カンボジア経済

カンボジアの経済について、お堅い数字の話から、グルメ情報といったやわらかい話まで、ビジネス関係の方にお役に立つブログです

本年もご愛顧頂きありがとうございました2019

2019年12月31日 | 一般
 ブログ「カンボジア経済」を、本年もご愛顧頂きありがとうございました。2007年11月から始めたこのブログが続いておりますのも皆様のご支援の賜物と心より感謝申し上げます。また、皆様から暖かいコメントも頂き、本当に元気付けられました。

 カンボジア総合研究所では、毎日更新のブログ「カンボジア経済」、毎週月曜日の朝にお届けするメルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」を発行しております(無料です)。
 更に、NNA(ニュースネットワークアジア)で毎月第三金曜日掲載の「カンボジア経済通信」、毎週金曜日のモーニングスター「新興国情報EM eye」、Yahoo!ファイナンス、アジアビジネス情報ポータルサイト「タイプラスワン」、毎月更新のみずほ銀行のMIZUHO Grobal Infostation、隔月発行の雑誌ニョニュム「ニョニュムタイムズ」等の様々なツールを活用して、カンボジア経済情報を発信しております。皆様のお目に留まれば幸甚に存じます。

 2020年も、引き続きよろしくお願い申し上げます。良いお年をお迎えください。



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日通 プノンペン経済特区に多機能倉庫を開設

2019年12月30日 | 経済
 12月23日、日本通運は、現地法人のカンボジア日本通運株式会社が、プノンペン経済特区に建設中であった多機能ロジスティクス倉庫「プノンペンロジスティクスセンター」を竣工し、開所式を執り行ったと発表しました。倉庫の敷地面積は4万平方メートル、倉庫の面積は約4620平方メートルで、冷凍(-25度)、冷蔵(1度)、定温(25度)にも対応可能としています。商品を出荷場所へ集めるピッキングや梱包、検品、店舗別の仕分け作業のほか、通関業務などを一体的に展開する計画です。トラック同士の荷物を積み替えるトラックターミナル機能も設け、クロスボーダートラック輸送を強化するなど、効率的な流通体系の構築を目指すとしています。日系物流会社がカンボジアでドライポートの認可を受けるのは、日系初となるとしています。
 カンボジア日通では、「センターの設立によりロジスティクス機能を強化し、航空・海運フォワーディング、国内販売物流、製造物流(ジャストインタイム納品)、クロスボーダートラック輸送、空調施設を利用した保管・配送など、お客様のあらゆる物流ニーズに応えてまいります。」としています。
 カンボジアは、バンコク~プノンペン~ホーチミンを結ぶ南部経済回廊の中心にあり、この地域の物流にとって重要な位置を占めています。ロジスティクスセンターの様な物流施設がカンボジアだけでなく域内全体の物流に果たす役割は大きいものあるものと見られ、今後の展開が期待されます。

日本通運の発表
https://www.nittsu.co.jp/press/2019/20191224-1.html



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メルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」今週号は本日発行です

2019年12月30日 | 一般
 ブログ「カンボジア経済」は、毎日更新して、カンボジア経済情報をデイリーにお伝えしています。これらの情報をまとめて週刊でメルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」を発行しています。毎週月曜日に発行しています。「無料」です。
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久しぶりに裏通りのフレンチ Chez Gaston

2019年12月29日 | 生活環境
 ちょっと分かりにくい裏通りにある隠れフレンチレストラン「Chez Gaston」に久しぶりに行ってみました。オーナーは、2回変わって3人目とのことです。内装はあまり手を加えておらず、ローカルな感じを活かしています。メニューは、オーソドックスな感じです。今回頼んだのは、ビーフ・カルパッチョ、エスカルゴ、ハムステーキ、フィレ・ステーキです。安心できる感じの味で、楽しめました。料理も良いのですが、驚いたのは、オーナーの手品の腕前です。ご機嫌な時しかやってくれないらしいのですが、目の前でやってくれるコインのマジックは、本当に驚きでした! お客さんは、フランス人が多い感じで、フランス語が飛び交っていました。裏通りの隠れた美味しいお店です。お試しください。

Chez Gaston
https://web.facebook.com/Chez-Gaston-102738796590272/




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クラタペッパーで チャリティーバザー

2019年12月28日 | 生活環境
12月21日、クラタペッパーで「チャリティーバザー」が開催されました。売り上げの一部やご寄付は、カンボジアを始めとする途上国や、日本国内において医療支援をしているNPOジャパンハートが日々使用する医療用資材の支援のために寄贈されるとのことです。
 バザーには、様々なお店が集まりました。カンボジア産ハーブティーのDemeter、本格的なハワイアン料理を提供するカフェ&バーALOHA ONOの「スパムおにぎり」、青年海外協力隊の古着販売、ウエダコーヒー、Japan Shop、今回初参加のギリシャ料理等です。また、クラタペッパーからは、定番の緑胡椒入りソーセージ、黒胡椒ポップコーン、天むす、完熟胡椒ハイボールに加えて、無料のビール(!)も提供されました。
 また、発売されたばかりの書籍「THE KURATA PEPPER 世界一の胡椒が彩なす上級レシピ40」も展示されていて見ることができました。素晴らしい本ですので、ぜひご購入下さい。
 こうしたイベントは大変楽しいものです。風に吹かれながら、ビールやおにぎりを楽しみ、ハッピーな時間でした。

チャリティーバザー
https://web.facebook.com/events/2406469859606282/

小学館「THE KURATA PEPPER 世界一の胡椒が彩なす上級レシピ40」
https://www.shogakukan.co.jp/books/09310640


ギリシャ料理の「ギロピタ」(2ドル)。ボリュームもたっぷりで美味しかったです。



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カンボジア経済2019年10大ニュース

2019年12月27日 | 経済
 2019年も押し詰まりました。カンボジア総合研究所チーフエコノミスト鈴木博の選ぶ「カンボジア経済2019年10大ニュース」です。(なお、日付はブログ記事掲載日です)

第1位 EU 特恵関税制度EBAの資格停止を検討

 2月11日、欧州連合(EU)欧州委員会は、特恵関税制度EBについて、カンボジアの一時的資格停止に関する手続きに着手したと発表しました。最終結論は、2020年2月に決定されます。EUでは、昨年以来、カンボジアの民主主義、労働者の権利、土地問題等について、調査を実施し、カンボジア側とも対話を続けてきましたが、包括的な改善が必要だと主張しています。特恵関税制度の資格停止は、カンボジア経済にとって最大とも言ってよい下振れリスクであり、その顕在化は、カンボジアの主力産業である縫製業に大きな打撃を与えかねないものと見られます。これまで順調な成長を続けてきたカンボジアにとって、正念場ともいえる事態に至ったものと考えられ、EUとカンボジア政府との対話とその結果が最後まで注目されます。

2月18日 EU カンボジアへの特恵関税制度の資格停止手続に着手
https://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh/e/dd17a4c5fbbeba89236fa000b78bf3c8

11月20日 EU 特恵関税資格停止に関する報告書 カンボジア側に送付
https://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh/e/0358279226b831618fc89a0c3abeea54


第2位 電力ひっ迫 3月~5月に計画停電

 3月18日、カンボジア電力公社(EDC)は、5月末までの期間、計画停電を実施するとの声明を発表しました。計画停電に至った理由として、1月の料金引下げによる需要増、異常な酷暑、水不足等を挙げています。国内の発電内訳は、水力が48.5%を占めていますが、乾季には設備容量の25%程度しか発電できないのが現状です。これは、ダム容量が不十分で、季節調整能力(雨期に水を貯めて乾季に備える)が不十分なためです。カンボジア政府は、緊急に発電所の建設や、近隣諸国からの電力輸入で乗り切りたいとしていますが、2020年の乾季も停電が予想されています。

3月29日 干ばつで予想外の電力不足 プノンペンで計画停電も
https://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh/e/9a8b5ff94c3ddf6b2dc7cc3f80acb644

6月21日 今年の停電を受けて発電所を緊急建設へ
https://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh/e/a44cca020f564f87b9611e7242394367

11月25日 2020年も計画停電か フン・セン首相が発言
https://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh/e/128bae9de0e5f4556a000b6834503421


第3位 シアヌークビルで中国のビル崩壊 28名が死亡

  6月22日未明、シアヌークビル市街で建設中のビルが崩壊し、寝泊まりしていた作業員等のうち、28名が死亡、24名が負傷するという大惨事となりました。中国からの投資を受けて建設中だった同ビルは7階建てで、7~8割完成した状況でした。事故の原因は、基礎工事の欠陥等と見られています。カンボジアの一般の見方では、中国人がカンボジアの法を守らず、カンボジア当局と癒着してごり押しした結果と見ています。シアヌークビルで進む中国化や中国人による傍若無人なやり方に対して、カンボジアでは反中感情が確実に高まっており、危険水域にあるとの意見もあります。

6月28日 シアヌークビルで中国のビル崩壊 28名が死亡
https://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh/e/d4a353f0e10a3c678cf0c72b16e31ac7


第4位 世界初の中央銀行によるデジタル決済「バコン」試験運用開始

 11月18日、日系企業のソラミツ社は、カンボジアの中央銀行であるカンボジア国立銀行と協力して、トークン型のカンボジア国立銀行デジタル決済「バコン」を開発し、正式導入に向けたテスト運用を開始したと発表しました。カンボジアのフィンテックは、急速に進展し始めており、先進国が一歩一歩進めてきたステップを一気に飛び越える「技術ジャンプ(蛙飛び)」の好例になるものと期待されます。

2月14日 カンボジアでもフィンテック浸透へ
https://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh/e/416bab96c5f05ffbeb18e85b3953efdd

12月9日 ソラミツ カンボジア国立銀行デジタル決済「バコン」を開発
https://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh/e/101a4b4ffc679e7efef66aa13939dc31


第5位 カンボジア ファーウェイ使用で5G早期導入へ

 4月28日、北京で開催された一帯一路会議に合わせて、カンボジア政府(郵政電気通信省)と中国の通信企業ファーウェイとの間で、カンボジアでの5Gネットワーク技術開発に関する協力覚書が調印されました。この覚書に基づき、カンボジアは、ASEANで最も早く5Gネットワークを構築することを目指すとしています。中国のファーウェイについては、中国のスパイ行為やサイバー攻撃に関与しているとの疑いが強まり、米国政府はファーウェイ製の機器の排除を決めています。こうした中で、カンボジアがいち早くファーウェイの採用に前向きの姿勢を示したことは注目されます。外交上手のフン・セン首相としては、米国の圧力で困難な状況にある中国及びファーウェイに塩を送ることで、より大きな見返りを得ることを考えているものと見られます。

5月8日 カンボジア 5Gでファーエイ製品使用へ 覚書締結
https://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh/e/fdaf3b9dfdd4c454fa6bfd6f1c0f19a3

5月30日 ファーウェイ制裁にカンボジアでも懸念広がる
https://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh/e/eaa83ecf3bb7205fbe934d2c34f5c362

9月2日 カンボジアの通信最大手スマート 年内にも中国ファーウェイの技術で5G導入へ
https://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh/e/b49f3cb7381474a5512d210e51e30b1c


第6位 ロジスティクス費用削減へ カムコントロール廃止等

 1月11日、フン・セン首相は、手続に時間がかかることに加え、コスト面でも重荷になっていた商業省のカムコントロールによる国境検査を廃止することを表明し、2月1日から廃止しました。また、貿易関連コストの引下げに向けて、KAMSAB(Kampuchea Shipping Agency and Brokers)も廃止されました。この他、産業界から要望の強かった各種手数料の引下げ、年間休日数の6日間削減等が決まりました。

1月23日 カムコントロール 国境検査廃止へ
https://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh/e/eb748aa300fc26c618867e372726042a

2月4日 貿易関連コスト引き下げに向けて KAMSABも廃止へ コンテナスキャン費用も引下げ
https://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh/e/8aa8fad89986ef4d5b6121438ae3be6a

4月17日 カンボジア政府 祝祭日の日数削減検討へ
https://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh/e/0ccc01021a18ca6aa94cc45a0a1f4a2f


第7位 カンボジア初の高速道路が着工 財務には懸念

 3月22日、プノンペン~シアヌークビル間高速道路の起工式が開催されました。高速道路は、プノンペン近郊からスタートし、シアヌークビル港近くまでを結ぶ片側2車線、総延長190キロメートルの計画です。中国政府系企業が、BOT(建設・運営・譲渡)方式で受託しています。総工費を考えると、通行料収入だけで建設費までフルリカバリーすることは、かなり困難と見られます。なお、カンボジア政府は債務も負わず、債務保証もしていないとしています。

4月1日 プノンペン~シアヌークビル高速道路 起工式
https://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh/e/37f3a5173e8f555a1882598b3e2e6555

12月17日 プノンペンシアヌークビル高速道路 2023年完工を目指す
https://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh/e/1b11d5dece10c7ac7dd02d04ad168c68


第8位 オンラインギャンブル廃止へ 中国化の勢いに影響

 8月18日に、オンラインギャンブルライセンスの更新を行わないとする規制が発表されたことを受けて、シアヌークビル等から多くの中国人が出国しました。シアヌークビルでは、オンラインギャンブルとこれに付随する合法・違法なビジネスが中国人社会を支えていたと言われますが、オンラインギャンブル禁止等の影響で、中国の勢いが鈍っているとの見方もあります。

8月29日 カンボジア オンライン・ギャンブルの廃止へ
https://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh/e/6b81d252391a2b6b0aa0e01e0944bbde

9月18日 オンラインギャンブル禁止で シアヌークビルから中国人多数が出国
https://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh/e/d951686d02763c007c0b19bcf7695047


第9位 カンボジア株式市場が活況 

 これまで停滞していたカンボジア株式市場が活況を呈しました。2018年9月末の終値と2019年9月20日の終値を比較すると、シアヌークビル港湾公社の株価は3.5倍に、プノンペン港湾公社株も2倍に、プノンペン上水道公社も2倍に高騰しました。

9月25日 カンボジア株式市場が活況 シアヌークビル港湾公社株が急騰
https://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh/e/697ed9c9a67a17306296073d60931165

5月29日 シアヌークビル港湾公社株 上組がJICAと巨額相対取引
https://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh/e/d007b4d8f812a2628fda82c93e1b8e56


第10位 マネーロンダリング カンボジアは再びグレー・リストに

 マネーロンダリングに関する金融活動作業部会(FATF)による分類で、カンボジアは再びグレー・リスト入りすることとなりました。

3月4日 カンボジア マネーロンダリング対策拡充が必要に
https://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh/e/cb7d90fc502ecfdf1304a7d7fb38ca1a

11月8日 カンボジアはマネーロンダリングに脆弱 引き続きグレー・リスト
https://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh/e/6f94746bdf4f93ff2d2ee6f1d06c58c9




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投資環境視察ミッション その4 シアヌークビル付近のインフラ

2019年12月26日 | 経済
 シアヌークビルには、シェムリアップからのフライトで到着しましたが、シアヌークビル空港はきれいに再整備されていました(写真上)。中国の地方都市との直行便も増えて、利用客数は大幅に増加しています。
 プノンペンとシアヌークビルを結ぶ国道4号線は、交通量の急増で渋滞が目立つようになっています。世界銀行の支援で来年以降、整備工事が行われる予定です。渋滞を抜本的に解決するためのプノンペン~シアヌークビル高速道路は、中国企業によるBOTで今年着工され、今回のミッションでは、数カ所で工事が進められているのを見ることができました。総工費22億ドルの大工事であり、きちんとした品質で工事が進められることを願ってやみません。
 シアヌークビルとプノンペンを結ぶ鉄道南線は、民間会社のロイヤル鉄道によって運営されています。現在、コンテナ列車が毎日2往復しているとのことです。輸送量は全体の7%程度に留まっており、スピードアップ等の改善が必要なものと見られます。
 カンボジアの唯一の深海港であるシアヌークビル港では、コンテナの取扱量が急速に伸びており、今年は60万TEUに達する見込みです。現在の設備では、70万TEUが限度のため、コンテナターミナルの隣にある倉庫を取り払ってコンテナターミナル化する計画です。更に、日本からの円借款によって、沖合を埋め立てて新コンテナターミナルを建設する事業が始まっており、来年から工事が始まる予定です。
 シアヌークビル港の北に位置するスタンハウには、石炭火力発電団地が形成されています。マレーシア系のCELは、これまで100MWでしたが、東芝プラントが建設してきた150MWの増設がほぼ完成しています。また、中国系のCIIDGでは、これまで405MWでしたが、更に350MW×2基の増設を行う計画です。電力需要の増大に対応して、スタンハウとプノンペンを結ぶ送電線も建設中でした。一部の区間は、カンボジア初の50万ボルトの超高圧送電線となる計画です。
 ただ、シアヌークビル市内では、中国系カジノやホテル、マンション等の建設が無秩序に建設されており、工事用車両との通行等で道路インフラが激しく劣化していました。このため、補修工事が全市で行われており、渋滞が更にひどいものとなっています。また、上水や下水処理の拡充も待った無しです。カンボジア政府では、これらの都市インフラの整備にも予算を充てているようですが、更なる拡充が期待されます。
 なお、今回のミッションは、みずほ銀行が企画・実施したものです。カンボジア総合研究所では、こうしたミッションへのご協力も実施しております。

国道4号線。路面の悪化と渋滞が目立ちます。


プノンペン~シアヌークビル高速道路の建設現場


シアヌークビル港。日本の円借款で整備された多目的ターミナルからコンテナターミナルが臨まれます。


プノンペンとシアヌークビルを結ぶ鉄道南線。列車数も増えていますが、まだまだ改善が必要と見られます。


シアヌークビル郊外の石炭火力発電所。東芝プラントが建設した増設部分が出来上がり、真新しい煙突が目立っていました。


発電所とプノンペンを結ぶ送電線がちょうど工事中でした。



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投資環境視察ミッション その3 シアヌークビルの経済特区

2019年12月25日 | 経済
 シェムリアップから飛行機でシアヌークビルに向かいました。観光シーズンということもあり、飛行機は西洋系の観光客で満席の状況でした。
 シアヌークビルでは、先ず空港近くの中国系のシアヌークビル経済特区を見学しました(写真上)。米中貿易戦争の影響もあって、中国から脱出してきた工場のシフト先となり、約150社が入居しています。縫製等の労働集約型産業が中心で、2万人以上の雇用を生み出しています。
 次に、シアヌークビル港近くのシアヌークビル港経済特区を見学しました。こちらは、日本の円借款で整備されました。経済特区内の王子製紙の子会社の工場を見学しました。近くにあるアンコールビール用の段ボール箱等を製造しており、活況を示していました。
 翌日には、シアヌークビル郊外のストゥンハウ経済特区も訪問しました。まだ、本格的に進出した企業はないようですが、プノンペン~シアヌークビル高速道路の通り道ということで、今後の発展が期待されます。
 最後に、プノンペンに戻り、プノンペン経済特区も見学しました。プノンペン経済特区は2008年に開業しましたが、本年までに第1期~第3期の全ての開発地域の契約が順調で、今後、拡張や新設が検討されることが期待されます。最大の工場であるミネベアミツミ社では、第3工場まで完成しており、来年から任天堂のゲーム機の製造を中国から移管するとのニュースが出ています。
 なお、シアヌークビルは「中国化」が進んでいることでも話題となっています。中心部は、中国系のカジノやホテルが次々に建設され、ここ2~3年で様子が全く変わってしまいました。ただ、今年8月のカンボジア政府によるオンラインカジノ規制や、中国政府による外貨流出規制があって、中国化の勢いはかなり弱まっているとの声が聞かれました。

シアヌークビル港経済特区内の王子製紙の子会社工場。アンコールビール向けの段ボール箱等を製造しています。


シアヌークビル郊外のスタンハウ経済特区。


日系企業が多数進出しているプノンペン経済特区。


中国系のカジノ等がひしめきあうシアヌークビル中心部。「中国化」が進んでいることが実感されます。


シアヌークビル港を見下ろす丘も中国系のマンション等で一杯になっていました。



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投資環境視察ミッション その2 ポイペトの経済特区

2019年12月24日 | 経済
 ポイペトでは、国境近くで開発が進む経済特区を見学しました。まず、SANCO経済特区(写真上)内で、豊田通商が運営するテクノパークを見学しました。こちらでは、需要の高まりを受けて、2棟目の建設が開始されていました。タイの東部臨海に集積する日系企業からの引き合いが多くなっているとのことです。
 また、ちょうど完成したばかりのポイペトPPSEZ経済特区内のスミトロニクス社の工場も見学しました。こちらでは、電子部品の製造を行っています。一般には生産性が低いと言われるカンボジアですが、一部の製品では、中国を上回る生産性を示しているとのことでした。
 ポイペトは、タイ国境ということもあり、タイの大型スーパーであるビッグCが開業したばかりで、こちらも視察しました。タイ国内のお店と遜色ない品ぞろえですが、タイよりはちょっと価格が高めに感じるとのことです。
 ポイペトは、カンボジアの労賃の低さとタイとの連結性から、タイに進出している日系企業、特に労働集約的部品産業のシフト先としては、まず一番の候補となる場所となりつつあります。また、工員は素直でやりやすい、通関手数料の改善、治安の良さ等のメリットも感じるとの声もありました。駐在生活としては、外国人用の病院や学校が不十分な点が短所としています。駐在されている日本人の方の生活面の条件が向上すれば、更に日系企業の進出が進むものと期待されます。

テクノパーク。2棟目の建設が始まっています。


電子部品を製造するスミトロニクスの新工場。


タイの大型スーパーのビッグC。駐在員の生活にとっては、基礎インフラと言えます。



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投資環境視察ミッション その1 シェムリアップからポイペトへ

2019年12月23日 | 経済
 投資環境視察ミッションに随行して、カンボジアの地方部を見学する機会がありました。訪問したのは、カンボジア西部でタイ国境のポイペトと、南部の港湾都市であるシアヌークビルです。
 シェムリアップで集合したミッションは、先ずポイペトに向かいました。シェムリアップから、途中のシソポンまでは国道6号線です(写真上)。この区間約100キロメートルは、アジア開発銀行の支援で2008年に舗装工事を完了しました。地道な補修工事によって、何とか状態を維持していますが、路面状況が悪いところも見られます。シソポンからタイ国境のポイペトまでは、国道5号線です。約50キロメートルのこの区間は、日本の円借款で今後片側2車線に拡幅される予定です。現在は、シソポンを迂回するバイパスの工事が進んでいます。
 ポイペト近郊では、タイの支援によって貨物専用の新たなストゥンボット国境が建設中です。国境の橋は既に完成していますが、国境の検査施設等はタイ側の入札手続きの遅れのため、まだ着工にも至っていません。ポイペト付近の経済特区や、タイとプノンペンを結ぶ南部経済回廊にとって、新国境建設は通関の改善に必要不可欠であり、早期の着工が望まれます。

国道5号線。今後、片側2車線に拡幅の予定です。


ストゥンボット国境検問施設の完成予想図。早期の完工が望まれます。


タイ国境の橋梁は、早くも完成しています。国境施設が完成しないと役に立ちません。



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スタイリッシュなカフェ ARABICA

2019年12月22日 | 生活環境
 プノンペン北部、ヴァタナックタワー1階にできたスタイリッシュなカフェ「ARABICA」です。販売カウンターとカウンター席しかありませんが、本当にスタイリッシュな造りで、カンボジアのセンスの良さを感じさせます。なぜか「%」がトレードマークの様です。メニューは、こだわりのコーヒーがメインです。今回は、ブレンドのエスプレッソ(2.85ドル)を頼んでみましたが、本格的なものでした。カップが紙なのが、ちょっと残念ですが、お持ち帰りメインなので、やむを得ないかとも思います。お客さんは、このビルで働いている方々や、地元の素敵な方々が多いようでした。お勧めです。お試しください。

Arabica Cambodia
https://web.facebook.com/arabica.kh/

ヴァタナックタワー1階で、明るくオープンな雰囲気です。


窓に面したカウンターもお洒落です。



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お気楽な韓国料理 Dae Bak

2019年12月21日 | 生活環境
 プノンペン南西部、ソビエト病院の裏手にある韓国料理屋さん「Dae Bak」です。場所はちょっとわかりにくいのですが、430通りと187通りの角です。ガラス張りの明るい店内です。焼肉というよりも韓国家庭料理といった感じがメインです。今回は、5人だったのですが、海鮮チジミ、キムパブ(韓国風海苔巻き)、サムギョプサル、プルコギ、プデチゲ(部隊鍋)を頼んで、お腹一杯でした。部隊チゲは、真っ赤なスープに野菜やソーセージ、ラーメン等が入った庶民的な鍋で、私の好物の一つです。味は辛さ控えめで、カンボジアのお客さんも楽しめる味となっている感じもします。5人でお腹いっぱい食べて、ビールやマッコリも飲んで、65ドルとリーズナブルなお値段でした。お客さんは、地元の方が多いようでしたが日本人の方もいました。お試しください。

Dae Bak
https://web.facebook.com/daebakpp/

私の好物のプデ(部隊)チゲ。韓国軍の部隊で食べられていたのでこの名前らしいです。



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PPSEZポイペト経済特区完成 スミトロニクス社の工場進出

2019年12月20日 | 経済
 12月9日、プノンペン経済特区社がタイ国境に近いポイペトに建設してきた経済特区が完成しました。経済特区の総開発面積は約70ヘクタールで、住友商事が販売代理店を務めます。
 この経済特区進出第1号として、同日に、住友商事系で電子機器受託製造サービス(EMS)を手掛けるスミトロニクスが、新工場の開所式を開催しました。投資額は約12億円で、敷地面積は1万平方メートル、建屋の面積は4,800平方メートルです。ポイペトの新工場では、主に産業機器向けのハーネスや白物家電向けの電子基板を製造する予定です。従業員数は現在約120人で、来年末には2倍に増やす計画とのことです。
 スミトロニクスはタイで、合弁会社アルパイン・テクノロジー・マニュファクチャリング(タイランド)と、2つの協力工場でEMS事業を展開し、主にタイで事業を展開しているメーカー向けに製品を納入してきました。ポイペトは若くて豊富な労働力を有し、タイより賃金が約5割安くすむことから、価格競争力の向上も期待できることや将来的な需要拡大への備えとして、ポイペトに分業拠点を開設したとしています。
 カンボジアは、労務費が上昇した周辺諸国から労働集約的な工程を切り出し、労賃の安い国に移すフラグメンテーションの好例となることが期待されます。特に、タイの東部臨海地域に多数進出している日系企業に「タイプラスワン」の候補地として検討されていくことが期待されます。
(写真は、プノンペン経済特区社の発表より)

プノンペン経済特区社のサイト
https://ppsez.com/jp/news/59-another-big-milestone-for-our-growth-and-development-a-joint-inauguration-ceremony-of-poipet-pp-sez-and-sumitronics-manufacturing-cambodia



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クリスエナジー 海上油田開発進む

2019年12月19日 | 経済
 12月6日、シアヌークビル沖の海上油田開発を進めているシンガポール系の油田探査・採掘会社クリスエナジーは、海上石油開発プラットフォーム用の鋼材の初の積み出し式典を開催しました。式典は、インドネシアのバタム島にある工場で行われ、カンボジア鉱業エネルギー省や経済財政省の高官も参加したとのことです。
 海上油田ブロックAの権益比率は、現在はクリスエナジーが95%、カンボジア政府が5%を保有しています。当初は、米国の石油大手シェブロンが中心となっていましたが、税金問題などでカンボジア政府と折り合いがつかず、2014年に保有していた権益(30%)をクリスエナジーに売却していました。また、当初メンバーの三井石油開発(MOECO)と韓国系GSエナジーも昨年、クリスエナジーにそれぞれ28.5%、14.25%の権益を売却しました。
 ブロックA油田の面積は約4700平方キロメートルで、石油と天然ガスの推定埋蔵量はそれぞれ7億バレル、3兆~5兆立方フィートとされています。カンボジア初の油田として、2019年の生産開始を目指していましたが、現時点では2020年前半に生産開始したいとしており、日量7500バレル程度の石油生産が可能とみられています。
 カンボジア経済にとっても、現在、ガソリン等の石油製品を全量輸入に頼っている構造から脱却する大きなチャンスであることに加え、政府の歳入にも大きな効果があるものとみられ、ブロックAでの商業生産の実現が待たれます。
(写真は、クリスエナジーの発表より)

クリスエナジーの発表(英文です)
https://krisenergy.com/default/assets/File/KrisEnergy%201st%20steel%20cut%209Dec2019.pdf



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