自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

★ラスベガス残像と金沢大学

2005年06月11日 | ⇒キャンパス見聞
  4年前の夏、家族旅行でアメリカのラスベガスを訪れた。灼熱の砂漠に「エンターテイメントの泉」が出現している。樹木より人の数が多い。その当時を思い出しながら、勤め先の金沢大学角間キャンパスはその対極にあるのではないかと想像をめぐらせたりしている。深緑の山里に「知の泉」である。

   ラスベガスにはギャンブルという仕掛けがある。人の欲望を最大限に引き出す装置である。同じように金沢大学には、教育・研究という仕掛けがある。人の知的欲求を最大限に引き出す装置だ。162万冊の蔵書がある図書館。1万8百人の学生が1日1冊読んだとしても半年はかかる膨大なライブラリーである。
                    ◇
   きのう(10日)金沢市内の保育園児50人が角間キャンパスに「散歩」にやってきた。迎えたのは保健学科の学生80人。キャンパスの中にある広葉樹の森を学生と保育園児が手をつないで散歩するのである。当初お互いドキドキしながら手をつないでいたが、山を下りるころには心が砕けた感じに、お弁当を広げるころ=写真=には随分と子供たちが懐いた感じになった。園児にとっては山を散歩するという経験、学生には園児をケアするという保育実習になった。

    お弁当を食べた築280年の再生古民家「角間の里」は130人もの園児と学生であふれた。1980年、白山麓の手取ダムで水没の運命にあったこの古民家は住民の手で救われた。そしてことし4月に金沢大学のキャンパスで再生された。その家の中を駆けっこする園児たちの歓声が響いた。何もないネバダ州の砂漠に出現した巨大ホテルで、ギャンブルに一喜一憂する観光客の喧騒と子供たちの歓声がダブった。

ラスベガスと日本の時差は夏場で16時間だ。当時、ちょっとした事情でラスベガスからアリゾナ州のグランドキャニオンへ足を伸ばすことができずに、そのままシアトル経由で関空に帰ってきた。もしグランドキャニオンに足を運んでいればまた別の感想になったかもしれない。テーマ設定の弱い、取り留めのないコラムになってしまった。

⇒11日(土)午前・金沢の天気 曇り
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