。


なんだかまたフランスに行きたくなってきました。

別にブランドものを買うとかには興味はなくて
あのフランスの田園やカフェや海が見たくなりました。

と岩崎さんはいろいろなものを置いていってくださいました。

私の眠っていた思い出を引き出す魔法とか。

ありがとうございました☆






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