自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

☆人形は悲しからずや

2008年12月19日 | ⇒キャンパス見聞

 私のオフィスがある金沢大学創立五十周年記念館「角間の里」にけさ(19日)出勤すると、室内に異様な光景が広がっていた。おびただしい数の人形やぬいぐるみが並んでいたのである。「これ一体なに」。思わず叫んでしまった。

  女性スタッフの話では、記念館の入り口左側にある薪(まき)棚に置いてあった。45リットルのゴミ袋4つ分もである。今月13日にぬぐるみの入った袋の存在は確認されていたが、誰かまた取り戻しにくるかも知れないとしばらくそのままにしておいたというのだ。それから1週間近く経つので開封して並べてみたというわけだ。薪棚には木々が積まれているので、ちょっと見るとゴミの貯蔵場所に見える。そんな状況から捨てられたものと判断した。

  数えて見ると、抱き人形5、大きなもの14、小さいもの70、合計89個。プーさん人形やディズニーのキャラクターのぬいぐるみも。中にはタグシールがついたものもある。女児を持つスタッフの話では買うと数千円するものもあるとか。でも、なぜぬいぐるみは捨てられなければならなかったのか。金沢には有名な人形供養のお寺がある。愛着があるものでも不要になれば、そのお寺に持っていく人が多いのだが。

  年の瀬。経済不況を伝える殺伐としたニュースが日々流れる。おそらく、やむを得ずにこっそりと捨てられたものと想像する。というもの、女の子の名前が記されたぬいぐるみもいくつかあった。名前を消す余裕もなかったのだろう。ともあれ、このまま廃棄物として出すには忍びないと、女性スタッフたちは記念館の縁側に並べ=写真=、しばらく飾っておくことにした。

⇒19日(金)昼・金沢の天気   はれ


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