自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

★たかが蒲鉾、されど蒲鉾 ウナギかば焼やカニ脚「代替食品」は進化する

2024年07月28日 | ⇒ドキュメント回廊

  華々しい開幕式のパリオリンピックだったが、騒動もあったようだ。メディア各社の報道によると、水上パレードで入場した韓国の選手団を、現場のアナウンスが英語とフランス語で「朝鮮民主主義人民共和国」と言い間違えて紹介した。韓国政府はIOCに対し遺憾の意を表明。これを受け、IOCのバッハ会長は韓国のユン・ソンニョル大統領に電話し、直接謝罪したようだ。対立が深まる両国だけに重大なミスと判断したのだろう。

  話は変わる。きのう近所のスーパ-に行くと、久しぶりに「うな蒲ちゃん」を見つけた。ウナギのかば焼きもどきの蒲鉾なのだが、「土用の丑の日」の特設コーナーで本物のかば焼きと並んで販売されていた。水産加工会社「スギヨ」の商品だ。スギヨは能登を代表する企業の一つでもある。うな蒲ちゃんを手にして、能登の復興の兆しを感じた。

  能登半島の中ほどにある七尾市に主力工場があり、元日の能登半島地震で工場の稼働はストップしていた。スギヨの代表的な商品と言えば、カニ風味の蒲鉾、通称「カニカマ」なのだが、スーパーの売り場から消えていた。再びカニカマが並んだのは3月下旬ごろだった。本物の香箱ガニの脚を再現した『香り箱』という商品は練り物のコーナーではなく、鮮魚コーナーで陳列されていた。

  そのとき、ふと思ったのが「うな蒲が並んでいない。ということは、工場の稼働はまだ道半ばなのだろうか」と。これまで売り場に何度か立ち寄ったが商品はなかった。そして、きのうようやく見つけた。おそらく、土用の丑の日をめがけて製造ラインの復旧に取り組んだのだろう。主力商品がようやくそろったことで、能登の復興の兆しを感じた次第。

  いわゆる代替食品は進化している。初めてカニカマを食べたのは高校生のときで、いまから50年ほど前だ。当時は「かにあし」という商品名で、細かく身をほぐしたような中身だった。いま販売されているようなカニの脚を模した標品ではなかった。味だけでなく、見た目も限りなく本物に近づいている。

  日本の消費者は本物ではないと知りながら代替食品に手を伸ばす。「マツタケの味、お吸い物」のCMもある。代替食品に違和感を持たない日本人、考えてみればこれも不思議な話ではある。

⇒28日(日)午後・金沢の天気   くもり


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