自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

★竹で復元、内灘砂丘

2008年12月25日 | ⇒トピック往来

 整備された竹林にはすがすがしさを感じる。日本人のメンタリティに合う。しかし、薮(やぶ)と化した竹林は手の施しようがない。はやり切るしかない。今回は竹を利用した取り組みを紹介する。

  金沢大学地域連携推進センターが主催する「金沢大学タウン・ミーティング in 内灘」が12月20日、内灘町役場で開催された。金沢大学はタウン・ミーティングを平成14年度からこれまで石川県内7地区(輪島市、加賀市、鶴来町、珠洲市、能登町、羽咋市、穴水町)で開催しており、今回で8回目.。地域からの話題提供の中で、内灘町のボランティア団体「クリーンビーチ内灘作戦」代表の野村輝久さんが「内灘砂丘を蘇らせる」と題して、角間の里山から切り出したモウソウチクを利用した砂丘の復元運動を紹介した。

  内灘海岸は砂が盛り上がった砂丘で有名だが、最近は平らな砂浜になりつつある。そこで砂丘を復元しようと野村さんたちが取り組んでいるのが里山でやっかい者となった竹の利用だ。ことし2月、内灘のボランティアの人たちが100本ほど竹を切り出した。150センチほどに切りそろえ、さらに竹を割って、砂丘地に垣根をつくった。砂丘地につくる竹垣のことを地元では静砂垣(せいさがき)と呼ぶ。

  当初の予定では、砂はゆっくりと3年ほどかけてたまっていくだろうと予想していたが、今年設置した静砂垣はかなり埋まり、一部ではすでに砂丘ができ、美しい風紋が描かれていた=写真=。3年間で1キロメートルの静砂垣を作るこの計画。角間の里山自然学校だけでなく石川工業高等専門学校やいしかわフォレストサポーター会、河北森林(もり)づくりの会などとも協力体制がスタートしており、活動の輪がどんどん拡がっている。さらにクリーンビーチ内灘作戦の皆さんは伐採しても竹垣に使えない部分をチップ化し、河北潟の水質浄化や肥料としての利用も考えているようだ。

  写真家でもある野村さんは「風紋のある砂丘の景観こそ内灘のシンポル。復元活動を続けて生きたい」と話をしめくくった。

 ⇒25日(木)朝・金沢の天気   あめ  

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