カンボジア経済

カンボジアの経済について、お堅い数字の話から、グルメ情報といったやわらかい話まで、ビジネス関係の方にお役に立つブログです

カンボジア 2022年2月の物価上昇率

2022年03月31日 | 経済
 国家統計庁から発表された2022年2月の物価上昇率(対前年同月比)は、6.3%と大幅上昇となりました。物価上昇率は、2012年以降、安定的に推移してきました。2017年初頭に4%台まで上昇しましたが、2017年5月以降は概ね3%未満で安定していました。2021年9月以降は久しぶりの大幅上昇となっています(2017年1月4.4%、2月4.0%、3月4.2%、4月3.2%、5月2.5%、6月2.3%、7月2.3%、8月2.6%、9月2.7%、10月2.1%、11月2.3%、12月2.2%、2018年1月2.0%、2月2.3%、3月2.3%、4月2.4%、5月2.9%、6月2.8%、7月2.3%、8月1.9%、9月2.6%、10月3.1%、11月2.5%、12月1.6%、2019年1月1.6%、2月2.4%、3月2.3%、4月2.6%、5月2.3%、6月1.6%、7月2.2%、8月3.1%、9月1.7%、10月1.3%、11月1.8%、12月3.1%、2020年1月3.6%、2月2.7%、3月2.8%、4月1.9%、5月2.4%、6月3.2%、7月3.1%、8月2.0%、9月2.9%、10月3.7%、11月3.7%、12月2.9%、2021年1月2.6%、2月1.7%、3月2.1%、4月2.7%、5月3.0%、6月2.7%、7月3.3%、8月3.4%、9月5.9%、10月6.8%、11月7.9%、12月6.7%、2022年1月4.1%)。なお、1月と比べると2月は1.2%の上昇でした。
 ガソリン価格は、政府による価格メカニズムにより国際価格に概ね連動して動いています。1月の4226リエル/リットルから、2月は4700リエル/リットルに上昇しました。ディーゼルも、1月の3976リエル/リットルから、2月は4450リエル/リットルに上昇しました。最近の国際原油価格(ニューヨーク市場のWTI)は、ロシアのウクライナ侵略の影響を受けて急激に上昇しており、3月初めには、130ドル台にまで上昇しました。2021年3月初めは60ドル台であり、1年間で価格は2倍となっています。カンボジアのガソリン価格も国際価格に概ね連動して動いており、急速な上昇が見込まれ、物価全体への波及も懸念されます。
 国際機関は、これまでのところ、カンボジアの物価上昇率を安定的と見ています。2022年の物価上昇率について、アジア開発銀行は2.7%、世界銀行は3.8%、国際通貨基金(IMF)は3.0%と予測しています。
(写真は、プノンペンのセントラルマーケット。3月16日撮影)  



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北九州市の外郭団体などがカンボジアの水道事業に本格参入

2022年03月30日 | 経済
 3月23日、北九州市やクボタ建設は、日系企業5社によるコンソーシアムが、カンボジアのカンダール州タクマウ市における「タクマウ上水道拡張事業」を受注したと発表しました。この事業は2020年5月に日本政府とカンボジア政府が調印した、事業・運営権対応型無償資金協力の一環で、タクマウ市内に新設する浄水場の設計・建設と運営を行うものです。コンソーシアムに参加した企業は、クボタ建設(土木・建築工事、取水施設、ポンプ設備)、神鋼環境ソリューション(浄水施設、受電設備、機械設備)、北九州ウォーターサービス(制御・計装設備、運転指導)、建設技研インターナショナル(土木・構造物設計、設計図書全体取りまとめ)、TEC インターナショナル(報告書類作成等)の5社となっています。北九州市が企画から深く関わってきた「タクマウ上水道拡張事業」について、北九州市の外郭団体である北九州ウォーターサービスを含む、北九州市海外水ビジネス推進協議会(KOWBA)の会員企業5社が受注したとしています。自治体が出資する外郭団体として海外の水道事業に参画するのは、日本で初めてとのことです。なお、北九州市は外郭団体である北九州ウォーターサービスと連携し、事業全体を通じて技術支援を実施するとしています
 この事業は、通常の無償資金協力事業と異なり、カンボジアで浄水場等を建設した後、現地で10 年間の水道事業運営を受注企業が行います。受注金額のうち施設整備費は28.8 億円です。供給能力3万立方メートル/日の浄水場等を建設することにより、およそ8万人のタクマウ市民の水不足を解決し、カンボジアのSDGs達成に大きく寄与します。
 日本の水道事業は、ほとんどが自治体主体のため、海外での水道事業の運営に日本企業が参入することが難しいと言われてきました。北九州市がプノンペン水道での長い経験を活かして、この状況を突破していこうとすることには大きな意義があります。今後の更なる展開が期待されます。
(写真は、クボタ建設の発表より)

北九州市の発表
https://www.city.kitakyushu.lg.jp/files/000972615.pdf

クボタ建設の発表
https://www.kubota-const.co.jp/news/2022/news_03.html


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カンボジア日本人商工会 定期総会2022年3月

2022年03月29日 | 経済
 3月23日、オンラインにてカンボジア日本人商工会定期総会が開催されました。カンボジア日本人商工会の会員数は、新型コロナの影響を受けて、今年度も会員数が減少となりました。2022年3月現在では、正会員178社(2021年3月188社)、準会員70社(同64社)、賛助会員2社、特別会員3団体となり、合計で250社・3団体(同254社・3団体)となっています。カンボジア総合研究所も正会員として加入させていただいております。
 総会では、4月からの新年度の役員選挙の結果、会計報告、予算決議、各委員会からの報告、商工会としての活動報告等が行われました。商工会の活動として重要なものの一つが官民合同会議です。この会議は、日本カンボジア投資協定に定められたもので、年2回、日本企業が直面する様々な問題について、カンボジア政府上層部と直接協議を行える場となっています。この会議を通じて解決された課題も多数あり、投資環境の改善に大きく役立っています。また、細かい点まで協議するために、関税消費税総局や税務総局との対話会等、関係省庁との個別の協議会も開催され、投資環境改善の課題等について討議しています。この他、会員向けに税務や労務に関するセミナーも実施しています。また、新型コロナで難しい面もありましたが、会員間の親睦を図る活動も行っています。
 カンボジア日本人商工会は、カンボジア経済の発展に重要な役割を果たしている日系企業の活躍の基盤となっており、引き続き活発な活動が期待されます。
(写真は、プノンペン北部の高層ビル群)

カンボジア日本人商工会のサイト
http://www.jbac.info/


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メルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」今週号は本日発行です

2022年03月28日 | 一般
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新型コロナ カンボジアの状況 3月28日 アジア各国の規制緩和進む

2022年03月28日 | 経済
 カンボジアの新型コロナウイルスの感染状況は、ワクチン接種の進展に伴い市中感染は大幅に減少していました。しかし、2月に入ってオミクロン株の市中感染が拡大しました。3月27日の保健省の発表によれば、死者は累計3054名(3月20日から3名増)です。累計陽性者数は13万5461名(同475名増)となっています。治癒数は13万1413名(同457名増)です。先週の新規陽性者のうち、市中感染は453名、海外帰国・入国者の新規陽性は22名でした。
 カンボジアで初のオミクロン株の陽性者は昨年12月14日に確認されました。当初は海外からの帰国・入国者のみでしたが、1月8日にオミクロン株初の市中感染確認が発表され、その後市中感染が拡大しましたが、3月中旬以降、ピークアウトの様相を示しています。3月27日発表で国内での市中感染は1万3670例(3月20日から453例増)が確認されているとしています。
 3月17日からカンボジア政府は、カンボジア入国時の規制を大幅に緩和しました。東南アジア各国でも入国時の規制緩和が進んでおり、4月からは、7カ国で入国時隔離なしとなる見込みです。ワクチン接種や陰性証明を条件としつつ、今月はベトナムとインドネシアが、さらに4月1日からはマレーシアとシンガポールが旅行者の受け入れを全面的に再開することを発表しています。詳細につきましては、各国にある日本大使館のサイト等でご確認ください。
 3月21日、フン・セン首相は、今後もワクチン接種を進めるためにはワクチンの調達が重要であるとして、世界保健機関(WHO)が承認済であれば、ワクチンの種類や製造国に関わらず、全て受け入れたいと述べました。日本等では、厚労省がかたくなに日本での治験を求め、特定のワクチン・治療薬しか承認していない上に、国民の間でも特定のワクチンを選好する動きが広まりつつあります。カンボジアでは、3回目・4回目のワクチン接種を更に進めていくためには、ワクチン種類にこだわらないという姿勢を再確認したものと見られます。報道によりますと、カンボジアでも当初は3~4歳児への接種に慎重な雰囲気が強かった模様ですが、最近では子供に早く接種を受けさせたいとする意見が大半を占めるようになっているとのことです。
 カンボジアでのワクチン接種については、世界的に見ても早いペースで接種が進んでいます。既に、5歳以上~成人についてはほぼ接種を完了していると言ってもよい状況と見られます。3月26日現在で、1480万8793人への第1回接種を完了しています。これは、カンボジアの人口(約1600万人)の92.6%に相当します。成人(18歳以上約1000万人)への接種について見ると、既に目標の102.6%に第1回接種を、99.2%に2回目を完了しています。また、世界に先駆けて、3歳~4歳児への接種を2月23日から開始しました。29万8301人への第1回接種を完了しています。
 ブースター接種(3回目)も実施が進められ、3月26日現在788万6905人(うち成人587万7632人)が接種を完了しています。1月3日以降、12歳~18歳に対しても3回目接種を行っており、119万6015人が接種を完了しています。更に、6歳~12歳についても2月21日から3回目接種が開始され、82万258人が完了しています。また、オミクロン株対策の一環として、4回目の接種を1月14日から開始しました。3月26日現在で115万1476人が接種済です。
 カンボジアでは、感染拡大に歯止めをかけるために2021年はプノンペン等のロックダウンに踏み切る等、厳しい規制を行ってきましたが、秋以降、大幅緩和となっています。なお、入国規制を含めて各種規制が頻繁に変更されていますので、大使館等のサイトで最新情報をご確認ください。カンボジアは、医療体制が脆弱という弱点があり、いわゆる医療崩壊の懸念がありますので、引き続きマスクやアルコール消毒といった対策の継続が必要と見られます。
(写真は、活気を取り戻しているプノンペンのバンケンコンマーケット。3月23日撮影)

カンボジア日本人会のフェイスブック
https://web.facebook.com/Jacambodia/

在カンボジア日本国大使館のサイト
https://www.kh.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html



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春分の日 アンコールワットの日の出 世界一の日の出

2022年03月27日 | 社会・風土
 3月21日の春分の日、世界遺産のアンコールワットの中央の尖塔の先端から昇る朝日を見に6000人以上の人が集まったとのことです。今年は、ちょっと雲が出てしまってくっきりとは見えなかったようです。
 アンコールワットの正面は、正確に西側を向いており、春分・秋分の日は、アンコールワットの中央の塔の先端から昇る朝日を見るのに最適と言われます。今年は英国の比較サイトMorningsで、このアンコールワットの日の出が「世界一の日の出」に選出されました。ちなみに第2位はハレアカラ(ハワイ:米国)、3位タージマハル(インド)、4位ボロブドゥール(インドネシア)、5位ウルル(エアーズ・ロック:オーストラリア)等となっています。
 アンコールワットの初日の出も、日本人としてはぜひ見たいのですが、東西南北をきっちりと出しているアンコールワットでは、春分・秋分の日もぜひ訪れたいものです。
(写真は、AKPより。資料)

Morningsのサイト(英文です)
https://mornings.co.uk/best-sunrise-and-sunset/

今年の春分の日の様子。多くの人が集まりました。(AKPより)



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夢の切符 ジャパンレイルパス 2022

2022年03月26日 | 生活環境
 日本に一時帰国するのに合わせて、鉄道ファンにとって夢の切符「ジャパンレイルパス」を購入しました。このジャパンレイルパスは、日本全国のJRに乗り放題のパスです。原則として外国人しか購入できませんが、日本人でも「在留期間が 10 年以上であることを確認できる書類で、在外公館で取得したもの等」を有する方は購入することができます。今回は、在カンボジア日本国大使館で在留証明書(10年以上)を発行していただき、購入・引換することができました。
 ジャパンレイルパスはいろいろな種類がありますが、今回購入したのは、7日間有効、グリーン車も乗り放題で約360ドルでした(普通車だと約270ドル)。プノンペンのオリンピックスタジアム近くのオリンピアシティにあるクロマーツアーズで、まず引換券を購入しました。日本に到着後、みどりの窓口でパスに交換してもらい、座席指定を取りました。
 今回は、中学・高校時代の鉄道研究部の仲間と北海道を旅しました。北海道新幹線で函館に向かい、その後、釧路、網走、小樽等を、鉄道写真を撮りながら回りました。ちょうど大雪の時で、乗る予定の特急が運休になったりと波乱万丈でしたが、流氷や雪の知床連山等を見ることもできました。カンボジアから一時帰国して日本を鉄道で旅行すると、日本の美しさに感動します。できれば、このパスでまた日本を再発見する旅に出たいと思います。
 鉄道ファンには本当にうれしい切符ですが、購入には条件がありますので、詳細はクロマーツアーズ等にご確認ください。条件が合う方は、ぜひお試しください。
(写真は、釧網本線。釧路湿原の中を走る「雪の湿原号」)

Japan Rail Pass
https://japanrailpass.net/about_jrp.html

釧網本線 流氷をバックに


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リエルデー 「リエル」再導入42周年記念式典

2022年03月25日 | 経済
 3月20日、カンボジアの通貨「リエル」を再導入して42年となることを記念する式典「リエルデー」の様々なイベントが、カンボジアの中央銀行であるカンボジア国立銀行(NBC)の主催で開催されました。今回は、プノンペンのチップモンショッピングモールで、様々な展示や音楽イベント等も開催されました。地方の4州でも展示会が開催され、クメールタイムス紙上で、リエル化促進のための記事の掲載も行われました。
 原始共産制を標榜したポル・ポト政権は、通貨を廃止し、中央銀行も爆破して破壊してしまいました。ポル・ポト政権がプノンペンを追われた直後の1980年3月20日に、通貨「リエル」が再導入されました。しかし、その後の内戦等の混乱もあって、カンボジアではドル化が進み、金融取引の8割、預金の9割以上が外貨建て(主に米ドル)となっています。
 ドル化は、カンボジアへの海外投資誘致にはプラスの効果があります。一方、中央銀行による金融政策(政策金利や通貨供給量調節等)実施が困難であること、ドルと他通貨(円、ユーロ、中国人民元、タイバーツ等)の為替変動にさらされること等のドル化のマイナス面も目立ってきています。NBCでは、脱ドル化のプラス面として、地方部での金融アクセス改善、外貨準備の強化、通貨発行益の確保、偽札の排除等も訴えています。今回は、ウクライナに侵攻したロシアへの経済制裁を見てしまったためか、「脱ドル化」がかなり強調さているように見られます。ドル化経済で、同じような制裁が行われた際のインパクトが相当に大きいと懸念されるためとも見られます。
 NBCでは、脱ドル化を緩やかに進める方針で、公務員給与のリエル建て化、株式市場の建値のリエル使用等、リエルの使用促進を段階的に進めています。また、中央銀行デジタル通貨バコンによるリエル使用促進効果にも大きく期待しています。
(写真はNBCのフェイスブックより)

NBCのフェイスブック(クメール語)
https://web.facebook.com/nationalbankofcambodiaofficial/posts/298055695801582


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岸田首相 カンボジアを訪問

2022年03月24日 | 経済
 3月20日、岸田首相は、カンボジアを訪問しました。
 岸田首相は、1992年から93年にかけてのカンボジアにおける国連平和維持活動の中で命を落とされた故高田晴行警視(国連カンボジア暫定機構・文民警察官)及び故中田厚仁氏(国連ボランティア)の慰霊碑に献花しました。また、独立記念塔において献花を行い、ノロドム・シハヌーク前国王像献花式に参加しました。
 続いて、歓迎式典に出席した後、フン・セン首相と首脳会談を行いました。首脳会談では、岸田首相は、フン・セン首相及びカンボジア国民から受けた温かい歓迎に感謝の意を表し、史上最良レベルにある両国関係をフン・セン首相と共に更に発展させたいと述べました。また、本年のASEAN議長として、フン・セン首相がミャンマー情勢打開に向けて積極的に取り組んでいることに敬意を表しつつ、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた取組や、ロシアによるウクライナ侵略など地域・国際情勢への対応において、一層協力していきたいと述べました。これに対し、フン・セン首相からは、総理大臣として初の対面での会談を嬉しく思う、岸田首相と共に様々な地域・国際情勢への対応について緊密に連携していきたいと発言がありました。
 二国間関係については、シアヌークビル港等の重要インフラ整備、安全保障協力、高度産業人材育成や日系企業誘致等の経済関係、民主主義・人権分野への支援、エネルギー・トランジション、経済安全保障、デジタル、サイバーなどの新しい分野での協力等について協議されました。地域・国際情勢については、ウクライナ情勢、ミャンマー情勢、南シナ海問題、北朝鮮情勢などの重要課題についても意見交換しました。
 今回の訪問に合わせて、日本からの無償資金協力(合計5億円)の署名式も行われました。岸田首相が今回訪問したインドでは、3123億円の円借款が供与されています。また岸田首相訪問直前の中国の習金平主席とフン・セン首相の電話会談では、中国からワクチン2000万回分の供与が表明されています。日本のカンボジア向け支援は、新型コロナ対策等でこれまでに500億円以上を供与しているものの、今回は残念との声も出ています。
(写真は、首相官邸サイトより)

首相官邸の発表
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202203/20cambodia.html

外務省の発表(首脳会談)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/s_sa/sea1/kh/page4_005534.html


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自衛隊の護衛艦 カンボジアを親善訪問

2022年03月23日 | 経済
 3月15日~17日に、海上自衛隊のインド太平洋・中東方面派遣部隊(掃海母艦「うらが」、掃海艦「ひらど」)は、シアヌークビル港に寄港しました。寄港の目的は、海上自衛隊とカンボジア海軍との友好親善及び相互理解の増進と、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けての連携強化としています。
 シアヌークビル港ではティア・バン副首相兼国防大臣が桟橋まで出迎えたことに加え、艦隊関係者がフン・セン首相に表敬訪問する等、カンボジアは大歓迎の姿勢を示しました。フン・セン首相は、日本が支援したカンボジアにおける国連平和維持活動(PKO)30周年にあたり、カンボジアの平和構築とその後の経済発展における日本の果たした役割を高く評価しました。ティア・バン国防大臣も「今回の寄港は両国の防衛協力をさらに強化、発展させるためのもので歓迎している」と述べました。
 海上自衛隊関係者とカンボジア海軍関係者による、機雷等の爆発物処理、無人潜水機(水中ドローン)等に関する親善訓練も行われたとのことです。また、3月16日には、中国軍進出疑惑が取りざたされ、米軍が神経をとがらせているリアム海軍基地も訪問しました。
 米中冷戦が厳しさを増している中で、カンボジアが日本に寄せる信頼感は増しているものと見られます。日本としては、「親中派」と呼ばれているカンボジアが中国に傾き過ぎないよう、様々なルートにより粘り強い外交を継続していくことが重要となっているものと見られます。
(写真は、シアヌークビル港湾公社のフェイスブックより)

海上自衛隊の発表
https://www.mod.go.jp/msdf/release/202203/20220314.pdf


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経済財政省 公的債務統計報告書2022春 債務状況は問題ないレベル

2022年03月22日 | 経済
 3月3日、カンボジア経済財政省は、公的債務統計報告書(Cambodia Public Debt Statistical Bulletin)第13号を公表しました。2021年12月末現在のカンボジア政府の債務状況について詳細な統計により報告しています。
 1993年から2021年12月末までの累積で見ると、借款契約の総額は、155億4587万ドル(約1兆8226億円)となっています。そのうち、82.9%がインフラ整備に向けたものです。国別では、中国が最大で54億1571万ドル(全体の34.8%)、以下、アジア開発銀行37億4326万ドル(24.1%)、日本18億5523万ドル(11.9%)、世界銀行18億20万ドル(11.6%)、韓国11億8473万ドル(7.6%)等となっています。2021年12月末の公的対外債務残高は、94億9265万ドル(約1兆1201億円)となっています。
 債務持続性分析を見てみると、公的対外債務の現在価値の対GDP比率は24.4%(基準値40%)、同対輸出比率35.6%(同180%)、債務返済比率(債務返済の対輸出比率)2.0%(同15%)、債務返済の対歳入比率7.0%(同18%)と、いずれも健全とされる基準値を大きく下回っており、全く問題ありません。ストレステストでも基準値を超えることは全くなく、対外債務については、カンボジアは大変な優等生ということができます。世界銀行・国際通貨基金の判定でも「低リスク国(青信号国)」に分類されています。
 多くの途上国が、新型コロナ対策で多額の財政支出を余儀なくされ、また、経済状況も悪化する中で、対外債務に苦しみ始めています。カンボジアは、債務の過半が日本や世界銀行・アジア開発銀行からの譲許的借款であることに加え、債務マネジメントをしっかり行ってきたため、対外債務については概ね問題ない状況にあります。また、カンボジア経済は高度にドル化しているため、この先予想されるドル金利上昇やドル高によって、いくつかの新興国で懸念が高まっている急激な債務膨張や為替レートの変動の可能性も低いと言えます。いわゆる「債務の罠」に陥る可能性は現状では低いものの、特定国に偏り過ぎないようにバランスを取りつつ、引き続き公的債務を管理していくことが必要と見られます。
(写真は、日本の円借款で整備されてきたシアヌークビル港)

経済財政省のサイト(英文及びクメール語です)
https://mef.gov.kh/documents/cambodia-public-debt-statistical-bulletin-volume-13/


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メルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」今週号は本日発行です

2022年03月21日 | 一般
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新型コロナ カンボジアの状況 3月21日 カンボジア入国規制を大幅緩和

2022年03月21日 | 経済
 カンボジアの新型コロナウイルスの感染状況は、ワクチン接種の進展に伴い市中感染は大幅に減少していました。しかし、2月に入ってオミクロン株の市中感染が拡大しています。3月20日の保健省の発表によれば、死者は累計3051名(3月13日から4名増)です。累計陽性者数は13万4986名(同918名増)となっています。治癒数は13万956名(同1988名増)です。先週の新規陽性者のうち、市中感染は785名、海外帰国・入国者の新規陽性は133名でした。
 カンボジアで初のオミクロン株の陽性者は昨年12月14日に確認されました。当初は海外からの帰国・入国者のみでしたが、1月8日にオミクロン株初の市中感染確認が発表され、その後市中感染が拡大しています。3月20日発表で国内での市中感染は1万3217例(3月13日から785例増)が確認されているとしています。
 3月17日からカンボジア政府は、カンボジア入国時の規制を大幅に緩和しました。緩和されたのは、カンボジア到着前72時間以内のPCR陰性証明書の提出義務の撤廃、到着時の抗原検査の撤廃、陸路・海路・空路による全ての渡航者に対する到着時査証(アライバルビザ)の運用再開です。但し、全ての渡航者は入国時にワクチン接種証明書を提示しなければならないとしており、ワクチン未接種者は、14日間の隔離が必要となります。カンボジアでは、ワクチン接種の進展を背景に経済の再開を進めており、主要産業である観光業の回復に向けて大胆な緩和を行ったものと見られます。なお、周辺国のタイやベトナム、マレーシア等でも入国規制が緩和されてきています。
 3月18日、日経新聞は、「コロナの水際対策2年、失った往来 「鎖国」批判招く」と題する記事を掲載し、日本政府の水際対策を厳しく批判しました。世界的にみて日本の水際対策はきわめて厳しいといえる。来日を足止めされた外国人は1月時点で40万人にのぼった。留学生らの抗議活動もおこり「鎖国」のイメージが広がった。留学生は数ある国のなかから日本を選んだ。ビジネスや研究・教育の場としての日本の魅力や人気が低下してしまう。長期的には国際競争力にも影響する。変異型は日本国内で急拡大し水際対策は意味をなさなくなった。警戒を怠ってはいけないが、主要国と歩調を合わせた合理的な手段が引き続き求められる。」としています。
 3月18日、フン・セン首相は、中国の習金平主席と電話会談を行いました。この際、中国側から、2000万回分のワクチンを提供することが表明されました。また、中国は、カンボジア国内でのワクチン生産も支援するとしています。3月18日、ハンガリー政府が提供したアストラゼネカワクチン52万3100回分が到着しました。また、3月19日には、ASEAN対応基金によるファイザーワクチン13万9200回分も到着しました。カンボジアではこれまでに、約4460万回分のワクチンを調達していますが、中国の2000万回分と3~9月に到着予定のCOVAX550万回分を加えると、現在進めている国民1600万人への3回目と4回目の接種を十分に完了させられるものと見られます。
 カンボジアでのワクチン接種については、世界的に見ても早いペースで接種が進んでいます。既に、5歳以上~成人についてはほぼ接種を完了していると言ってもよい状況と見られます。3月19日現在で、1478万1310人への第1回接種を完了しています。これは、カンボジアの人口(約1600万人)の92.4%に相当します。成人(18歳以上約1000万人)への接種について見ると、既に目標の102.6%に第1回接種を、99.1%に2回目を完了しています。また、世界に先駆けて、3歳~4歳児への接種を2月23日から開始しました。28万1901人への第1回接種を完了しています。
 ブースター接種(3回目)も実施が進められ、3月19日現在777万4259人(うち成人582万548人)が接種を完了しています。1月3日以降、12歳~18歳に対しても3回目接種を行っており、117万5648人が接種を完了しています。更に、6歳~12歳についても2月21日から3回目接種が開始され、77万8061人が完了しています。また、オミクロン株対策の一環として、4回目の接種を1月14日から開始しました。3月19日現在で111万9758人が接種済です。
 カンボジアでは、感染拡大に歯止めをかけるために2021年はプノンペン等のロックダウンに踏み切る等、厳しい規制を行ってきましたが、秋以降、大幅緩和となっています。なお、入国規制を含めて各種規制が頻繁に変更されていますので、大使館等のサイトで最新情報をご確認ください。カンボジアは、医療体制が脆弱という弱点があり、いわゆる医療崩壊の懸念がありますので、引き続きマスクやアルコール消毒といった対策の継続が必要と見られます。
(写真は、活気を取り戻しているプノンペンのセントラルマーケット。3月16日撮影)

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在カンボジア日本国大使館のサイト
https://www.kh.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html



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久しぶりにカンポットの良い雰囲気のカフェ RIKITIKITAVI

2022年03月20日 | 生活環境
 久しぶりに、カンポット市内のホテルに併設のバーレストラン「リキティキタビRIKITIKITAVI」に寄ってみました。西洋人に人気の、川に面したプチホテルの二階にあるお洒落なカフェです。オープンなん造りで、川に面していて、気持ち良い風が通り抜ける、センスの良い作りです。メニューはインターナショナルですが、結構いけます。ちょっとした休憩や軽いランチにお薦めです。ボーっとして過ごすのもいいかもしれません。

Rikitikitavi
https://www.facebook.com/RikitikitaviKampot/

外観はこんな感じです。奥でホテルもやっています。



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日本への一時帰国 その3 プノンペンへ

2022年03月19日 | 生活環境
 日本に一時帰国した後、カンボジアに戻る旅の実際です。
 カンボジア入国に必要な書類は、陰性証明書とワクチン接種証明書です。カンボジアでは、ワクチン接種済で、出発72時間以内の陰性証明書があれば、入国時の隔離は必要ありません。ワクチン接種証明は、私はカンボジアのワクチンカードを持っていますので問題ありません。陰性証明書は、出発前日に神田北口診療所で、PCR検査を受けて発行していただきました。午前11時までに検査を受ければ、当日15時には証明書を頂けます。料金は、英文証明書(現物)の発効も含めて1万7000円でした(最も安い方と思います)。PCR検査は、鼻に綿棒を入れる方式をお願いしました。検査10日前からオンラインで予約可能です。PCR検査に熟練したクリニックで、予約や検査、証明書発行まで、とてもスムースでした。
 出発当日は、いつものように電車で成田空港に向かいました。久しぶりの成田空港は、がらんとしていました。今回の帰国は、大韓航空でインチョン経由でした。チェックイン時に、ビザ、ワクチンカードと陰性証明の提示を求められました。ビジネスクラスでしたが、残念ながら大韓航空のラウンジは休業でした。代わりに2000円の飲食券がもらえましたので、空港のお寿司屋さんで時間をつぶしました。保安検査、出国手続きはガラガラでスムースでしたが、保安検査は暇なためか全乗客のカバンを開けて検査していました(保安検査が法的に義務化された直後だったせいかもしれません)。成田空港の免税店街は、ほとんど休業で、お土産物屋さんが数軒営業しているだけでした(写真上)。最後に、搭乗ゲートで陰性証明の提示を再度求められました(この種の意味のない屋上屋的な規制が非科学的で非効率であるとして、日本全体の評判を下げていると感じます)。
 大韓航空に搭乗すると、客室乗務員が青い防護服を着ていますが、他は特段変わったところはありません。インチョン空港では、新しい第2ターミナルを利用しました。到着時のチェックやセキュリティーチェックは特段変わったところはないようでした。陰性証明書のチェック等もありませんでした。インチョン空港の免税店は、全店が開店していました。お客さんの数は少ないかと思いますが、地道な努力を続けていると感じました。ほんのわずかな政策的な違いや、やる気の違いが、結果として成田空港と大きな差となっていると思われます。
 プノンペン空港に到着すると、案内の方について行き、あとはベルトコンベア型で、各種の手続やチェック、検査が実施されます。必要書類は、いつもの入国カード・税関申告書と、機内で配布される保健省のフォームだけです。まず、陰性証明書とワクチンカードのチェックが行われます。次いで、いつもと変わらない入国手続きを終え、荷物をターンテーブルからピックアップして、税関を抜けてから、抗原検査を受けます。既に氏名等を入力済の書類が準備されており、日本をしのぐ効率化にびっくりしました。検査は、鼻に綿棒を入れるタイプです。検査のところで陰性証明書は提出となります(戻って来ません)。検査結果を臨時待合所で待っていると15分ほどで結果が出て、陰性の場合は、出口で名前を呼ばれて、パスポートを提示して、黄色いシールを服に貼られて、後は自由放免です。到着からここまでにかかった時間は35分ほどで、非常にスムースでした。成田空港の書類や手続の煩雑さと比べると、非常によくできていると感じさせます。

神田北口診療所
https://kandakita.clinic/

(追記)3月17日からカンボジア政府は、入国規制を大幅に緩和しました。上記のうち、陰性証明書は不要となりました。また、到着時の抗原検査も廃止されました。ビザについても、到着地で発給されるアライバルビザが復活しました。入国時規制は随時見直されていますので、十分ご留意ください。



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