5月11日、カンボジア鉱業エネルギー省エネルギー総局は、現在建設中の発電所の工事完成・全国送電網への接続時期の見込みについて説明しました。今年から2026年までに発電容量合計で1975MWが完成し、送電網に接続される計画となっています。
2021年10月に、工事が遅れていたマレーシア系グリーン・サステナブル・ベンチャーズによるスバイリエン州での太陽光発電所(20MW)が完成予定です。2022年は、タイ系のプライム・ロードによるコンポンチュナン州での太陽光発電所(60MW)、ウドンメンチェイ州での石炭火力発電所第1フェーズ(132.5MW)、中国華電集団傘下の華電シアヌークビル・パワー・ジェネレーションによるシアヌークビル州スタンハウでの石炭火力発電所第1フェーズ(350MW)が完成の予定です(合計542.5MW)。2023年は、カンボジアン・タタイ・ハイドロパワーによるコッコン州タタイ水力発電所(150MW)、ウドンメンチェイ州での石炭火力発電所第2フェーズ(132.5MW)、華電シアヌークビル・パワー・ジェネレーションによるシアヌークビル州スタンハウでの石炭火力発電所第2フェーズ(350MW)が接続される予定です(合計632.5MW)。2024年には、地場財閥ロイヤル・グループによる、コッコン州ボトムサコーでの石炭火力発電所第1フェーズ(350MW)、2025年には同第2フェーズ(350MW)が完成予定です。2026年には、中国と韓国の合弁企業SPHPのプルサット州でのストゥン・プルサット第1水力発電所(80MW)が完成予定です。
カンボジア鉱業エネルギー省エネルギー総局のビクター・ジョナ総局長は、エネルギー安全保障は、経済成長を支えるインフラとして最も重要であると述べています。なお、上記の建設中以外にも複数の太陽光発電所が計画段階にあることから、持続可能エネルギーが今後も重要な役割を果たすとしています。
カンボジアの発電容量は2020年末で2916MWとなっています。2010年から2019年までの平均の需要増加率は19%に達しています。今後も同様に需要が伸びるとすると、毎年500MW~600MWの発電設備増強が必要となります。今後も引き続き発電所・送電線の整備を進めることが必要であり、カンボジア政府の地道な努力が期待されます。
(写真は、シアヌークビル郊外のスタンハウの石炭火力発電所)
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