自在コラム

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☆「中国 人口減」は「一人っ子政策」のツケなのか

2023年01月18日 | ⇒ニュース走査

    最近のニュースで何かと中国が取り上げられている。きょうは「中国 人口減」の見出しが新聞一面のトップを飾っている=写真=。記事によると、中国の国家統計局は17日、2022年末時点の人口は14億1175万人で、前年から85万人減少したと発表した。人口減少は1961年以来、61年ぶりとなる。その主な要因は出生数の低下だ。2022年の出生数は956万人と、前年から107万人減少した。これは一時的な現象ではない。2014年の出生数は1904万人だったので、この8年間で1000万人近く減少したことになる。

   もともと中国は1979年から「一人っ子政策」をしいて人口抑制を図っていたが、2016年に2人目、2021年に3人目の出産を認めた。それでも少子化に歯止めがかからないようだ。長く続いた一人っ子政策によって、中国にはいろいろな現象が起きているのではないだろうか。

   2012年8月に中国の浙江省を訪れたときに、中国人の女性ガイドから聞いた話だ。当時、中国は地方でもマンション建設ラッシュだった。ガイド嬢に「なぜ地方でこんなにマンションが建っているのか、ニーズはあるのか」と尋ねた。すると、「日本でも結婚の3高があるように、中国でも女性の結婚条件があります」と。1つにマンション、2つに乗用車、そして3つ目が礼金、だと。礼金にもランクがあって、基本的にめでたい「8」の数字。つまり、8万元、18万元、88万元となる。こうした3高をそろえるとなると男性は大変、との話だった。

   その3高の背景には「一人っ子政策」がある。中国では、男子を尊ぶ価値観があり、性別判定検査で女子とわかったら人工中絶するケースが横行していた。その結果、出生の男子の比率は女子より高くなる。これが、結婚適齢期を迎えると、女性は引く手あまたとなり、3高をもたらす。一方で、男性は「剰男」(売れ残りの男)と称される結婚難が社会問題にもなっている。

   さらに、結婚した男女には「子は一人で十分」という考えが浸透している。日本では「若者の低欲望化」などと称されているが、中国でも物質的な満足ではなく、こだわりを重視するステージに入っている。その典型的な事例が「教育熱」だ。子どもの教育に時間と金をかけるので、「子は一人で十分」という発想になっていく。

   なので、政府から「どうぞ、自由に産んでください」と言われてもそう簡単ではない。さらに、「6つのポケットを持つ小皇帝」と呼ばれて育った人たち、つまり、両親と父方母方それぞれの祖父母の計6人にかわいがられて育った「一人っ子」たちが大人になって、今度は年老いた両親や祖父母の世話を背負うことの負担は重いに違いない。メディアでは報じられていないが、一人っ子政策に起因する問題は山積しているだろう。

⇒18日(水)夜・金沢の天気   くもり時々あめ


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