mukan's blog

つれづれなるままに ひぐらしPCにむかいて

自信がない根拠

2024-05-20 08:43:47 | 日記
 昨日(5/19)扇山へ行った。70歳の頃に冬、鳥沢駅から扇山に上り、百藏山へ縦走して猿橋駅に下る縦走を、山の会を人たちを案内して行ったこともあった。7時間ほどのコース。でもリハビリ登山を称している今は、その自信がない。ま、扇山へ登ってから考えてもいいかと思って歩き始めた。鳥沢駅8時7分。
 同じ電車で降りた二人連れの女性を追い越す。
「ツツジは終わっていますかね」と声をかけられ、「どうでしょう、今年は暖かいから」と返して先行した。十年前に歩いたルートはすっかり忘れている。
 ボーッと歩いていて道を間違えていることに気づいたのは、梨の木バス停を過ぎてから。北へ行く道を見過ごして、砂利の林道を進んでしまった。気づいたときにスマホに読み込んだ地図を見ると、左の細い道を上ると少し先に東側から山頂へ向かうルートがあることが分かり、そちらへ踏み込む。良かった。ほとんど時間のロスをすることなく、下山に予定していたルートから登ることになった。結構急斜面だが、道は広くよく踏まれている。歩き始めて2時間ほど経っていたろうか、山頂まで30分ほどという三境を過ぎた辺りに、「ツツジ群落地」と看板があった。まわりはツツジの木が緑の葉を付け、いかにも五月の青い山の風情。少し遠方に煉瓦色の花が見える。やあ、あった、あった。ヤマツツジだ。わずかだが、せっかくこの季節に登ってきた来訪客に見せようと残っていたみたい。
 あと少しと思って斜面を践むとき、大臀筋に違和感が生まれた。おおっ、これが痛むようになると下山も辛くなると思った。百藏山への縦走をやめると、上りながら考えていた。
 山頂に着いたのは10時30分。西側を回り込む道より15分ほど早く着いている。上空に雲を戴いた富士山が霞むように姿を見せている。先週、岩殿山からみた富士山は5合目ほどまで雪に蔽われくっきりとしていたのに、今週の富士山の雪は8合目ほどまでしかない。その下は崩れた溝に溜まる雪が白くを尾引くように残る。そうか先週は真夏日に迫る日が何日かあったなと思う。山頂部は雲とくっついて境目の見極めが付かない。手前の針葉樹が色濃いので、ちょっと目を離すと、あれれ、富士山は何処へ行ったかなと思うほど影が薄い。
 早いがお昼にしていると、道を迷う辺りまで後ろから来ていた二人連れの女性が登ってきた。彼女らの歩行が、ちょうどコースタームだ。
「早いですね」
「東側から登ったので・・・」
 と、あたかも意図して道を違えたかのように口にした。他にぱらぱらと3人ほどが登ってきて、あっ、見える見える。富士山が見えたことを喜んでいた。
 ゆっくりとお昼を済ませ、東側ルートから鳥沢駅へ向かうことにした。コースタイムは2時間。13時前に駅につける。13時22分に上り電車があるはず。ちょどいい。
 迷い道から合流した地点までの急斜面の広い道は、上り1時間ほど。だが下山は引力に引かれるままトントンと脚を小刻みに踏んで30分ほどで下ってきた。走ったわけではない。煉瓦色に咲いたツツジの株を、道のすぐ脇に二本も見つけた。上りのときには目にも入らなかったのに、と思う。マルバウツギも沢山花をつけて咲いている。密集する葉の中央部が明るく色づいているからネコノメソウかと思ったが、帰宅して師匠に聞くと、いやこれはネコノメソウではない、ノカラマツのようだけどワカラナイと洗濯物を干す手を止めてモニターを覗き込み、植物図鑑を指さして自分で調べろという風情。植物にも目を配りカメラにおさめる程度の歩度であった。
 合流点から谷に降り立ち、ゴロゴロした石と折れた枝葉の塞ぐような道を践んで向こうの尾根筋の山腹をトラバースするように下ってゆくと民家のある舗装路に出た。スマホの地図はGPSの現在地を写し出し、迷うことのない方向を示している。車道に出て正面に見えたのは大きなホオノキ。点々と花が咲いている。大きな手を広げるようなホオ葉の中央に9枚の白い花びらを開き、つくしのような雌蕊をたてて、なかなか立派である。
 大月エコの里と名付けた果樹と農園とカフェが設えられた住宅園地の脇を抜け、「鳥沢駅近道」へ踏み込み、下方に中央高速道が見える頃、「甲州街道」の表示も出て駅に近いとわかる。駅まであと1キロくらいかと思う頃、大臀筋が痛みを起こす。その痛みが身体に沿って上へのぼる。痛みはまだ柔らかいが腰へとつながっていくよう。そのままにしておくと腰痛になるなあと思った。
 ストックをついて痛みが腰へ行かないよう用心しながら歩いて駅に着いたのは12時35分。歩き始めてほぼ4時間半。55分と思っていた電車が42分に来るとわかり、すぐにホームに向かう。階段を上るときに左大臀筋の痛みは本格的になった。電車の座席に座ったのが幸いして、その後は東浦和駅の降り立つまで、痛みは忘れていた。だがそこから家までの1キロほどのあいだに痛みはぶり返し、ようやっとの態で帰り着いた。14時半。
 汗も搔いた。痛みを和らげるにはシップするのが一番か。すぐに風呂を沸かし、汗を流し、湯船にゆっくり浸かって疲れをほぐす。湯船の中で、風呂上がりのビールのつまみを何にするか考える。そうだ、新タマネギをスライスしておかかを掛け醤油味か。いいねと、手軽さを勘案してつくる。缶ビールをグラスに注ぐ。おや、新タマネギが辛くない。
 スマホの歩行計をみると、26266歩。19.4km。4時間16分の歩行時間とあった。腰の痛みも消えて、今日は歩いたなという感触が心地よい。

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