カンボジア経済

カンボジアの経済について、お堅い数字の話から、グルメ情報といったやわらかい話まで、ビジネス関係の方にお役に立つブログです

本年もご愛顧頂きありがとうございました2023

2023年12月31日 | 一般
 ブログ「カンボジア経済」を、本年もご愛顧頂きありがとうございました。2007年11月から始めたこのブログが続いておりますのも皆様のご支援の賜物と心より感謝申し上げます。また、皆様から暖かいコメントも頂き、本当に元気付けられました。

 2020年~2021年は、新型コロナの影響でカンボジア経済も大きな打撃を受けました。2022年から回復を見せており、2023年はすっかりコロナ明けとなりました。来年は経済も更に回復するとの見方が多数派です。しかし、海外への輸出、海外からの投資、海外からの観光客に頼っているカンボジア経済は、ロシアのウクライナ侵略に加え、世界経済のスローダウンの影響もあるものと見られます。

 カンボジア総合研究所では、毎日更新のブログ「カンボジア経済」、毎週月曜日の朝にお届けするメルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」を発行しております(無料です)。ブログ記事は、フェイスブックやXでもご覧になれます。
 更に、毎週金曜日のウェルスアドバイザー、Yahoo!ファイナンス、毎月更新のみずほ銀行の「MIZUHO Grobal Infostation」等の様々なツールを活用して、カンボジア経済情報を発信しております。皆様のお目に留まれば幸甚に存じます。

 2024年も、引き続きよろしくお願い申し上げます。良いお年をお迎えください。



↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へ
にほんブログ村


コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

プノンペンで旬のぶりしゃぶ 雅楽

2023年12月30日 | 生活環境
 プノンペン南部、63通りにある高級和食「雅楽」です。雅楽のオーナーは富山ご出身とのことで、ブリやホタルイカ等、富山の名物が楽しめます。ブリの旬の季節になりましたので、私の一番の好物であるぶりしゃぶを楽しみました。たっぷりの野菜と、新鮮なブリをお出汁の鍋でいただきます。お値段は、2人前で20ドルとリーズナブルです。今回は一人だったのですが、できれば、何人かで伺って〆の雑炊までいただきたいものです。なお、今年は、期間限定で「ぶりしゃぶコース(お一人様 $45)」もあるそうです。こうしたお店があって、日本食に不自由しないこともプノンペンの良いところの一つと思っています。なお、個室が満員のことも多いので、予約されることをお勧めします。ぜひお試しください。

雅楽
https://web.facebook.com/phirunk1/?ref=page_internal


↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へ
にほんブログ村

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2023年カンボジア経済10大ニュース

2023年12月29日 | 経済
 2023年も押し詰まりました。カンボジア総合研究所チーフエコノミスト鈴木博の選ぶ「カンボジア経済2023年10大ニュース」です。(なお、日付はブログ記事掲載日です)
(写真は、コロナ明けで4年ぶりに開催された水祭りです)

第1位 フン・セン首相が退陣 後任は長男のフン・マネット氏
 7月26日、フン・セン首相は、テレビを通じて演説し、今期限りで首相を退陣すると発表しました。後任には長男のフン・マネット氏が8月22日に指名され、新内閣が発足しました。フン・セン首相は、1985年1月14日に首相に就任し、38年、1万4099日の在任となると述べました。首相退陣後も、与党人民党党首に留まるとしています。また、来年2月に予定されている上院議員選挙に参加し、上院議長職を目指すとのことです。
 フン・セン首相から長男のフン・マネット氏への世襲の権力禅譲は、7月23日の選挙後に実施されるとは見られていましたが、予想よりも早い発表に驚いた関係者も多かったようです。フン・セン首相としては、新首相への確実な禅譲を行い、その後も政権が安定するまで政治的なパワーを維持しようとしているものと見られます。

7月27日 フン・セン首相が退陣を発表 後任は長男のフン・マネット氏
https://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh/e/3fbdc891c693fe81a1495b68079944a7


第2位 総選挙で与党人民党が圧勝
 8月5日、カンボジア国家選挙管理委員会は、7月23日に投票された国民議会選挙の結果を発表しました。与党のカンボジア人民党が全125議席中120議席を占めるという圧勝に終わりました。
 注目されていた投票率については、971万645人の登録有権者のうち821万4430人が投票し、投票率は84.59%と、前回の2018年の82.17%を上回りました。選挙前に、政権側が、野党等の棄権の呼びかけに対して厳しい対応を取ったため、棄権した場合の後難を恐れ、多くの有権者が投票せざるを得なかったものと見られます。なお、投票するものの投票用紙にバツ印をつける等して無効票とすることで抵抗の姿勢を示す有権者もいた模様で、無効票は44万154票(投票数の5.4%)に達しました。

8月14日 総選挙結果確定 人民党が圧勝
https://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh/e/012d609b3193fd0f590c94ff709890f4


第3位 フン・マネット新政権発足 貧困対策も拡充
 8月22日、カンボジアの国民議会(下院)は、新首相としてフン・マネット氏の就任を承認しました。また、新首相の下、新政権の組閣人事が発表されました。首相に就任したフン・マネット氏は、フン・セン前首相の長男で45歳、米国陸軍士官学校を卒業したエリートで、人格は温厚と言われています。
 注目の新閣僚は、副首相10人、上級大臣および大臣40人で構成されます。首相を含め30〜40代の若い第二世代が多く、重鎮が軒並み70〜80代に突入していた前政権から大幅に若返りました。欧米諸国での留学経験を持つメンバーも多く、内戦やその後の修羅場をくぐってきた第1世代とは、かなり違った雰囲気となったとみられます。
 また、8月24日、初の閣僚評議会全体会議(閣議)を開催し、演説しました。演説では、平和を維持し、経済成長を実現させると強調しました。中国をはじめ各国から投資を呼び込みたい考えを示し、2030年までに高中所得国に、50年までに高所得国となる目標を掲げました。具体的政策としては、これまでの四辺形戦略を拡充した「五角形戦略(第1期):Pentagonal Strategy-Phase I」を打ち出しました。

8月28日 フン・マネット氏が首相に就任 組閣人事を発表
https://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh/e/09ac91dc29d51521bef761e3f060c7c2

8月8日 中央銀行のチア・スレイ副総裁 総裁に昇格 父の後任 政権若返りの一環か
https://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh/e/d8e437eca2db572c16f9d505adc8e1e9

9月1日 カンボジア新政権の政策パッケージ 五角形戦略を発表
https://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh/e/bd949b6387c069f83540cfb90c1cc7ba


第4位 日本カンボジア友好70周年 日本ASEANも50周年
 1月9日、日本とカンボジアは、1953年の外交関係樹立から70周年を迎えました。同日、プノンペンの駐カンボジア日本大使公邸での外交関係樹立70周年記念式典において、岸田文雄内閣総理大臣とフン・セン首相(当時)の祝辞、林芳正外務大臣(当時)とプラック・ソコン副首相兼外務国際協力大臣(当時)の祝辞が交換されました。
 12月2日・3日、シェムリアップのアンコール遺跡であるバイヨン遺跡で日本カンボジア国交樹立70周年記念の「伝統文化交流イベント」が開催されました。ライトアップされたバイヨン遺跡の前で、日本とカンボジアの伝統文化が紹介されました。カンボジアからは、クメール宮廷古典舞踊や仮面劇、日本からは能や尺八の演奏等が披露されました。

1月16日 日本・カンボジア外交関係樹立70周年 開始式典
https://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh/e/5b3885bf496bdca383ef16200d600673

12月9日 日本カンボジア国交樹立70周年記念 伝統文化交流イベント
https://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh/e/f8c6c8b7365473a9b3320e2c481e00da

12月22日 日本ASEAN友好協力50周年特別首脳会議
https://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh/e/37a9382daa6d66abe6ffe6b9d4a61024


第5位 カンボジア拠点の特殊詐欺 日本人も逮捕
 11月8日、カンボジアで身柄を拘束された日本人の特殊詐欺グループ25人について、北海道に住む女性から現金をだまし取ったなどとして、日本の警察は、カンボジアから日本に移送中の航空機内で逮捕しました。このグループは、少なくとも8道府県の特殊詐欺事件に関わっているとみられ、警察は実態解明に向けて本格的に捜査する方針です。
 カンボジアから移送され、航空機内で逮捕された20歳から42歳の25人は、羽田空港に到着後、埼玉県内の警察署に身柄を移されました。逮捕されたのは、職業不詳の石原寛和容疑者(29)ら25人です。調べによりますと、今年3月から8月にかけてカンボジアに順次入国し、現地から日本の被害者に電話をする「かけ子」として、拠点にしていたプノンペン市内のアパートから、日本の高齢者を中心にうその電話をかけていたとみられ、9月に現地の捜査当局に拘束されていました。

11月17日 カンボジアで特殊詐欺か 日本人25人を逮捕 
https://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh/e/02e0703fc29a715347f6bb8ee5e0186b

9月2日 中国系犯罪集団によるカンボジアでの人身取引 日本人にも被害が
https://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh/e/c3b78262e34c3c9c702ce2870994e382


第6位 東南アジア競技大会 カンボジアで初開催 大盛況
 5月5日、カンボジアで東南アジア競技大会(SEA Game)の開会式が挙行されました。この大会には、ASEAN 加盟10カ国(カンボジア、ブルネイ、インドネシア、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム)と加盟予定の東ティモールの合計11か国が参加しています。1959年に開始された伝統ある大会ですが、カンボジアがホスト国となるのは今回の第32回大会が初めてとなります。カンボジアにとっては、一大イベントで、日本が1964年に初めて東京オリンピックを開催した時のような高揚感があります。
 開会式は、大変に素晴らしいもので、各国からも称賛の声が上がっています。全部は見ていないのですが、聖火の点火シーンは特に素晴らしいものがありました。昨年の東京オリンピックの開会式を完全に凌駕していたと言っても過言ではないかと思います。

5月15日 東南アジア競技大会 盛り上がりを見せる
https://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh/e/2bf1aea85dc8ef3d52cdddc37694eade


第7位 カンボジアはコロナ明け 水祭りも盛り上がる
11月26日から28日までは「水祭り」の3連休でした。新型コロナの影響で、2020年~2022年はイベントは開催されませんでした。2023年は4年ぶりに様々なイベントが行われ、大いに盛り上がりました。プノンペン都によりますと、3日間で延べ約500万人の観光客が集まったとのことです。
 11月12日に、第16回カンボジア日本人会盆踊り大会が開催されました。新型コロナの影響で、こちらも4年ぶりの開催となりました。今年も、2000人以上の多くの方が来場されたとのことです。日本の方だけでなく、カンボジアの若い方々も多数参加して、大変な盛況でした。

12月2日 水祭り2023 4年ぶりの本格開催で大盛況 延べ500万人を集める
https://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh/e/e178354106ff3153e6178a8328641013

11月18日 カンボジア日本人会盆踊り大会2023 2000人が参加
https://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh/e/290c4c7b7d10edf2db996b89a2c9c041


第8位 シェムリアップ新空港が開港
 11月16日、シェムリアップの新空港「シェムリアップ・アンコール国際空港」が正式に開港し、記念式典が開催されました。式典には、フン・マネット首相他多数が参加しました。フン・マネット首相は、スピーチで、この空港の完成は中国の一帯一路の成果であると強調し、中国のカンボジア支援を評価しました。
 旧空港は、シェムリアップ市街からすぐ近いというメリットがありましたが、周囲にアンコール遺跡等があり、運用に様々な規制がありました。そうした中で、かなり遠くとなりますが、大型機も発着可能な空港がコロナ明けと共に完成したことは、新型コロナで深刻な打撃を受けてきたカンボジアの観光業界には朗報と言えます。他方、新空港は市外から遠く離れているため、アクセスが課題となっています。

11月27日 シェムリアップ新空港が正式に開港 交通アクセスに課題
https://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh/e/7ea6c3952a5aaca4003fd6fd0661fc13


第9位 中田さん・高田警視が亡くなられてから30年
 内戦後のカンボジアで1993年4月、国連ボランティアとして選挙監視に赴いた中田厚仁さんが凶弾に倒れて、4月8日で30年が経ちました。当時25歳だった中田厚仁さんは、国連のボランティアとしてカンボジアの総選挙を支援していた最中に、銃撃され、亡くなられました。
 カンボジアで国連平和維持活動(PKO)に参加していた岡山県警警視、高田晴行さん(当時警部補、33歳)が武装集団に殺害された事件も発生から30年となりました。5月2日、カンボジアで追悼行事が行われました。
 カンボジアのために命を懸けた日本人がいたことを決して忘れてはならないと強く思っております。高田警視と中田厚仁さんのお二人のご冥福を心よりお祈りしております。また、日本の国際貢献活動が、カンボジアの復興に大きく貢献したこと、そして多くのカンボジアの方々が日本に感謝していることもぜひ強調しておきたいと思います。これまでの関係者の方々の献身的な努力に敬意を表します。

4月17日 カンボジア国連ボランティア中田さんの死から30年
https://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh/e/2930ebb4e713ae60ffee9bc2b0b1925b

5月8日 故高田警視殉職から30年 カンボジアで慰霊の集い
https://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh/e/3fa7c0a15001332cfbc5aa03757c0017


第10位 セルカードの携帯会社等が証券取引所に上場
 6月27日、携帯通信サービス「セルカード」を展開するCAMGSM社が上場しました。CAMGSM社は、カンボジアの財閥ロイヤル・グループ傘下の携帯通信事業者で、携帯通信の主要3社の一角です。
 6月28日、教育機関のMengly J Quach Education Plc (MJQE)が、カンボジア証券取引所に上場しました。
 カンボジア証券取引所への上場は、カンボジアの民間企業の資金調達手段の多様化に大きな役割を果たしつつあります。また、上場により、企業情報・財務情報の開示等が実施されており、企業の透明性確保にも貢献しているものと見られます。今般、カンボジアの財閥系企業であるCAMGSM社が初めて上場を承認されたことは、大きな意義があるものと見られます。

7月5日 カンボジア証券取引所 2社が上場
https://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh/e/4aec223e6d10da074a6c6f609f2ce58c



↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へにほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日本支援のシアヌークビル港・新コンテナターミナル起工式開催

2023年12月28日 | 経済
 12月22日、シアヌークビル港にて、新コンテナターミナル第1フェーズ工事の起工式が開催されました。式典には、フン・マネット首相、ロー・キム・チュン・シアヌークビル港湾公社総裁、石橋林太郎国土交通大臣政務官、植野篤志大使等関係者多数が参加しました。
 日本は、これまでも多額の円借款や無償資金協力で、シアヌークビル港の整備に協力してきました。新たなコンテナターミナルについても、第1フェーズ向けに2017年8月に235億200万円の円借款を供与したのに続き、2022年8月に第2・第3フェーズ向けに413億8800万円の円借款を供与して、その建設を支援しています。
 この事業は、カンボジア唯一の大水深港であるシアヌークビル港において、新コンテナターミナルを拡張することにより、本港のコンテナ貨物取扱容量の向上を図り、もって本港に寄港する航路数の増加及びカンボジアの貿易促進に寄与することを目的としています。現在、約70万TEU/年の取扱能力を有するシアヌークビル港ですが、2026年完成予定の第1ターミナルは45万TEU、第2ターミナルは57万TEU、第3ターミナルは62万TEUの取扱が可能となるため、2029年を予定する全体の完成後は現在の3倍以上の取扱が可能となる計画です。
 現在、シアヌークビル港から輸出されるコンテナは、シンガポール等の主要ハブ港で積み替えられて、北米やヨーロッパに向かうものが多くなっています。本事業の完成後は、大型コンテナ船の入港も期待され、北米直行便等が運行される可能性もあり、輸送期間の短縮や効率化、コスト削減等の効果が期待されます。
(写真は、第1フェーズの完成予想図。AKPより)

シアヌークビル港湾公社のフェイスブック
https://web.facebook.com/pas.gov.kh


↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へ
にほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

AMRO カンボジアとの年次協議結果2023を発表 力強い回復に向けて

2023年12月27日 | 経済
 12月21日、ASEAN+3マクロ経済調査事務局(ASEAN+3 Macroeconomic Research Office:AMRO)は、2023年9月4日~14日にカンボジアで実施した年次協議の結果を発表しました。AMROは、この地域の経済・金融の監視・分析を行うとともに、ASEAN10か国と日本、中国、韓国による外貨融通の取り決め「チェンマイ・イニシアティブ(CMIM)」の実施を支援するために設立された国際機関です。
 カンボジアのGDP成長率については、2023年5.3%から2024年6.2%へと回復を強めると見ています。カンボジア経済は、観光業の回復、国内需要の伸び、縫製以外の製造業の堅調、外国直接投資の流入、インフラ投資等に支えられて引き続き好調を維持するとしています。他方、縫製業は欧米の需要減退を受けて弱含んでおり、不動産は供給過剰の状況で厳しい状況が続くとしています。
 物価上昇率は、2023年前半には落ち着いていましたが、後半から上昇に転じ、2023年平均で2.6%、2024年は3.1%となると見ています。対外収支については、経常収支の赤字は対GDP比で2021年に40.4%、2022年25.7%まで拡大したものの、2023年2.6%、2024年3.1%と改善の方向にあるとしています。外貨準備は、2022年末で184億ドル(輸入の7.6か月分)と非常に安定的なレベルにあり問題ないと分析しています。財政収支は、新型コロナ対策等で赤字が拡大したものの、対GDP比で2021年8.5%から、2022年3.3%、2023年6.2%、2024年3.2%と落ち着いてくるものと見ています。
 リスクとしては、カンボジアにとって重要な経済パートナーである中国の景気後退を最大の要因と見ています。また、縫製品の主要輸出先である欧米の景気後退も懸念しています。ロシアのウクライナ侵略等による国際的な資源価格の上昇もリスクとしています。また、不動産不況の金融業界への影響も挙げています。
 今後の課題としては、新型コロナ対策としての貧困層への現金支援等の終了に伴い、社会保障の強化等が必要と指摘しました。また、インフラの拡充等による経済の多様化と競争力の強化も提言しています。不動産関係については、金融機関以外によるシャドーバンキングの取り締まりの強化も求めました。
 AMROとCMIMは、アジア通貨危機の際の国際通貨基金(IMF)の対応が失敗続きであったために、日本が主導して設立したアジア版IMFです。2016年の設立協定発効以降、活動を本格化しており、アジアの視点に立った経済分析・監視を実施していくことが期待されます。
(写真は、プノンペンのリバーサイド。AMROの発表より)

AMROの新聞発表(英文です)
https://amro-asia.org/cambodia-restoring-buffers-and-structural-reforms-key-to-a-strong-economic-recovery/


↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へにほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カンボジア 2023年11月の物価上昇率

2023年12月26日 | 経済
 国家統計庁から発表された2023年11月の消費者物価上昇率(対前年同月比)は、2.7%でした。物価上昇率は、2012年以降、安定的に推移しており、2018年1月以降は概ね3%未満で推移していました。2021年9月からは久しぶりの大幅上昇となっていましたが、2022年7月以降は低下傾向となっていました。今年7月以降、若干の上昇に転じています(2018年1月2.0%、2月2.3%、3月2.3%、4月2.4%、5月2.9%、6月2.8%、7月2.3%、8月1.9%、9月2.6%、10月3.1%、11月2.5%、12月1.6%、2019年1月1.6%、2月2.4%、3月2.3%、4月2.6%、5月2.3%、6月1.6%、7月2.2%、8月3.1%、9月1.7%、10月1.3%、11月1.8%、12月3.1%、2020年1月3.6%、2月2.7%、3月2.8%、4月1.9%、5月2.4%、6月3.2%、7月3.1%、8月2.0%、9月2.9%、10月3.7%、11月3.7%、12月2.9%、2021年1月2.6%、2月1.7%、3月2.1%、4月2.7%、5月3.0%、6月2.7%、7月3.3%、8月3.4%、9月5.9%、10月6.8%、11月7.9%、12月6.7%、2022年1月4.1%、2月6.3%、3月7.2%、4月7.3%、5月7.2%、6月7.8%、7月5.4%、8月4.9%、9月4.4%、10月3.6%、11月3.2%、12月2.9%、2023年1月3.0%、2月2.2%、3月0.7%、4月1.1%、5月0.5%、6月0.0%、7月1.9%、8月3.2%、9月3.8%、10月3.9%)。なお、10月と比べると11月は0.6%の下落でした。
 ガソリン価格は、政府による価格メカニズムにより国際価格に概ね連動して動いています。10月の4397リエル/リットルから、11月は4389リエル/リットルに下落しました。ディーゼルは、10月の4697リエル/リットルから、11月は4561リエル/リットルに下落しました。国際原油価格(ニューヨーク市場のWTI)は、ロシアのウクライナ侵略の影響を受けて急激に上昇し2022年3月初めに130ドル台にまで上昇した後、一旦沈静化しましたが、今年中盤には再び上昇傾向となり90ドル以上に上昇していました。しかし、足元は70ドル台にまで下落してきています。カンボジアはガソリン類を全量輸入に頼っているため、カンボジアのガソリン価格も国際価格に連動しています。2023年中盤に上昇した後、最近落ち着いてきています。
 国際機関は、2023年のカンボジアの物価上昇率については安定的と予測しています。アジア開発銀行は3.0%、世界銀行は2.5%、IMFは2.0%、AMROは2.3%と予測しています。
(写真は、水祭りのライトアップが残るプノンペン・リバーサイド)  



↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へ
にほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日・カンボジア外相会談

2023年12月25日 | 経済
 12月17日、日ASEAN特別首脳会議への出席のため訪日中のソック・チェンダ・サオピア副首相兼外務国際協力大臣と上川陽子外務大臣は、東京にて外相会談を行いました。
 会談では、上川大臣とソック・チェンダ・サオピア副首相は、両国の「包括的戦略的パートナーシップ」の強化と法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化のため連携していくことを確認しました。
 二国間関係については、上川大臣から、日・カンボジア間では、官民双方で多くの協力が進展しており、安全保障やデジタル、サイバーセキュリティ対策における協力をさらに進展させたいと述べました。これに対し、ソック・チェンダ・サオピア副首相から、カンボジアの和平・復興・発展における日本からの支援に改めて謝意を表明しました。両外相は、両国間のさらなる協力の進展に向けて、外交当局間の意思疎通を含め、連携していくことで一致しました。
 また、両外相は、国際情勢についても率直な議論を行い、女性・平和・安全保障(WPS)の推進、ミャンマー情勢、東・南シナ海情勢、核・ミサイル問題や拉致問題を含む北朝鮮への対応、ロシアによるウクライナ侵略、イスラエル・パレスチナ情勢といった地域・国際社会の諸課題についても連携していくことで一致しました。
(写真は、外務省の発表より)

外務省の発表
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/pressit_000001_00109.html


↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へ
にほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

メルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」今週号は本日発行です

2023年12月25日 | 一般
 ブログ「カンボジア経済」は、毎日更新して、カンボジア経済情報をデイリーにお伝えしています。これらの情報をまとめて週刊でメルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」を発行しています。毎週月曜日に発行しています。「無料」です。
 配信御希望の方は、下記のアドレス、またはブックマークから、まぐまぐのページで皆様のメールアドレスのご登録をお願いします。

 メールマガジン「週刊カンボジア経済ニュース」
https://www.mag2.com/m/0001154670.html


↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へ
にほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

南国のクリスマス カンボジアで涼しいクリスマス

2023年12月24日 | 社会・風土
 カンボジアは、仏教国ということもあって、クリスマスはまだ一般に浸透しているとは言い難い状況です。「サンタクロース」を知らないカンボジア人もまだ相当に多いものと見られます。ただ、外国人やプノンペン等の若者層は、クリスマスパーティやコンサート、プレゼント等のクリスマスのイベントを楽しむようになってきています。クリスマスを前にして、バザーやクリスマスフェアも開催されています。イオンモールでもクリスマス用品売り場が設置されています。また、ラッフルズホテルやソフィテルホテル等では、クリスマスツリーが華やかに飾られています。
 カンボジアでは、新型コロナを何とか乗り越えて、クリスマスを楽しく迎えられる状況となっています。この時期は、プノンペンやシェムリアップでは最低気温が20度ほどにまで下がります。南国のカンボジアでのちょっと涼しいクリスマスもなかなか良い感じです。 
(写真は、ラッフルズホテルのクリスマスツリー)



↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へ
にほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

タイで人気の居酒屋さん プノンペン進出 Shakariki432”

2023年12月23日 | 生活環境
 プノンペン中心部バンケンコンに開店した居酒屋さん「Shakariki432”」です。432“は「しみず」と読むようです。最初は大阪から、タイに進出して流行っているチェーンの居酒屋さんだそうです。内装は、昭和の新橋の居酒屋さんの雰囲気です。ビールケースを使ったイスやテーブルが懐かしい感じです。メニューは、お刺身から鍋、ラーメン、カレーまで何でもあるという感じです。飲み放題(14ドル)もあります。宴会でお邪魔したのですが、コース料理と飲み放題で楽しめました。おつまみ類もいろいろあります(3.5ドル~)。ランチでも伺って、売り出し中のカレーうどん(8.9ドル:約1300円)を味わいました。美味しかったですが、カレーのシミが服に点々とついてしまいました。お客さんは地元の方や海外の方もいました。2階にはカラオケ付きの個室もいくつもあります。お値段は、プノンペンとしてはちょっとお高めです。お試しください。

Shakariki432”
https://web.facebook.com/profile.php?id=61553835805927

カレーうどん(8.9ドル)、ピリ辛キュウリ(3.5ドル)です。


店内はいい感じです。新橋駅前ビルの地下みたいな雰囲気です。



↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へにほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日本ASEAN友好協力50周年特別首脳会議

2023年12月22日 | 経済
 12月17日、ホテル・オークラ東京において、日本ASEAN友好協力50周年特別首脳会議が開催されました。会議では、岸田文雄総理大臣と本年のASEAN議長国であるインドネシアのジョコ・ウィドド大統領が共同議長を務めました。フン・マネット首相をはじめ、ASEAN加盟国の首相(ミャンマーは除く)とASEAN加盟手続き中の東ティモールの首相が参加しました。
 会議では、日ASEAN関係のレビュー、平和と安定のためのパートナー及び地域・国際情勢、世代を超えた心と心のパートナー、未来の経済・社会を共創するパートナーの4つのアジェンダについて討議されました。特別首脳会議の成果文書として、日本ASEAN友好協力に関する共同ビジョン・ステートメント及びその実施計画が採択されました。
 12月16日に開催された晩餐会では、岸田首相は「心と心のつながりを、次の世代にしっかりとつなげていきたい。一か国では解決困難な複合的危機の時代において、日本とASEANが、互いにその強みを持ち寄り、強固な信頼関係の下で、解決策を見いだす共創するパートナーとして、共に成長したい。インド太平洋地域の平和と繁栄、そして、人間の尊厳が守られる世界を共に創ってまいりましょう。」とあいさつしています。
 12月18日には、「アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)」構想の初の首脳会合を開き、共同声明を採択しました。この構想はアジアの脱炭素に向けて日本が主導して立ちあげたもので、工程表などをつくり、温暖化ガスの排出削減などに取り組む予定です。
 日本とASEANは、過去50年間、紆余曲折を経ながら、互いに高め合ってきました。今後ともこの長い信頼関係を基盤として、友好関係を発展させていくことが期待されます。
(写真は、首相官邸のサイトより)

外務省の発表
https://www.mofa.go.jp/mofaj/a_o/rp/pageit_000001_00111.html


↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へ
にほんブログ村

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日本・カンボジア首脳会談

2023年12月21日 | 経済
 12月18日、岸田文雄内閣総理大臣と日ASEAN友好協力50周年特別首脳会議に出席のため訪日中のフン・マネット首相は、首脳会談を行いました。
 会談には、日本側から上川陽子外務大臣、松本剛明総務大臣、齋藤健経済産業大臣、森屋宏官房副長官他が、また、カンボジア側からは、スン・チャントール副首相、ソック・チェンダサオピア副首相兼外務大臣、ハン・チュンナロン副首相兼教育青年スポーツ大臣、チア・セレイ国立銀行総裁、チャム・ニモル商業大臣、ケオ・ラタナック鉱工業エネルギー大臣、チア・バンデート郵便電気通信大臣他が同席しました。
 会談では、岸田総理大臣から、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持・強化し、人間の尊厳が守られる世界を確保すべく、カンボジアを含むASEANと協力を強化していきたいと述べました。これに対し、フン・マネット首相から、両国の協力関係はさらに広がっている、両国及び両国民の相互利益並びに地域・国際社会の平和と安定のため、岸田総理大臣と協力していきたいと述べました。
 二国間関係については、安全保障分野、デジタル分野、エネルギー分野で、両首脳は協力を強化していくことで一致しました。さらに、岸田総理大臣からは、「日ASEAN包括的連結性イニシアティブ」に基づき、連結性強化を推進すると述べました。これに対し、フン・マネット首相は、カンボジアの和平・復興・発展におけるこれまでの日本政府及び国民による支援への謝意を表明し、今後のカンボジアの経済発展のために引き続き日本からの支援、投資に期待したいと述べました。
 地域・国際情勢については、両首脳は、北朝鮮の全ての大量破壊兵器及びあらゆる射程の弾道ミサイルの完全な、検証可能なかつ不可逆的な廃棄(CVID)の実現に向け引き続き協力していくことで一致しました。また、拉致問題を含む北朝鮮への対応等の東アジア情勢、ミャンマー情勢、ロシアによるウクライナ侵略、イスラエル・パレスチナ情勢等の地域・国際社会の諸課題についても連携していくことで一致しました。
 会談後、岸田総理大臣からフン・マネット首相に対し、造幣局が、カンボジア国立銀行からの受注を受け、日カンボジア友好70周年を記念して製造したカンボジア5000リエル銀貨幣を贈呈しました。
 続いて、両首脳立ち会いの下、以下の二国間協力関連文書の交換が行われました。電子政府の推進に向けた国立データセンター整備計画に係る交換公文、航海用電子海図作成のための水路測量船建造計画に係る交換公文、首都圏における上水道施設のデジタル管理システム整備計画に係る交換公文、デジタル経済社会の発展に向けた協力に関する総務省とカンボジア郵便電気通信省との間の共同議事録、統一QRコード決済分野における協力に関する経済産業省とカンボジア国立銀行との間の協力覚書、太陽光発電における協力に係るミネベアミツミとカンボジア鉱工業エネルギー省との間の覚書、バイオマス発電における協力に係るイーレックスとカンボジア鉱工業エネルギー省との間の覚書等です。
(写真は、フン・マネット首相のフェイスブックより)

外務省の発表
https://www.mofa.go.jp/mofaj/s_sa/sea1/kh/pageit_000001_00122.html


↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へにほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カンボジア到着時の入国・税関・検疫手続きのオンライン化

2023年12月20日 | 経済
 12月13日、カンボジア内務省は、カンボジア到着時の入管、税関及び検疫に係る手続きを「Cambodia e-Arrival Card」としてオンライン化し、2024年1月1日から試験運用を開始すると発表しました。
 在カンボジア日本国大使館より、お知らせが発出されました。以下転載します。
 「現在は紙媒体のフォームにより行われているカンボジア到着時の入管、税関及び検疫に係る手続きが、専用サイト(www.arrival.gov.kh)またはアプリ(Cambodia e-Arrival: CeA))を通じて行うことが可能となる見込みです(専用サイト及びアプリは既に開設・配信されていますが、現状では手続きはまだできないとのメッセージが表示される状況です)。
 カンボジア内務省及び入管当局によれば、2024年1月1日から同年6月30日までの試験運用期間中は、オンライン手続きに加えて既存の紙媒体フォームによる手続きも可能ですが、7月1日の本格運用開始以降はオンライン手続きに一本化されるとのことです。
 また、1月1日の試験運用開始時点において本制度が運用される空港はアンコール・シェムリアップ国際空港(SAI)のみで、プノンペン国際空港を含む他の空港での導入時期や空路以外の入国時における運用については未定とのことです。
 本制度に関しては、カンボジア入管当局もまだ詳細を把握していないようで、運用時期や運用場所を含め詳細については今後変更等が生じる可能性もあり得ますので、新たな情報がありましたら改めてお知らせいたします。」
 カンボジアの各種手続きのDX化は日本を上回る速度で進展しています。十分な事前説明なく見切り発車的な運用開始は、カンボジアらしいとも言えますが、日本もマイナンバーカードや新型コロナ対策アプリ(COCOA)でうまくいっていないという事例もあります。いずれにせよ、DX化は避けて通れない課題であり、カンボジア政府が地道に取り組みを継続していくことが期待されます。

日本の外務省のサイト
https://www.anzen.mofa.go.jp/od/ryojiMailDetail.html?keyCd=147369

Cambodia e-Arrival
https://arrival.gov.kh/


↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へ
にほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

JBICアンケート調査2023 投資有望国 カンボジアは19位に

2023年12月19日 | 経済
 国際協力銀行(JBIC)では、毎年、海外で事業を行っている日本の製造業企業を対象とした「わが国製造業企業の海外事業展開」に関するアンケート調査を実施しています。今年は534社から回答を得ています。今回の調査では、「事業実績評価」、「中期的な事業展開姿勢」、「有望事業展開先国・地域」などの定例テーマに加え、個別テーマとして「分断が進む世界経済下でのサプライチェーンの姿」、「世界的な価格高騰による事業展開への影響」、「サステナビリティの事業展開上の課題」などについて調査を実施しました。
 調査の結果として、「昨年度はコロナ禍からの回復の兆しが見える結果となったが、今年度も2022年度の海外生産比率及び海外売上高比率ともに昨年度比で上昇し、回復傾向を維持した。しかしながら、ロシアによるウクライナ侵攻、米中対立の長期化に伴う地政学リスクの高まり、中国経済の減速傾向等を背景に、2023年度の実績見込みは海外生産比率及び海外売上高比率ともにほぼ横ばいで推移する見通しとなっている。今後の事業展開姿勢も国内外ともに昨年度比慎重な動きとなった。」としています。
 中期的な有望国では、第1位はインド(前回1位)、第2位ベトナム(前回4位)、第3位中国(前回2位)、第4位米国(前回3位)となっています。カンボジアは19位(前回20位)となりました。周辺国では、インドネシア5位(前回6位)、タイ6位(前回5位)、フィリピン8位(前回8位)、ミャンマー19位(前回25位)等でした。
 個別テーマの「分断が進む世界経済下でのサプライチェーンの姿」については、「米中対立、ロシアによるウクライナ侵攻等の地政学リスクの高まりを受け、サプライチェーンの原材料調達を見直す動きがみられるものの、代替困難な原材料・部品等の調達先として中国の存在は引き続き大きい。一方、中国国内の規制強化・投資環境の悪化に伴い、中国ビジネスに対する日本企業の不安感は大きく広がり、また、米国による対中規制が強化される中、事業運営への実際の影響も出ている。海外から国内への生産移管は電機・電子などわずかに留まっているものの、政府の補助金等の優遇措置も考慮しつつ、国内投資の強化に積極的な姿勢がみられた。」と分析しています。
(写真は、水祭りで賑わうプノンペンのリバーサイド)

国際協力銀行のサイト
https://www.jbic.go.jp/ja/information/press/press-2023/press_00148.html


↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へ
にほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

外務省海外在留邦人数調査統計2023年10月現在 カンボジアは若干減少

2023年12月18日 | 経済
 12月11日、外務省は、「海外在留邦人数調査統計2023年10月現在」の結果を発表しました(以前は発表まで数カ月を要していましたが、一昨年から改善されて発表が早まっています)。この統計は、在外公館が2023年10月1日現在で、それぞれの管轄区域内に在留する邦人数を推計したものです。2023年10月1日現在の推計で、わが国の領土外に在留する邦人(日本人)の総数は、129万3565人で、前年より 1万4950人(1.1%)の減少となりました。
 国別では、「米国」に在留邦人全体の32.1%(41万4615人)、「中国」に7.9%(10万1786人)がそれぞれ在留していて、両国で在留邦人の39.9%を占めています。3位以降は、「オーストラリア」7.7%(9万9830人)、「カナダ」5.8%(7万5112人)、「タイ」5.6%(7万2308人)、「英国」5.0%(6万4970人)、「ブラジル」3.6%(4万6902人)、「韓国」3.3%(4万2547人)、「ドイツ」3.3%(4万2079人)、「フランス」2.8%(3万6204人)の順となっています。
 2023年のカンボジアの在留邦人は、30位3215人となりました。前年は、29位3363人でしたので、4.4%の減少となりました。これまでの推移を見てみると、2012年1479 人(前年比23.2%増)、2013年1793人(21.2%増)、2014年2270人(26.6%増)、2015年2492人(9.8%増)、2016年3049人(22.4%増)、2017年3518人(15.4%増)、2018年3934人(11.8%増)、2019年4216人(7.2%増)、2020年5057人(19.9%増)と毎年大幅増加が続いてきていました。しかし、2021年27位4502人、2023年29位3363人と減少に転じています。それでも2009年には889人しかいませんでしたので、2022年までの13年間で4倍近くになっています。
(写真は、2023年11月の日本人会盆踊り大会)

外務省のサイト
https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/tokei/hojin/index.html


↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へ
にほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする