自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

★夏の甲子園、場外論戦

2019年08月21日 | ⇒ニュース走査

  夏の甲子園があす22日、決勝(星稜-履正社)だというのに、野球ファンの間でいまだに燻り続けているのが、岩手大会決勝戦で、163㌔の右腕、大船渡高校・佐々木朗希投手の登板回避問題だ。甲子園のマウンドというヒノキ舞台に立たなかったにもかかわらず、その是非はいまでも議論を巻き起こしている。佐々木選手は、星稜の奥川恭伸投手と並んでこの夏に注目された選手の一人かもしれない。

   金沢大学の学生で自ら高校時代にピッチャーだったという学生はこう述べている。夏の大会の厚さは疲労の蓄積のほかの時期に比べ格段に大きい。にもかかわらず、トーナメントが進むにつれて連戦が増えてきてしまう。これを解消するには日程の見直しが必要だ。多くの地区では7月から地方大会が始まるが、これを前倒しして6月から始めるのはどうだろう。梅雨と重なり雨天順延も多くなるかもしれないが。投手の故障を防ぐために、一部で球数制限というアイデアもあるが、これは投手の複数抱える強豪チームが有利になるので賛成ではない。

    元マスメディアの記者だった知人の意見。高校野球を主催する春のセンバツの毎日新聞、夏の甲子園の朝日新聞はそれぞれ、この問題をどう考えているのか見解を聞きたい。NHKも含めて。報道サイドからの問題提起が聞こえてこないのは不思議だ。このままだと、社内で「タブー」となっているのではないかと疑ってしまう。

   高校時代からの知人の話。マスコミは佐々木投手の160㌔を誇張しているが、これが原因ではないか。試合にどうしたら勝つことができるかが高校野球の本題であって、投げることが本題ではない。マスコミが騒ぐと、ファンもその気になって160㌔を期待する。すると投手本人には強烈なプレッシャーになる。この一件は、プレッシャー問題ではないのか。

   もう一つ、大学の研究者(スポーツ論)の話。「勝負は勝たなきゃダメ。ケガをするのは選手の宿命」とテレビで述べていた野球解説者がいたが、自分たちの経験値こそ正しいとか、科学的根拠のない精神論をかざしてのコメントは間違い。精神を鍛えることと、肉体を損ねることは別の話だ。大船渡の監督の決断は総合的な判断だと思うので評価する。

⇒21日(水)朝・金沢の天気     くもり

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