蕎麦前で憩う

お蕎麦屋さんで蕎麦前をいただきながら憩いの一時を過ごさせていただきました。

『利久庵@日本橋』さんの昼の一品料理「カツ煮」

2014-12-20 11:00:00 | 東京23区(中央区)

東京・青山で行われる社会人ラグビーの試合観戦前に訪れた『日本橋・利久庵』さん。

雨の降る生憎の天気であり、午前11時の開店時間ということもあって先客はいないだろうと思いながら扉を開けてみると、既に2組4名の方が席に着いていて、先客はいないと思っていただけに少々驚きです。

なお、お店は1階が蕎麦屋で2階が定食屋となっていて、「定食なら2階へ、蕎麦なら奥どうぞ。」と花番さんに案内にされ、1階一番奥の4人掛けテーブル席(椅子は3つしかありませんが)に着きます。

席に着いて早速メニューに目を向けると、カードケースになっている品数の限られたメニューのみが用意されていて、「やはり昼は忙しく、蕎麦前はNGなのかな?。」という感じです。確かに、先客4名のお客さんはノンアルコールで蕎麦を食べており、後から来店したお客さんも蕎麦や丼物のみを頼んでいます。

そんな、何となくのんびり出来ない雰囲気ではありましたが、せっかく雨の中やって来たのだし、まだまだ空席も見られることからやはり軽く蕎麦前をいただこうと思い、時間が掛からず出てくるであろう「板わさ」と、空腹を満たしてくれるであろう「カツ煮」を、プレミアムビールと一緒にお願いします。

まずいただいた「板わさ」は、もう少し厚みがほしいかな?という少々薄切りの蒲鉾ではありましたが、タップリ添えられていた山葵漬けがとても美味しい「板わさ」でした。


「板わさ」を食べ始めてからそれほど待つことも無く運ばれてきた「カツ煮」は、厚みのある立派なカツが辛さの抑えられた汁で煮込まれていて、これだけで十分満腹になるまずまずの「カツ煮」でした。


さて、次々とやって来るお客さんの姿に、「早く席を空けないと。」というプレッシャーを感じてしまったことから、蕎麦前をササッと終わらせ、「もり」をお願いします。

「もり」をお願いするとまず薬味と蕎麦汁と、そして伝票が置かれます。
蕎麦と一緒に伝票が来ることはありますが、蕎麦が来る前に伝票が来るのって・・・。
と、そんなことを思っていると色白の蕎麦が運ばれてきます。

「どれどれ。」と思いながらいただいてみると、細くやや柔らかい印象の蕎麦でしたが、甘口の蕎麦汁に絡めてツルツルっと喉越し良くいただくことのできる蕎麦でした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『日本橋・利久庵』さんは、お客さんが次々にやって来るお蕎麦屋さんでしたが、その多くはノンアルコールで蕎麦や丼物を食べている食事のお客さんということもあり、「休日に、お蕎麦屋さんでのんびりお酒をいただきながら憩いの一時を過ごしたい」と思っている者にとっては少々落ち着かない雰囲気のお蕎麦屋さんだったように思います。

やはり、銀座や日本橋のお蕎麦屋さんは仕事帰りの夜に立ち寄るのが良いのかもしれませんね。
ごちそうさまでした。

なお、余談ではありますが・・・。

江戸時代、日本橋十軒店(じっけんだな)という人形を売る店が軒を並べていた場所(現在の日本橋室町)があり、季節になると大通りに露店が出るなどたいそう賑わっていたとのことです。


そして、その様子を描いた江戸絵巻が東京メトロ銀座線・三越前駅の地下通路に飾られており、時間があったので興味深く眺めていると、ありました、大通りの真ん中で雛人形を売っている露店の後ろ、同じく雛人形を売っている人形店の隣に「二八」の文字が。

解説によると『二八蕎麦饂飩屋・三河屋』という蕎麦&うどん(饂飩)屋さんとのことで、きっと酒を飲みながら蕎麦を食べる客で賑わっていたのでないかと思います。

江戸時代に描かれた浮世絵を眺め、「二八」の文字探しをするのも楽しいかもしれません。



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