カンボジア経済

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第27回医療者勉強会 カンボジアのHIV対策の進捗と課題

2015年02月14日 | 社会・風土
 カンボジアには、様々な医療関係者の方々(お医者さんや看護師さん等)が日本から援助の事業や、NGO等のお仕事で来られています。これらの方々が集まって勉強会を開催しています。
 1月31日に開催された勉強会では、世界保健機関(WHO)の藤田雅美先生が、「カンボジアのHIV対策の進捗と課題」について講演されました。あまり知られていませんが、カンボジアはHIV対策についてはアジアの成功国と言われており、2010年には国連のミレニアム開発目標賞を受賞しているほどです。1990年代中盤にはHIVの新規感染者が2万人を超えていましたが、2001年には6000人、2012年には1400人にまで激減しています。この間、周辺諸国では新規感染者数を削減できない国も多くみられています。カンボジアでは、更に対策を強化・拡充して、2020年までに新規感染者数をゼロにする目標を立てて取り組んでいます。カンボジアが成功した要因の一つは、コミュニティとのリンクがうまくいったことがあげられており、特に偏見・差別への対策が有効だったとのことです。また、HIV対策と、結核や母子保健等の対策を苦労しながらも統合してきたことや、多くのドナーやNGOに単一共通枠組みに沿った一貫した対策を取ってもらうようにしたこと等も重要であったとのことです。
 カンボジアの医療が自立して十分な状況になるにはまだ相当の時間がかかるものと見られますので、日本や世界各国からの息の長い協力が期待されます。


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