mukan's blog

つれづれなるままに ひぐらしPCにむかいて

緑濃い岩山、筑波山

2024-06-06 20:37:57 | 日記
 今日は雨が降らないとわかり、早朝に起きて車で筑波山に向かった。なんと1時間半で登山口の駐車場に着いた。8時前だったから、駐車場の窓口も開いていない。もちろんそういうときは、帰りにチケットを生産する方法を説明している。
 トイレを借りて歩き始める。7時41分。以前、双耳峰の男体山側から登り、女体山に下ったことがあった。そのとき、たくさんの幼稚園児が登ってくるのと出会い、達者だなあと感心すると共に、泣きながら登っている子もいて、付き添いの方が「泣いてもいいよ、頑張ろう」と励ましているのが、何とも微笑ましかった。そのルートを、今回は歩こうというわけ。
 外見では樹林に蔽われた緑濃い山なのだが、登り始めてみると、岩山だとわかる。関東平野の北東部にぽつんと姿を見せている筑波山は、たぶん、盛り上がった大地が何万年も掛けて雨風に削り取られ、それが流れて堆積し、平らかになって関東平野をつくったのであろうが、筑波山が頑として残ったのは岩山だったからと推察するに十分な様子を登山道に残している。「奇岩怪石」と表示にもある。ときにはその岩の間をくぐるように道が付いている。登り初めのところで、一人の女性が先行し、小学生を連れた父子が追い越していった。女性はすぐに休んでいるところを私が追い越すことになったが、父子はほぼ視野に入る前を歩き、奇岩怪石を楽しみながら登っているのがわかった。
 上から降りてくる人たちが何組かいた。聞くと6時頃から登り、すぐに下山しているという。朝の散歩という感じのご夫婦、トレイルランニングの二人連れや単独行。下の駐車場は9時に料金徴収が始まるようだから、それ以前に出払うのかもしれない。私はストックをついて呼吸を整え、休まず歩く歩調。鎖が張ってあり、それを摑んで上がると、女体神社の社務所に着いた。えっ、こんなに早く? と一瞬訝った。上りのコースタイムは、1時間半なのに、まだ1時間5分しか経っていない。
 だが、間違いなく、女体山の山頂であった。一人私を追い越して登ったアラカンの男性は、地元の方らしく、小学生に出遭わなくていいように、今登っていると話す。彼自身、子どもの頃から何度も遠足などでここを歩いたという。特にこの季節ね、と六月の、雨の落ちない日が子どもの隊列ラッシュだと笑って、神社に参拝し、下っていった。
 やはり鬱蒼と木の茂る山頂を西へ歩いて男体山の方へ向かう。向こうから来た女性は裏側の薬王院ルートを上ってきたそうだ。すでに2時間半はかかっているのではなかろうか。やはり6時台に出発したと思われる。男体山の9合目になろうか、拾い御幸ヶ原に到着する。先行した父子も、まだ空いていないレストラン前の椅子に座って、休んでいる。山頂へは、これからだそうだ。
 私は、ここから男体山の山体の9合目から8合目をぐるりと回る「自然研究路」を経巡ることにする。それのコースタイムが65分。ここには、鳥、草花、木の花、昆虫、植生などなど説明看板とルート表示が設置されている。何カ所かには、東屋も設けられ、テーブルとベンチが置かれている。ホトトギスがすぐ間近で声を立てる。たしかに特許許可局と言っている。歩きながらトッキョキョカキョクと口にしてみるが、巧く声にならない。ははは。ホトトギスは若いんだね、あんなに早口なのは。
 自然研究路の迂回路は、途中から男体山の山頂へ行くようになっている。それに遵って登る。すぐに大きな社に着き、その片隅に「男体山山頂」と掲示板がある。山頂はおまけのようなものだ。
 御幸ヶ原に戻って、ベンチに座り、弁当を広げる。まだ10時少し過ぎ。10時25分に下山にかかる。下りは階段が五月蠅いと、女体神社で出会った地元アラカンは話していた.たしかにそうだが、ヒトが設えた階段だけでなく、石も木の根も皆、階段状になって登下校に使われている。岩を下るとき、ストックが威力を発揮する。つまり私の身体のバランスが凄く崩れているのだ。ストックなしではもう、歩けないのかもしれない。夏の槍ヶ岳裏銀座コースを思い浮かべて、慎重に下る。若い人が数人、追い越して下っていった。しかしそれ以上に登ってくる人が多い。ケーブルカーに沿って下山道があるはずだが、ケーブルカーは見えないし、その走る音も聞こえない。それくらい、樹木に蔽われてどっしりと筑波山は鎮座している。
 麓の筑波神社に着くのに、65分かかった。コースタイムより10分早いくらいだ。一人男性が、足を引きずるように下っている。聞くと、岩場で転んで背中と尻を強く打ったという。背中が痛いというので、私の湿布薬を張ってあげる。リュックが随分傷ついている。ああ、これがクッションになったんだねと話す。
 そこから、登り口の駐車場に戻る筑波山の麓の山中を回る道を、お店の人に聞いて、そちらへ向かう。降り始めの頃に私を追い越していった若い人が歩いている。彼は膝が痛み始めて、ゆっくりしか歩けなくなったという。挨拶をして、先行する。向こうからやってくる、数組、5,6人とすれ違う。このルートも、標高でいうと300mくらい上るようになるが、快適な樹林の道。
 今日は一日筑波山の緑に包まれていた山歩きであった。


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