カンボジア経済

カンボジアの経済について、お堅い数字の話から、グルメ情報といったやわらかい話まで、ビジネス関係の方にお役に立つブログです

カンボジア通貨のリエル 羽田空港で両替可能に

2024年04月30日 | 経済
 4月16日、カンボジア中央銀行であるカンボジア国立銀行(NBC)の協力により、羽田空港の両替店Travelexで、カンボジアの現地通貨リエルへの両替が可能になりました。記念式典には、カンボジア国立銀行のキムティ・コモリィ中央銀行業務総局長が参加しました。カンボジア以外の国の両替店でリエルへの両替が可能となるのは、シンガポールに次いで二か国目となるとのことです。
 カンボジアは高度にドル化された経済で、カンボジア国内では一般にドルが流通し、取引の8割以上がドルで決済されています。カンボジアリエルは、ドルとの為替レートを、最近20年ほど安定的に維持しています。一方、日本円との為替レートは、日本円とドルとの為替レートの変動にさらされることとなります。
 世界の通貨は、ドル、円、ユーロ、ポンド、スイスフラン等のように信用力が高く、世界中で交換可能なハードカレンシーと、カンボジアリエルのようなソフトカレンシーに分かれます。ソフトカレンシーの中で、カンボジアリエルの対ドル為替レートは安定的に推移しており、国際的な信用力は高まってきたものと見られます。こうした中で、日本の羽田空港でカンボジアリエルへの両替が可能となったことは、カンボジアリエルの国際的信用力を示す好事例となるものであり、大きな意義があるものと見られます。カンボジア国立銀行では、これまでの為替レート安定のための地道な努力が実り、リエルの交換可能性の向上、カンボジアへの観光客誘致等に効果を発揮することに期待を示しています。
 なお、日本からの観光客にとっては、リエルよりもドルに両替してカンボジアに持ち込むことで現時点では十分なものと考えられます。
(写真は、カンボジア国立銀行のフェイスブックより)

カンボジア国立銀行のフェイスブック(クメール語と英語)
https://www.facebook.com/nationalbankofcambodiaofficial/posts/pfbid0273UDkY2AhxXp3ijGUpGuvESk6nzPWNmv1p4ZCjusfgHJYB9XmsbH6cmsVgAKB18al


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カンボジア 2024年3月の物価上昇率

2024年04月29日 | 経済
 国家統計庁から発表された2024年3月の消費者物価上昇率(対前年同月比)は、0.0%でした。物価上昇率は、2012年以降、安定的に推移しており、2018年1月以降は概ね3%未満で推移していました。2021年9月からは久しぶりの大幅上昇となっていましたが、2022年7月以降は低下傾向となっていました。2023年7月以降、若干の上昇に転じていましたが、今年に入り低下傾向にありました(2019年1月1.6%、2月2.4%、3月2.3%、4月2.6%、5月2.3%、6月1.6%、7月2.2%、8月3.1%、9月1.7%、10月1.3%、11月1.8%、12月3.1%、2020年1月3.6%、2月2.7%、3月2.8%、4月1.9%、5月2.4%、6月3.2%、7月3.1%、8月2.0%、9月2.9%、10月3.7%、11月3.7%、12月2.9%、2021年1月2.6%、2月1.7%、3月2.1%、4月2.7%、5月3.0%、6月2.7%、7月3.3%、8月3.4%、9月5.9%、10月6.8%、11月7.9%、12月6.7%、2022年1月4.1%、2月6.3%、3月7.2%、4月7.3%、5月7.2%、6月7.8%、7月5.4%、8月4.9%、9月4.4%、10月3.6%、11月3.2%、12月2.9%、2023年1月3.0%、2月2.2%、3月0.7%、4月1.1%、5月0.5%、6月0.0%、7月1.9%、8月3.2%、9月3.8%、10月3.9%、11月2.7%、12月2.7%、2024年1月マイナス0.5%、2月マイナス0.3%)。なお、2月と比べると3月は0.5%の上昇でした。
 ガソリン価格は、政府による価格メカニズムにより国際価格に概ね連動して動いています。2月の4374エル/リットルから、3月は4361リエル/リットルに低下しました。ディーゼルは、2月の4274リエル/リットルから、3月は4179リエル/リットルに低下しました。国際原油価格(ニューヨーク市場のWTI)は、ロシアのウクライナ侵略の影響を受けて急激に上昇し2022年3月初めに130ドル台にまで上昇した後、足元は80ドル台で推移しています。カンボジアはガソリン類を全量輸入に頼っているため、カンボジアのガソリン価格も国際価格に連動しています。2023年中盤に上昇した後、最近落ち着いてきています。
 国際機関は、2024年のカンボジアの物価上昇率については安定的と予測しています。アジア開発銀行は2.0%、世界銀行は2.8%、IMFは2.3%、AMROは3.1%と予測しています。
(写真は、プノンペンのセントラルマーケット。3月17日撮影)  



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メルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」今週号は本日発行です

2024年04月29日 | 一般
 ブログ「カンボジア経済」は、毎日更新して、カンボジア経済情報をデイリーにお伝えしています。これらの情報をまとめて週刊でメルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」を発行しています。毎週月曜日に発行しています。「無料」です。
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カンボジアに熱波襲来予測 気温は42度に

2024年04月28日 | 社会・風土
 カンボジア水資源気象省によりますと、カンボジアとタイは4月末から熱波に襲われ、最高気温が42度に達する可能性があるとのことです。この気温は、カンボジアでも最高気温記録を更新するものとのことです。
 熱波の影響で、隣国のタイでは、今年すでに30名が死亡しているとの情報もあります。
 高温が続きますと、室内でも熱中症となる可能性があります。カンボジアにご滞在の方は、エアコンの適切な利用と、水分補給に十分ご留意ください。
(写真は、クメールタイムズ紙より)



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夢の切符 ジャパンレイルパス 2024年4月

2024年04月27日 | 生活環境
 日本に一時帰国するのに合わせて、鉄道ファンにとって夢の切符「ジャパンレイルパス」を購入しました。このジャパンレイルパスは、日本全国のJRに乗り放題のパスです。原則として外国人しか購入できませんが、日本人でも「在留期間が 10 年以上であることを確認できる書類で、在外公館で取得したもの等」を有する方は購入することができます。今回は、在カンボジア日本国大使館で在留証明書(10年以上)を発行していただき、購入・引換することができました。
 ジャパンレイルパスはいろいろな種類がありますが、今回購入したのは、7日間有効、グリーン車も乗り放題で482ドルでした。前回は272ドルでしたが、2023年10月から大幅に値上げされています。それでも円安効果でお得な値段でした。
 プノンペンのクロマーツアーズで、まず引換券を購入しました(現時点では、プノンペンでジャパンレイルパスを購入できるのはクロマーツアーズだけとのことです)。日本に到着後、みどりの窓口でパスに交換してもらい、券売機で座席指定を取りました。
 今回は、春の四国を旅しました。カンボジアから一時帰国して日本を鉄道で旅行すると、日本の美しさに感動します。できれば、このパスでまた日本を再発見する旅に出たいと思います。
 鉄道ファンには本当にうれしい切符ですが、購入には条件がありますので、詳細はクロマーツアーズ等にご確認ください。条件が合う方は、ぜひお試しください。
(写真は、桜が満開の喜多灘駅)

追記: 4月17日に四国を中心として大きな地震がありました。ちょうど旅をしたばかりの予讃線、予土線が影響を受けました。また、宇和島等でも被害があったようです。心からお見舞い申し上げます。

Japan Rail Pass
https://japanrailpass.net/about_jrp.html

JR四国の新幹線(もどき)。正式名は、鉄道ホビートレインです。



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IMF 世界経済見通し2024春 世界経済は着実に回復

2024年04月26日 | 経済
 4月16日、国際通貨基金(IMF)は、世界経済見通し(WEO)2024年4月版を発表しました。世界経済については、「経済活動は、世界的にディスインフレが見られた2022-23年を通して、予想外に底堅かった。スタグフレーションや世界的な景気後退に関する警告に反して、世界のインフレ率が2022年のピークから和らぐ中で安定的に伸びた」としています。世界全体の成長率については、2023年3.2%(2023年10月予測3.0%)、2024年3.2%(同2.9%)、2025年3.2%と予測しています。世界の物価上昇率については、「2023年の6.8%から2024年は5.9%、2025年には4.5%へと安定的に鈍化する見込みである」と指摘しています。
 中国の成長見通しが弱いことが、カンボジア等の貿易相手国の見通しに影響している中で、カンボジアの今年の成長率予測は若干引き下げられたものの、高い水準を維持すると見ています。成長率予測は、2023年5.0%(同5.6%)、2024年6.0%(同6.1%)、2025年6.1%となっています。更に、2026年以降2029年までの成長率は、5.5%~6.1%と高度成長に復帰すると予測しています。一人当たりGDPは、2011年に1000ドルを突破した後、2024年には2628ドルに達するとしています。更に、2026年には3002ドルと、ついに3000ドルの大台に乗る見込みです。物価上昇率は、2023年2.1%(同2.0%)、2024年2.3%(同3.0%)、2025年3.0%と見込んでいます。経常収支の赤字(対GDP比)は、2021年31.0%、2022年19.2%にまで悪化しましたが、2023年は黒字に転換してプラス1.3%となりました。今年以降は赤字となりますが、2024年3.5%、2025年4.1%と問題ないレベルとなると見ています。
 世界的な需要減退と金融引き締めの中で、スリランカのように激しい物価上昇、為替変動、外貨危機、対外債務返済不能、政治的混乱等に直面して困難な状況にある国も出てきています。しかし、カンボジアは、途上国の中では物価も安定的、為替レートも安定、対外債務も問題ないレベルであり、マクロ経済運営は様々な外的ショックにうまく対応しているものと見られます。今後も、日本等先進各国や国際機関の協力を得つつ、経済成長と貧困削減に向けた努力を継続することが期待されます。

国際通貨基金(IMF) 世界経済見通し2024年4月版(和文新聞発表)
https://www.imf.org/ja/Publications/WEO/Issues/2024/04/16/world-economic-outlook-april-2024


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引退のJR北海道の特急型ディーゼル車 キハ183系 カンボジアへ

2024年04月25日 | 経済
  2023年3月に定期運行を終えたJR北海道の特急型ディーゼル車「キハ183系」の11両が、カンボジアの鉄道会社「ロイヤル鉄道」へ売却されました。国鉄時代に製造されたキハ183系のうち、国内に残る最後の車両で、4月15日に函館港から船でカンボジア・シアヌークビル港へ向かった模様です。
 カンボジア到着後は、首都プノンペンとタイ国境とを結ぶ観光列車等として年内にもデビュー予定とのことです。キハ183系は、タイにも譲渡されており、線路で結ばれている二か国でキハ183系が運行されることとなります。
 キハ183系は1979年に開発され、特急「北斗」・「オホーツク」・「大雪」などとして運行されてきました。中古鉄道車両の輸出実績がある貿易商社ウエストコーポレーションが、JR北海道から計18両を買い取り、このうち7両は2023年9月にアフリカのコンゴへ輸出されていました。今回の輸出で全18両が海外で再活用されることになりました。
 日本の中古鉄道車両は、インドネシア、タイ、ミャンマーをはじめとする各国に輸出されてきましたが、カンボジアに輸出されるのは初めてとのことです。日本の鉄道車両が、海外で活躍することは、大きな意義があるものと見られます。
(写真は、JR北海道時代のキハ183系特急「大雪」。2023年2月筆者撮影)

ロイヤル鉄道のフェイスブック(英文です)
https://www.facebook.com/TRRCambodia/posts/pfbid0JhoitEWteuxqRoZBZZ7FLhPUcoiHbboCG7G2PYHqpBQXyUZP6Ld6kEceagXPt3YGl

函館港での船積みの様子(ロイヤル鉄道のフェイスブックより)




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AMRO 地域経済見通し2024年4月 カンボジアは堅調な成長に期待

2024年04月24日 | 経済
 4月8日、ASEAN+3マクロ経済調査事務局(ASEAN+3 Macroeconomic Research Office:AMRO)は、ASEAN+3地域経済見通し2024年版を発表しました。AMROは、この地域の経済・金融の監視・分析を行うとともに、ASEAN+3(ASEAN10か国と日本、中国、韓国)による外貨融通の取り決め「チェンマイ・イニシアティブ(CMIM)」の実施を支援するために設立された国際機関です。
 AMROは、今回の見通しで加盟13カ国の経済が堅調に推移すると見て、GDP成長率見込みを2023年4.3%(昨年10月予測4.3%)、2024年4.5%(同4.5%)、2025年4.2%と予測しました。ASEAN10か国では、2023年4.2%(同4.4%)、2024年4.8%(同5.0%)、2025年4.9%と見ています。AMROでは、今年のASEAN+3の力強い成長は、家計所得の増加と投資活動の回復に支えられた堅調な内需が主軸となると見ています。また、世界的な半導体のアップサイクルや観光業の回復の継続などにより、輸出の好転が見込まれることも追い風となると予測しています。物価上昇率(13カ国)も、2023年の6.3%から、2024年4.3%、2025年3.7%と落ち着いてくると見ています。
 カンボジアについては、成長率を2023年5.3%(同5.3%)、2024年6.2%(同6.2%)、2025年6.4%と見ています。2023年は、世界的な需要減退による縫製業の伸び悩みがあったものの、観光の回復と内需の好調に支えられて成長率が高まったとしています。
 物価上昇については、2023年2.1%、2024年3.1%、2025年2.8%と落ち着いてくるものと予測しています。対外収支については、経常収支の赤字(対GDP比)は、2021年には40.4%にまで悪化しましたが、2022年25.7%、2023年2.6%と急速に改善しました。また、外貨準備は2023年末には184億ドルと非常に安定的なレベルにあるとしています。
 カンボジア経済のリスクとしては、中国の経済減退、世界的な需要減退、国際石油価格の高騰、地政学的緊張の高まり等を挙げています。更に、不動産セクターについては、供給過剰等による弱含みが続いており、金融セクターや経済全般への波及も懸念されるとしてます。特に、中央銀行による金融監督が十分に行われていない不動産開発業者による不動産向け貸付のリスクに警鐘を鳴らしています。
 AMROとCMIMは、アジア通貨危機の際の国際通貨基金(IMF)の対応が失敗続きであったために、日本が主導して設立したアジア版IMFです。2016年の設立協定発効以降、活動を本格化しており、アジアの視点に立った経済分析・監視を実施しています。

AMROの新聞発表(英文です)
https://amro-asia.org/asean3-policymakers-should-rebuild-policy-space-and-address-long-term-challenges-amid-positive-outlook


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アジア経済見通し2024春 カンボジア経済の回復続く

2024年04月23日 | 経済
 アジア開発銀行(ADB)は、4月11日に「アジア経済見通し2024年4月版(Asian Development Outlook April 2024)」を発表しました。ADBでは、アジア・太平洋地域の開発途上国経済は、堅調な内需、半導体輸出の改善、観光業の回復を背景に底堅い成長を続けているとしています。しかし、サプライチェーンの混乱、米国の金融政策の不確実性、異常気象の影響、中国の不動産市場のさらなる低迷といった多くのリスクに引き続き警戒する必要があると指摘しました。
 アジア開発途上国の経済成長見通しを2024年4.9%(前回2023年9月予測4.8%)、2025年4.8%と予測しています。アジア・太平洋地域のインフレ率は、国・地域によってかなりばらつきがあるものの、2022年の4.4%から、2023年3.3%、2024年3.2%、2025年3.0%と落ち着いてくると予測しています。
 カンボジアについては、2024年のGDP成長率を5.8%(前回6.0%)、2025年6.0%と予測しています。縫製品の輸出の回復、堅調な輸出が続く縫製以外の製造業等に支えられて、第二次産業の成長率は2024年8.0%、2025年8.4%に達すると予測しています。第3次産業については、観光の回復が続き、2024年5.4%、2025年5.2%の成長となると見ています。第一次産業は、農産品の輸出の伸びに支えられて、2024年1.3%、2025年1.4%成長すると予測しました。他方、建設業、不動産業については、中国の不動産不況、中国からの投資減退の影響を受けて、引き続き伸び悩むと指摘しています。
 物価上昇率予測については、ロシアのウクライナ侵攻等の影響もあり、2022年は5.3%まで高まりましたが、2023年は2.1%(前回3.0%)、2024年は2.0%(前回4.0%)、2025年2.0%に落ち着くとしています。
 国際収支については、輸出の好調にも支えられて、経常収支の赤字は、2024年8.6%、2025年7.6%と縮小傾向にあると見ています。また、外貨準備は2025年末には250億ドル(輸入の7.6か月分)に増加すると予測しました。
 リスクとしては、2029年に予定されるカンボジアの後発開発途上国(LDC)からの卒業に伴う特恵関税資格の喪失を特記しています。
(グラフは、ADBの発表より)

アジア開発銀行のサイト(和文)
https://www.adb.org/ja/news/adb-forecasts-developing-asia-economy-grow-4-9-2024


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マイクロファイナンス リエルの使用促進にも貢献

2024年04月22日 | 経済
 3月25日、カンボジア・マイクロファイナンス協会は、2023年のマイクロファイナンスにおいてリエル建ての比率が大幅に高まったと発表しました。2023年末時点のリエル建ての貸付残高は5兆5600億リエル(約2090億円)、預金残高は1兆5200億リエル(約570億円)となっています。総貸付残高に占めるリエル建ての比率は25%、総預金残高に占めるリエル建ての比率は16%に上昇しました。中央銀行が求めているリエル建て比率10%以上という規制を大きく上回っています。
 マイクロファイナンス協会では、中央銀行であるカンボジア国立銀行等の関係機関の協力によるリエルに対する信頼感を高める努力、金融リテラシーを向上させるための活動、中央銀行デジタル通貨バコンの導入、統一QRコードであるKHQRの導入等によるリエル建てデジタル決済の推進等が効果をあげたと分籍しています。
 カンボジア国立銀行のチア・スレイ総裁は、高度にドル化されたカンボジア経済において、慎重に時間をかけてリエルの使用促進を進めたいとしています。具体策として、労働者への給与のリエル化を促進したいと意欲を示しています。
 高度にドル化した経済が「脱ドル化」することは、大変に難しい政策課題の一つです。一歩間違うと、アルゼンチンやトルコのように自国通貨の暴落や激しいインフレ等の弊害を招く可能性もあります(アルゼンチンペソは、2000年には1ドル=1ペソでしたが、最近は1ドル=1000ペソ程度にまで減価しています)。カンボジアが少しずつ着実に脱ドル化を進めていくことが期待されます。
(写真は、バコンのフェイスブックより)

カンボジア・マイクロファイナンス協会の発表(英文です)
https://cma-network.org/c/uploads/2024/03/20240325-CMA-Press-Release-Khmer-Riel-ENG-1.jpg


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メルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」今週号は本日発行です

2024年04月22日 | 一般
 ブログ「カンボジア経済」は、毎日更新して、カンボジア経済情報をデイリーにお伝えしています。これらの情報をまとめて週刊でメルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」を発行しています。毎週月曜日に発行しています。「無料」です。
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 メールマガジン「週刊カンボジア経済ニュース」
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シェムリアップ 老舗のローカルワンタン麺 ミーキエウ

2024年04月21日 | 生活環境
 シェムリアップ東部にある老舗のローカルワンタン麺屋さんの「ミーキエウ(MIKEAV)」です。いかにもローカルレストランといった造りです。朝ごはんに伺いましたが、満員の盛況でした。ワンタン麺が有名とのことでしたので、今回は、ワンタンとミートボール、骨付き肉載せ(写真上)のスープヌードルをいただきました。ワンタンはツルツルでいい感じでした。骨付き肉もほろほろに煮込んであって、なかなかのお味でした。テーブルにある、赤い唐辛子とニンニクのソースもいい味出してました。お客さんはほとんどカンボジアの方でした。シェムリアップにお越しの際はお薦めです。外国人だけだとちょっと敷居が高いかもしれませんがお試しください。

ミーキエウ
https://www.facebook.com/people/%E1%9E%98%E1%9E%B8%E1%9E%82%E1%9E%B6%E1%9E%9C%E1%9E%9F%E1%9F%80%E1%9E%98%E1%9E%9A%E1%9E%B6%E1%9E%94-Mikeav-SiemReap/100036866996024/

結構広い店内は、朝から満員です。



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クメール正月2024

2024年04月20日 | 社会・風土
 カンボジアではお正月が3回あります。1月1日の「インターナショナルニューイヤー」、2月の「中国正月」(旧正月)、そして、4月のクメール正月です。クメール正月が一番大きなイベントです。今年は、4月13日~16日が4連休でした。例年、お役所や工場では前後あわせて実質2週間ほど開店休業となるところも多く、地方出身者は田舎に帰る人が多いので、クメール正月の間は、プノンペンも静かになります。
 新型コロナの影響で2020年のクメール正月は、8月に延期されました。2021年は、新型コロナの影響で、夜間外出が禁止となり、州を越える移動も規制され、仏教行事やイベントも自粛、更に途中からロックダウンも加わって、「ステイホーム」のお正月でした。2022年は3年ぶりに「通常」のクメール正月となり、それ以降はすっかりコロナ明けの雰囲気です。
 今年も、牛車レースや伝統的な遊び等、各地でいろいろなイベントが行われたとのことです。プノンペンでは、ワットプノン周辺やリバーサイドに多くの人出がありました。水かけは禁止なのですが、結構やっていたようです。カンボジアの若者がはじけて楽しんでいるのは、見ているだけでも元気になる気がします。
 日本のお正月ですと、午前0時を越えると新年を迎えますが、カンボジアでは、毎年時間が変わります。今年は4月13日22時17分に新年となりました。7人姉妹の女神のうちの一人が降りてくるとされています。今年は、女神モハトラ・デヴィが降臨したとのことです。
 クメール語での「あけましておめでとう」は「スオスダイ、チュナムタマイ」です(これはカタカナ読みでも結構通じます)。
(写真は、伝統舞踊のTroddi。AKPより)

カンボジアは一番暑い時期でもあり、水かけも楽しそうです。(AKPより)



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カンボジア フン・セン氏が上院議長に 外交面でも院政の構え

2024年04月19日 | 経済
 4月4日、第一生命経済研究所は、「カンボジア、フン・セン氏が上院議長に、外交面でも院政の構え フン一族や側近の権力基盤は一段と強固に、政治的遺産構築を目指す姿勢が強まるか」と題するレポートを公表しました。著者は、同研究所の西濵徹主席エコノミストです。
 4月3 日に改選後の上院が召集され、フン・セン氏は上院議長に選任されて就任しました。更に、2 名の副議長に側近の外交巧者(前政権の副首相兼外務国際協力相だったプラク・ソコン氏と外務国際協力省の長官を務めたオッチ・ボリット氏)を据える決定を行いました。カンボジアでは昨年、長期政権を率いてきたフン・セン氏が首相を退任し、長男のフン・マネット氏への政権禅譲が行われました。しかし、フン・セン氏はその後も与党・人民党党首に留まり人事権を掌握しており、今年 2 月の 議会上院選後は上院議長への就任に意欲を示していました。
 フン・セン氏は、議会上院が外交政策を主導する考えを示すなど、外交政策面でも院政を敷く構えをみせているとしています。中国などとの関係深化を図る一方、欧米や日本には関係を如何に構築するか難しい対応を迫られるであろうと分析しています。なお、フン・セン氏は、4月2日に植野篤志大使と面会し「上院議長を務めている間は日本、特に日本の国会との関係を強化する」と表明しています。
 レポートでは、フン・セン氏としては首相職こそ退任したものの、政治的実権を掌握し続けるなかで政治経験が乏しい長男のフン・マネット首相を支えるとともに、いわゆるレガシー(政治的遺産)作りを狙うものと捉えることが出来るとしています。
(写真は、フン・セン議長と2名の副議長。AKPより)

第一生命経済研究所のサイト
https://www.dlri.co.jp/report/macro/327616.html


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世界銀行 半期経済報告2024年春 逆風の中での成長

2024年04月18日 | 経済
 3月31日、世界銀行は、東アジア・大洋州地域半期経済報告(2024年4月)を発表しました。今回の報告書は「成長の確固たる基盤(Firm Foundations of Growth)」と題されています。
 報告書では、「東アジア・大洋州地域の途上国は、世界の他の地域よりも急速に成長しているが、パンデミック前よりは減速している。中国を除く東アジア・大洋州地域の発展途上国の成長率は、2023年の4.4%から今年は4.6%に上昇する」と分析しています。
 カンボジア経済については、2024年のGDP成長率予測を5.8%(2023年10月予測6.1%)に引き下げました。2025年は6.1%(同6.3%)、2026年は6.4%にまで高まると予測しています。2024年は、世界の主要国の需要減退という逆風の中で、観光セクター等のサービス産業の回復と好調な輸出が成長を支えているとしています。
 物価上昇率は、ロシアのウクライナ侵攻を発端とした資源・食料の値上がりの影響を受け、2022年は5.5%まで上昇したものの、ピークは過ぎて、2024年は2.8%に低下すると見ています。また、2025年は2.7%、2026年は3.0%と安定すると予測しています。
 経常収支(対GDP比)は赤字から黒字に転換するとしています。2021年のマイナス42.6%、2022年のマイナス24.4%から、2023年2.4%、2024年3.4%、2025年3.4%、2026年3.6%と改善すると予測しています。2023年末の外貨準備は、前年比11.7%増の199億ドル(輸入の7か月分)に増加し、非常に安定的なレベルを維持しています。
 金融セクターについては懸念を示しています。建設・不動産の不況を大きな要因として、貸付の伸び率は前年の18.9%から2023年は4.1%と急速に伸び悩みました。この結果、2023年の総資産利益率は、銀行3.8%(前年7.0%) 、マイクロファイナンス6.0%(前年17.6%)と大きく減少しました。また、不良債権比率も、銀行5.4%(前年2.2%)、マイクロファイナンス6.7%(前年2.6%)と急上昇しています。
 リスクとしては、世界的な景気後退の悪化、世界的な金融引き締めの長期化、中国の経済状況等をあげています。特に、長引く建設・不動産不況の中で、金融機関の不良債権比率の悪化は重要なリスクとなっていると指摘しています。

世界銀行の新聞発表(英文です)  
https://www.worldbank.org/en/news/press-release/2024/03/31/east-asia-and-pacific-to-sustain-growth-amid-global-headwinds


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