mukan's blog

つれづれなるままに ひぐらしPCにむかいて

雲の中の赤鞍ヶ岳・菜畑山

2015-11-11 21:11:14 | 日記

 今日は全国的な快晴と聞いて、山へ向かった。夜中に聞こえた雨音が気になったが、早朝には止み、どんよりとした厚い雲が空一面を覆ってはいたが、(たぶん)千メートルから下は見通しも悪くない。遠望は利かないかもしれない。ま、ま、紅葉を愉しむ分には悪くなかろうと、車を運転する。

 

 向かう先は道志村役場。東西に走る中央線を挟むように、北には高尾・陣馬の山々から大菩薩の山までが、南には相模湖南の石老山から大月の九鬼山へとつづく1000m級の山並みが連なる。その、さらに南に立ちあがって1000mを超える山並みを富士山の北側を囲むようにまで延ばしているのが、道志山塊である。今日の、赤鞍ヶ岳1299mは、その山塊の東端の方に位置する盟主である。道志村役場のすぐ近くに登山口がある。その先の道を抜けると山中湖に出る。

 

 8時には役場の脇にある消防署前の駐車場に車を止める。地図に示す登山口を覗いてみるが、民家の裏山に入り込むようになってわからない。駐車場にやってきた若い人に聞くと「そちらの登山道は崩落していて通行できなくなっています。どこから登るか、ちょっと聞いてきます。」と消防署に駆け込む。署員であった。やがて先輩らしき人と一緒に降りてきて、少し先へ行ったところの登山口を教えてくれる。併せて車の駐車場所も右の方へずらすように指示する。後ろへ止められると出られなくなることを気遣ったのであろう。

 

 登山開始のメールをカミサンに送る。標高は600m。今日の最高峰1299mまで700mの標高差を登り、稜線沿いに西へぐるりと回って降る、5時間半のコース。林道の突当りにシカ柵がある。それを開けまた閉めて、歩きはじめる。「←朝日山」という表示と「←赤鞍ヶ岳」という表示が並んで、同じ方を指している。国土地理院の地図では「赤鞍ヶ岳1299」とあり、昭文社の地図では「朝日山(赤鞍ヶ岳)1299」とある。じつは昭文社地図には「赤鞍ヶ岳」がもう一つある。「朝日山」の東1kmくらいのところに「1257」の標高を持っている。どちらかが「現地名」なのだが、国土地理院が記名したのが力を持ってしまって、「朝日山」が陰に回ったような気がする。振り返ると、南にある丹沢山塊が空一面を覆う雲の下にみえる。あちらも1200、1300mの標高を持つから、雲がそれよりちょっと高いだけなのだろう。むろん富士山は見えない。

 

 稜線に登り、斜面は急登になる。順調に高度を稼ぐ。1時間で450m登っている。高度1000mまではヒノキの林。下草も生えないほどに日陰が厚い。それを過ぎるとミズナラの林になる。そこからの高度差100mくらいが岩もある急斜面で、落ち葉も降り積もってすべりやすい。体調を推し量りながら、ゆっくり歩を進める。コースタイムでは赤鞍ヶ岳まで2時間15分のところを、1時間半で登った。いつもの「登り調子」に乗っている。山頂は雲の中。いつしかブナの林に代わっている。

 

 ここからの稜線歩きは、100mとか150m降っては100mほど登るというアップダウン。急下降もあるが、雲の中だから、足の運びは速い。コースタイム1時間10分のブドウ岩の頭へは55分。やはり少し草臥れてきたのか、ペースが若干遅くなっている。ここでお昼にする。周りは樹林ばかり。遠望どころか雲の中。汗をかいてはいるが、今日冷えるとの予報があったので、カッターシャツではなく、防寒の利く化繊の上着。首までチャックを閉めるとそれだけで温かい。ココアを入れて体を温める。パンを一つ食べただけで、十分という感じ。

 

 ここから200m降って250m登る菜畑山までの1時間を50分、いいペースだ。山頂では富士山も見えない。向かいの山の山体が色づいて、揺蕩う雲間を彩る。背の高いカヤトの藪を少し抜けると、思いのほか早く下山路の分岐に出る。林道を回る手もあったが、国土地理院地図にある登山路を下る。といっても、踏む人が少なく、地形図の直降ルートを急斜面だが、降る。落ち葉がまるで雪のようにふかふかとしていて、心地よく降りることができる。ポンと林道に出た。「←大久保」の標示に従って林道から登山路に、また踏み入る。ここから和出村バス停に出る道を取らずにさらに登山口に近い道路へ出る巻き道をたどったのが、手間を食った。和出村に出ればコースタイム45分のところ、戸渡バス停に出て1時間ほどかかった。むろんバス道路を歩かない分だけ、差っ引けば歩行時間に違いはないが、ほぼ等高線を延々と巻いて歩くのは、あまり面白いコースではない。1時31分下山。行動時間は5時間。途中誰にも合わなかった。

 

 道路も渋滞せず、気持ちよく帰ってきた。