元日の能登半島地震からきょうで165日目。季節は移ろい、きょうも夏の日差しが照り付ける。気象庁によると、きのう12日は七尾市で32.8度、輪島市で32.7度、珠洲市で31.1度と能登は軒並み真夏日だった。避難所で生活をしている被災者の人たちにとってはまさに酷暑ではなかっただろうか。
石川県のまとめによると、被災地の体育館や公民館に身を寄せている1次避難者は1317人(6月11日時点)。長期化する避難生活に加え、この暑さが体にこたえるのではないだろうか。先日(今月6日)輪島市の被災地で倒壊した家屋で作業をしている中年夫妻らしき男女に、「たいへんですね」と声がけすると、「服を取り出しに来たんや」と男性から返事があった。それ以上は尋ねなかったが、2人はビニール袋に衣類を詰めていた。避難所あるいは仮設住宅に入ったときは冬服だったが、この暑さで半袖などの衣類を取り出しに来たようだった。それにしても、日照りの被災地で作業をしている人たちを見かけると、他人事ながら熱中症は大丈夫かとつい心配になる。(※写真は、輪島市の仮設住宅=6月4日撮影)
そして、避難所や仮設住宅で懸案となっているのが、「夜間熱中症」だ。昼間に壁や天井に蓄えられた熱が、夜になって室内に流れ込んで室温が上昇する。すると、寝ている間に熱中症になる。夜間熱中症は自分でも気づきにくく、かなり進行してから症状が出てくるので危険だ。このため、輪島市などの避難所では布団を軽い夏用布団に切り替えているようだ。
この時節、暑さとともに蚊やアブなどの虫が大量に発生する。山あいの避難所ではヤブ蚊に悩まされているのではないだろうか。虫よけスプレーは欠かせない。蚊などは虫が室内に次ぎ次ぎと入ってくるので戸を閉める。そうするとエアコンがないときつい。30人が身を寄せている輪島市の小学校の体育館では今月10日に県から支給されたエアコンが5台設置されたものの、配線の電気工事が間に合わず作動していない(6月12日付・メディア各社のニュース)。しばらく我慢の日が続く。
避難所での暑さ対策でもう一つ急がれているのが冷蔵庫の設置。この暑さでは、避難者に配られる弁当を常温で保存するのには限界があり、食中毒なども懸念される。ところが、弁当を保管する冷蔵庫が足りていない。輪島市ではタイミングよく支援物資として冷蔵庫35台が届けられ、各避難所に設置した(6月11日付・NHKニュースWeb版)。食品の衛生管理を徹底するためには必要だ。
避難所や仮設住宅では慣れない暮らしが続く。夏場は、食品の衛生管理と熱中症対策に注意を。
⇒13日(木)午後・金沢の天気 はれ
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます