きょう(4日)参院選が公示され、立候補の受付が午後5時で締め切られた。報道によると、選挙区と比例代表合わせて370人が立候補した。夕刊の見出しをチェックすると、「安倍長期政権に審判」など政権に対する評価や消費税率引き上げの是非、それに年金制度や憲法改正などが争点だ=写真=。とにかく17日間の選挙戦に入った。
全国45の選挙区には74人の定員に対し215人が立候補。政党別では自民党49人 、立憲民主党20人、国民民主党14人、公明党7人、共産党14人、日本維新の会8人、社民党3人などの既成政党のほかに、れいわ新選組1人、安楽死制度を考える会9人、NHKから国民を守る党37人、オリーブの木6人、幸福実現党が9人、労働者党6人 、諸派1人、無所属31人などとなっている。面白いのは、争点を1つに絞った、いわゆるシングルイシューの政党が目立っていることだ。
NHKから国民を守る党は37人が立候補し、比例代表(定員50)にも4人が届け出ている。受信料を支払った人だけが視聴できるスクランブル放送化や受信料を払わない人を応援・サポートするとアピールしている政治団体だが、シングルイシューだからといって侮れない。先の東京都区議選(投開票4月21日)で17人が当選するなど、4月の統一地方選挙では立候補者47人のうち26人を当選させている。これで同党の地方議員は39人になった。単一論点を掲げる政党がこれほど議席を獲得するのは異例だろう。
同党が参院選に挑むのは初めてだ。気になるのが政見放送だ。参院比例代表選挙の政見放送を流すはNHKのみで、全国同一内容で放送する。選挙区選挙については都道府県ごとにそれぞれのNHKと民放が放送する。同党の立候補者たちが何を語るのかはシングルイシューなので想像がつくが、問題はどう語るのか、だ。指定されたスタジオでの収録なので、立候補者たちは持ち前のキャクターでどう語るのか。
今回、安楽死制度を考える会も9人を立候補させている。安楽死は、不治の病に陥った場合に本人の意思で、医師ら第三者が提供した致死薬で自らの死期を早める。オランダやスイスは安楽死を合法化しているが、日本では安楽死に関する法律はない。超高齢化社会を迎えて、自らの人生の質(QOL)を確認して最期を迎えたいという願いやニーズは確かにある。
参院選では立候補届け出の際の供託金が比例区が1人600万円、選挙区が1人300万円だ。一定の得票がないと没収される。令和最初の国政選挙だ。立候補者はそれぞれ「がっつり」と選挙戦を戦い、有権者のモチベーションを上げてほしい。投票行動へと走るように。
⇒4日(木)夜・金沢の天気 くもり
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