カンボジア経済

カンボジアの経済について、お堅い数字の話から、グルメ情報といったやわらかい話まで、ビジネス関係の方にお役に立つブログです

カンボジア 2023年7月の物価上昇率

2023年08月31日 | 経済
 国家統計庁から発表された2023年7月の消費者物価上昇率(対前年同月比)は、1.9%と落ち着いてきました。物価上昇率は、2012年以降、安定的に推移しており、2018年1月以降は概ね3%未満で推移していました。2021年9月以降は久しぶりの大幅上昇となっていましたが、2022年7月以降は低下傾向にあります(2018年1月2.0%、2月2.3%、3月2.3%、4月2.4%、5月2.9%、6月2.8%、7月2.3%、8月1.9%、9月2.6%、10月3.1%、11月2.5%、12月1.6%、2019年1月1.6%、2月2.4%、3月2.3%、4月2.6%、5月2.3%、6月1.6%、7月2.2%、8月3.1%、9月1.7%、10月1.3%、11月1.8%、12月3.1%、2020年1月3.6%、2月2.7%、3月2.8%、4月1.9%、5月2.4%、6月3.2%、7月3.1%、8月2.0%、9月2.9%、10月3.7%、11月3.7%、12月2.9%、2021年1月2.6%、2月1.7%、3月2.1%、4月2.7%、5月3.0%、6月2.7%、7月3.3%、8月3.4%、9月5.9%、10月6.8%、11月7.9%、12月6.7%、2022年1月4.1%、2月6.3%、3月7.2%、4月7.3%、5月7.2%、6月7.8%、7月5.4%、8月4.9%、9月4.4%、10月3.6%、11月3.2%、12月2.9%、2023年1月3.0%、2月2.2%、3月0.7%、4月1.1%、5月0.5%、6月0.0%)。なお、6月と比べると7月は0.4%の上昇でした。
 ガソリン価格は、政府による価格メカニズムにより国際価格に概ね連動して動いています。6月の4368リエル/リットルから、7月は4368リエル/リットルと横ばいでした。ディーゼルは、6月の3950リエル/リットルから、7月は4000リエル/リットルに上昇しました。国際原油価格(ニューヨーク市場のWTI)は、ロシアのウクライナ侵略の影響を受けて急激に上昇し2022年3月初めに130ドル台にまで上昇した後、最近は80ドル前後の動きとなっています。カンボジアはガソリン類を全量輸入に頼っているため、カンボジアのガソリン価格も国際価格に連動しており、2022年中盤に急速に上昇した後、落ち着いてきましたが、最近若干上昇してきています。
 国際機関も2023年のカンボジアの物価上昇率については落ち着いてくるものと予測しています。アジア開発銀行は3.0%、世界銀行は2.5%、IMFは3.0%、AMROは3.3%と予測しています。
(写真は、プノンペンのセントラルマーケット)  


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日ASEAN経済共創ビジョンの最終版を公表

2023年08月30日 | 経済
 8月22日、経済産業省、日本貿易振興機構(ジェトロ)及び日本商工会議所等は、友好協力50周年を迎えた日本とASEANの新時代の経済共創の方向性を示す「日ASEAN経済共創ビジョン」を公表しました。あわせて、日ASEAN経済共創ビジョンの実現に向けて日ASEAN政府が取り組む施策を記載した「未来デザイン&アクションプラン」を策定しました。同日に開催された日ASEAN経済大臣会合において、このビジョンが歓迎されるとともに、アクションプランが合意されました。
 経済共創ビジョンは、「日ASEAN友好協力50周年を機に、日ASEANの経済関係を再構築する」「日本とASEANの経済関係の変化を振り返り、今の立ち位置を知る」「日ASEANにおける新たな経済関係の方向性(ビジョン)」「ビジョンの実現に向けた4つの取り組みの柱」「日ASEAN経済共創ビジョン実現に向けた具体的な次なる一歩」の5章構成となっています。キーステートメントとして、日本とASEANが「過去50年間の友好協力の中で培った“信頼”を原動力として、安全で豊かで自由な経済社会を、公正で互恵的な経済共創で実現する」ことを提唱しました。経済共創の4つの取り組みの柱として、「多様性・包摂性を両立するサステナビリティの実現」「国境を越えたオープンイノベーションの推進」「サイバー・フィジカルコネクティビティの強化」「活力ある人的資本を共創するためのエコシステムの構築」を掲げています。
 ビジョン実現に向けたアプローチについては、4本柱の一体的な推進に向け、日ASEANの企業が経済的価値/社会的価値を創造し、その実現を日ASEAN各国の政府機関・経済関連機関が密に連携して推進することや、未来を担う産業の創造とその発展の基盤を日ASEANで共創していくことの重要性を強調しました。未来デザイン&アクションプランとして、「デジタル技術を活用したサプライチェーン高度化」「ASEAN地域における貿易の電子化」「日ASEAN若手ビジネスリーダーのネットワーク形成」「寄付講座、海外インターンシップ、ジョブフェアなどを通じた人材還流の推進」「質の高い知財制度の整備」「アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)構想の実現」などの具体的な施策例が提案され、日ASEAN経済大臣会合において合意されました。
 日本にとって重要なASEAN諸国と、未来志向のビジョンやアクションプランが合意されたことは大きな意義があります。米中対立が深刻化する中で、カンボジアを含むASEAN諸国の日本への信頼は大きな財産であり、日本とASEAN諸国が協力しつつ友好関係を深めていくことが期待されます。
(写真は、日ASEAN友好50周年記念ロゴ)

経済産業省の発表
https://www.meti.go.jp/press/2023/08/20230822005/20230822005.html


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JETRO カンボジアでJAXAと衛星ビジネスシンポジウム

2023年08月29日 | 経済
 8月11日、日本貿易振興機構(JETRO)は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共催で「衛星データを活用したカーボンニュートラル、持続可能な開発目標(SDGs)の実現、農業の生産性向上などの課題解決に向けたイノベーション」をテーマとしたネットワーキングシンポジウムをプノンペン市内のホテルで開催しました。シンポジウムは、オンラインとのハイブリッドで開催されました。
 シンポジウムには日本からJAXAをはじめ、シンスペクティブ、グリーンカーボン、天地人、サグリ、ヤンマー、日本工営、アスエネの8社・団体が参加し、カンボジアの宇宙・グリーン・農業などにかかる分野で活用が想定される自社の技術や事業を紹介しました。会場にはカンボジアの農業関連団体や財閥企業、政府機関などから200人以上が来場したとのことです。
 参加したカンボジア農協会社(CACC)の会長は、「特に排出権取引で農家の副収入増加を見込めることは、カンボジアの農業発展にとっても非常に有益で、興味深い。ただ、机上の理論どおりにうまくいくものでもないのが農業だ。プロジェクトを具体的に進めるに当たり、タイムラインや必要条件などを個別に詰めていきたい」と話しました。
 遅れた国と思われているカンボジアですが、先進国の優れた技術を一気に取り入れて、先進国に追いつき追い越していく「蛙飛び(リープフロッグ)」を起こす国としても知られるようになっています。衛星ビジネスも、しがらみの少ないカンボジアでは、自由に展開できる可能性が高く、日本が開発した技術を有効に活用できる場所として最適なところの一つと見られます。
(写真は、日本貿易振興機構の発表より)

日本貿易振興機構の発表
https://www.jetro.go.jp/biznews/2023/08/5170e03ebbff05c9.html


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フン・マネット氏が首相に就任 組閣人事を発表

2023年08月28日 | 経済
 8月22日、カンボジアの国民議会(下院)は、新首相としてフン・マネット氏の就任を承認しました。また、新首相の下、新政権の組閣人事が発表されました。首相に就任したフン・マネット氏は、フン・セン前首相の長男で45歳、米国陸軍士官学校を卒業したエリートで、人格は温厚と言われています。
 注目の新閣僚は、副首相10人、上級大臣および大臣40人で構成されます。首相を含め30〜40代の若い第二世代が多く、重鎮が軒並み70〜80代に突入していた前政権から大幅に若返りました。欧米諸国での留学経験を持つメンバーも多く、内戦やその後の修羅場をくぐってきた第1世代とは、かなり違った雰囲気となったとみられます。
 若い第2世代としては、首相のフン・マネット氏の弟であるフン・マニー氏が人事相に、副首相兼国防相にティア・セイハ氏(前任は父親のティア・バニュ氏)、副首相兼内務相にソー・ソカー氏(前任は父親のソー・ケーン氏)等が就任しています。そのほか、副首相兼外務国際協力相に日本とも関係が深いソック・チェンダソピア氏が就任したことや、経済財政省次官(大臣級)から副首相兼閣僚評議会担当相にボンセイ・ビソット氏が抜擢されたこと等が注目されます。
 7月23日に実施された総選挙では、最大野党のキャンドルライト党が参加不可となったり、政権に批判的なマスコミが様々な形で圧力を受ける等、政権側の強権的な手法がとられたため、欧米を中心として強い批判が寄せられました。こうした中、岸田首相からフン・マネット首相、林外務大臣からソック・チェンダソピア副首相兼外務国際協力大臣に対して、祝意を表する書簡が発出されました。日本としては、カンボジアが中国に傾き過ぎず、また、中国のような独裁・弾圧国家にならないよう、硬軟両用で様々なチャンネルを通じて新政権とも対話を継続していくことが期待されます。
(写真は、AKPより)



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メルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」今週号は本日発行です

2023年08月28日 | 一般
 ブログ「カンボジア経済」は、毎日更新して、カンボジア経済情報をデイリーにお伝えしています。これらの情報をまとめて週刊でメルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」を発行しています。毎週月曜日に発行しています。「無料」です。
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久しぶりのプノンペン駅

2023年08月27日 | 生活環境
 久しぶりにプノンペン駅を訪問する機会がありました。最近は定期旅客列車もあり、きれいに維持管理されています。ショッピングモール化する計画でしたが、せっかく入居したカフェが撤退していたりと、あまり進んでいないようでした。駅構内は、あまり変わっていませんが、きれいに塗りなおされた客車も並んでいました。構内のトレインカフェに展示されているフランス製の蒸気機関車も、最近きれいに塗りなおされていて、面目を一新していました。休日には地元の若い方々で結構な人出とのことです。

Royal Railway Cambodia
https://web.facebook.com/TRRCambodia

きれいになっていい感じの蒸気機関車。


駅の内部。素晴らしい建築です。


駅構内。左は日立製のディーゼルカー。右の客車は年代ものですが、リノベーションされてきれいになっています。



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山小屋風のカフェ Noir TTP

2023年08月26日 | 生活環境
 プノンペン南部ロシアンマーケットの近くにあるカフェチェーンの「Noir TTP」です。場所は135通りです。山小屋風の外観ですが、中はグリーンがいっぱいで、雰囲気の良い中庭もあります。メニューは普通のカフェメニューですが、フード類も充実しています。今回は、アイスコーヒーをお願いしました。お客さんは、地元の若い方が多いようでした。グループで楽しんでいる人や、パソコンで仕事をしている人など、様々でしたが、ほとんど満席の繁盛ぶりでした。お試しください。

Noir TTP
https://web.facebook.com/noirttp/about

雰囲気のある中庭。気分がゆったりします。


店内も温室のような感じでグリーンが一杯です。



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アジアの越境デジタル通貨決済 ソラミツ構築 日本でも

2023年08月25日 | 経済
 新聞報道によりますと、8月8日、ブロックチェーン開発企業のソラミツは、カンボジアの中央銀行デジタル通貨(CBDC)「バコン」を中心にステーブルコインの交換を実現し、日本と東南アジア諸国の間の越境決済を実現する取り組みを開始すると発表したとのことです。
 ソラミツはカンボジアで「バコン」、ラオスで「デジタル・ラオ・キープ」とCBDCの発行を支援してきた実績があります。バコンはカンボジア国内にとどまらず、マレーシア、タイ、ベトナムとQRコードによる越境決済を実現させ、2022年末の利用者は850万人、決済額は約2.2兆円に成長しました。現在、インドや中国、ラオスと越境決済の仕組み開発にも取り組んでおり、更にこのアジアのネットワークに日本を組み込む考えです。
 ソラミツは、まず日本に「ステーブルコイン交換所」を設立する計画です。日本では2023年6月に改正資金決済法が施行され、法定通貨を裏付けとするステーブルコインが発行可能になりました。新興企業や地方銀行が円建てのステーブルコインの発行を目指しており、2024年にかけて複数のステーブルコインが発行されると見られます。
 ソラミツは今回の決済網構築にあたり、デジタルトランスフォーメーション(DX)支援のVIVITと、多摩大学大学院ルール形成戦略研究所と組み、越境決済とECの開発プロジェクトチーム「睦(むつみ)」を発足させています。
 越境決済を巡っては、これまで3〜5日かかっていましたが、CBDCを使うと数秒に短縮できるとしています。ソラミツによれば、バコンとステーブルコインの交換による決済も数秒で実現できるとのことです。カンボジアのCBDCバコンを中心とした決済網が越境デジタル決済を大きく変えていくことが期待されます。
(図は、リリースより)


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2023年上半期 銀行セクターは順調に拡大

2023年08月24日 | 経済
 7月31日、カンボジアの中央銀行であるカンボジア国立銀行 (National Bank of Cambodia:NBC)は、2023年上半期業績報告書により、今年上半期の銀行セクターの状況を公表しました。
 2023年6月末の商業銀行59行・特殊銀行9行の貸付残高合計は、対前年6月末比11.9%増の約458億ドルとなりました。預金残高合計も、6.4%増の約394億ドルとなっています。貸付先をセクター別シェアで見ると、小売16.0%、住宅(個人向け)14.5%、不動産9.5%、卸売9.3%、建設8.9%、個人向け8.3%、農林水産業8.0%等となっています。
 6月末のマイクロファイナンス機関の預金残高合計は、14.8%増の97億ドル、預金残高合計は49億ドルとなっています。マイクロファイナンス機関の貸付先をセクター別シェアで見ると、個人向け34.0%、商業23.2%、農業17.7%、サービス13.4%等となっています。
 まだ、デジタル取引も増加しており、6月末のeウォレット数は2020万口座、2023年上半期のデジタル取引数は3030万件、取引金額は897億ドルに達したとしています。
 NBCのチア・チャント前総裁は、世界的な金融引締め、米国での銀行の破たん等で国際的金融市場が動揺する中で、カンボジアの金融セクターは強靭性と安定性を示していると強調しました。また、各金融機関は、NBCが定める資本や流動性に関する銀行監督規制を遵守しており、金融安定性に大きなリスクとはなっていないとしています。
 商業銀行・特殊銀行の平均不良債権比率は、6月末の数字は明らかとなっていませんが、2022年末は3.1%に上昇しました。新型コロナの影響で返済が困難になった顧客については、返済を猶予する等の貸付条件の変更に応じてきたこともあり、不良債権比率は2019年末2.0%、2020年末2.1%、2021年末2.0%と横ばい状態でしたが、2022年6月にこの貸付条件緩和が終了したため、不良債権が増加したものと見られます。
 2020年以降、新型コロナの影響はカンボジア経済に大きな打撃を与えました。しかしながら、金融システムが揺らぐことはありませんでした。銀行の健全性を維持するための様々な規制や銀行監督が奏功したものと見られます。しかし、上述の通り不良債権が増加しており、今後の状況については、引き続き留意する必要があるものと見られます。
(写真は、商業銀行最大手のACLEDA銀行本店)


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中国の王毅外相 カンボジアを公式訪問

2023年08月23日 | 経済
 中国の王毅(ワン・イー)共産党政治局員兼外相は、カンボジアを公式訪問し、8月13日にフン・セン首相、フン・セン首相の長男で次期首相に任命されたフン・マネット氏とそれぞれ会談しました。また、シハモニ国王陛下を表敬訪問するとともに、プラック・ソコン外務大臣、スン・チャントル公共事業運輸大臣、ソクチェンダ・ソピアカンボジア開発評議会事務総長等の主要閣僚とも会談しました。
 フン・セン首相との会談では、王毅氏は、中国の習近平国家主席がカンボジアの総選挙で与党人民党が圧勝したことを歓迎していると伝えました。中国との経済的な協力関係強化に向けてフン・セン首相が強い指導力を発揮してきたことを高く評価し、今後もカンボジアの発展や国際的地位の向上に継続的な支援を提供すると述べたとのことです。
 フン・マネット氏との会談では、カンボジアに対する中国の協力と支援は新政権発足後も変わらないと強調し、特に電力などのインフラ分野への投資や農業、貿易の振興に関して関係を強化すると述べました。10月に北京で開催される中国の巨大経済圏構想「一帯一路」の発足10周年記念式典にフン・マネット新首相を招待したとのことです。
 様々な会談で中国側は、カンボジア新政権に対する支持を表明し、両国関係をさらに強化する方針を示しました。これに対し、カンボジア側は、引き続き「一つの中国」政策を支持し、同国の内政には干渉しない姿勢を明らかにしました。
 米中冷戦の正面戦線であり、「親中国」と言われるカンボジアに、フン・マネット氏による新政権発足前に王毅氏が訪問したのは、カンボジアと中国の連帯を誇示する一方で、カンボジアに対する圧力を強める狙いもあるものと見られます。フン・マネット氏の外交方針は明らかになっていませんが、米国の陸軍士官学校で学んだ経歴などから、欧米では過度な中国傾斜の修正を期待する向きもあるといわれます。小国であるカンボジアは米中の板挟みの中で、綱渡り外交を続けていかざるを得ず、新首相の力量が試される場面も多々あるものと見られます。
(写真は、AKPより)


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カンボジアの休日2024

2023年08月22日 | 経済
 来年2024年のカンボジアの祝祭日です(2023年8月7日付政令第230号)。カンボジアの休日数は、2019年は28日でしたが、2020年は6日間削減されて22日、2021年以降は21日となっていました。2024年はクメール正月の休日が1日増えて22日となっています。休日数の削減は、2019年3月の政府民間フォーラムで、民間企業側からの「カンボジアは周辺諸国に比べて休日数が多すぎる」との意見を踏まえて、フン・セン首相が約束していたものです。また、2021年10月に労働法が改正され、休日が日曜・他の休日と重複した場合、翌営業日への振替は行わないこととなりました。
 なお、カンボジアでは中華正月と呼ばれる旧正月(2024年は2月10日(土))は、休日とされていませんが、前後併せて休業とする企業・職場が多くなっています。

1月1日 月曜 インターナショナルニューイヤー International New Year
1月7日 日曜 虐殺政権からの解放の日 Victory over Genocide Day 
3月8日 金曜 国際女性の日 International Women's Day
4月13日~16日 土曜~火曜 カンボジア正月 Khmer New Year
5月1日 水曜 国際労働者の日 International Labor Day
5月14日 火曜 シハモニ国王誕生日 King Norodom Sihamoni's Birthday
5月22日 水曜 仏誕節 Visaka Bochea
5月26日 日曜 王室始耕祭 Royal Ploughing Ceremony
6月18日 火曜 モニク前王妃誕生日 Queen Norodom Monineath Sihanouk’s Birthday
9月24日 火曜 憲法記念日 Constitution Day
10月1日~3日 火曜~木曜 プチュンバン Pchum Ben Day
10月15日 火曜 シアヌーク前国王追悼記念日 Commemoration Day of King's Father
10月29日 火曜 シハモニ国王即位記念日 King Norodom Sihamoni Coronation Day
11月9日 土曜 独立記念日 Independence Day
11月14日~11月16日 木曜~土曜 水祭り Water Festival

(写真は、2019年の水祭り)

2024年1月4日追記:2024年1月1日に以下の休日が追加されました。
12月29日 平和の日 Peace Day



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カンボジアのシハモニ国王 フン・セン首相長男のフン・マネット氏を次期首相に指名

2023年08月21日 | 経済
 8月7日、カンボジアのシハモニ国王は、フン・セン首相の長男であるフン・マネット氏(45)を次期首相に任命しました。7月23日の総選挙結果が8月5日に確定し、与党の人民党が125議席中120議席を獲得する圧勝となったことを受けたものです。8月22日に予定される国会での承認後に正式に就任することとなります。
 フン・マネット氏の人物像については、8月15日付日経新聞の高橋徹編集委員・論説委員の記事「39年ぶりの交代、カンボジア「世襲新首相」の人物像」が、的確に伝えています。
 同記事によりますと、フン・マネット氏は、フン・セン氏が1977年6月にベトナムへ亡命した4カ月後に生まれました。1995年の陸軍入隊と同時に米国へ留学し、1999年にカンボジア人で初めて米陸軍士官学校を卒業しました。2002年には米ニューヨーク大で経済学の修士号、2008年には英ブリストル大で同博士号を取得します。陸軍でもスピード昇進を続け、2018年に40歳の若さで事実上の国軍トップである陸軍司令官に登り詰めました。2021年末、父から後継指名を受け、党中央委員会で正式に次の首相候補に選出されました。
 華麗な経歴が示すのは、父の威光を背に将来を約束され、順調に歩んだエリートの姿そのものだとしています。しかし、苦労もし、様々な勉強もしているようで、「総じて伝わってくるのは、優秀かつ温厚、思慮深い人物像で「すぐにカッとなる父親とは正反対」という声すらある。」と分析しています。
 記事は、「父の監督下という「補助輪」をつけて走り出す新首相は、複雑な地政学情勢にもまれる小国の行方をどうかじ取りするのか。9月上旬にインドネシアで開かれる東アジア首脳会議で外交デビューし、その後も同下旬の米国での国連総会、12月に東京で予定される日本とASEANの友好協力50周年の特別首脳会議など、外交日程は目白押しだ。一連の国際舞台での振る舞いは、ひとつの試金石となるはずだ。」と結ばれています。
(写真は、シハモニ国王陛下(中央)とフン・マネット氏。AKPより)

日本経済新聞8月15日(有料会員限定です)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD1326X0T10C23A8000000/


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メルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」今週号は本日発行です

2023年08月21日 | 一般
 ブログ「カンボジア経済」は、毎日更新して、カンボジア経済情報をデイリーにお伝えしています。これらの情報をまとめて週刊でメルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」を発行しています。毎週月曜日に発行しています。「無料」です。
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街角の経済発展 フォー もしもし

2023年08月20日 | 生活環境
 プノンペン北部、カナディアタワー近くのローカル食堂「もしもし」です。ロシア大通り沿いのこちらは、カフェとフォーを出しています。日本語が話せる女性店長さんがいて、カフェは「Gコーヒー」、フォーは「もしもし」という屋号の様です。フォーは、卵入りで1万5000リエル(約520円)と、ローカル店にしてはちょっと高めの値段設定です。元々は自動車部品屋さんが並ぶ一角でしたが、近くにいくつも銀行があるので、そのスタッフを目当てにした食堂が次々に開店しています。銀行のスタッフは高給取りなので、このあたりの食堂はちょっと高めの値段設定でも大丈夫なようで、朝ごはんやランチ時は盛況です。今回は、フォーとアイスコーヒーをお願いしました。美味しくいただきました。このあたりにお出での際はお試しください。

フォーを作るところに平仮名で「もしもし」と書いてあるのが目印です。


卵も入って美味しかったフォー。ハーブも色々付いてきます。



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街角の経済発展 クメールストリートフード セレイ

2023年08月19日 | 生活環境
 プノンペン北部、カナディアタワー近くのローカル食堂「セレイ」です。場所は、ロシア大通り沿いで、カナディアタワーの東100メートルほどのところです。店名のセレイは、「自由」という意味とのことです。こちらは、クメールストリートフードとかき氷を出しています。今回は、ピリ辛シーフードヌードルをお願いしました。1万2000リエル(約420円)と、ローカル店にしてはちょっと高めの値段設定です。かき氷は、色々なトッピングを好みに応じて乗せられます。トッピングの数で値段も変わってくるそうです。なお、こちらのお店は、クメール語オンリーで、英語のメニュー等はありませんのでご留意ください。
 このあたりは、元々は自動車部品屋さんが並ぶ一角でしたが、近くにいくつも銀行があるので、そのスタッフを目当てにした食堂が次々に開店しています。銀行のスタッフは高給取りなので、このあたりの食堂はちょっと高めの値段設定でも大丈夫なようで、朝ごはんやランチ時は盛況です。このあたりにお出での際はお試しください。

ピリ辛シーフードヌードル。汁無麺ですが、野菜もたっぷりでヘルシーな感じです。


かき氷のトッピングの種類がすごく多いです。懐かしい手動のかき氷機もあります。



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