自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

☆被災地の復興に想い込め 金沢でTSUKEMENコンサート

2024年06月16日 | ⇒ドキュメント回廊

  能登半島地震の復興を支援するチャリティーコンサートがあると誘われ、きのう15日午後、会場の石川県文教会館ホールに出かけた。国際ソロプチミスト金沢が主催するコンサート。ソロプチミストは女性たちによる国際的なボランティア組織で、経済的支援を必要とする女性と子どもたちへ支援を行っていて、国際ソロプチミスト金沢は設立から52年の活動実績を積んでいる。2022年には、緊急な災害時に支援を必要とする地域の人たちへのタイムリーな援助を行うための独自の基金を設立していて、今回のコンサートはその一環。

  コンサートはピアノとバイオリン、ビオラによるアンサンブル・ユニットで知られる「TSUKEMEN」の演奏。ホール(590席)はほぼ満席の状態となっていた。メンバーはTAIRIKU(タイリク)、SUGURU(スグル)、KENTA(ケンタ)の男性ミュージシャン3人。演奏はクラシックからオリジナルまで9曲。ただ、それぞれの曲がまさに変幻自在にアレンジされていて、クラシックの入りなのだが、映画音楽やジャズ、ポップスなどを「ごちゃまぜ」にしてクラシック風に演奏することで楽しく聴かせる。

  2曲目に演奏した『Take five for Elise』は、ベートーベンの『エリーゼのために』とジャズの名曲『Take five』をミックスさせたもの。3曲目の『トルコ天国地獄行進曲』はモーツアルトの『トルコ行進曲』とオッフェンバックの『天国と地獄』を短縮してミックスさせたもの。そしてオリジナル曲の『蝉時雨』では日本の夏の情景を映し出すために、なんとバイオリンでセミや鳥の鳴き声を弾き出す。1曲1曲が予測不能な楽曲として流れていくのだ。(※写真は、TSUKEMENの15日付インスタグラムより)

  こうした変幻自在な楽曲を3人が呼吸を合わせて演奏できるのは、グループ結成16年というキャリアの長さもあるだろう。そもそも、グループ名の「ツケメン」も妙だ。「つけ麺」をイメージする。グループリーダーであるTAIRIKUの父親、シンガーソングライターさだまさしから「イケメンまではいかないからツケメンぐらいだろ」といわれたことがきっかけで、グループ名をTSUKEMENとしたようだ。

  国際ソロプチミスト金沢ではこれまで避難所や仮設住宅に赴いて、小型家電(電子レンジや電気ポット、炊飯器など)などを手渡している。コンサートの開幕のあいさつで、ソロプチミスト金沢の会長は、被災地へは息の長い支援が必要で、チャリティーコンサートでの収益金はその活動に充てていくと述べていた。そして、コンサートのパンフを読むと、グループの一人、バイオリンのKENTAは熊本県出身とある。2016年4月に震度7の揺れが2回あった熊本地震。能登の被災地への想いとダブらせながら、心を込めたコンサートだったのではないだろうか。

⇒16日(日)夜・金沢の天気    くもり

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