蕎麦前で憩う

お蕎麦屋さんで蕎麦前をいただきながら憩いの一時を過ごさせていただきました。

小さな『土日庵@下町・京成立石』さんの「鴨ハツ塩焼」

2015-06-13 11:40:00 | 東京23区(葛飾区)

ゴールデンウィークに訪れようと計画したものの、結局訪れることができなかった『手打そば・土日庵』さん。

東京の下町・立石という、日頃訪れる機会の無い土地にあるお蕎麦屋さんであることから「訪れる機会を逸してしまったかな?。」と残念に思っていましたが、偶然、葛飾で所用が生まれたことから、所用が終わり次第、お店の暖簾を潜ってみることにしました。

ようやく訪れることができた『手打そば・土日庵』さんは、京成電鉄・立石駅前にある「立石仲見世」という小さなお店がギッシリ詰め込まれているアーケードの中にありますが、週末ということもあってかシャッターの降りているお店が多く、「本当にこんなところにあるんだろうか?。もしかして休みだったりして・・・。」と少々不安になってしまう雰囲気です。ちなみに、飲み屋さんは営業中で、けっこう賑わっています。


そんな、「もしかして・・・。」という不安を抱えながらアーケードの中を進んでいくと、ありました。
少々レトロな雰囲気のアーケード街にすっかり馴染んでいる板張りの小さなお店が。

そして、「馴染みのお客さんで満席だったりして・・・。」なんて思いながらお店の引き戸をガラガラと開けてみると、7名程度で満席になってしまうカウンター席のみのこじんまりとした店内が直ぐ目の前に広がり、ご主人が客席でお客さんの来店を待っている状況でした。

先客のいない店内奥の席に着いて、ダラダラと流れ落ちる汗を拭いながら壁に掛けられているメニューを眺め、とりあえず瓶ビールをお願いし、追って「しじみ佃煮」と「鴨ハツ塩焼」をお願いします。


料理の注文を終え、冷えた瓶ビールをグッと一杯飲み干しホッと一息ついたところで改めて店内を見渡してみると、かなり狭い店内ではありますが、隅々まで清掃の行き届いた小奇麗な店内には清潔感が漂っていて、初めて訪れるお店なのに緊張することも無く、時間の許す限りこのままずっとのんびりしていたいと思ってしまう心地良さが感じられます。


さて、のんびりくつろげる心地良い雰囲気に浸っていると、まず「しじみ佃煮」が目の前に置かれ、早速1粒つまんでみると、少々濃い目の味付けではありますが、ビールを飲み始めたばかりなのにお酒がほしくなってしまう美味しい佃煮です。


続いて差し出された、見るからに美味しそうな「鴨ハツ塩焼」は、程良い塩胡椒に味付けされたハツの柔らかいクニュクニュ感がとても良い感じで、臭みも癖も無く、ハツ好きにはたまらない美味しさです。

また、添えられている野菜も素材の味が活かされていて、肉に野菜が添えられているというより、野菜に肉が添えられていると言っても過言では無いほど、しっかり自己主張している美味しい野菜焼でした。


お店には、開店直後の11時半少し過ぎに到着したことから、まず蕎麦前をいただき、混雑するお昼時になったら蕎麦をいただいてお店を出ようと考えていましたが、お昼時の12時になっても貸切状態が変わらなかったことから、もう少しのんびりしても大丈夫かな?と思い、「だし巻玉子」と福島県の地酒「特別純米無ろ過生原酒・飛露喜」を追加でお願いします。

使用する卵の数(2個または3個)を選ぶことができる「だし巻玉子」は、丁寧に作られた綺麗な玉子焼で、硬過ぎず柔らか過ぎずの程良い食感と甘さの抑えられたおとなしい味わいが美味しい玉子焼でした。

ちなみに、いただいたのは卵2個の小サイズでしたが、一人でいただくには十分な大きさでした。


温かみの感じられる心地良いお店で、美味しい料理を肴にお気に入りの日本酒「特別純米無ろ過生原酒・飛露喜」を昼からいただいてしまうなんて、何とも贅沢な時間を過ごしているという感じです。

が、心地良い雰囲気に浸ってのんびりくつろいでいるとどこまでも飲んでしまいそうなので、そろそろ蕎麦をいただくことにします。蕎麦は、「せいろ」、「鴨せいろ」、「茄子せいろ」の3種類のみと限られていて温かい蕎麦はありませんでしたが、個人的に問題は無く、基本の「せいろ」をお願いします。

蕎麦をお願いすると、まず蕎麦猪口、蕎麦汁、薬味が丸いお盆に乗って運ばれてきて、続いて丁寧に盛り付けられた蕎麦が目の前のご主人から手渡されます。

いただいた蕎麦は細くやや柔らかい印象でしたが、程良い風味で喉越しも良くまずまずでした。また、蕎麦汁は旨味のある蕎麦汁で、普通と言ってしまえば普通かもしれませんが、美味しい蕎麦汁でした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『手打そば・土日庵』さんは、調理場に立っているご主人を囲むように配置されているL字形のカウンター席のみのこじんまりとしたお店でしたが、馴染みのお客さんが三々五々集まって、気さくなご主人と人当たりの柔らかい親しみ易い奥さんを交えてみんなでワイワイガヤガヤと楽しい一時を過ごしている様子が目に浮かぶ、温かみの感じられる素晴らしいお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。

ちなみに、「土日庵」というお店の名前ですが、通常、平日は夜営業のみで、土曜日と日曜日に限って昼営業があることから、「土日庵」という名前が付けられたようです。



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