能登半島の中ほどにある石動山(せきどうざん、標高564㍍)がある。かつての山岳信仰の拠点の一つであり、最盛期の中世には院坊が360あり、衆徒3000人が修行を積んでいた伝えられ、国指定の史跡でもある。この時季、「石動山ユリ」が見ごろと聞いて、きのう訪れた。乗用車で山頂近くにある大宮坊の敷地まで行く。見るのは初めてだったが、まさに白い華麗な花だ=写真・上=。よく見るヤマユリよりも大きく、ひとつの花で25㌢ほどだろうか。茎は点在していて、1茎に12の花をつけているものもある。石動山ユリは、修験者たちの厳しい修行を見守っていた花なのだろう。
話は変わる。能登半島地震をめぐるフェィク情報の発信が問題となっている。地元メディア各社の報道によると、元日の地震が発生した3時間ほど後に、SNSのXで自宅が倒壊し家族が挟まれているので助けて欲しいと、被災者を装ったうその投稿を繰り返し、警察や消防、自衛隊の捜索活動の業務を妨害したとして、今月24日、埼玉県に住む25歳の会社員の男が偽計業務妨害の疑いで逮捕された。
警察は実際に投稿にあった住所の住宅にかけつけたが、住宅の被害は確認されなかた。その後、投稿を行ったアカウントについて捜査を進めていた。男は、報道で輪島市の被害を知り地図アプリで実際の住所を調べて投稿した供述しているという。能登半島地震でうその投稿をしたとして摘発されたのはこれが初めて。
逮捕のニュースを知って、熊本地震ときのフェイク情報を思い出した。2016年4月に熊本でマグニチュード7.0の地震が発生したとき、熊本市動植物園のライオンが逃げたと画像をつけて、当時ツイッターでデマを流したとして偽計業務妨害の疑いで神奈川県の男が逮捕された。災害時のデマで逮捕されるのは国内ではこれが初のケースだった。男は2017年3月に「反省している」として起訴猶予処分となった。(※写真・下は、ライオンが逃げたとの偽情報を拡散させた当時のツイッター)
以下は憶測だが、警察も災害時には、SNSでフェイク情報が出回ることを十分知っていただろう。しかし、「万が一」というケースもあるので、現地へ確認の意味を含めて出動せざるを得ない事情がある。熊本、そして能登での地震での偽情報をめぐる摘発は、警察による見せしめの意味が込められているのかもしれない。
⇒26日(金)午後・金沢の天気 くもり時々はれ
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