カンボジア経済

カンボジアの経済について、お堅い数字の話から、グルメ情報といったやわらかい話まで、ビジネス関係の方にお役に立つブログです

カンボジア信用保証公社 中小企業向け貸付の保証枠を拡充

2021年09月30日 | 経済
 9月22日、カンボジア政府は、カンボジア信用保証公社を通じて、地場の中小企業向けに5000万ドル(約55億円)規模の協調融資保証スキームを開始しました。3月に開始した2億ドル規模のビジネス回復信用保証スキームを拡充するものとなります。このスキームの目的は、新型コロナの影響下にあるカンボジアの中小企業の金融へのアクセスを改善することにあり、カンボジア中小企業銀行が実施している中小企業向け協調融資スキームを補完するものとなります。民間金融機関からの貸付金額の70%~80%が保証されるため、中小企業が準備しなければならない担保を少なく抑えることが可能となります。また、民間金融機関としても、中小企業の財務等の審査能力が不十分な中で、貸付のリスクを大幅に減少させることが可能となります。中小企業は、保証付きの借入資金を、運転資金、新規投資、ビジネス拡大等に活用することができます。
 カンボジア信用保証公社(Credit Guarantee Corporation of Cambodia Plc:CGCC)は、経済財政省所管の公的機関として2020年9月に設立されました。9月21日現在で、85件、1200万ドルの保証を実行したとしています。
 カンボジア等の途上国の中小企業にとって最大の課題の一つは金融へのアクセスです。金融へのアクセスを改善するために、カンボジア政府は、既に中小企業銀行を設立し、民間金融機関との協調融資を進めています。これに加えて、信用保証公社による民間金融機関融資の保証を実施するスキームは、大きな役割を果たすものと期待されます。貸付の増大だけでなく、中小企業に対しては、財務諸表の整備、借入の管理手法等を指導可能であり、金融機関に対しては借入申請手続きの円滑化や中小企業の財務状況審査手法の改善等の効果も期待されます。

カンボジア信用保証公社の発表(英文です)
https://www.cgcc.com.kh/en/credit-guarantee-corporation-of-cambodia-launches-50-million-co-financing-guarantee-scheme-to-support-smes/



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経済財政省 公的債務統計報告書2021秋 債務状況は問題ないレベル

2021年09月29日 | 経済
 9月3日、カンボジア経済財政省は、公的債務統計報告書(Cambodia Public Debt Statistical Bulletin)第12号を公表しました。2021年6月末現在のカンボジア政府の債務状況について詳細な統計により報告しています。
 1993年から2021年6月末までの累積で見ると、借款契約の総額は、148億3652万ドル(約1兆6320億円)となっています。そのうち、83.6%がインフラ整備に向けたものです。国別では、中国が最大で52億7341万ドル(全体の35.5%)、以下、アジア開発銀行34億5599万ドル(23.3%)、日本18億7300万ドル(12.6%)、世界銀行16億4294万ドル(11.1%)、韓国10億1847万ドル(6.9%)等となっています。2020年6月末の公的対外債務残高は、91億2212万ドル(約1兆34億円)となっています。
 債務持続性分析を見てみると、公的対外債務の現在価値の対GDP比率は25.1%(基準値40%)、同対輸出比率37.1%(同180%)、債務返済比率(債務返済の対輸出比率)2.0%(同15%)、債務返済の対歳入比率6.2%(同18%)と、いずれも健全とされる基準値を大きく下回っており、全く問題ありません。ストレステストでも基準値を超えることは全くなく、対外債務については、カンボジアは大変な優等生ということができます。世界銀行・国際通貨基金の判定でも「低リスク国(青信号国)」に分類されています。
 多くの途上国が、新型コロナ対策で多額の財政支出を余儀なくされ、また、経済状況も悪化する中で、対外債務に苦しみ始めています。カンボジアは、債務の過半が日本や世界銀行・アジア開発銀行からの譲許的借款であることに加え、債務マネジメントをしっかり行ってきたため、対外債務については概ね問題ない状況にあります。また、カンボジア経済は高度にドル化しているため、この先予想されるドル高によって、いくつかの新興国で懸念が高まっている急激な債務膨張や為替レートの変動の可能性も低いと言えます。いわゆる「債務の罠」に陥らないためにも、特定国に偏り過ぎないようにバランスを取りつつ、引き続き公的債務を管理していくことが必要と見られます。
(写真は、日本の円借款で整備されてきたシアヌークビル港)

経済財政省のサイト(英文及びクメール語です)
https://mef.gov.kh/documents/%e1%9e%96%e1%9f%92%e1%9e%9a%e1%9e%b9%e1%9e%8f%e1%9f%92%e1%9e%8f%e1%9e%b7%e1%9e%94%e1%9e%8f%e1%9f%92%e1%9e%9a%e2%80%8b%e1%9e%9f%e1%9f%92%e1%9e%8f%e1%9e%b7%e1%9e%8f%e1%9e%b7%e2%80%8b%e1%9e%94-10/



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アジア経済見通し2021秋 新型コロナの影響長引く

2021年09月28日 | 経済
 アジア開発銀行(ADB)は、9月22日に「アジア経済見通し2021年改訂版(Asian Development Outlook 2021 Update)」を発表しました。ADBでは、「アジア開発途上国では、新たな変異株の流行とともに、一部の国では更なる行動制限措置が取られるなど、依然として新型コロナウイルスのパンデミックに対する脆弱性が懸念される。コロナ封じ込め策やワクチン接種だけに注力するのではなく、企業や家庭への継続的な支援とともに、回復を促進するために、コロナ収束後の「ニューノーマル」に対応した経済各分野の再編成の取り組みにも焦点を当てる必要がある」と指摘しています。日本等の先進国を除くアジア地域の2021年の成長率を7.1%(前回4月予測7.3%)に引き下げました。
 カンボジアについては、2021年のGDP成長率を1.9%(前回4.0%)に引き下げました。2021年は、新型コロナの影響が長引き、国内需要の回復を阻害しているとしています。2022年は、ワクチン接種が2021年末には完了するとして、5.5%(前回5.5%)まで上昇すると予測しました。新型コロナ対策のためのロックダウンと工場閉鎖で打撃を受けている縫製業は輸出も弱含んでいます。ただ、建設業には回復の兆しがあり、建設資材の輸入は対前年同期比23.5%増となっています。このため、第二次産業の成長率は、2021年5.3%(前回7.1%)となると見ています。第一次産業の成長率は、農産品輸出、特にコメ以外の輸出が堅調であること等から、2021年1.5%(前回1.3%)としています。第三次産業については、2021年中は観光業の苦境は続き、飲食・宿泊・輸送等の国内サービス業も打撃が長引くと見て、2021年マイナス0.6%(前回3.3%)に引き下げました。
 物価上昇率予測は、2021年2.9%(前回3.1%)、2022年2.7%(前回3.0%)で、安定的と見ています。対外収支については、経常収支の赤字(対GDP比)が2020年12.1%、2021年15.6%(前回15.6%)、2022年12.9%(前回12.3)%と、予想よりは悪化せず、2022年以降改善方向に向かうと見ています。ただ、金の輸出(流失)が続いていることに懸念を示しています。
 カンボジア政府の対策としては、貸付条件の変更(緩和)の継続を評価しています。民間向け貸付は堅調に推移し、対前年同期比23.3%増となっています。また、カンボジアでのワクチン接種は世界的に見ても進展が早く、2021年8月31日現在、アジア開発途上国で完全にワクチン接種を終えた人は全人口の28.7%にとどまるのに対し、カンボジアは53.3%と米国51.8%、EU58.0%に匹敵しています。また、政府が中期経済回復計画を策定したことも評価しています。
 リスクとしては、ウイルスの変異株の感染拡大を第一に挙げています。この他、貸付条件変更の終了に伴う不良債権比率の上昇、建設不動産セクターでのショックの可能性等を挙げています。
(グラフは、アジア開発銀行の発表より)

アジア開発銀行のサイト(和文)
https://www.adb.org/ja/news/adb-trims-developing-asia-2021-growth-outlook-amid-continued-covid-19-concerns


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メルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」今週号は本日発行です

2021年09月27日 | 一般
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新型コロナ カンボジアの状況 9月27日 プチュンバン行事も禁止

2021年09月27日 | 経済
 カンボジアの新型コロナウイルスの感染状況は、ワクチン接種の進展に伴い市中感染は減少傾向にありましたが、デルタ株の感染確認が増加中で、感染拡大が懸念される状況です。9月26日の保健省の発表によれば、死者は累計2243名(9月19日から134名増)です。累計陽性者数は10万9087名(同4993名増)となっています。治癒数は10万655名(同3428名増)です。先週の新規陽性者のうち、市中感染は4165名、海外帰国・入国者の新規陽性は828名でした。タイからの帰国者を中心にデルタ変異株の感染拡大が進みつつあり、9月23日現在6503例が確認されています。
 デルタ株の感染が増加していることもあって、感染防止対策規制は継続されています。9月22日、プノンペン都は、映画館やカラオケ・バー等の営業禁止、アルコール類の販売・提供禁止等の規制を10月7日まで2週間延長することを決定しました。シェムリアップ州は厳しい規制となるレッドゾーン指定を9月30日まで延長しています。なお、日本人会では、レッドゾーン内で買い出し等ができない邦人の方を支援する許可を政府に求めています。また、9月24日、カンボジア政府は、10月第1週のプチュンバンと、すでに始まっている関連行事を禁止すると発表しました。プチュンバンはカンボジアのお盆で、多くの人が帰省し、お寺めぐりをします。既に、一部のお寺でクラスターの発生が確認されていることから、お寺での集まり等の行事の禁止を求めたものです。他方、9月25日に政府は、大学での対面授業の解禁を決定しました。
 カンボジア日本人会では、中国製ワクチンを接種済の邦人を対象として、日本製ワクチンによるブースター接種(3回目)の実施をカンボジア政府に陳情していましたが、これが認められ、10月10日及び11日にプノンペンの母子保健センターで、希望者へのブースター接種が実施されることとなりました。
 日本政府は、カンボジア保健省にワクチンの輸送・保管用の冷蔵設備等を寄贈しました。9月20日、引き渡し式典が開催され、三上正裕駐カンボジア日本大使、カンボジア保健省とユニセフの関係者らが出席しました。日本政府は、東南アジア・太平洋地域の12カ国で、ワクチン保冷設備の供与など、コールドチェーン(低温物流)の整備に3690万ドル(約40億6000万円)を拠出することを表明しており、このうち約91万ドル(約1億円)をカンボジアでの支援に充てています。
 ワクチンについては、世界的に見ても早いペースで接種が進んでおり、「カンボジアのワクチンミラクル」と呼ばれ始めています。9月25日現在で、1305万906人(うち12歳~17歳175万133人、6歳~11歳142万5242人)への第1回接種を完了しています。これは、カンボジアの人口(約1600万人)の約82%に相当します。成人(18歳以上約1000万人)への接種について見ると、既に目標の98.8%に第1回接種を、92.5%に2回目を完了しています。なお、中国製ワクチンの効果が不十分であることから、ブースター接種(3回目)を行う方針です。優先対象者(医療従事者、60歳以上等)から開始されており、9月25日現在86万5298人が3回目接種を完了しています。一般向けのブースター接種も10月11日にプノンペン都から開始される予定です。
 カンボジアでは、感染拡大に歯止めをかけるために、4月にはプノンペン等のロックダウンに踏み切りました。デルタ株の市中感染が確認されたこともあり、再度規制強化が実施されています。新たな規制については、州毎に状況が異なっていますので、日本大使館のサイト等を十分にご確認ください。なお、カンボジアは、医療体制が脆弱という弱点があり、いわゆる医療崩壊の懸念がありますので、引き続きマスクやアルコール消毒といった対策の継続が必要と見られます。
(写真は、日本支援の冷蔵設備の寄贈式典。日本大使館のフェイスブックより)

カンボジア日本人会のフェイスブック
https://web.facebook.com/Jacambodia/

在カンボジア日本国大使館のサイト
https://www.kh.emb-japan.go.jp/itpr_ja/b_000431.html


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韓国系のパン屋さん Paris Baguette

2021年09月26日 | 生活環境
 プノンペン中心部バンケンコンに開店した韓国系のパン屋さんの「Paris Baguette」です。場所は、310通りです。韓国内で3000店舗以上、海外で430店舗以上を展開しているチェーン店ですが、韓国内では「高級」という位置付けとのことです。内装は、日本のデパ地下を思わせる華やかな感じです。サンドイッチやケーキ類もインスタ映えしそうなものが多いです。なお、店内飲食には、ワクチンカードの提示が必要となっていますのでご留意下さい。

Paris Baguette
https://web.facebook.com/Parisbaguettekh/?ref=page_internal

華やかなサンドイッチ



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新しいローカルレストラン Orussey Noodle Restaurant オールドマーケット店

2021年09月25日 | 生活環境
 プノンペン北部、オールドマーケットの向かいにできた新しいローカルレストラン「Orussey Noodle Restaurant」です。Orussey Noodle Restaurantは、プノンペンで数店舗を展開しています。オールドマーケット店の場所は、オールドマーケットの東北の角の向かいで、ナイトマーケットにも面しています。大きなお店ですが、開放的な造りで、風が吹き抜ける感じです。テラス席もありますし、2階も開放的で木々の緑が目に沁みます。麺類は、店先の屋台のようなところで調理しています。メニューは、朝食時は、クメール定番の麺類やライスメニューが数多く並んでいます。肉まん類も有名らしいです。今回は、フィッシュボールヌードル(15,000リエル:約410円)とアイスラテを頼んでみました。フィッシュボールもなかなかしっかりしていて、美味しかったです。ゴルフ前の早い時間に行ったので、他のお客さんはいませんでしたが、食事時間帯は地元の方で賑わうのではないかと思います。お値段は、ローカルレストランとしては高級です。リバーサイドも近いので、コロナ終息後は外国人客も増えるだろうと思います。

Orussey Noodle Restaurant PhsaChas (オールドマーケット店)
https://web.facebook.com/Orusseynoodle4/?ref=page_internal

フィッシュボールヌードル。美味しかったです。


外の緑がきれいに見える2階席


店先にある麺類を調理する屋台


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カンボジア 2021年8月の物価上昇率

2021年09月24日 | 経済
 国家統計庁から発表された2021年8月の物価上昇率(対前年同月比)は、3.4%の上昇となりました。物価上昇率は、2012年以降、安定的に推移しています。細かくみると、2017年初頭に4%台まで上昇しましたが、2017年5月以降は3%未満で安定していました。2018年10月以降3%台となる月が出てきています(2016年1月3.1%、2月2.3%、3月2.0%、4月2.8%、5月3.2%、6月3.3%、7月3.0%、8月3.0%、9月2.9%、10月3.4%、11月3.6%、12月3.9%、2017年1月4.4%、2月4.0%、3月4.2%、4月3.2%、5月2.5%、6月2.3%、7月2.3%、8月2.6%、9月2.7%、10月2.1%、11月2.3%、12月2.2%、2018年1月2.0%、2月2.3%、3月2.3%、4月2.4%、5月2.9%、6月2.8%、7月2.3%、8月1.9%、9月2.6%、10月3.1%、11月2.5%、12月1.6%、2019年1月1.6%、2月2.4%、3月2.3%、4月2.6%、5月2.3%、6月1.6%、7月2.2%、8月3.1%、9月1.7%、10月1.3%、11月1.8%、12月3.1%、2020年1月3.6%、2月2.7%、3月2.8%、4月1.9%、5月2.4%、6月3.2%、7月3.1%、8月2.0%、9月2.9%、10月3.7%、11月3.7%、12月2.9%、2021年1月2.6%、2月1.7%、3月2.1%、4月2.7%、5月3.0%、6月2.7%、7月3.3%)。なお、7月と比べると8月は0.1%の下落でした。
 ガソリン価格は、政府による価格メカニズム導入の効果もあって細かく動いています。7月の4100リエル/リットルから、8月は4000リエル/リットルに若干値下がりしました。ディーゼルも、7月の3650リエル/リットルから、8月は3600リエル/リットルに値下がりしました。国際原油価格(ニューヨーク市場のWTI)は、最近は70ドル前後で推移しています。カンボジアのガソリン価格も国際価格に概ね連動して動いており、今年に入ってかなり上昇しましたが、足下では落ち着いた動きとなっています。
 国際機関は、カンボジアの物価上昇率を引き続き安定的と見ています。2021年の物価上昇率について、アジア開発銀行は3.1%、世界銀行は2.5%、国際通貨基金(IMF)は3.1%と予測しています。
(写真は、プノンペン市内のガソリンスタンド。8月26日撮影)  



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ワクチン接種済外国人観光客 7日間のサンドボックス方式で受け入れ検討へ

2021年09月23日 | 経済
 9月17日、カンボジアのフン・セン首相は、現在入国時に14日間の強制隔離を行っている入国規制について、ワクチン接種済み外国人観光客については隔離期間を7日間とするとともに、サンドボックス方式で隔離期間中の観光も可能とする方向で検討を進めるよう、観光大臣に指示したとのことです。カンボジアでの成人へのワクチン接種(2回)完了率は85%に達していることに加え、欧米や周辺諸国で外国人観光客の受入れが進みつつあることが背景になっているものと見られます。
 タイ政府は7月から、プーケット島でワクチン接種を完了した外国人旅行者の受け入れを開始しています。ベトナムは、10月をめどにリゾート地フーコック島で外国人の受け入れを再開することを決めています。タイやベトナムよりも自国でのワクチン接種が大幅に進んでいるカンボジアで外国人観光客の受入検討が遅れていることについて、カンボジアの観光業界では怨嗟の声が高まっていました。
 この首相の方針については、ビジネス界も歓迎しており、観光向けのシェムリアップだけでなく、ビジネス向けにプノンペンでも同様の方針を検討することを求めています。世界保健機関(WHO)がワクチン接種者に対する入国時の隔離や検査の免除を認める方針を7月に打ち出し、英国や米国等の欧米諸国でも、ワクチン接種を条件として入国規制を大幅に緩和する国が増加しています。日本は、経団連等が規制緩和を強く求めいているにも関わらず、入国規制の緩和に後ろ向きの姿勢が目立ち、相互主義(相手国と自国での取り扱いを平等にする)が原則の二国間交渉で大きく出遅れているのが実情です。カンボジアで、入国時規制の緩和方針が打ち出されたことは大きな一歩であり、今後の検討が早期に進むことが期待されます。



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カンボジア国会 RCEP批准法案を承認

2021年09月22日 | 経済
 9月9日、カンボジア国民議会(下院)は、地域的な包括的経済連携(RCEP)協定を批准する法案を可決しました。今後、上院の承認の後、国王が公布して批准手続きが完了することとなります。RCEPは、関税の削減などを通じて貿易の自由化を進める協定で2020年11月に15カ国(ASEAN10か国、日本・中国・韓国・オーストラリア・ニュージーランド)が署名しました。参加国の国内総生産(GDP)と人口の合計は世界の3割を占める規模となります。環太平洋経済連携協定(TPP)に比べると貿易自由化率やルール水準は低いものの、中国が参加する唯一の大型自由貿易協定となる見込みです。
 RCEP協定は、参加しているASEAN10カ国のうちの6カ国と非ASEAN5カ国のうちの3カ国の批准書がASEAN事務局長に寄託された日から60日後に発効すると定められています。9月13日にオンラインで開催された第24回ASEAN+3(ASEAN10カ国と日本・中国・韓国)経済大臣会合の共同声明では、RCEP協定について2022年1月までの発効を目指す方針を盛り込みました。発効のめどを示したのは初めてとなるとのことです。批准手続きについては、日本と中国は手続きを終えており、韓国とニュージーランドは現在、手続きを進めている状況です。一方、ASEAN諸国では、これまでにシンガポールだけしか手続きを終えておらず、今回の合意通りに来年1月までに発効できるかは不透明なところもあるものと見られます。
 発効を早めたい要因としては、RCEPを足がかりにASEANとの結びつきをさらに強めたい中国の存在があると見られています。米国と同盟国による「中国包囲網」が強まる中で、中国と米国との貿易摩擦は改善の兆しがみえず、欧州連合(EU)と中国の投資協定もウイグル族への人権問題を背景に欧州議会での審議が止まっています。また、米国は、中国に依存しない供給網づくりを主張し、日本も半導体の供給網などで連携する方針です。中国には「中国抜き」の貿易の枠組みが進展しないうちにRCEPをテコにASEANで地域貿易の主導権を握る狙いがあるとの見方も出ています。カンボジアも中国の意向を受けて、RCEP歓迎方針を強く打ち出すととともに、RCEP批准手続きを前倒しで進めたものと見られます。
(写真は、日本の支援で拡充されたシアヌークビル港)

JETROのサイト
https://www.jetro.go.jp/biznews/2021/09/4a1cee50b5c7c92b.html


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世界銀行 中国の圧力で報告書に不正 世銀総裁が直接関与か

2021年09月21日 | 経済
 9月16日、世界銀行は、「ビジネス環境の現状」報告書(Doing Business)の2018年版・2020年版等で、中国の圧力によるデータの不正操作があったとする調査結果を公表し、同報告書の作成・発表を中止すると発表しました。世界銀行の内部監査と第三者調査による報告書は、中国政府からの圧力を受けて、ジム・ヨン・キム世界銀行総裁(当時)やゲオルギエワCEO(当時:現在は国際通貨基金(IMF)専務理事)が中国のランキングを上げるよう内部で圧力をかけたと指摘しています。
 世界銀行は、2017年10月に発行された2018年版報告書での中国のランキングは78位ではなく、本来は85位であるべきだったとしています。報告書によれば、中国高官が2017年5月ごろから、世界銀行のキム総裁ら高官に対し、2017年版で78位だった中国の順位について経済改革の努力を反映していないなどと繰り返し不満を表明したため、増資をめぐって中国などの主要国との関係に神経をとがらせていた世界銀行は、法的権利を示す指標など3項目を操作することを決め、中国の2018年版の順位を本来の85位から7位引き上げ、前年と同じ78位にとどめたとしています。今回の調査報告では、「世界銀行の増資の取り組みで中国が重要な役割を果たすと期待されていたのと同じ時期に、中国のランキングを上げるために同国のデータポイントに具体的変更を加えるよう」ゲオルギエワCEOと同氏のアドバイザーによる「圧力」があったと結論付けています。また、当時のジム・ヨン・キム総裁の周辺から中国のスコアを上げるために報告書の方法を変更するよう「直接的および間接的な圧力」があり、これはキム氏の指示によるものだった可能性が高いと指摘しました。
 世界銀行の最大の出資国である米国は、財務省や米国家安全保障会議が本件を重要視しているとのコメントを発表しています。世界銀行のビジネス環境の現状報告書(Doing Business)は、自国の投資環境改善に取り組む多くの途上国にとって重要な指標となる報告書でした。カンボジアも、この報告書での順位を上げることを目指して、様々な改善を行ってきました。今回の中国による圧力や、世界銀行上層部による不正は、前代未聞のあってはならない不祥事であり、関係者を厳罰に処すことが必要と見られます。

世界銀行の発表(英文です)
https://www.worldbank.org/en/news/statement/2021/09/16/world-bank-group-to-discontinue-doing-business-report

ブログ「カンボジア経済」2017年11月6日「世界銀行報告書 Doing Businessビジネス環境の現状 2018」
https://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh/e/ec1d2f0f03f7fde817c0bd282c7a39a3


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メルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」今週号は本日発行です

2021年09月20日 | 一般
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新型コロナ カンボジアの状況 9月20日 6歳から12歳にも接種開始

2021年09月20日 | 経済
 カンボジアの新型コロナウイルスの感染状況は、ワクチン接種の進展に伴い、市中感染は減少傾向にあるものと見られます。しかし、デルタ株の感染確認が増加中で、感染拡大が懸念される状況です。9月19日の保健省の発表によれば、死者は累計2109名(9月12日から69名増)です。累計陽性者数は10万4094名(同4590名増)となっています。治癒数は9万7227名(同3323名増)です。先週の新規陽性者のうち、2426名は2月20日市中感染事件による陽性者でした。それ以外の先週の海外帰国・入国者の新規陽性は897名でした。
 国内でのクラスターとしては、11月3日事変(陽性者4名:終息済)、11月28日市中感染事件(陽性者41名:終息済)に加え、2月20日市中感染事件が発生しました(9月19日現在陽性者8万7019名)。今回の感染は、中国人女性が隔離ホテルから賄賂を使って脱走し、クラブやサービスアパートメント等で感染を広げるという悪質なケースでした。なお、海外帰国者の陽性者も、空港や国境での検査や2回目以降の検査等で引き続き発見されています。また、タイからの帰国者を中心にデルタ変異株の感染拡大が進みつつあります。
 9月17日、日本政府は、水際防止措置を見直し、8月14日から実施されているカンボジアから日本への入国者に対する入国後3日間の検疫所指定施設での待機を9月20日以降不要としました。但し、入国後14日間の自宅等での隔離、出発72時間以内の陰性証明書の取得など、これまで求められていた日本入国時の防疫措置は引き続き有効ですので、ご留意ください。
 カンボジアでは、中国製ワクチンがほとんどであったこともあり、日本製アストラゼネカワクチンのブースター接種(3回目接種)を希望する在留邦人も多いことから、カンボジア日本人会では、カンボジアに居住する日本人についても早期のブースター接種が実現するよう、カンボジア政府に対し働きかけを行ってきました。本件の具体化に向けて、先週、希望者調査が実施されました。なお、カンボジア人に対するブースター接種は、優先対象者(医療従事者、60歳以上等)から開始されており、9月18日現在82万3836人が3回目接種を完了しています。フン・セン首相夫妻も9月14日にブースター接種を受けています。
 新規陽性者数は減少傾向にあるものの、デルタ株の感染が増加していることもあって、感染防止対策規制は継続されています。9月12日、シェムリアップ州は1週間(9月18日まで)のロックダウンに入りましたが、9月17日から1週間、更に厳しいレッドゾーン指定を行い、外出制限等が課されています。
 ワクチンについては、世界的に見ても早いペースで接種が進んでいます。9月18日現在で、1182万3836人(うち12歳~17歳172万7063人、6歳~11歳27万6696人)への第1回接種を完了しています。これは、カンボジアの人口(約1600万人)の約74%に相当します。成人(18歳以上約1000万人)への接種について見ると、既に目標の98%に第1回接種を完了しています。9月17日からは、6歳~11歳(約190万人)への接種も始まり、総人口の80%に接種を完了して集団免疫を獲得することも視野に入ってきました。
 カンボジアでは、感染拡大に歯止めをかけるために、4月にはプノンペン等のロックダウンに踏み切りました。デルタ株の市中感染が確認されたこともあり、再度規制強化が実施されています。新たな規制については、州毎に状況が異なっていますので、日本大使館のサイト等を十分にご確認ください。なお、カンボジアは、医療体制が脆弱という弱点があり、いわゆる医療崩壊の懸念がありますので、引き続きマスクやアルコール消毒といった対策の継続が必要と見られます。
(写真は、プノンペンで陽性者が出て封鎖された店舗の例。9月18日撮影)

カンボジア日本人会のフェイスブック
https://web.facebook.com/Jacambodia/

在カンボジア日本国大使館のサイト
https://www.kh.emb-japan.go.jp/itpr_ja/b_000431.html


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新しいカフェ Noir Coffee

2021年09月19日 | 生活環境
 我が家の近所に、Noir Coffeeが開店しました。プノンペンに2店舗、シェムリアップに3店舗を展開しているとのことです。今回のお店は、プノンペン北部、カナディアタワーの東、300メートルほどのところで、Vattanac店というようです。目の前で工事中の公園(地下は駐車場)が完成すると、ぐっと良い雰囲気になると思います。3階建ての立派なカフェで、内装は、アンティークの小物がたくさん並んでいる感じです。大きな窓で、明るい感じとなっています。メニューは通常のカフェですが、フード類が充実している感じです。特に、クメール系のご飯(ライス)メニューが目立ちます。今回は、NOIRアイスラテを頼んでみました。そのままだとやっぱりちょっと甘いです。お値段は、レギュラーで2ドル(約220円)と、プノンペンのスターバックスやブラウンコーヒーよりもちょっと安い設定です。お客さんは、地元の方が多いようでした。デリバリーもたくさん来ていました。カンボジアのカフェ戦争もなかなか終結せず、こうして次々に新しいお店が現れるのは、如何にも高度成長国という感じで、楽しめます。お試しください。

Noir Coffee
https://web.facebook.com/noircoffee.kh/?ref=page_internal

2階です。間もなく公園が完成するので、大きな窓からいい景色が見えるはずです。


インテリアは、ちょっと奇抜な感じで、昔のラジカセが並んでいたりします。



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行ってみました セブンイレブン カンボジア1号店

2021年09月18日 | 生活環境
 プノンペン北東部、国道6号線沿いに開店したセブンイレブンのカンボジア1号店に行ってみました。新興住宅街(Orkide Botanic City)の入り口にあって、今後、住民が増えれば繁盛するのではないかという立地です。お店はセブンイレブンとしても小規模な感じです。品揃えは、タイのCPオールの経営ということもあって、タイ語のパッケージが目立ちます。日本とは違って、すぐに食べられるフード類があまり多くない印象です。なお、商品の値段は、市中の一般のお店とほとんど変わらないということでした。平日のお昼時に訪問してみましたが、地元の方がたくさん来ていて、繁盛している感じでした。セブンイレブン1号店ということで大々的に宣伝されているのですが、新聞報道等を見ますと、若い年代層では、既存のミニマート等と変わらない感じでがっかりしたという声も聞かれます。プノンペンでもかなり郊外という位置なので、今後、市内中心部に進出する時には、もう少し改善されるのではないかと期待されます。

セブンイレブン
https://web.facebook.com/7Eleven.com.kh/?_rdc=1&_rdr

店内です。


レジ横で肉まんやソーセージを売ってます。



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