カンボジア経済

カンボジアの経済について、お堅い数字の話から、グルメ情報といったやわらかい話まで、ビジネス関係の方にお役に立つブログです

CBC報告 新型コロナで消費者向け信用 半減

2020年09月30日 | 経済
 カンボジア信用機構(CBC)は、CBC四半期報告(2020年第2四半期)により、第2四半期の消費者信用統計(Consumer Credit Index)を発表しました。CBCは、多重債務者を防止する目的で、金融機関から集めた信用情報を集積し、各金融機関の貸付審査にその情報を提供しています。この四半期報告では、消費者信用申請状況、消費者信用供与状況、消費者信用の不良債権情報等を取りまとめています。
 今回の報告では、消費者信用申請については、対前期比で、件数は50%減、金額は47%減と大きく減少しています。その内訳は、個人向けが件数50%減、金額49%減、住宅ローンは件数51%減、金額39%減、クレジットカードは、件数43%減、金額44%減となっています。
 消費者信用供与状況については、消費者信用借入人数は、対前期比1.6%減の約127万人となっています。残高は、前期末比0.4%増の87億3000万ドル(約9170億円)となりました。
 不良債権比率は、前期の1.61%から2.64%に大幅に悪化しました。借入人の25.2%が複数の機関から借り入れを行っています。
 新型コロナの影響で返済に困っている借入人については、期限の延長等に応じていることもあって、不良債権比率は2%台にとどまっています。他方、新規貸付需要は急減しており、金融機関では、思わぬ「カネ余り」となっているところもあるようです。
 なお、こうした基礎情報が、定期的に公開されることは、金融セクターの健全性維持の観点からも重要性が高いものと見られます。
(写真は、マイクロファイナンスのLOLC。本文とは直接関係ありません)

カンボジア信用機構の報告書(英文です)
https://www.creditbureau.com.kh/report-and-publication/consumer-credit-index/


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CMIMの改善に向けて ASEAN+3財務大臣・中央銀行総裁会議

2020年09月29日 | 経済
 9月18日、第23回ASEAN+3財務大臣・中央銀行総裁会議が、テレビ会議方式で開催されました。会議では、ベトナムのディン・ティエン・ズン財務大臣、レ・ミン・フン国家銀行総裁、日本の麻生太郎副総理兼財務大臣、黒田東彦日本銀行総裁の共同議長を務め、カンボジアを含むASEAN10か国、中国、日本、韓国の財務大臣、中央銀行総裁等が参加しました。会議では、最近の地域経済・金融情勢、チェンマイ・イニシアティブ(CMIM)の改善、ASEAN+3マクロ経済リサーチ・オフィス(AMRO)の強化、アジア債券市場育成イニシアティブ(ABMI)の進展、災害リスク金融・保険におけるASEAN+3金融協力、ASEAN+3財務プロセスの戦略的方向性等について討議されました。
 このうち、金融危機の際に多国間でドルを融通する「チェンマイ・イニシアティブ(CMIM)」については、IMFデリンク割合の30%から40%への引き上げ、要請国・供与国双方の自発性及び需要に応じたCMIMに対する現地通貨による支援の制度化が今年の協定改定に含まれました。「チェンマイ・イニシアティブ」は1997年のアジア通貨危機を踏まえ、日本・中国・韓国とASEAN10か国が整備してきたもので、外国為替市場の急激な動揺を防止するために、国際的な協調を基に為替介入等を実施するための外貨融通の枠組みです。
 CMIMの資金規模は全体で2400億ドル(約28兆円)ですが、このうち各国の合意だけで貸し出せる比率(IMFデリンク割合)は全体の30%(720億ドル)であり、残り70%は国際通貨基金(IMF)が協調支援を決定することを条件として融通できることとなっていました。IMFの支援決定については、アジア通貨危機の際に、大きな問題もあったと指摘され、各国の信頼度が必ずしも高くないこともあり、加盟各国の合意だけで融通できる割合を引き上げるべきだとの意見が大勢を占め、IMFデリンク割合が30%から40%に引き上げられたものです。なお、IMFデリンク部分の判断に当っては、各国が協同して設置したASEAN+3マクロ経済リサーチオフィス(AMRO)が各国の状況を精査した結果を活用することとなっており、そのためのCMIMコンディショナリティ・フレームワークが完成しました。
 カンボジアについては、貢献額は2.4億ドル(約250億円)ですが、引出可能総額は、その5倍の12億ドル(約1260億円)となっています。高度にドル化したカンボジア経済にとって、外貨準備額に加えて、このような国際的な外貨融通制度があることは、万一の場合の備えばかりでなく、平常時でも信頼度の向上やリスクの低減の効果も高いものと見られます。
(写真は、プノンペン市内)

日本の財務省のサイト
https://www.mof.go.jp/international_policy/convention/asean_plus_3/index.html



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メルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」今週号は本日発行です

2020年09月28日 | 一般
 ブログ「カンボジア経済」は、毎日更新して、カンボジア経済情報をデイリーにお伝えしています。これらの情報をまとめて週刊でメルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」を発行しています。毎週月曜日に発行しています。「無料」です。
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新型コロナ カンボジアの状況 9月28日

2020年09月28日 | 経済
 カンボジアでの新型コロナウイルスの国内感染による新規陽性者数は4月12日以降ゼロの日が続いています。しかし、海外帰国者の陽性者が空港での検査や2回目以降の検査等で発見されており、先々週までに帰国者のうち138名が陽性と確認されていました。先週の海外帰国者の新規陽性は1名で、9月27日の保健省発表によれば、累計陽性者数は276名となっています。死者は引き続きゼロとなっています。また、治癒数は274名です。なお、新規陽性者は、フランスから韓国経由で入国したハンガリー人1名とのことです。
 9月26日、全日本空輸(ANA)は、運休中の成田~プノンペンの直行便の臨時便を一往復運航しました。ANAの直行便については、カンボジア日本人会やカンボジア日本人商工会等から、臨時便の運航や早期の再開を陳情していました。
 9月25日、カンボジア日本人会は、カンボジアに入国する際に必要となる旅行傷害保険やイン型コロナの陰性証明書について、カンボジア当局が指示している内容に関する注意喚起を行いました。保険については、カンボジア政府指定のフォルテ保険への事前加入が必要とされます。また、陰性証明書については、PCR鼻咽頭スワブ検査が求められています。詳細につきましては、日本大使館等のサイトで十分にご確認ください。カンボジアの入国規制については、度々変更されており、運用も確定していません。成田空港でのトラブルも報告されていますので、カンボジアに入国を検討されている方はくれぐれもご留意ください。
 カンボジアでは、新規陽性者の数が落ち着いていることから、経済活動が復旧してきています。ただ、引き続き、3密を避けることや、マスク、手洗い、アルコール消毒等の対策を続ける必要があるものと見られます。

カンボジア日本人会のフェイスブック
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在カンボジア日本大使館のサイト
https://www.kh.emb-japan.go.jp/itpr_ja/b_000197.html



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新しいモール Khalandale Mall

2020年09月27日 | 生活環境
 プノンペン北部、ボエンコックの真ん中にソフトオープンした新しいモール「カランダール・モール」です。カンボジアでは良くあることですが、まだ三分の一くらいは工事中です。場所は、ボエンコック湖を埋め立てた地区のど真ん中です。大きなビルではなく、2階建ての建物が連なっている構造で、その間に室内駐車場が広がっています。全て屋根に覆われているので、雨期で雨に降られたときには便利です。既に飲食やファッションのテナントがオープンしています。旗艦店は、スーパーのマックスバリュです。飲食では、ブラウンカフェ、焼肉のキンタン、しゃぶしゃぶのしゃぶ里、ペッパーランチ等、イオンモール等で既におなじみのお店がたくさんあります。また、2ドルショップのミーアも開店しています。また、変わり種では、日系のコワーキングスペースのBasis Pointが入居しています。カンボジアの若い方々は、こうした新しいモールが好きなので、平日もそれなりに賑わっています。最近のカンボジアの発展を見るのにも良い場所です。お試しください。

Khalandale Mall
https://web.facebook.com/khalandale/?ref=page_internal

ペッパーランチも明るい感じです。


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雨季の豪雨2020

2020年09月26日 | 社会・風土
 カンボジアは5月~10月が雨季です。この間には「バケツをひっくり返したような」スコールに襲われることもたびたびあります。特に、8月後半~10月はプノンペンも集中豪雨に見舞われます。傘も全く役に立たないような激しさです。そんな時はちょっと雨宿りするしかありません。通常、豪雨は30分から1時間ほどで終わります。プノンペンでも町のあちこちはすぐ水たまりと化します(日本政府が支援している排水事業で洪水被害は大幅に減少しているようです)。バイクに乗っている人たちの中には、ビニールポンチョをかぶって走っていく元気な人たちもいます。トゥクトゥクは、雨除けのカバーを出して走ります。プノンペンの街中は、洪水で通行できなくなるところも出て、道路は大渋滞となります。最近は、元は湿地や遊水地だったところが次々に埋め立てられていて、思わぬところが洪水被害にあうこともあるとのことです。しかし、この時期の雨は、農家には本当に大切な恵みの雨でもあります。
 なお、プノンペン等の都市の洪水の際は、下水やごみ等が混入している可能性も高く、病気の思わぬ原因ともなりますので、なるべく洪水(水たまり)に入らない・触らない等の注意が必要です。

バイクの転倒事故も増えますのでお気を付けください。



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キャピタルゲイン課税 カンボジアでも導入へ

2020年09月25日 | 経済
 カンボジア経済財政省税務総局(GDT)は、懸案となっていたキャピタルゲイン課税を2021年1月から導入する方針を明らかにしました。キャピタルゲイン課税は、土地や株式の取引の利益に課される税金で、カンボジアでは税率20%を予定しています。この課税については様々な議論が10年ほど前から続けられていましたが、中国人による不動産投資が激しくなったここ数年で法改正や規程の整備が行われ、今年7月から導入される予定でした。しかし、新型コロナの影響もあり、導入が延期されていたものです。
 カンボジアでは、法人への課税が中心となっており、個人所得への課税は、法人から支払われる給与が主な対象となってきました。しかし、中国からの投資による不動産価格の上昇等により、不動産取引への課税の必要性が指摘され、特に、中国人等の外国人を含む裕福な個人の所得に対する課税の必要性が高まっていました。
 法人税や付加価値税、関税や特別税(高価な嗜好品等)の徴税は、次第に強化され、税収の対GDP比も10年前の10%程度から2018年は18.6%に上昇してきています。こうした中で、裕福な個人の不動産取引等への課税を強化することは、妥当な方向性と見られます。しかし、今年から来年にかけては、新型コロナの影響で経済の動向は不透明であり、不動産価格も下落を始めつつある中でのキャピタルゲイン課税の導入には、心配の声も上がっており、実際の導入に当たっては、経済動向や不動産取引の状況等に配慮する必要があるものと見られます。
(写真は、不動産投資が続くプノンペン市内)



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米国 中国の優聯集団に制裁 カンボジアへの中国軍進出を懸念

2020年09月24日 | 経済
 9月15日、米国財務省は、カンボジア・コッコン州で様々な投資を行っている中国系ユニオン・デベロップメント・グループ(優聯集団:UDG)が、ダラ・サコー開発事業に関連し土地取得等で人権を侵害するとともに汚職にも関与したとして、制裁対象とすると発表しました。また、発表の中で、「中国は、ダラ・サコー事業を自らの野心のために利用している。中国軍の(ダラ・サコーでの)存在は、地域の安定性に重大な脅威となる。」と指摘しました。
 ダラ・サコー事業では、リゾート開発が行われる予定ですが、カンボジアで最長の滑走路を持ち、大型機も使用可能な空港の開発も含まれています。空港の建設は進んでおり。今年中にも第1期が完成するとしています。空港の建設地は、人里から遠く離れた密林の中であり、リゾートが完成したとしても、その利用客の需要だけで投資を回収することは相当に困難と見られます。他方、万一、空港に中国軍が進出した場合、最近南シナ海でも試射した中距離ミサイル等でタイ、マレーシア、ベトナム南部等に直接的な軍事的脅威となることに加え、タイ湾上空の制空権確保も可能という戦略的要地となる可能性があり、中国軍が進出の動きを見せれば、第二のキューバ危機となりかねない懸念があります。収益性が低い空港の開発を、中国系の一民間企業が行い、しかもリゾートに先んじて空港の建設だけが突出して進む状況は、あまりに不自然であり、米国が疑念を抱くのもやむを得ないと思われます。
 これに対し、カンボジア政府は、直ちに反論しています。しかし、米国の「中国軍の進出は絶対に許さない」という明確なメッセージは、中国だけでなく、カンボジアにもしっかり届いたものと見られます。9月21日には、カンボジア防衛大臣と在カンボジア米国大使が会談し、新型コロナ終息後、カンボジアと米国の軍事協力を再開することで合意したとしており、カンボジア政府も硬軟両用の構えです。
 米中対立深刻化の中で、カンボジアは重要な戦線の一つとなっており、板挟みとなっている小国の綱渡り外交が続くものと見られます。「親中国」と言われるカンボジアですが、フン・セン首相は政治・外交判断では大変優れたところがあり、両大国の間でバランス外交に努めるものと見られます。

米国財務省の発表(英文です)
https://home.treasury.gov/news/press-releases/sm1121

ブログ「カンボジア経済」2019年7月26日「リアム海軍基地 中国化の疑い」です。
https://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh/e/47000a5c1c813acd54f7da781ddb135e


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日経新聞 中国に傾くカンボジア

2020年09月23日 | 経済
 9月15日、日本経済新聞は、「中国に傾くカンボジア、EU制裁を穴埋めできる?」と題する記事を掲載しました(有料会員限定)。高橋徹アジア総局長の執筆です。
 記事では、「新型コロナウイルス禍で一段と先鋭化した中国の独善外交が、先進国との亀裂を深めている。」として、その対立の主要な戦線の一つがカンボジアであるとしています。EUは8月12日、カンボジアでの深刻な人権侵害への制裁措置として、かねて予告していた関税優遇措置の一部停止に踏み切りました。対する中国はその直前の7月、カンボジアとの自由貿易協定(FTA)交渉が妥結したと表明しました。カンボジアが中国へ傾斜したことの背景として、EUへの衣料品輸出の急拡大を支えたのが、中国からの布地や糸などの輸入と中国からの縫製工場への投資であったとし、「EUの関税優遇停止で打撃を受けるのは、実は中国企業ともいえる。」と分析しています。
 記事では、中国との二国間FTAがEU制裁の影響を穴埋めできるかについては、金額的にも品目的にも難しいのではないかと見ています。カンボジアを含むASEANは、中国と既にFTAを締結済であり、対中輸出は全体の94%にあたる約1万品目の関税が撤廃済みとなっているためです。
 記事は、「幸か不幸か、今回のEU制裁の実効性は、新型コロナによる世界的な景気の落ち込みによって覆い隠された感がある。米欧と中国の対立がエスカレートするなかで、身の丈を超えて注目されるカンボジアの立ち位置の見極めは、コロナ禍のトンネルを抜けるまでしばらく時間を要することになる。」と結ばれています。
 米中対立が深刻化する中で、板挟みとなった小国であるカンボジアの綱渡り経済外交の現状を鋭く分析した記事です。ぜひご一読ください。
(写真は、中国化したと言われるシアヌークビル)

日本経済新聞(有料会員限定記事)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO63788970T10C20A9I00000/


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アジア経済見通し2020秋 新型コロナの影響深刻

2020年09月22日 | 経済
 アジア開発銀行(ADB)は、9月15日に「アジア経済見通し2020年改訂版」(Asian Development Outlook 2020 Update: ADOU 2020)」を発表し、アジア諸国の成長率予測を大きく引き下げました。4月3日に発行していたアジア経済見通し2020年及び6月18日発行の補足版を改訂したものです。ADBでは、「アジアの開発途上国経済は、今年約60年ぶりにマイナス成長となるものの、この地域が新型コロナウイルスのパンデミックによる経済の悪化からの回復の兆しが見えることから、来年には回復が見込まれる。」として、日本等の先進国を除くアジア地域の2020年の成長率をマイナス0.7%(4月予測2.2%、6月0.1%)に引き下げる一方、2021年は6.8%(同6.2%、6.2%)に引き上げました。
 カンボジアについては、新型コロナの影響は大きいものの第2四半期に縫製以外の輸出が健闘しているとして、2020年のGDP成長率をマイナス4.0%(4月2.3%、6月マイナス5.5%)へと若干戻しました。2021年には5.9%(4月5.7%、5.9%)にまで回復すると見ています。新型コロナで打撃を受けている縫製業は欧米向け輸出が減少しているものの、自転車や電気機器等、縫製以外の品目の輸出が2020年上半期に対前年同期比30.3%増をと大きく伸びたこともあり、第二次産業の成長率は5.1%となると見ています。海外からの観光客がほとんどゼロとなっている観光業は、3000社が廃業、4万5000人が失業・一時帰休となっています。このため第三次産業の成長率はマイナス15.1%にまで落ち込むと予測しました。また、2020年上半期の農産物の輸出が対前年同期比17.1%増となったこともあり、第一次産業の成長率は2.0%となると見ています。
 物価上昇率予測は、2020年2.1%(4月2.1%、6月2.1%)、2021年1.8%(同1.8%、1.8%)と変更なしで、安定的と見ています。貿易収支については、経常収支の赤字(対GDP比)が2020年22.3%(4月19.0%)、2021年17.8%(4月16.9%)に拡大すると見ています。
 リスクとしては、縫製業、建設業の予想以上の落ち込み、消費需要の抑制等があげられています。また、金融の安定性への影響や外貨準備の減少も懸念されるとしています。

アジア開発銀行のサイト(和文)
https://www.adb.org/ja/news/developing-asias-economic-growth-contract-2020


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メルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」今週号は本日発行です

2020年09月21日 | 一般
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新型コロナ カンボジアの状況 9月21日

2020年09月21日 | 経済
 カンボジアでの新型コロナウイルスの国内感染による新規陽性者数は4月12日以降ゼロの日が続いています。しかし、海外帰国者の陽性者が空港での検査や2回目以降の検査等で発見されており、先々週までに帰国者のうち138名が陽性と確認されていました。先週の海外帰国者の新規陽性はゼロ名で、9月20日の保健省発表によれば、累計陽性者数は275名となっています。死者は引き続きゼロとなっています。また、治癒数は274名です。
 9月16日から18日までは、プチュンバン(カンボジアのお盆)の連休でした。新型コロナの影響で海外からの観光客がほとんど来ていない状況の中で、観光業界は国内旅行の増加を期待していたところ、3連休期間中の国内旅行客数は、観光省の発表によりますと111万2403人に達したとのことです。このうち外国人は6792人のみで、ほとんどがカンボジア人観光客でした。行先では、バッタンバンが最も多く、13万4440人で、シェムリアップ、カンポットが続きます。シアヌークビル等の沿岸部は、天候が悪く、島に渡るボートも欠航になる等の影響があったため伸び悩んだ模様です。
 カンボジアのフラッグキャリアであるカンボジア・アンコール航空は、9月15日からプノンペン~シェムリアップ間の運行を再開しています。カンボジア観光省では、シアヌークビル空港への運行再開にも期待を示しています。また、9月22日から、カンボジア~ベトナム間の航空便の運行も許可されています。但し、観光客の入国は許可されず、ビジネス関係者及びその家族等が入国許可対象となります。
 カンボジアでは、新規陽性者の数が落ち着いていることから、経済活動が復旧してきています。ただ、引き続き、3密を避けることや、マスク、手洗い、アルコール消毒等の対策を続ける必要があるものと見られます。なお、カンボジアの入国規制については、度々変更されており、運用も確定していません。成田空港でのトラブルも報告されています。日本大使館のサイトやカンボジア日本人会のフェイスブックで最新情報をご確認ください。

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新しいモール チップモン・ノロ・モール

2020年09月20日 | 生活環境
 プノンペン中心部のバンケンコンに昨年末にオープンした「チップモン・ノロ・モール」です。場所は、ノロドム通り沿いで、フレンチのトパーズの向かいです。新型コロナの影響もあって、テナントの開店が一部遅れていましたが、ようやく8割程度開店しています。カンボジアでは、よくあることですが、まだがらんどうの階もあります。1階には、チップモンのスーパーや銀行が入っています。最上階には、レジェンドシネマが入っています。また、お子様の遊び場のFunderlandもあります。中心となるのは、レストランやカフェといった飲食店です。飲食店で新しく感じるのは、シンガポール料理のバナナリーフ、カフェのR&B Tea、Fire Tiger等です。オープンな造りなので、開放感がありますが、歩き回るとちょっと暑く感じます。地場の中堅財閥のチップモンは、もともとは建設資材関係で財を成しましたが、ビール製造、スーパー、金融等にも次々と手を付けており、モールも今後増やしていく計画です。

Chip Mong Noro Mall
https://web.facebook.com/chipmongnoromall/?ref=page_internal

タイ系のカフェ「Fire Tiger」


お子様の遊び場「Funderland」


北海道チーズトースト


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プチュンバン2020

2020年09月19日 | 社会・風土
 プチュンバンはカンボジアのお盆です。今年は9月16日から9月18日までプチュンバンの連休です。多くの人々が田舎に帰って家族で集まるので、セントラルマーケット近くのミニバス乗り場も稼ぎ時で、お土産を抱えて地方に戻る人たちで賑わいます。一方、プノンペンは閑散とします。お店もお休みのところが多いのですが、最近はイオン等のモールは営業しています。「プノンペン生まれ」で田舎の無い若者も増えていて、プノンペンに残る人も増えているようです。
 プチュンバンは、仏教徒のカンボジア人にとっては、重要な宗教行事で、日本のお盆ととても似ています。お祭りは15日間続きます。この間、人々は地元のお寺だけではなく、遠くのお寺まで出かけて、お布施をします。先祖の魂と再会するために、少なくとも7か所のお寺を回らなければならないとされています。先祖の魂は、プチュンバンの15日間の間だけは自由に動き回ることを許されると言われ、食べ物等を供えてお迎えします。
 お寺にお参りする際には、男女ともに白いシャツを着てお寺に入り、まずご本尊に蓮の花とお線香を差し上げてお祈りします。その後、お坊様にお経をあげていただきます。また、ご先祖に捧げる食べ物は、お坊様に食べていただくことでご先祖様に届くということで、ご飯とおかずをお渡しします。お寺の中には、多くのごちそうがずらりと並びます。ご飯は、外に並べてあるたくさんのツボに少しずつ分けて入れます。最後に、砂で山を作ります。これは、パゴダを作ることを意味しています。
 今年は、新型コロナの影響で外国人観光客が激減しているため、旅行業界はプチュンバン連休の国内旅行増加に期待しているとのことです。
(写真は。帰省客でごった返すミニバス乗り場。プノンペンのセントラルマーケット北西側です。)



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カンボジア 2020年8月の物価上昇率

2020年09月18日 | 経済
 国家統計庁から発表された2020年8月の物価上昇率(対前年同月比)は、2.0%の上昇となりました。物価上昇率は、2012年以降、安定的に推移しています。細かくみると、2013年後半から若干の上昇が続いた後、2014年後半から下降し、2015年終盤から若干の上昇に転じています。その後、2017年初頭に4%台まで上昇しましたが、2017年5月以降は3%未満で安定していました。2018年10月は久しぶりに3%を超えてきましたが、11月は2%台に戻り、12月以降はさらに低下しました。しかし、2019年8月以降3%台となる月が出てきています(2015年1月0.4%、2月1.6%、3月1.1%、4月1.2%、5月1.0%、6月0.7%、7月0.8%、8月1.0%、9月0.9%、10月1.3%、11月1.9%、12月2.8%、2016年1月3.1%、2月2.3%、3月2.0%、4月2.8%、5月3.2%、6月3.3%、7月3.0%、8月3.0%、9月2.9%、10月3.4%、11月3.6%、12月3.9%、2017年1月4.4%、2月4.0%、3月4.2%、4月3.2%、5月2.5%、6月2.3%、7月2.3%、8月2.6%、9月2.7%、10月2.1%、11月2.3%、12月2.2%、2018年1月2.0%、2月2.3%、3月2.3%、4月2.4%、5月2.9%、6月2.8%、7月2.3%、8月1.9%、9月2.6%、10月3.1%、11月2.5%、12月1.6%、2019年1月1.6%、2月2.4%、3月2.3%、4月2.6%、5月2.3%、6月1.6%、7月2.2%、8月3.1%、9月1.7%、10月1.3%、11月1.8%、12月3.1%、2020年1月3.6%、2月2.7%、3月2.8%、4月1.9%、5月2.4%、6月3.2%、7月3.1%)。なお、7月と比べると8月は0.1%の下落でした。
 ガソリン価格は、政府による価格メカニズム導入の効果もあって細かく動いており、7月の3063リエル/リットルから、8月は3063リエル/リットルと横ばいでした。ディーゼルは、7月の2716リエル/リットルから、8月は2716リエル/リットルに横ばいでした。国際原油価格(ニューヨーク市場のWTI)は、激しく動いています。最近は中東問題で60ドル/バレル台に一時上昇することもありましたが、概ね50ドル台で推移していました。しかし、コロナウイルス問題等で3月には一気に30ドル近辺に下がり、4月は先物期日の特殊要因とは言え史上初めて価格がマイナスとなりました。その後も激しく上下動しましたが、5月には20ドル台、6月には30ドル台後半にまでもどし、最近は40ドル前後で推移しています。カンボジアのガソリン価格も国際価格に連動して動いており、4月に2250リエルまで低下した後、上昇に転じています。
 国際機関は、カンボジアの物価上昇率を引き続き安定的と見ています。2020年の物価上昇率について、アジア開発銀行は2.1%、世界銀行は1.6%、国際通貨基金(IMF)は1.5%、と予測しています。
(写真は、プノンペン市内のガソリンスタンド。8月24日撮影)  



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