北の風に吹かれて~独り漫遊記~

町歩きを中心に、日々の出来事を綴ります。 
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精進河畔公園

2021-10-27 19:59:16 | 札幌

 

豊平区中の島にある「精進河畔公園」。

以前から行ってみようと思っていたところ、自宅から遠いこともあってなかなか足が向かなかったところ、近くまで行く機会があったので、立ち寄ってみました。

 

 

「精進川(しょうじんがわ)」という川については、以前、南区澄川の記事で触れたことがありますが、表示板にあるとおり、アイヌ語の「オ・ソ(ショ)・ウシ(川尻に滝がある)」が転訛して「お精進」→「精進」になったという説があります。

 

 

こちらの地図を拡大していただくと、現在の豊平川との位置関係が分かりますが、かつて、現在のこの公園がある位置を流れていた精進川は、豊平川の分流の一つでした。

それが、昭和初期の豊平川の築堤工事によって分流が遮断され、現在のような位置関係になっています。

 

 

現在の精進川の流れは、上の地図の水色の線ですが、かつては、赤で囲んだ部分に、豊平川の流路があって精進川に繋がっており、その当時は、川幅が実に20mもあり、現在の南区定山渓で切り出した材木をイカダにして、札幌市中心部まで運ぶための水路として活用されていたそうです。

 

 

 

この付近はリンゴ栽培が盛んに行われていた地区でしたが、表示板にあるとおり、冬の間は、沼に張った天然氷を切り出して搬出するということで、人々が生計を立てていたそうです。

 

 

 

これが、かつて氷を切り出していたという池。

少し濁っているようにも見えますが、かつては澄んだ水から綺麗な氷が取れていたということなのでしょうかね。

 

 

 

 

園内は散策路が整備され、散策しながら澄んだ川の流れを見ることができます。

 

 

途中にある急な崖。

この高低差は、今から1万年前から5000年前にかけて、扇状地だったこの周辺において、豊平川の流れによって周囲の土砂が削り取られたことでできたものとされています。

写真の奥が豊平区平岸で、手前が公園のある中の島ですが、写真のような崖のことを、アイヌ語で「ピラ」といい、現在の「豊平」や「平岸」の地名の由来になっていますが、「崖」が由来であるにも関わらず、真逆の意味である「平」という字を充てていたというのが、何とも興味深いところです。

 

 

公園の側を走る幹線道路。

坂道になっていますが、この高低差ができた理由も、先程と同じ、扇状地が豊平川の流れによって削り取られたということになります。

 

 

 

 

 

ここからは、川の澄んだ流れを横目にしながら散策。

 

 

 

肝心の由来の部分がこのように汚されています。

大変残念なことです。

 

 

 

公園の一角には、小さいけれど、このような崖があり、訪れる人々の目を楽しませてくれます。

現在、周辺は住宅地として開発されていますが、そうした雰囲気を離れ、ゆったりと自然散策を楽しむには、絶好の場所と言えると思います。


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