自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

★2021 バズった人、コト~その5

2021年12月28日 | ⇒ドキュメント回廊

   ことしよく使った言葉は「DX」かもしれない。流行語のようにして使っていたが、意味をよく理解せずに使っていたので言葉に詰まってしまった経験もある。ネットで意味を調べようと検索していて偶然見つけたのが、現デジタル大臣の牧島かれん衆院議員が月刊「経団連」(2020年8月号)に寄稿していた「コロナ時代の田園都市国家構想」という記事だった。

    ~デジタル庁が発足、DX社会のシンボルとしてデジタル投票を~

   読むと、日本社会のデジタル化(DX)をどう進めていくか指針を述べている。問題意識をこう説明している。「アナログ原則からデジタルファーストへの転換を急ぎ進め、新たなチャレンジやイノベーションを阻む時代遅れとなった規制や慣行を見直し、地方公共団体を含めて対応を強化する必要があることが明白となった」

    その中で、デジタル庁の設立についても示唆していた。「インターネットを前提に、さまざまな仕組みを再検討し、社会全体のDX化を推進する必要があることから、早急に『デジタル推進法』等新たな法整備をすべきであること、そしてDX庁のような新たな役割を担う部署を設立することも提言として盛り込んだ」。2020年9月16日に菅内閣が発足し、政策の目玉の一つとして「デジタル庁」新設を打ち出し、ことし9月1日にデジタル庁がスタート。10月4日の第1次岸田内閣で牧島氏が大臣に就いた。2017年から自民党デジタル社会推進特別委員会の事務局長を担当していたので、ようやく本望がなかったということだろう。

   寄稿文に戻る。DXに関わる提言として。「売買契約書、株主総会、医療診療、オンライン薬局、義務教育、試験制度、各種金融サービス等、行政サービスや生活全般のデジタル化を徹底して、非対面、非接触、非(紙への)押印の手続きに代えるべき」「決済に関しても、顔認証を含め、非接触型への移行を進めるべき」など党でまとめた提言を紹介している。ぜひ、大胆に進めてほしい。「デジタル技術によって課題が解決される道はまさしく、社会的ケアが必要な人や場面において、きめ細やかな対応が可能となる、人に優しいハイタッチな社会へと繋がると考えているからだ」と寄稿文を締めくくっている。デジタル社会の発展に貢献する、政治家の矜持といったものを感じさせる。

   ただ一つ、一人の有権者の願いとして、選挙制度、とくに投票に関するデジタル化も進めてほしい。インターネットを活用した選挙運動が可能な社会になっているのに、投票はアナログなままだ。マイナンバーカードは本人確認最高位のツールと位置づけられている。カードの保有率が高い自治体から順次、デジタル投票を進めてはどうだろう。まさに民主主義のデジタル化だ。DX社会の到来を告げるシンボルとして、ぜひ進めてほしいものだ。

(※写真は、2021年10月4日にデジタル大臣として初入閣を果たし、平井卓也前大臣=左=から引き継いだ牧島かれん氏、デジタル庁公式ホームページより)

⇒28日(火)午後・金沢の天気     ゆき

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