自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

★ドローンの後始末

2015年04月25日 | ⇒トピック往来

  やはり「テロ」だった。総理官邸の屋上で小型無人飛行機が見つかった事件で、24日夜、福井県警小浜署、40代の男が出頭して関与を認めたと、新聞・テレビのマスメディア報じている。

  警視庁は威力業務妨害などの疑いで調べているが、出頭した男は「反原発を訴えるために、自分が官邸にドローンを飛ばした」と話しているという。テロリズム(terrorism)とは、何らかの政治的な目的のために、暴力による脅威 に訴える傾向や、その行為のことだが、小型無人飛行機という空飛ぶ「武器」で、たとえそれがそれが微量であったとしても放射線を放つ汚染物質を直撃させたのである。これはある種の「テロ」とみなされる。

  解せないのは、男が「反原発」をその理由としていることだ。これには、法廷闘争などの手段でたたかっている原発反対の住民はおそらく憤っているだろう。「目的と手段を混同するな」と。むしろ、目的と手段を混同しているからこそ、「テロ」なのである。これは、クラジやイルカを守るためなら、日本の捕鯨調査船を襲撃してもかまわないというグループとスタンスは同じではないか。

  先のブログでも述べたように、政府・与党はさっそく小型無人機の飛行を規制するための法整備に動き始めている。報道によると、政府は航空法を改正し、小型無人機の購入時に氏名や住所の登録を義務付けることを検討している、という。また、自民党は、首相官邸や国会周辺に飛行禁止空域を設ける議員立法の成立を目指している。これに向けて、政府は、重要施設の警備態勢の強化や、運用ルールや関係法令の見直しなど分科会の設置して具体的な検討に入ることを決めた。今回のドロ-ン問題をめぐり、政権もどう規制すればよいか、後始末に追われているようだ。

  先のブログと繰り返しになるが、個人的にも頭上で小型無人機など飛んでほしくない。田んぼやら野山ならそれは構わないが、住宅地などに飛ばしてほしくないと思っている。

⇒25日(土)朝・金沢の天気    くもり

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