蕎麦前で憩う

お蕎麦屋さんで蕎麦前をいただきながら憩いの一時を過ごさせていただきました。

『更里@浅草橋』さんの甘さ控えめな大人の「玉子焼き」

2014-11-11 17:10:00 | 東京23区(台東区)

屋形船の係留所があったり、小さな飲み屋さんがあちこちに点在しているなど、下町風情を残しながらも少々異なる雑多な雰囲気が色濃く漂う夜の浅草橋。

その浅草橋の、飲食店が集まっているJR総武線のガード下から1本路地に入った、静かな一角にそっと佇んでいる『手打そば・更里(さらり)』さんの暖簾を仕事帰りに潜ってみました。

暖簾を潜ったのは開店直後の夕方17時過ぎということで、2人掛けのテーブル席が2つとカウンター席が3席というこじんまりとした店内に先客の姿は無く、案内されたカウンター席に着いてホッと一息ついてから、瓶ビールと一緒に「板わさ」と「玉子焼き」をお願いします。


最初にいただいた「板わさ」は、しっかりした歯応えと弾力感の感じられる蒲鉾で、枚数は4枚ですが、小さく食べ易いサイズに切られていて、蕎麦前の最後までポツポツとつまみながら美味しくいただきました。

なお、添えられているワサビは擦り下ろした物なのか、爽やかで新鮮味が感じられ美味しいです。
ちなみに、お通しは牡蠣(?)を調理した物で、一品料理の一つにもなる贅沢なお通しでした。


BGMの無い店内で一人静かにくつろいでいると、目の前の厨房からジュワ~っという玉子焼を焼いている音が聞こえてきます。天婦羅を揚げている音もそうですが、他にお客さんのいない貸切状態の静かな店内で、のんびりくつろぎながら調理している音を聞いているのもなかなか気分の良いもので、調理している「音」もまたお酒を美味しく感じさせてくれる肴になるように思います。

そして、焼いている音が止まり、しばらくして目の前にホカホカの「玉子焼き」が置かれます。
いただいた「玉子焼き」は薄い黄色で、正直、一目見ただけで「お~、旨そうだ!。」という印象は持たないかもしれませんが、いざいただいてみると、甘さ控えめのフワフワな玉子焼で出汁の旨みも程良く、ビールの肴に相応しい、かなり美味しい大人の玉子焼でした。


さて、そろそろ蕎麦をいただこうか、それとももう少しお酒と料理をいただこうかと迷いましたが、メニューにあった「オリジナル純米原酒・更里」という日本酒が気になったので、「ハタハタの唐揚げ」と一緒に「オリジナル純米原酒・更里」をお願いすることにしました。しかし、「お昼にお酒を飲むお客さんがいたので品切れになってしまった。」とのことで、空瓶を見せていただいただけで、いただくことは出来ませんでした。

空瓶を見ながら残念に思っていると、ご主人が冷蔵庫から「今日あるのはこんなの。」と、メニューに無い銘柄の1升瓶2本を目の前に差し出します。

差し出された日本酒はどちらも飲んだことの無い銘柄で、「1合ずつ両方。」と言いたいところをグッと抑えて、長野県の地酒「牧水」(生もと造りだったかな?。)をいただくことにしました。

その「牧水」は、丸く柔らかい口当たりでふんわりした甘い印象でしたが、ベタベタすることの無い旨味のある美味しい日本酒で、素揚げに近い薄っすら揚がった、薄味なのに何だかとっても美味しい「ハタハタの唐揚げ」と一緒に美味しくいただきました。


美味しい料理とお酒をいただきながらのんびりしていると、サラリーマンが一人で来店してカウンター席に座り、続いて年配の御夫婦1組が来店してテーブル席へ、更に着物姿の女性が一人で訪れるなど、いつの間にか席がほぼ埋まった状態となりましたがみなさん顔見知りのようで、つい先程までの静けさは消えてしまったものの「この雰囲気が更里さんの本来の雰囲気なのかな?。」と感じる人情味のある華やかな雰囲気となり、これはこれでなかなか居心地が良いです。

ということで、席も埋まって来たので締めの蕎麦をお願いします。

最後にいただいた「もりそば」は、歯応えのある太めの食感で、蕎麦汁は色が黒く明確な辛さが感じられるものの味わいはやや控えめかな?という印象の蕎麦でした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『手打そば・更里』さんは、下町風情と人情味の感じられる雰囲気と、営業的では無い自然で丁寧な接客がなかなか好印象のお蕎麦屋さんでした。

また、拘りの感じられるお酒の品揃えとお酒に合う一品料理がなかなか良い感じの、パスしたもう一方の日本酒をいただきながらもう少しのんびりしたかったかな?という思いの残ったお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。



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