自在コラム

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☆北陸新幹線の敦賀延伸 どうする「乗り換え」ストレス

2023年09月21日 | ⇒ドキュメント回廊

   時間をうまく短縮することを「タイパ」、タイム・パフォーマンスとよく言われる。移動手段での最高のタイパは新幹線だろう。北陸新幹線の金沢・敦賀間が来年3月16日に開業する。ところが、金沢に住む一人として、関西と中京が少々遠くなった気もする。それは「乗り換え」という煩わしさ、ストレスだ。

   北陸新幹線の金沢・敦賀間の開業によるJR西日本の運行計画概要(8月30日付ニュースリリース)=図=によると、金沢と大阪方面を結ぶ特急「サンダーバード」、そして、名古屋方面を結ぶ特急「しらさぎ」は敦賀止まりとなる。金沢から北陸新幹線に乗って大阪に行く際は敦賀でサンダーバードに乗り換え、名古屋に行く際も敦賀でしらさぎに乗り換えになる。時間は短縮されるだろうが、これまで直行だった列車が、乗り換えとなると不便さを感じるのではないだろうか。もちろん、当初から予定されていたことであり、いまさら言うのも適切ではないかもしれない。

   この乗り換えによって、戸惑っているのは関西や中京の客が多い北陸の温泉街ではないだろうか。「関西の奥座敷」とも呼ばれる加賀温泉郷(山中、山代、片山津)へはサンダーバードやしらさぎで関西や中京と直行列車で結ばれているが、来年からは乗り換えの手間が客に煩わしさを感じさせるのではないだろうか。(※イラストは、敦賀市役所公式サイト「新幹線敦賀駅前広場のイメージ図を作成しました!」より)

   懸念を深めているのは能登半島の代表的な温泉地である七尾市の和倉温泉かもしれない。現在、1日1往復だけだが、サンダーバードが大阪駅から乗り入れている。来年3月からは、関西の客は敦賀で新幹線「つるぎ」に、金沢で特急「能登かがり火」にと2度の乗り換えとなる。JRでは能登かがり火について、1往復増やして5往復で対応するとしているものの、2度乗り換えで客側に時間や不便さを感じさせるのではないだろうか。一方で、温泉への旅の感覚では乗り換えはそれほど苦にはならないかもしれない。

   この乗り換え問題にJRはどう対処するのか。地元メディアによると、金沢駅では新幹線ホームに向かって横に移動する必要があるが、敦賀駅では3階にある新幹線駅の真下、1階に在来線特急が到着する。上下の移動だけでホームを移動できるため、乗り換え時間は5分ほど。この仕組みの実現のため、敦賀駅舎は整備新幹線では最も高い37㍍となった(2023年3月16日付・北陸中日新聞)。まさに12階建てのビルに匹敵する。
 
   京都・大阪方面への北陸新幹線の延伸計画は、2046年度に新大阪開業が予定されている。それまで、敦賀乗り換えは、出張するサラリーマンにストレスを与え続けることになるに違いない。折に触れて、このテーマを検証してみたい。
 
⇒21日(木)夜・金沢の天気    くもり

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