カンボジア経済

カンボジアの経済について、お堅い数字の話から、グルメ情報といったやわらかい話まで、ビジネス関係の方にお役に立つブログです

カンボジア日本人商工会 30周年記念懇親会

2022年09月30日 | 経済
 9月22日、ハイブリッド方式にてカンボジア日本人商工会定期総会が開催されました。カンボジア日本人商工会の会員数は、新型コロナの影響を受けて、今年度も会員数が減少となりました。2022年3月現在では、正会員178社(2021年3月188社)、準会員70社(同64社)、賛助会員2社、特別会員3団体となり、合計で250社・3団体(同254社・3団体)となっています。カンボジア総合研究所も正会員として加入させていただいております。
 総会では、商工会としての活動報告、会計報告、各委員会からの報告等が行われました。また、今回は、カンボジア日本人商工会設立30周年を記念して、歴代会長からのビデオメッセージもありました。総会後は、ソフィテルホテルにて、30周年記念懇親会も開催されました。新型コロナの影響で3年ぶりの懇親会開催となりました。懇親会には、クン・ネム関税消費税総局長を始め、カンボジア政府要人、カンボジア民間企業関係者、各国の商工会議所関係者等も参加しました。
 商工会の活動として重要なものの一つが官民合同会議です。この会議は、日本カンボジア投資協定に定められたもので、年2回、日本企業が直面する様々な問題について、カンボジア政府上層部と直接協議を行える場となっています。この会議を通じて解決された課題も多数あり、投資環境の改善に大きく役立っています。また、細かい点まで協議するために、関税消費税総局や税務総局との対話会等、関係省庁との個別の協議会も開催され、投資環境改善の課題等について討議しています。商工会では、この他、会員向けに税務や労務に関するセミナーも実施しています。また、新型コロナで難しい面もありましたが、会員間の親睦を図る活動も行っています。
 カンボジア日本人商工会は、カンボジア経済の発展に重要な役割を果たしている日系企業の活躍の基盤となっており、引き続き活発な活動が期待されます。

カンボジア日本人商工会のサイト
http://www.jbac.info/


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カンボジア特別法廷 ポル・ポト派幹部に最後の判決

2022年09月29日 | 社会・風土
 9月22日、ポル・ポト政権の罪を問う特別法廷が開かれ、唯一存命する元最高幹部に対し、終身刑が言い渡されました。これまでに、5人の元最高幹部らが起訴され、このうち4人はすでに死亡し、元国家元首のキュー・サンパン被告(91歳)が最後の被告となっていました。特別法廷は2審制で、キュー・サンパン被告に対し大量虐殺の罪などで最も重い終身刑を言い渡した、1審の判決が今回の2審でも支持されました。これによってキュー・サムファン被告の刑は確定しました。
 カンボジアでは1970年代、ポル・ポト政権下の大量虐殺や強制労働によって国民の5分の1を超える170万人以上の命が奪われたとされ、カンボジア政府と国連は、2006年に、ポル・ポト派の政権幹部らの罪を問う特別法廷を設置し、裁判を進めてきました。キュー・サンパン被告以外の最高幹部は全員、すでに死亡していることから、特別法廷は設置から16年を経てその役目を終えることになりました。
 長年に渡り特別法廷を支援してきた日本政府は、外務大臣談話を発表しました。談話では、「クメール・ルージュ裁判は、カンボジア和平プロセスの総仕上げであり、同国における正義の実現及び法の支配の強化に資するものです。この観点から、我が国は、本裁判を重視し、国際社会による本裁判への支援において主導的役割を果たしてきました。本裁判の意義が、裁判プロセス終了後も継続予定の普及啓発・教育活動等を通じ、広くカンボジア国民に共有され、次世代の人々や国際社会のための遺産として引き継がれ、法の支配の強化に資することを期待します。」としています。日本は、2006年の裁判開始以来、国際支援の約30%に当たる約8867万ドルを支援してきました。
(写真は、AKPより)

外務省の発表
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/danwa/page6_000666_00004.html


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西村経済産業大臣のカンボジア訪問 日ASEAN経済大臣会合

2022年09月28日 | 経済
 9月17日・18日、西村康稔経済産業大臣は、シェムリアップで開催された日ASEAN経済大臣会合、東アジアサミット経済大臣会合、RCEP閣僚会合等に出席するため、カンボジアを訪問しました。
 日ASEAN経済大臣会合では、この1年間の日ASEAN経済協力の進捗・成果及び2023年の日ASEAN友好協力50周年を見据えた取組について議論しました。西村大臣から、友好協力50周年に向けて、経済産業省が日ASEANの経済界と策定する「日ASEAN経済共創ビジョン」への協力を要請するとともに、このビジョンも踏まえ、政府ベースで、将来のあるべき姿「未来デザイン」と、その達成に向けた具体策「アクションプラン」の策定を提案し、賛同を得ました。
 ASEAN加盟国及び日中韓豪NZ印米露が参加する東アジアサミット経済大臣会合では、東アジア地域の地域情勢と経済発展について議論がなされました。地域情勢に関して、西村大臣からは、ロシアによるウクライナへの侵略を非難する立場及びミャンマー情勢に対する憂慮を表明しました。
 RCEP閣僚会合では、RCEP協定の運用に関わる諸事項について議論されたほか、西村大臣から、地域における自由で公正な経済秩序の実現に向けて、協定の完全な履行の重要性を強調し、協定の内容と非整合的な措置を取らないようにすることの必要性を閣僚間で再確認しました。
 9月18日には、カンボジアのパン・ソラサック商業大臣と会談を行いました。会談では、来年の日ASEAN友好協力50周年を機とした日ASEAN経済界による経済共創ビジョンの策定や、それに基づく日ASEANの新たなアクションプラン策定に向けた協力等について意見交換を行い、日ASEAN協力の発展に向けて共に取り組みを進めることを確認しました。また、サプライチェーン強靱化、デジタル技術の活用、人材育成などに関して意見交換を行い、来年の日カンボジア外交関係樹立70周年に向けて両国の関係をより一層深めていくことで一致しました。
(写真は、経済産業省の発表より)

経済産業省の発表
https://www.meti.go.jp/press/2022/09/20220922003/20220922003.html


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協定発効後 初のRCEP閣僚会合 カンボジアにRCEP事務局誘致

2022年09月27日 | 経済
 9月17日、シェムリアップにて、協定発効後、初のRCEP(地域的な包括的経済連携)閣僚会合が開催されました。RCEP加盟15カ国(ASEAN10カ国、日本、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランド)の担当閣僚が参加しました。カンボジアからはパン・ソラサック商業大臣が、日本からは西村康稔経済産業大臣が参加しました。
 会合では、RCEP協定の運用に関わる諸事項について議論されたほか、西村大臣から、地域における自由で公正な経済秩序の実現に向けて協定の完全な履行の重要性を強調し、協定の内容と非整合的な措置を取らないようにすることの必要性を閣僚間で再確認しました。また、ASEAN諸国によるRCEP協定の履行を確保すべく、日本がまずは20万ドルを拠出し、将来に向けて更に支援を強化していくことを表明しました。
  RCEP協定は、関税の削減などを通じて貿易の自由化を進める協定で2020年11月に15カ国が署名し、2022年1月1日に発効しました。参加国の国内総生産(GDP)と人口の合計は世界の3割を占める規模となります。環太平洋経済連携協定(TPP)に比べると貿易自由化率やルール水準は低いものの、中国が参加する唯一の大型自由貿易協定となります。二国間で多数の自由貿易協定が結ばれると、民間の輸出入者からは制度が分かりにくくなり、「スパゲッティボウル」とも呼ばれる多数の協定内容が絡み合った状況になりやすいため、日本はRCEPやCPTPPといった地域的多国間協定を推進してきました。また、物品貿易の関税削減に留まらず、サービス貿易、人の移動、知的財産権、紛争解決等を包括的に定めたRCEPが、アジア地域では主たる協定となると見られます。
 カンボジアについては、政府はRCEPの効果は大きいと期待を示しているものの、RCEPがカンボジアにどの程度の輸出拡大効果をもたらすかは、今後の推移を見守る必要があるものと見られます。
 なお、今回の会合では、RCEP事務局の早期の設置に期待が示されました。フン・セン首相は、RCEP事務局をカンボジアに誘致したいとしており、今後の協議結果が期待されます。

経済産業省のサイト
https://www.meti.go.jp/press/2022/09/20220922003/20220922003.html


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メルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」今週号は本日発行です

2022年09月26日 | 一般
 ブログ「カンボジア経済」は、毎日更新して、カンボジア経済情報をデイリーにお伝えしています。これらの情報をまとめて週刊でメルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」を発行しています。毎週月曜日に発行しています。「無料」です。
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アジア経済見通し2022秋 カンボジア経済の回復続く

2022年09月26日 | 経済
 アジア開発銀行(ADB)は、9月21日に「アジア経済見通し2022年改訂版(Asian Development Outlook 2022 Update)」を発表しました。ADBでは、各国の中央銀行による金融引き締めの強化やロシアによるウクライナ侵攻の長期化の影響、また、中国における新型コロナウイルス対策のためのたび重なるロックダウン措置などの課題が山積する中、アジア・太平洋地域の開発途上国の経済見通しを再び下方修正したとしています。アジア開発途上国の経済成長見通しを2022年は4.3%(4月予測5.2%)、2023年は4.9%(同5.3%)と予測しています。
 カンボジアについては、2022年のGDP成長率を5.3%(前回5.3%)、2023年は6.2%(6.5%)と予測しています。2022年上半期も輸出は好調で、縫製品は対前年同期比39.8%増、縫製品以外も22.8%増となっています。第二次産業の成長率は、2022年9.1%と予測しています。観光については、回復途上にあるとして、第三次産業の成長率は2022年4.0%、2023年6.5%と予測しています。物価上昇率予測については、ロシアのウクライナ侵略等の影響もあり、2022年は5.0%(4月予測4.7%)に引き上げましたが、2023年は2.2%(同2.2%)に落ち着くとしています。国際収支については、経常収支の赤字(対GDP比)が2021年には45.7%に達しましたが、2022年は23.8%、2023年には17.0%にまで縮小してくると見ています。また、この赤字は、外国直接投資等で埋め合わされて、外貨準備は2022年6月末で195億ドル(輸入の7か月分)と十分なレベルにあります。新型コロナ対策としては、2022年7月までに貧困世帯等の270万人に対し総額7億4460万ドルの現金支援を行ったことを評価しています。
 リスクとしては、新型コロナ変異型の感染拡大、不良債権比率の上昇、主要輸出先国の経済減速、国際サプライチェーンの分断、エネルギー・国際商品価格の予想以上の上昇等をあげています。

アジア開発銀行のサイト(和文)
https://www.adb.org/ja/news/adb-lowers-developing-asia-growth-outlook-global-risks-mount


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日本商品がいっぱい Japan Shop

2022年09月25日 | 生活環境
 プノンペン中心部バンケンコンに日本商品を扱う「Japan Shop」が開店しました。場所は、57通りとシアヌーク通りの交差点のすぐ近くです。結構な広さのお店ですが、日本商品がずらりと並んでいます。日本酒、日本のウイスキー、食品、お菓子、生活用品等、各種揃っています。レンジでチンすれば食べられる冷凍のお弁当類もあります。入り口のショーケースには、シェ・シゲのケーキもずらりと並んでいて食欲をそそります。お試しください。

Japan Shop
https://web.facebook.com/japanshopphnompenh/

日本のビールや各種のお酒が並んでいます。


シェ・シゲの美味しいケーキが並んでいて、目を惹かれます。



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プチュンバン2022

2022年09月24日 | 社会・風土
 プチュンバンはカンボジアのお盆です。今年は9月24日から26日までプチュンバンの3連休です。多くの人々が田舎に帰って家族で集まるので、セントラルマーケット近くのミニバス乗り場も稼ぎ時で、お土産を抱えて地方に戻る人たちで賑わいます。今年は、新型コロナの感染状況が改善したこともあって、3年ぶりにプチュンバンの各種行事が解禁されました。
 プチュンバンは、仏教徒のカンボジア人にとっては、重要な宗教行事で、日本のお盆ととても似ています。お祭りは15日間続きます。この間、人々は地元のお寺だけではなく、遠くのお寺まで出かけて、お布施をします。先祖の魂と再会するために、少なくとも7か所のお寺を回らなければならないとされています。先祖の魂は、プチュンバンの15日間の間だけは自由に動き回ることを許されると言われ、食べ物等を供えてお迎えします。
 お寺にお参りする際には、男女ともに白いシャツを着てお寺に入り、まずご本尊に蓮の花とお線香を差し上げてお祈りします。その後、お坊様にお経をあげていただきます。また、ご先祖に捧げる食べ物は、お坊様に食べていただくことでご先祖様に届くということで、ご飯とおかずをお渡しします。お寺の中には、多くのごちそうがずらりと並びます。ご飯は、外に並べてあるたくさんのツボに少しずつ分けて入れます。最後に、砂で山を作ります。これは、パゴダを作ることを意味しています。
 今年は、新型コロナ前と同様に、にぎやかに行事ができたようです。
(写真は、2018年のプチュンバンのお寺の様子。多くの信者からお寺に料理が寄進されます)



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IMF IV条協議結果2022 経済回復に新たな課題

2022年09月23日 | 経済
 国際通貨基金(IMF)は、IMF協定第IV条に基づき、毎年加盟国政府と政策協議を行うこととなっています。9月7日から20日まで実施されたIMF調査団とカンボジア政府との協議結果について、9月20日にIMFから発表がありました(なお、詳細なレポートは、通常2ヶ月ほどで発表されます)。
 カンボジア経済は、2021年後半からの輸出の回復に支えられて回復途上にありますが、世界的インフレと世界経済の成長鈍化という新たな課題に直面しているとしています。中国のゼロコロナ政策、欧米の金融引き締めによる消費者需要の鈍化、原油価格上昇等の影響によるインフレの進行等の逆風にさらされていると分析しています。2022年下半期は、縫製品等の発注が縮小傾向にあると指摘しています。それでも、2022年のGDP成長率は5%、2023年は5.5%程度と予測しています。国内では、新型コロナ対策の現金支援等によって、財政赤字が拡大しましたが、2021年の赤字(対GDP比)は7%にとどまり、2022年は4%に縮小する見込みです。新型コロナ対策は、対象を絞ったものにしていく必要があると提言しています。国際収支は、経常収支の赤字が拡大したものの、外国直接投資等が堅調で、2021年末の外貨準備は輸入の8カ月分という十分なレベルにあります。
 リスクとしては、民間債務の拡大、先進国の経済状況、インフレをあげています。特に、民間債務の拡大については、2021年末には民間債務残高が対GDP比で170%というかなり高いレベルにあると警鐘を鳴らしています。更に、この残高には無認可金融(不動産業者による金融等)が含まれていないと指摘しています。新型コロナで返済が困難となった借入に関する条件緩和が2022年6月で終了したこともあり、不良債権比率が高まる懸念もあるとしています。2022年6月末の条件緩和債権は対GDP比13%に達し、不良債権比率も対GDP比4.5%に高まっています。このため、中央銀行(NBC)に対し、銀行監督の強化等を提言しています。また、外貨建て預金の預金準備率の引き上げも提言しています。
 経済の構造改革については、生産性の向上を目指す必要があると指摘し、自由貿易協定の活用や新投資法に基づく投資環境改善等に期待を示しました。また、反汚職対策やマネーロンダリング対策の重要性も指摘しています。
(写真は発展するプノンペン市内)

IMFの新聞発表(英文です) 
https://www.imf.org/en/News/Articles/2022/09/20/pr22312-cambodia-imf-staff-completes-2022-article-iv-mission-to-cambodia?cid=em-COM-123-45395


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2023年の最低賃金 200ドルで決着

2022年09月22日 | 経済
 2023年1月1日から縫製業等に適用されるカンボジアの最低賃金は、200ドル/月で決着しました。現在は194ドルで、3.1%の上昇となります。カンボジアの最低賃金の上昇は、2012年61ドルから2013年80ドル(31.1%増)、2014年100ドル(25.0%増)、2015年128ドル(28.0%増)と急激なものがありましたが、労働諮問委員会で客観的基準を使用し始めた2016年は140ドル(9.4%増)、2017年153ドル(9.3%増)、2018年170ドル(11.1%増)、2019年182ドル(7.1%増)、2020年190ドル(4.4%増)、2021年192ドル(1.1%増)、2022年194ドル(1.0%増)と上昇幅が落ち着いてきています。2023年の最低賃金は、新型コロナや世界経済の減速傾向の影響で経済に不透明感が広がっている中、上昇幅が抑え込まれたものと見られます。
 最低賃金は、政府、雇用者、労働組合の3者の代表28名が参加する労働諮問委員会で討議されてきました。9月21日の会議において198ドルで合意し、労働大臣に答申されました。この結果を受けて、フン・セン首相は、毎度おなじみの鶴の一声で2ドル増額を加えることを決定し、最終的に200ドルで決着しました。使用者側からの意見もあって、フン・セン首相による追加額は2019年までの慣例だった5ドルから、2020年は3ドルに、2021年以降は2ドルに縮減されています。
 内需振興のためにも、最低賃金の引き上げは必要不可欠ですが、急激な上昇は外国投資家の懸念となっていました。カンボジア政府では、最低賃金の検討に当って、労働生産性上昇率や物価上昇率等の客観的基準を2016年の最低賃金から使用し始めており、雇用者側も労働者側も納得感が高い決定方式が次第に定着しつつあります。2020年以降は、新型コロナの影響が大きく、工場の閉鎖や労働者の失業・一時帰休が大きな問題となっており、こうした情勢も反映したものと見られます。他方、2021年7月から2022年7月までの1年間の消費者物価上昇率は5.4%であるのに対し、最低賃金は3.1%しか上昇していません。カンボジアの実質賃金は目減りしている状態であり、失われた20年で賃金上昇が抑え込まれてデフレを招いた日本と同じような状況です。新型コロナ終息後に、カンボジア経済回復のための国内需要を喚起する観点からは、すくなくとも物価上昇に見合う実質賃金が確保できるような最低賃金の見直しが必要になるものと見られます。


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プチュンバンに向けて 無料列車・無料バス

2022年09月21日 | 経済
 プチュンバンはカンボジアのお盆です。今年は9月24日から26日までプチュンバンの3連休です。多くの人々が田舎に帰って家族で集まるので、交通機関は混雑します。新型コロナの状況が改善したこともあり、今年は3年ぶりに各種行事が解禁されています。このため、交通混雑が更に悪化するものと見られています。
 こうした中で、フン・セン首相は、9月23日から26日までの4日間、ロイヤル鉄道の旅客列車を無料で運行すると発表しました。鉄道北線ではプノンペン~バッタンバン間、南線ではプノンペン~シアヌークビル間で、1日各1往復の無料旅客列車が運行される予定です。利用には事前に予約が必要とのことです。
 フン・セン首相はまた、運賃無料のバスの運行も指示しています。9月23日から27日まで、新型コロナ感染拡大前と同様、プノンペン市内及びプノンペン~地方都市間で無料バスを運行する計画です。プノンペンでは55台、プノンペン~18地方都市(ストゥントゥレン、クラチェ、コンポンチャム、シェムリアップ、バッタンバン、プルサット、タケオ、ケップ、シアヌークビル等)には120台が充てられるとしています。
 プチュンバン期間中は、交通混雑に乗じて、高い値段を吹っ掛ける白タク等も現れるため、その対策の一環として無料バスや無料列車を運行するとしています。3年ぶりのプチュンバンのイベントが楽しく無事に実施されることが期待されます。

ロイヤル鉄道のフェイスブック(クメール語・英語)
https://web.facebook.com/TRRCambodia/posts/pfbid02UZCNakDJEuVmjjudyqwKRryTsuYMDPYdvygudb8g3oawDze8pkFuAMC5vKn4acKEl


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初の国債 9月7日に初入札 落札金利は2.2%

2022年09月20日 | 経済
 9月7日、カンボジア初の国債の入札が実施されました。対象となったのは、リエル建て1年債です。カンボジアの中央銀行であるカンボジア国立銀行(NBC)の発表によりますと、落札金利は2.2%でした。なお、1年債の表面利率は2.0%とのことですので、額面より安い値段で落札されたこととなります。入札には8社が参加し、総落札額は、4万1800口(418億リエル:約1020万ドル:約14億6000万円)でした。当初計画では、10万口(1000億リエル)を販売する予定でしたので、「未達」となったものと見られます。
 9月7日の米国の国債(ドル建て)の1年債の金利が3.6%前後、ACLEDA銀行のリエル建て1年物定期預金の金利が7.35%であったことを勘案すると、リエル建て1年債の表面利率を2%としたのはかなり強気であったものと見られます。米国連邦準備委員会(FRB)が金利を急激に引き上げていることもあり、カンボジアの金融機関や社会保障基金等の応札側も、腰が引けた対応となったものと推測されます(債権の金利が上がることは、債券価格が下落することを意味します)。初の入札で未達となったため、次回以降、表面金利の見直し等が行われる可能性もあります。
 カンボジア政府は、4週間毎に入札を行うとしており、総額で1兆2195億リエル(3億ドル相当:約414億円)を発行する計画であり、今後の動向が注目されます。なお、今回は未達となったものの、2.2%という低金利で資金を調達できたことは、とりあえずは大きな実績となったものと見られます。
(写真は、プノンペンの高層ビル群。記事とは直接関係ありません)

カンボジア中央銀行の発表(クメール語です)
https://web.facebook.com/nationalbankofcambodiaofficial/posts/pfbid02V1cvZjYSzTqVXP8FqgM6MTLS4BZYXGNxxWTRFaKWyqBsgDXi5MJSkeRY3umCvbh1l


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メルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」今週号は本日発行です

2022年09月19日 | 一般
 ブログ「カンボジア経済」は、毎日更新して、カンボジア経済情報をデイリーにお伝えしています。これらの情報をまとめて週刊でメルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」を発行しています。毎週月曜日に発行しています。「無料」です。
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PKO 自衛隊カンボジア派遣から30周年 日本の貢献 実を結ぶ

2022年09月19日 | 社会・風土
 9月17日は、国連の平和維持活動(PKO)の一環としてカンボジアに自衛隊が派遣されてから、30年となりました。1970年代から続いた内戦で荒廃したカンボジアは、自衛隊の初めてのPKO活動などで国土が復興したことに加え、今やカンボジア自身が国外のPKOに部隊を派遣する国となりました。日本の貢献が実を結んでいると高く評価されています。
 湾岸戦争等で資金を出すだけの態度に、欧米等から厳しい批判を受けた日本は、国際平和への積極的貢献を行うため、1992年の通常国会で「国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律」(PKO法)を可決しました。国会審議では、当時の社会党や共産党が理不尽な反対行動を行うとともに、多くの条件を求めたこともあり、その後の現場の手足を縛る結果となり、1993年には文民警察官と国連ボランティアとして活動にあたっていた2人の日本人が襲撃されて死亡しました。読売新聞も社説(6月15日)で、「当時の野党の批判が的外れだったことは明らかだ。国際貢献のあり方を政争の具とすることは許されない。内向きの議論は世界には通用しない。」と厳しく批判しています。
 1993年5月4日昼過ぎ、タイ国境に近いカンボジア北西部のバンテイメンチェイ州アンピル村で、同村に駐在している国連カンボジア暫定統治機構の日本人文民警察官5人が、オランダ海兵隊UNTAC部隊の護衛を受け、国道691号をパトロール巡回中に、ポルポト派とみられる身元不明の武装ゲリラに襲撃されました。岡山県警警視、高田晴行さん(当時警部補、33歳)が死亡しました。また、1993年4月には、国連ボランティアとして選挙監視に赴いた中田厚仁さん(当時25歳)が凶弾に倒れています。高田警視と中田厚仁さんのお二人のご冥福を心よりお祈りしております。
 また、NHKの報道によりますと、カンボジア政府でPKOを担当する平和維持センターのマリンダ・コサル副所長は、「私たちは日本がカンボジアの平和に貢献してくれたことを忘れない」と述べて日本の貢献に感謝しました。そのうえで「カンボジアは小さな国だが、国連のミッションに部隊を送り込んで多くの友人を作っている」と述べて、カンボジアが2006年から9か国に延べ8000人余りをPKOの部隊として派遣してきたとして、カンボジアでの日本の貢献が実を結んでいることを強調しました。なお、陸上自衛隊のカンボジアに対するPKO分野の能力構築支援は、2013年から継続しており、多くのカンボジア軍人がPKOに派遣され活躍する土台となっています。
 カンボジアのために命を懸けた日本人がいたことを決して忘れてはならないと強く思っております。また、日本の国際貢献活動が、カンボジアの復興に大きく貢献したこと、そして多くのカンボジアの方々が日本に感謝していることもぜひ強調しておきたいと思います。これまでの関係者の方々の多大な努力に敬意を表します。
(写真は、外務省のサイトより)

内閣府のサイト
https://www.cao.go.jp/pko/pko_j/info/pko30_top.html


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新しい韓国料理店 Yooksiri

2022年09月18日 | 生活環境
 プノンペン中心部バンケンコンに開店した新しい韓国料理点「Yooksiri」です。韓国で30軒以上を展開していて、アジア各国にも進出しているチェーン店とのことです。お店は、伝統的な韓国料理店という内装です。テーブルに、焼肉ロースターだけでなく、電磁調理器も付いているのが目新しいです。メニューは、ポークの焼肉がお勧めの様です。ランチセットは色々な組み合わせで頼めるようですが、今回は、ポーク(肩ロース)の焼肉と冷麺のセット(13.5ドル)をお願いしました。ポークは柔らかくてジューシーでとても美味しく感じました。韓国料理店ではおなじみのキムチ等の小皿もプレゼンも素敵にたくさんの種類があって楽しめました。次は、ポークの「シャトーブリアン」というのを試してみたいです。お客さんは、韓国系の方が多いようでした。お試しください。

Yooksiri
https://web.facebook.com/YooksiriCambodia/?ref=page_internal

ポークの肩ロース。ランチセットなので100グラムですが、ジューシーでした。


ずらっと並んだおかず類。楽しい感じです。



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