蕎麦前で憩う

お蕎麦屋さんで蕎麦前をいただきながら憩いの一時を過ごさせていただきました。

『千花庵@古都・鎌倉』さんの焼き目が香ばしい「竹虎」

2014-12-10 11:00:00 | 神奈川県(鎌倉市)

取得率を向上させるために取得した有給休暇。
溜まっていた雑用は午後に行うとして、平日でなければ出来ない所用を朝一番で処理し、その後、昼食を取るために古都・鎌倉にあるお蕎麦屋さんへ再び足を運んでみました。

この日訪れたお蕎麦屋さんは『手打そば・千花庵』さんで、古都・鎌倉のお蕎麦屋さんの中でも人気が高く、平日であっても多くの観光客が訪れるだろうと予想できるお蕎麦屋さんです。

ということで、開店時間の11時少し前に訪れてみると、民家を改装したかのようなこじんまりとしたお店に開店を待つお客さんの姿は無く、少々時間を潰してからこの日の1番客として暖簾を潜ります。

「人気店といえどもさすがに平日の開店時間は空いているのか・・・。」と思いながらメニューを眺め、時間が掛からず出てくると思われる「板わさと一寸」と、あればいただきたい「だし巻玉子」をお願いします。
また、飲み物はビールをパスして最初から地元・湘南の地酒「天青」をお願いします。


注文を終え、メニューを閉じたところで観光客と思われる年配の女性2人組がお店の扉を開けます。
「女性2人組ってところが鎌倉らしいかな?。」なんてのん気に思っていると次の一組が扉を開け、席に着くと続いて次の女性客が・・・。といった驚きの展開となり、開店10分後には予約席を除いて20名程度で満席となるお店はほぼ女性客で埋め尽くされてしまいました。

そして開店15分後に訪れたお客さんから空席待ちとなりましたが、十割蕎麦に前菜の盛り合わせと飲み物、そして甘味まで付いた平日10食限定のサービスランチを注文しているお客さんも多く、また、前菜の盛り合わせを肴に蕎麦前を楽しんでいるお客さんも見られるなど、美味しい蕎麦前と蕎麦を楽しむことの出来るお蕎麦屋さんではありますが、席待ちの時間が長くなってしまうお蕎麦屋さんなのかもしれません。

そんな、開店早々なのに席待ちのお客さんが発生している状況の中、申し訳無いと思いながら湘南の地酒「天青」をいただいてみると、程好い旨味とサッパリした後味が心地良く、何度飲んでも美味しいです。
なお、「天青」と一緒にお猪口が3つ入った籠が運ばれてきて、好きな猪口を選ぶことが出来ます。


さて、最初に運ばれてきた料理は「板わさと一寸」でしたが、写真を撮っている間に「だし巻玉子」が運ばれてきたので、温かい玉子焼を先にいただくことにします。

神奈川県産の地卵で作った「だし巻玉子」は、甘さの感じられない、フンワリ柔らかい食感でありながら箸で持ち上げても崩れることのないしっかりした玉子焼でした。なお、注文時、オプションで鎌倉のしらすをのせることができるとのことでしたが、しらすはのせず、純粋に玉子焼だけでいただきました。


先に運ばれてきていた「板わさと一寸」は、小田原・鈴廣さんの蒲鉾と昆布の盛り合わせでしたが、ほんのり味の付いた昆布が美味しく、サッパリした「天青」と一緒に美味しくいただきました。


「天青」が無くなった頃には、席を待つお客さんの姿がお店の外でも見られるようになっていましたが、「竹虎」はどうしても食べておきたい料理だったことから、何度も何度も申し訳ないと思いながらもその「竹虎」と、黒板に書かれていた石川県の地酒「手取川」を追加でお願いします。

4つの猪口が入った新しい籠と共に運ばれてきた石川県の地酒「手取川」は、「天青」同様サッパリした味わいの美味しい日本酒でした。


どうしても食べたいと思っていた「竹虎」は、厚揚げに付けた網焼きの模様を虎に見立て、そして緑の葱を竹に見立てた料理で、江戸時代の代表的な蕎麦屋の肴とのことです。

その、「竹虎」をちょっぴりピリ辛の特製タレに付けていただいてみると、外側は硬いと言ってもよいほどパリパリなのに、中はまるで絹ごしの豆腐のように柔らかくフンワリしていて、運ばれてきただけで辺り一面に漂うこんがり焼けた香ばしさが何とも言えない美味しい料理でした。


料理とお酒に満足したところで蕎麦をお願いします。
こちらの『手打そば・千花庵』さんでは、異なる2種類の蕎麦を常時用意しており、「食べ比べ」というメニューでその2種類を十割蕎麦でいただくことが出来ます。

なお、「食べ比べ」メニューには、天婦羅付き、鴨せいろ、せいろ等種類があり、更に量の違いによる「殿方」と「御婦人」(「御婦人」は量が少なめ)の2種類があることから少々心が揺れ動きますが、やはり十割蕎麦の食べ比べということなのでオーソドックスに「せいろ蕎麦の食べ比べ」(殿方)をいただくことにします。


まずは、群馬赤城産「常陸秋そば」が、薬味、漬物、蕎麦汁と一緒に運ばれてきます。
蕎麦汁は、知りませんでしたが、季節限定(11月~2月の間のみ)で「冷」と「温」の両方が付いていて、産地を比べるだけではなく、「冷」と「温」の食べ比べも出来るなかなか楽しめる食べ比べとなっています。

さて、一枚目にいただいた群馬赤城産の「常陸秋そば」ですが、ツルツルっとした喉越しの良い蕎麦で、違和感無くいただくことのできる食べ易い蕎麦でした。


一枚目の蕎麦をいただいてから、さほど待つことも無く運ばれて来た二枚目の蕎麦は信州で、表面にホシの見える、十割蕎麦らしい風味の美味い蕎麦でした。

なお蕎麦汁ですが、「冷」は濃い目で「温」は優しい薄目といった感じでした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『手打そば・千花庵』さんは、料理もお酒も蕎麦も美味しく、また、席待ちのお客さんがいる混雑している状況にも関わらず、蕎麦前をいただくお客さんにも親切丁寧で、その人気の高さが納得できるお蕎麦屋さんでした。

ただ、その人気は開店10分で満席となり、その後アッと言う間にお店の外まで席待ちの列が出来きる程で、「観光地のお蕎麦屋さん」という印象の拭えないお蕎麦屋さんでもありました。

ごちそうさまでした。



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