カンボジア経済

カンボジアの経済について、お堅い数字の話から、グルメ情報といったやわらかい話まで、ビジネス関係の方にお役に立つブログです

中央銀行 金融安定性調査報告書 2021

2022年06月30日 | 経済
 6月17日、カンボジアの中央銀行であるカンボジア国立銀行(NBC)は、金融安定性調査報告書2021年版(Financial Stability Review: FSR)を公表しました。カンボジア国立銀行では、国際通貨基金(IMF)の支援を受けて、2011年から金融安定性委員会に年2回、金融安定性調査結果を報告してきました。報告書は、マクロ経済の現状と安定性、金融システムの現状と安定性、ノンバンク金融、支払・決済システムの最近の発展の4章から成っています。
 2021年のカンボジア経済は、世界経済の回復に伴い回復傾向にあり、成長率は3%程度となったと見られます。回復が早かった輸出(対前年比25.1%増)やワクチン接種の進展に伴う国内経済の回復が寄与したものと見られます。他方、建設不動産業の回復は鈍く、観光業界は厳しい状態が続いているとしています。
 財政については、新型コロナ対策の貧困世帯向け現金支援や失業労働者向け手当支給等により、2020年からの支出が23億ドルに達したものの、健全性は維持しているとしています。為替については、NBCが総額6億ドルのリエル買い・ドル売り介入を実施したこともあり、安定的に推移しました。外貨準備は、対前年比で5%ほど減少したものの、輸入の8.3か月分の水準にあり、安定的であるとしています。
 金融セクターについては、新型コロナの影響下にありながら、貸付は対前年比23.5%増、預金も17.7%増と好調でした。不良債権比率も、2020年の2.1%から2021年は1.8%に低下したとしています。これは、新型コロナの影響で返済が困難になっている借入人に対し、NBCの指示により、返済猶予等の借入条件変更を認めていることも一因と見ています。
 ノンバンク金融については、新型コロナの影響を受けたものの、証券取引所では新規上場もあり、債券市場も拡大したとしています。支払い決済システムの発展も続き、デジタル支払の総額はGDPの3.8倍、対前年比でも34.5%増と大幅に増加しました。電子口座数も1360万口座と、人口の8割に近い数となっています。
 2022年の見通しとしては、ワクチン接種進展による経済再開が進み、輸出、農業、運輸、通信等に支えられて、成長率は5%程度なると見ています。リスクとしては、ウクライナ情勢に伴う物価上昇、中国のゼロコロナ政策と不動産問題のカンボジアへの波及、米国の出口政策に伴う世界的金利上昇、新型コロナの新たな変異株の出現、気候変動等をあげています。金融セクターについては、昨年に引き続き発展が続くと見ていますが、安定性・県税制への目配りも重要と指摘しました。なお、カンボジアの金融セクターは国内預金が中心であるため海外での金利上昇の影響は限定的であるとしています。
 NBCとしては、引き続き経済の状況を注視しつつ、金融セクターの健全性維持に努めるとしています。

カンボジア国立銀行のサイト
https://www.nbc.org.kh/english/publications/fsr.php


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カンボジア地方選挙2022 最終結果発表

2022年06月29日 | 経済
 6月26日、国家選挙管理委員会は、6月5日に投開票が実施された地方選挙の最終結果を発表しました。カンボジアでは、5年に一度、地方自治体(コミューン・サンカット)の評議会議員の選挙が行われています。今回の選挙では、全国1652のコミューン・サンカットを対象に、17政党から合計8万6092人(うち女性2万7813人)の候補者が立候補しました。登録済有権者数は、920万5681人で、全国2万3602か所の投票所で投票が行われました。投票総数は739万4427票で、投票率は80.3%でした。
 今回の選挙でも、フン・セン首相率いる与党人民党は議席数で8割以上を獲得し圧勝しました。与党の人民党が第一党になったのは全体の99.8%に相当する1648コミューンで、野党が第一党となったのはキャンドルライト党の4コミューンに留まりました。獲得議席数は、人民党9376議席(80.7%)、キャンドルライト党2198議席(18.9%)となりました。この他、フンシンペック党19議席、クメール国家連合党13議席、草の根民主党6議席、カンボジア愛国党5議席、カンボジア若者党3議席、カンプチアニュム党1議席、蜂の巣民主党1議席となっています。得票率は人民党が72.7%(537万8773票)、キャンドルライト党21.8%(161万556票)でした。
 前回の選挙は、2017年6月4日に投開票が実施されました。与党の人民党が第一党になったのは、全体の70.2%に相当する1156コミューン、野党の救国党は29.7%に相当する489コミューン、クメール国家連合党は1コミューンでした。得票率は人民党が50.8%(約354万票)、救国党は43.8%(約306万票)でした。獲得議席数は、人民党6503議席、救国党5007議席でした。このように、最大野党であった救国党が議席を大きく伸ばしましたが、その後、同党は裁判所に解散を命じられ、翌年の総選挙では与党が議席を独占する結果となりました。
 今回の地方選挙は、2023年に予定される総選挙(下院)の前哨戦と言われており、総選挙の結果にもある程度の影響を与えるものと見られます。政権の圧力で解党された救国党の流れをくむキャンドルライト党が得票率2割を超えてきたことは注目されます。今回も選挙自体は概ね問題なく実施されたと見られますが、野党に対する政権の締め付けもあったと言われており、欧米諸国の反応にも今後留意する必要があるものと見られます。
(写真は、AKPより)


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新型コロナ カンボジアの状況 6月27日 日本の水際対策への批判続く

2022年06月28日 | 経済
 カンボジアの新型コロナウイルスの感染状況は、今年初頭にはワクチン接種の進展に伴い市中感染は大幅に減少していました。2月に入ってオミクロン株の市中感染が拡大しましたが、3月中旬以降ピークアウトし、5月には死亡者数・新規陽性者数はゼロに近いレベルとなっています。6月26日の保健省の発表によれば、死者は累計3056名(6月19日からゼロ名増)です。累計陽性者数は13万6262名(同ゼロ名増)となっています。治癒数は13万3206名(同ゼロ名増)です。5月7日から6月25日まで49日間連続で新型コロナ新規陽性者はゼロとなっています。PCR検査数が大幅に減少しているため、ゼロ名という数字が正確かについては議論のあるところですが、死者数はここ8週間ほどゼロ名を続けており、新規陽性者数が低いレベルにあるのは確かなものと見られます。なお、公式統計上は、カンボジア国内の感染者はゼロ名となっています。
 6月22日、日本政府は6月26日から入国時の3回目接種の有効ワクチンとしてアストラゼネカ等を認めると発表しました。これまでは、ファイザー、モデルナしか認められていませんでした。日本政府は、カンボジアを含む各国に日本製アストラゼネカワクチンを贈与していましたが、これまで3回目接種として認めておらず、矛盾した対応だとの批判がありましたが、ようやく解消されることとなります。
 6月23日、日経新聞は、「訪日客回復に「出国前検査」の壁 際立つ日本の厳格さ」と題する記事を掲載し、日本政府の水際対策を批判しました。既に欧米・アジアの主要国では、入国時規制を大幅緩和しており、特段の検査を要しない体制となっています。日本だけが「非科学的」規制を続けており、外国人観光客獲得競争に大きく出遅れています。陰性証明のためのPCR検査も方法や書式・手続きが一方的に厳格に定められているため、旅行客に大きな負担となっています。日経新聞では「感染対策と経済活動を両立するウィズコロナを模索するうえで、水際対策のさらなる見直しが引き続き検討課題となる。」としています。
 私も、5月、6月に日本に入国しましたが、海外でのPCR検査や日本政府指定の証明書の確認・使用は、大変でした。6月25日にカンボジアに入国した際は、ワクチン接種証明を見せるだけで、他には検査も手続きも必要なく、到着してから15分で空港の外に出ることができました。6月25日に成田空港から離日しましたが、日本の空港だけショッピング街がほとんど休業中という異常さに、政府の政策の違いで大きな損害を受けている企業があることも実感しました。日本政府の水際対策は、少なくとも主要国との横並びとなるよう早急な見直しが必要と見られます。
 カンボジア観光省は、観光業界の厳しい状態について発表し、5月末現在で旅行会社やホテル等1196社が休廃業し、2万1998人が失業したとしています。政府としては、観光業向けの免税や、中小企業銀行を通じた融資等の対策を行っているとのことです。
 カンボジアでのワクチン接種については、世界的に見ても早いペースで接種が進んでいます。既に、5歳以上~成人についてはほぼ接種を完了していると言ってもよい状況と見られます。6月25日現在で、1507万8410人への第1回接種を完了しています。これは、カンボジアの人口(約1600万人)の94.2%に相当します。成人(18歳以上約1000万人)への接種について見ると、既に目標の103.3%に第1回接種を、99.8%に2回目を完了しています。ブースター接種(3回目)も実施が進められ、6月25日現在943万5373人(うち成人657万9929人)が接種を完了しています。また、4回目の接種を1月14日から開始しました。6月25日現在285万7589人が接種済です。4回目接種から3カ月以上経過している医療関係者等が対象となる5回目接種も6月9日から開始され、26万1399名が接種完了しています。
 カンボジアでは、感染拡大に歯止めをかけるために2021年はプノンペン等のロックダウンに踏み切る等、厳しい規制を行ってきましたが、秋以降、大幅緩和となっています。なお、入国規制を含めて各種規制が頻繁に変更されていますので、大使館等のサイトで最新情報をご確認ください。カンボジアは、医療体制が脆弱という弱点があり、いわゆる医療崩壊の懸念がありますので、引き続き密を避けるといった基本的な対策の継続が必要と見られます。
(写真は、廃墟のようになっている成田空港のショッピング街。6月25日撮影)

これまで毎週月曜日に掲載してまいりました「新型コロナ カンボジアの状況」ですが、感染状況が落ち着きを見せているため、今後は月1回程度の掲載といたします。ご理解を賜りたく、よろしくお願い申し上げます。



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メルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」今週号は本日発行です

2022年06月27日 | 一般
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日ASEAN防衛担当大臣会合 カンボジアで

2022年06月27日 | 経済
(毎週月曜掲載の「新型コロナ カンボジアの状況」6月27日版は、明日6月28日に掲載します)

 6月22日、カンボジア・プノンペンにて第7回日ASEAN防衛担当大臣会合が開催されました。日本からは、岸信夫防衛大臣が参加しました。
 会合ではまず、岸大臣より、ロシアのウクライナ侵略は、主権と領土の一体性の尊重に反するものであり、ウクライナの問題は、ヨーロッパだけの問題ではなく、東南アジアを含むインド太平洋地域の問題でもあると指摘しました。更に、力による一方的な現状変更が生起し得るということがより明らかになったと指摘し、中国を念頭にインド太平洋地域においてもルールに基づく国際秩序を守ることが重要であると指摘しました。特に、インド太平洋地域における自由で開かれた海洋秩序形成の重要性について言及し、その観点から、南シナ海行動規範についても、実効的かつ実質的で、UNCLOSをはじめとする国際法に合致したものとなるべきであり、全てのステイクホルダーの正当な権利や利益を侵害するものとなってはならないと強調しました。
 また、岸大臣は、日ASEAN協力の一層の強化に向けて、新たな安全保障課題について取り組むイニシアティブを発表しました。環境分野においては、気候変動タスクフォースで得られた知見を共有し意見交換を行うセミナーを開催し、また、サイバーセキュリティ分野においては、現在協力を進めている「日ASEAN防衛当局サイバーセキュリティ能力構築支援事業」に加え「日ASEANサイバー国際法セミナー」を新たに実施することを表明しました。議長国カンボジアのティア・バニュ国防大臣等のASEAN側の大臣から、日本とASEANの防衛協力・交流の再活性化を歓迎するとともに、環境分野とサイバーセキュリティ分野における日本の新たなイニシアティブに対して歓迎の意が示され、今後もより実践的な日ASEAN防衛協力を推進することへの期待が示されたとのことです。
 カンボジアを訪問した岸大臣は、カンボジアのフン・セン首相、ティア・バニュ国防大臣等と会談しました。「親中国」と言われるカンボジアが中国に傾き過ぎないように働きかけを継続しているものとみられます。また、インドネシア、ブルネイ、ベトナムそれぞれの国防大臣とも二国間会談を実施しました。海洋進出の動きを強める中国への対処を念頭に結束を促す狙いがあるものと見られます。
 カンボジア南西部のリアム海軍基地等への中国軍進出疑惑に米国が敏感に反応している中、日本がカンボジアを含むASEAN諸国と防衛協力のための会合を開くことには大きな意義があるものと見られます。岸田文雄首相は「日本は米国とアジアの懸け橋となり、最大限の貢献をする」と決意表明しています。アジア諸国への軍事的圧力を強めている中国に対抗するためにも、日本が果たすべき役割は更に大きくなっているものと見られます。
(写真は、岸大臣のフン・セン首相表敬訪問。防衛省の発表より)

防衛省の発表
https://www.mod.go.jp/j/approach/exchange/dialogue/j-asean/admm_07.html


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人気の韓国料理ビュッフェ DoriDori Korean Chicken Buffet

2022年06月26日 | 生活環境
 プノンペン中心部、バンケンコンにある大人気の韓国料理ビュッフェ「DoriDori Korean Chicken Buffet」です。場所は、57通りと334通りの角です。大きなガラスで明るい感じで、2階もある大きなお店です。店名のDoriDoriは、韓国で子供をあやすときに使う言葉の様です。ビュッフェとなっていて、最近の韓国料理では外せないフライドチキンのバラエティが大量に並んでいます。キムパブ(海苔巻き)やチャプチェ(春雨の炒め物)等の定番もあります。更に、テーブルでは鍋ができるようになっていて、真っ赤なスープに野菜やラーメン、トッポギ等を入れて楽しめます。最後に残った汁を使ってキムチチャーハンも作れます。鍋は、自分で辛さ調節できるのも現地の方にはいい感じの様です。コーラ等のソフトドリンクも飲み放題です。これで、一人7.5ドル(約970円)とリーズナブル価格なので、地元の学生さんや家族連れ等に大人気となっていて、ランチ時には行列ができています。ちょっと驚いたのは、レジに現金がほとんど入っていなかったことです。ほとんどのお客さんがキャッシュレスとなっている模様です。がっつり食べたい方にはお勧めです。お試しください。

DoriDori Korean Chicken Buffet
https://www.facebook.com/DoriDori.BKK1

トッポギ鍋。辛さ控えめにしてもらいました。


大量に並んだフライドチキン。食べ放題なので、若い方々に大人気。



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お洒落なビストロ BISTROT de la Poste

2022年06月25日 | 生活環境
 プノンペン北部、郵便局の斜め向かいにあるビストロ「BISTROT de la Poste」です。旧ボルパイヤの隣で黄色い壁が目印です。店内は、クリームを基調にしたコロニアルな造りで、渋い雰囲気を出しています。道路に面してテラス席もあり、常連さんたちが、グラスを傾けていました。メニューは、カジュアルフレンチで、おつまみ系がたくさんあるのが嬉しいです。ワインもそれなりに揃っています。今回は、自家製テリーヌ、チーズプレート、パルマハム等をおつまみに、ワインを飲みました。メインはダックブレストを頼んでみたところ、これも美味しかったです。お値段は、カジュアルフレンチとしてはリーズナブルで、おつまみ類は3ドルからと良心的です。お客さんは、フランス系の方が多いようでした。日本人のマダム方にも好評と聞いています。お勧めです。お試しください。

BISTROT de la Poste
https://www.facebook.com/Bistrot.de.la.Poste.Phnom.Penh/

ビストロらしい前菜各種。ワインのお供にぴったりです。


メインのダックブレスト。焼き加減もなかなかです。



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日経新聞 カンボジア ネット利権正常化で混乱

2022年06月24日 | 経済
 6月12日、日本経済新聞は、「ネット利権「正常化」で混乱 カンボジアの光ファイバー電線網一掃へ」と題する記事を掲載しました。カンボジアの通信業界の現状について、突っ込んだ内容となっています。
 記事では、「カンボジアの通信業界は、参入障壁の低さと監視がほとんどないことが特徴だった。激しい競争と価格戦争で、価格は低いまま据え置かれた。その振り子が、全く逆方向に振れている。数十年間の放任から全面的な規制への大転換だ。業界各社は法令順守に賛同する一方で、「強引」「強硬」な手法が接続速度を低下させ、料金を上昇させると不服顔だ。」としています。
 カンボジアの通信業界について、激しい競争の結果、携帯電話会社は3社に集約される一方、料金は世界的にも安価な水準となったと分析しています。しかし、通信各社は、免許の条件となっていた規制料金と税金の支払を滞納してきていました。2年前に就任したチア・バンデス郵便電気通信大臣は、通信サービス業者に有名無実化していた免許条件を守らせ、対価を支払わせたいとしています。この結果、約20社が契約条件違反または機能していないとして、免許を取り消されました。
 基幹通信網については、カンボジア通信監督機構(TRC)は、携帯大手3社等に対し、光ファイバー網の構築、運営のための適切な免許を取得していないと警告しています。このため、民営で光ファイバーの基幹回線を運用する中国系のCFOCNと契約しなければならない状況となっているとのことです。
 カンボジアの通信セクターは、固定電話を飛び越えて、最先端の光ファイバー、ワイヤレス、インターネットプロトコール(IP)で、低コストで全土に通信網を構築し、農村部にまでインターネット環境を広げてきました。最近、通信速度の低下等が指摘されるようになっていますが、その問題の解消や5Gの導入に向けて、通信企業の投資を促進しつつ適正な料金を維持できるような通信政策の運用が望まれます。
(写真は、携帯電話の電波塔)

日経新聞のサイト(有料記事です)
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO61606570Q2A610C2TM5000/


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カンボジア 2022年4月の物価上昇率

2022年06月23日 | 経済
 国家統計庁から発表された2022年4月の物価上昇率(対前年同月比)は、7.3%と大幅上昇となりました。物価上昇率は、2012年以降、安定的に推移してきました。2017年初頭に4%台まで上昇しましたが、2017年5月以降は概ね3%未満で安定していました。2021年9月以降は久しぶりの大幅上昇となっています(2017年1月4.4%、2月4.0%、3月4.2%、4月3.2%、5月2.5%、6月2.3%、7月2.3%、8月2.6%、9月2.7%、10月2.1%、11月2.3%、12月2.2%、2018年1月2.0%、2月2.3%、3月2.3%、4月2.4%、5月2.9%、6月2.8%、7月2.3%、8月1.9%、9月2.6%、10月3.1%、11月2.5%、12月1.6%、2019年1月1.6%、2月2.4%、3月2.3%、4月2.6%、5月2.3%、6月1.6%、7月2.2%、8月3.1%、9月1.7%、10月1.3%、11月1.8%、12月3.1%、2020年1月3.6%、2月2.7%、3月2.8%、4月1.9%、5月2.4%、6月3.2%、7月3.1%、8月2.0%、9月2.9%、10月3.7%、11月3.7%、12月2.9%、2021年1月2.6%、2月1.7%、3月2.1%、4月2.7%、5月3.0%、6月2.7%、7月3.3%、8月3.4%、9月5.9%、10月6.8%、11月7.9%、12月6.7%、2022年1月4.1%、2月6.3%、3月7.2%)。なお、3月と比べると4月は0.1%の上昇でした。
 ガソリン価格は、政府による価格メカニズムにより国際価格に概ね連動して動いています。3月の5300リエル/リットルから、4月は5150リエル/リットルに下落しました。ディーゼルも、3月の5300リエル/リットルから、4月は5211リエル/リットルに下落しました。最近の国際原油価格(ニューヨーク市場のWTI)は、ロシアのウクライナ侵略の影響を受けて急激に上昇しており、3月初めには、130ドル台にまで上昇し、その後も100ドル~120ドル前後で乱高下しています。2021年3月初めは60ドル台であり、1年間で価格は2倍となっています。カンボジアはガソリン類を全量輸入に頼っているため、カンボジアのガソリン価格も国際価格に連動しており、急速に上昇してきています。資源に加え、食料品の国際価格も大きく上昇しており、今後は、カンボジアの物価全体への波及も懸念されます。
 国際機関も世界的な資源・食料価格の上昇を懸念材料としており、カンボジアの物価上昇率予測も引き上げています。2022年の物価上昇率について、アジア開発銀行は4.7%、世界銀行は6.5%、国際通貨基金(IMF)は3.0%と予測しています。
(写真は、プノンペン市内のガソリンスタンド。5月5日撮影)  



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アジア動向年報2022 カンボジア経済は回復傾向に

2022年06月22日 | 経済
 5月26日、アジア経済研究所は、毎年発行しているアジア各国の動向についての報告書である「アジア動向年報」の2022年版を公表しました。カンボジアを含むアジア23か国・地域の2021年の動向について、国別に政治、経済、対外関係にわたって分析されています。また、「2021年のアジア-高まる政情不安」、「アメリカとアジア-分断のなかの国際秩序再建戦略とその限界」を取り上げ、アジア情勢の総合的な分析も行われています。
 カンボジアについては、アジア経済研究所の新谷春乃先生が執筆されています。国内政治については、「世襲による権力継承がフン・セン首相によって示されるなど次期指導体制をめぐる準備が急速に進んだ。政府は新型コロナウイルス感染症の急拡大への対応に翻弄されながらも、フン・セン首相を中心とした人民党一党支配体制のさらなる安定のため、野党勢力の分断や言論統制を強化した。」と分析しています。
 国内経済については、「2020年のマイナス成長から脱し、世界銀行と IMFの推計では2.2%、政府推計では3%の実質国内総生産(GDP)成長率が達成される見込みである。」としています。対外関係では、「ワクチン外交や治安・経済協力を通して中国との蜜月が継続した一方、中国軍によるカンボジア領内の軍事施設利用疑惑や人権問題により対米関係は悪化した。」としています。
 2022年の課題としては、政治面では、6月のコミューン評議会議員選挙があり、政治的に重要な年となると指摘しています。2017年の救国党解党後最初の地方選挙であり、各党の集票状況を把握するという意味で2023年の国民議会選挙の前哨戦となります。経済面では、政府が2021年末に「COVID-19との共生下における経済開発のための戦略的枠組みとプログラム:2021~2023年」を打ち出し、高いワクチン接種率を背景に社会経済活動を制限せずに GDP 成長率5.6%を目指しているとしています。また,最大の輸出相手国であるアメリカとはGSP 再適用問題をめぐり関係改善が課題であると指摘しました。
 この他、重要日誌、参考資料、主要統計等のデータも満載です。全文がネットで公開されていますので、ぜひご覧ください。

アジア動向年報2022
https://www.ide.go.jp/Japanese/New/2022/20220526.html


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海外対日世論調査2021 カンボジアは親日

2022年06月21日 | 経済
 日本の外務省は、毎年世界各国で日本がどのように思われているかについて「対日世論調査」を行っています。2021年12月~2022年2月に米国、豪州、インド、ASEAN、中央アジア4か国及び中東7か国等で実施した調査の結果が、5月25日に発表されています。
 カンボジア(調査対象300名)について見てみますと、日本との関係については91%が「友好関係」と回答しています(ASEAN 平均93%)。日本との信頼関係は「信頼できる」が94%(同92%)となっています。日本の戦後75年の平和国家としての歩みについては、97%が「評価する」としています(同88%)。また、世界経済の安定と発展に関する日本の貢献については。92%が「重要な役割を果たしている」としました(同90%)。日本の国際秩序の安定への貢献については、「重要な役割を果たしている」が91%(同84%)となっています。
 カンボジアにとって今後の重要なパートナーとなる国は、1位中国(71%)、2位日本(52%)、3位米国(44%)でした。これは、ASEAN平均の1位中国(48%)、2位日本(43%)、3位米国(41%)と比べると、やや中国のプレゼンスが目立ちます。また、カンボジアにとって最も信頼できる国は、1位中国(37%)、2位日本(26%)、3位米国(19%)となります。
 通常日本の報道等では、アジアの意見というと中国や韓国の反日的な見方に偏っていることが多いのですが、ASEAN 諸国は親日であることは忘れてはならず、大切にしていかねばならないと見られます。また、「親中国」といわれるカンボジアも実はアジアでも最も親日の国の一つであるということも指摘しておきたいと思います。
(写真は、今年3月カンボジアを訪問した岸田首相とフン・セン首相の会談)

外務省のサイト
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press6_001135.html


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メルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」今週号は本日発行です

2022年06月20日 | 一般
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新型コロナ カンボジアの状況 6月20日 観光業界は厳しい状況続く

2022年06月20日 | 経済
 カンボジアの新型コロナウイルスの感染状況は、今年初頭にはワクチン接種の進展に伴い市中感染は大幅に減少していました。2月に入ってオミクロン株の市中感染が拡大しましたが、3月中旬以降ピークアウトし、5月には死亡者数・新規陽性者数はゼロに近いレベルとなっています。6月19日の保健省の発表によれば、死者は累計3056名(6月12日からゼロ名増)です。累計陽性者数は13万6262名(同ゼロ名増)となっています。治癒数は13万3206名(同ゼロ名増)です。5月7日から6月18日まで42日間連続で新型コロナ新規陽性者はゼロとなっています。PCR検査数が大幅に減少しているため、ゼロ名という数字が正確かについては議論のあるところですが、死者数はここ7週間ほどゼロ名を続けており、新規陽性者数が低いレベルにあるのは確かなものと見られます。なお、公式統計上は、カンボジア国内の感染者はゼロ名となっています。
 新型コロナの影響で厳しい状況にあるカンボジアの観光業界は、政府に対し6月末で終了予定の免税措置を12月末まで延長するよう陳情しています。カンボジア・ホテル協会によりますと、6月11日に免税期間の延長を求める要望書を財務省に提出したとのことです。外国人観光客数は回復傾向にありますが、新型コロナ拡大前と比較すると、まだ1割程度の水準でしかないことが免税措置の延長要請理由となっています。カンボジア旅行代理店協会では、観光事業者はまだ十分な収益は得られていないとしています。
 カンボジアでのワクチン接種については、世界的に見ても早いペースで接種が進んでいます。既に、5歳以上~成人についてはほぼ接種を完了していると言ってもよい状況と見られます。6月18日現在で、1506万8135人への第1回接種を完了しています。これは、カンボジアの人口(約1600万人)の94.2%に相当します。成人(18歳以上約1000万人)への接種について見ると、既に目標の103.3%に第1回接種を、99.8%に2回目を完了しています。ブースター接種(3回目)も実施が進められ、6月18日現在937万2290人(うち成人655万6930人)が接種を完了しています。また、4回目の接種を1月14日から開始しました。6月18日現在で276万658人が接種済です。4回目接種から3カ月以上経過している医療関係者等が対象となる5回目接種も6月9日から開始され、20万2708名が接種完了しています。
 カンボジアでは、感染拡大に歯止めをかけるために2021年はプノンペン等のロックダウンに踏み切る等、厳しい規制を行ってきましたが、秋以降、大幅緩和となっています。なお、入国規制を含めて各種規制が頻繁に変更されていますので、大使館等のサイトで最新情報をご確認ください。カンボジアは、医療体制が脆弱という弱点があり、いわゆる医療崩壊の懸念がありますので、引き続き密を避けるといった基本的な対策の継続が必要と見られます。
(写真は、リノベーションが完了して全面再開しているプノンペン空港の免税店街。5月24日撮影)



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モダンな点心 KIN Bun House

2022年06月19日 | 生活環境
 プノンペン南部、毛沢東通りとノロドム通りの交差点近くにできた点心の「KIN Bun House」です。タイ系のお店の様です。ビルの1階にあって、大きな全面ガラスと高い天井で広々とした明るい雰囲気です。メニューは、点心や麺類等が揃っています。店名にもなっている「Bun(アンマン)」が売りになっていて、様々なカラーでインスタ映えもするようです。今回は、点心や雲吞・叉焼スープ、レタスの丸蒸し等を頼んでみました。どれも美味しくて楽しめました。価格は、一品3ドル~5ドルほどで、プノンペンでは中堅です。ランチ時には、周辺のサラリーマン等で満員の盛況だそうです。今回は、遅めの朝ご飯でしたが、朝から食べてもいい感じです。お勧めです。お試しください。

KIN Bun House
https://web.facebook.com/KINBunHouse/?ref=page_internal

プレゼンも味もなかなかの雲吞・叉焼スープ


点心各種


美味しかったレタスの丸蒸し


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日系のレストランで和定食の朝食 Loop Heartful Restaurant

2022年06月18日 | 生活環境
 プノンペン北部、63通り沿いにあるおしゃれなレストラン「Loop Heartful Restaurant」です。日系の経営です。外装、内装共にセンスの良さを感じさせます。メニューは、日本の洋食が中心で、ハンバーグやオムレツ、カレー等があります。ステーキやパスタも色々です。朝食もあって、焼き魚メインの和定食や、卵料理メインの洋食等があります。朝7:30からオープンしているようです。今回は、鮭の塩焼きに、目玉焼きやソーセージ、サラダも付いたバランス朝食(8ドル)に明太子のトッピング(1ドル)をお願いしました。ドリンクは、ジュースやコーヒーが飲み放題となっています。生卵(1ドル)もあって、卵かけご飯も食べられます(生卵は無いときもあります)。朝から美味しい和定食をきちんと食べると元気が出るような気がします。お勧めです。お試しください。

Loop Heartful Restaurant
https://web.facebook.com/looprestaurant/


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