カンボジア経済

カンボジアの経済について、お堅い数字の話から、グルメ情報といったやわらかい話まで、ビジネス関係の方にお役に立つブログです

タイ 国境未画定海域での海上油田開発 カンボジアと交渉再開へ

2021年10月21日 | 経済
 新聞報道によりますと、10月1日、タイで安全保障問題を担当するプラウィット副首相が主催する会議で、タイ湾でタイとカンボジア間の国境が未画定の海域での海上油田開発について、カンボジアと協議するための枠組みが議論された模様です。境界線画定と海上油田共同開発に関する作業部会設置についての議論も行われたとしています。
 カンボジアとタイの間では、タイ湾の海上の国境線が確定しておらず、双方が領有権を主張する2万6400平方キロメートルの重複主張海域(Over-wrapping Claim Area: OCA)が存在しています。この海域では、石油・天然ガスが豊富に埋蔵されていると見られており、領有権問題を棚上げして、両国で共同開発を行う方向で協議が進められてきました。タイ側は、タクシン政権時代にこの考えに合意し、2001年に覚書の調印まで至りましたが、アピシット政権になってからこれを覆し、交渉は暗礁に乗り上げていました。2019年9月のASEANエネルギー大臣会合を契機に交渉再開に向けて動き始め、2019年末には早期の交渉再開で合意していましたが、新型コロナ問題の影響を受けて、交渉は延期されていました。
 重複主張海域からの原油産出量は、5億バレルとも見込まれており、天然ガスも豊富と見られます。タイとしても既存の海上油田・ガス田が早晩枯渇する可能性が高いことに加え、再生可能エネルギー等の台頭で石油やガスの需要が減少する恐れも出てきているため、重複主張海域の開発に前向きとなっているものと見られます。足元では新型コロナ終息を目前にして需要の増加が期待され、国際石油価格は80ドル台に値を戻しており、新規油田開発には順風が吹いている状況であり、このタイミングを逃さず開発すべきとの大局観と見られます。
 カンボジア領海の海上油田ブロックAについては、開発していたシンガポール系のクリスエナジーが破たんして開発は暗礁に乗り上げた形であり、隣接する重複主張海域での開発にカンボジア側でも期待が高まっています。
(地図は、JOGMECサイトより。Area1~4がOCA)

石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)のサイト
タイとカンボジアに跨る未境界画定水域
https://oilgas-info.jogmec.go.jp/info_reports/1007679/1007750.html


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日本カンボジアデジタル化製造業センター設立へ 日本が支援

2021年10月20日 | 経済
 10月14日、日本カンボジアデジタル化製造業センター(Cambodia-Japan Digitalized Manufacturing Center: CJDM)の設立に関する記者会見が行われ、駐カンボジアの三上正裕大使、王立プノンペン大学のメイ・カリヤン理事長他が参加しました。先般、交換公文が署名された日本政府の無償資金協力により、総額5億円のコンピューター数値制御装置(CNC)3台の供与も決定しています。この事業には、カンボジアに進出している日本企業(ミネベアミツミ、デンソー等)も参加しているとのことです。
 メイ・カリヤン理事長は、「急速に進化するインダストリー4.0を導入するには十分な知識を備え、社会で応用できる人材の育成が不可欠」と述べています。三上大使は、カンボジア製造業界の国際競争力を強化する上で、高度な技術を習得した人材の確保は極めて重要と指摘しました。CJDMでは、当初は一般的な製造業の自動化などに重点を置く方針で、研修対象は学生に限定せず、広く門戸を開くとしています。プノンペン大学では「既に31人の研修候補者が第1次選考で優秀な結果を残した」としています。
 カンボジアは、製造業では周囲に強力なライバル国が多く、現在の軽工業(縫製等)や労働集約的部品産業の次の産業として、IT等のイノベーション産業に期待しています。日本が、イノベーションの基礎となるデジタル化製造技術について支援していくことは、大きな意義のあることであり、今後の発展が期待されます。
(写真は、日本大使館のフェイスブックより)

日本大使館のフェイスブック
https://web.facebook.com/JapanEmbassyCambodia/


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IMF 世界経済見通し2021秋 世界的インフレ進行に懸念

2021年10月19日 | 経済
 10月12日、国際通貨基金(IMF)は、世界経済見通し(WEO)2021年10月版を発表しました。世界経済については、「パンデミックが再燃する中でも世界経済の回復が続く。新型コロナウイルスの危機によって世界は一段と分断され、この分断はこれまでの予想以上に深いようだ。短期的な格差は中期の経済活動に長期的な影響を及ぼすとみられる。格差の主な要素は、ワクチンへのアクセスと早期の政策支援である。」としています。世界全体の成長率については、2021年5.9%(2021年4月予測6.0%)、2022年4.9%(同4.4%)と見ています。
 世界経済の回復に差が出始めている中で、カンボジア経済も今年の成長予測は引き下げられました。成長率予測は、2021年1.9%(同4.2%%)、2022年5.7%(同6.0%)と回復が遅れると見ています。しかし、2023年以降2026年までの成長率は、6.4%~6.6%と高度成長に復帰すると予測しています。物価上昇率は、低位安定を予測しており、2021年2.5%(同3.1%)、2022年3.2%(同2.8%)と見込んでいます。経常収支の赤字(対GDP比)は、2021年は21.3%に悪化する見込みですが、2022年以降は改善し、2026年には8.2%にまで縮小する見込みです。
 なお、IMFでは、「米国や一部の新興市場国では物価が急上昇。規制緩和に伴い需要が加速した一方、供給は回復が遅い。大半の国で物価圧力は2022年にやわらぐ見込みだが、インフレ見通しには先行き不透明感が大いに漂う。多くの国・地域で雇用がパンデミック前の水準を下回る中でもこうしたインフレ上昇が起きており、政策当局者は難しい判断を強いられている。世界経済の見通しを改善するためには、ワクチン接種、気候変動、国際的流動性に関する多国間レベルでの強力な政策が必要である。」と指摘しています。

国際通貨基金(IMF) 世界経済見通し2021年10月版(和文新聞発表)
https://www.imf.org/ja/Publications/WEO/Issues/2021/10/12/world-economic-outlook-october-2021


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メルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」今週号は本日発行です

2021年10月18日 | 一般
 ブログ「カンボジア経済」は、毎日更新して、カンボジア経済情報をデイリーにお伝えしています。これらの情報をまとめて週刊でメルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」を発行しています。毎週月曜日に発行しています。「無料」です。
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新型コロナ カンボジアの状況 10月18日 入国時隔離期間短縮

2021年10月18日 | 経済
 カンボジアの新型コロナウイルスの感染状況は、ワクチン接種の進展に伴い市中感染は減少傾向にあるものと見られます。しかし、デルタ株の感染確認が増加中で、感染拡大が懸念される状況です。10月17日の保健省の発表によれば、死者は累計2658名(10月10日から152名増)です。累計陽性者数は11万6665名(同1855名増)となっています。治癒数は11万870名(同3013名増)です。先週の新規陽性者のうち、市中感染は2871名、海外帰国・入国者の新規陽性は142名でした。タイからの帰国者を中心にデルタ変異株の感染拡大が進みつつあります。
 10月8日、フン・セン首相は、プチュンバン後10日間から15日間程度経過観察を行い、一日当たり平均死者数が20名以下等、新型コロナ感染状況が落ち着いている場合には、経済の全部門での活動再開を行う方針であると発表しました。この方針に沿って、規制が緩和されつつあります。プノンペン都は、10月15日にアルコール類の提供・販売禁止、一部業種(スパ、スポーツジム、博物館等)の営業禁止等の規制を解除しました。しかし、映画館やカラオケの営業禁止、50人以上の集会禁止は、10月28日まで2週間延長しました。入国規制についても、10月18日から隔離期間の短縮が実施されます。投資家・ビジネスマンについては、現地企業の保証状・招聘状がある場合には、隔離期間はこれまでの14日間から3日間に短縮されます。また、観光客等の一般客についても、ワクチン接種済の場合は、7日間に短縮されます。必要書類や陰性検査等の諸条件があります。運用は今後ですので、実際の対応がどのようになるのか注視する必要があるものと見られます。また、経済再開の条件として、市場、ショッピングモールや学校等へ入場する際にワクチンカードの提示を求める規制が10月5日から導入されています。
 カンボジア政府は、11月18~20日に開催予定だった今年の「水祭り」を中止する方針を決定しました。水祭りは昨年に続き、2年連続での中止となります。
 ワクチンについては、世界的に見ても早いペースで接種が進んでおり、「カンボジアのワクチンミラクル」と呼ばれ始めています。10月16日現在で、1358万5319人(うち12歳~17歳177万4954人、6歳~11歳186万5401人)への第1回接種を完了しています。これは、カンボジアの人口(約1600万人)の84.9%に相当します。成人(18歳以上約1000万人)への接種について見ると、既に目標の99.5%に第1回接種を、95.9%に2回目を完了しています。なお、中国製ワクチンの効果が不十分であることから、ブースター接種(3回目)を行う方針です。優先対象者(医療従事者、60歳以上等)から開始されており、一般向けのブースター接種も10月11日からプノンペン都等で開始されています。10月16日現在136万5237人が3回目接種を完了しています。
 カンボジアでは、感染拡大に歯止めをかけるために4月にはプノンペン等のロックダウンに踏み切る等、厳しい規制を行ってきましたが、ようやく緩和の方向となっています。ただ、引き続き様々な規制があり、州毎に状況が異なっていますので、日本大使館のサイト等を十分にご確認ください。なお、カンボジアは、医療体制が脆弱という弱点があり、いわゆる医療崩壊の懸念がありますので、引き続きマスクやアルコール消毒といった対策の継続が必要と見られます。
(写真は、プノンペンのリバーサイド。人出が戻ってきています。10月12日撮影)

カンボジア日本人会のフェイスブック
https://web.facebook.com/Jacambodia/

在カンボジア日本国大使館のサイト
https://www.kh.emb-japan.go.jp/itpr_ja/b_000431.html


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最近のダイヤモンドアイランド

2021年10月17日 | 社会・風土
 プノンペンの西側、バサック川の中州であるダイヤモンドアイランドでは、主に中国資本による野心的な不動産開発が進んでいます。久しぶりにダイヤモンドアイランドを訪問する機会があったので、少し見て回りました。「凱旋門」に似せた建物(写真上)や、中国系に人気の欧州風の建物等が完成していました。しかしながら、ほとんどの建物で、入居者がゼロの状態であり、ゴーストタウンと化していました。カンボジアの不動産は、中国から海外に逃避した外貨資産(主にドル建て)の投機対象となっていると言われます。このため、賃貸収入等が得られなくても、ドル建てで資産が確保できていれば良いという需要もある模様で、ゴーストタウンが次々に出来上がっている背景となっています。中国国内での不動産バブルの崩壊が懸念されている昨今、もし崩壊すれば、その余波がカンボジア不動産業にも及ぶ可能性もあるため、留意が必要と見られます。なお、カンボジア経済にとっては、これまで海外直接投資によって建設セクターが潤ってきたことも事実であり、マイナスばかりではありませんが、ブームにつられて提灯買いに走ったカンボジア人投資家は、中国人投資家ほどには余裕がないと見られる点も懸念されるところです。日本の湯沢のリゾートマンション群のようにゴーストタウンのまま老朽化が進むといった事態や、未完成のまま放置されるといった事態に陥ることも危惧されます。中国国内の不動産バブルの今後の状況や新型コロナ終息後の動向が注目されます。

川沿いに完成していた欧州風の建物群。ゴーストタウンです。


欧州風の街並みにも人影はほとんどありません。



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お手頃な和食店 Chidori

2021年10月16日 | 生活環境
 プノンペン南部、ロシアンマーケット近くの123通りにある和食店「Chidori」です。大きなガラスで明るい店内で、オープンキッチンとなっています。メニューは、おつまみや一品もの、ご飯ものがいろいろあります。ランチには、お得な定食も揃っています。今回は、ハンバーグ(6ドル)、豚肉生姜焼き(5.8ドル)、餃子(3.5ドル)、広島焼(7.5ドル)や小鉢料理(切り干し大根、ポテトサラダ)等をお願いしました。いずれもいい感じで、楽しめました。お値段もリーズナブルです。ランチタイムでしたが、お客さんは、日本の方が多いようでした。テークアウトも人気のようです。お酒が解禁になりましたら、ぜひ夜にも行ってみたいと思います。お試しください。

Chidori
https://web.facebook.com/CHIDORICAMBODIA/

広島風お好み焼き。ボリュームもたっぷりで美味しかったです。


豚肉生姜焼き。若い方に人気が出そうです。


ハンバーグ。肉汁たっぷりでした。


餃子と小鉢。次回はぜひビールと一緒にやりたいものです。



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日本 シェムリアップ上水道を支援 円借款63億円を供与

2021年10月15日 | 経済
 10月11日、プノンペンにおいて、三上正裕駐カンボジア大使とプラック・ソコン外務国際協力大臣との間で、円借款「シェムリアップ上水道拡張事業(第二期)」(供与限度額63億3600万円)及び5件の無償資金協力(供与額計16億円)に関する交換公文の署名が行われました。
 シェムリアップ市は、近年急速に人口が増加していますが、その給水率は25%程度とカンボジアの主要都市のなかで最も低い水準となっており、深刻な水不足が発生しています。また、シェムリアップは世界的に有名なアンコールワット遺跡群を有しており、現在は新型コロナの影響により観光客は減少しているものの、感染が終息した際には観光客数の増加が見込まれています。このような今後も増加し続ける水需要に対応するため、給水能力の向上が喫緊の課題となっています。今回の円借款は、シェムリアップにおける上水道設備の拡張を支援し、安全かつ安定的な上水道事業の普及を図るものです。事業の実施により、給水量が増加し、市民の生活・衛生環境が改善されるほか、観光産業を中心とした地域経済の発展に寄与することが期待されます。円借款の貸付条件は、金利は0.65%/年、償還期間は30年(10年の据置期間を含む)という大変譲許的な条件です。
 無償資金協力については、コンピューター数値制御(CNC)工作機械の供与(5億円)、全球測位衛星システム測量機器の供与(2.5億円)、材料試験機器の供与(2.5億円)、職業訓練機器の供与(4億円)、地雷源調査機器の供与(2億円)の合計5件、16億円です。
 今後も日本からの協力によって、カンボジアで必要とされる様々なインフラの整備が進むことが期待されます。日本が本当にカンボジアのためになる支援を引き続き行っていくことは、大きな意義のあることであり、日本とカンボジアの友好関係が深化していくことが期待されます。
(写真は、日本大使館のフェイスブックより)

外務省の発表
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press6_000936.html


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AMRO  ASEAN各国の成長率予測を引下げ カンボジアは2.8%

2021年10月14日 | 経済
 10月7日、ASEAN+3マクロ経済調査事務局(ASEAN+3 Macroeconomic Research Office:AMRO)は、ASEAN+3地域経済見通し2021年10月改訂版を発表しました。AMROは、この地域の経済・金融の監視・分析を行うとともに、ASEAN+3(ASEAN10か国と日本、中国、韓国)による外貨融通の取り決め「チェンマイ・イニシアティブ(CMIM)」の実施を支援するために設立された国際機関です。
 AMROは、今回の見通しで2021年の加盟13カ国のGDP成長率見込みを3月の予測から更に引き下げました。デルタ変異株の感染拡大等、新型コロナの影響が予想以上だったためとしています。ASEAN+3では、2021年6.1%(前回予測6.7%)、2022年5.0%(同4.9%)、ASEAN10か国では、2021年2.7%(同4.9%)、2022年6.6%(同6.1%)と見ています。カンボジアについても2021年は大きく引き下げ2.8%(同4.7%)としましたが、2022年は6.6%(同6.1%)に回復すると予測しています。ASEAN主要国も2021年成長率予測は概ね引き下げられ、タイ0.8%(同2.3%)、フィリピン4.3%(同6.9%)、シンガポール6.3%(同6.0%)、マレーシア4.1%(同5.6%)、インドネシア3.8%(同4.9%)等となっています。なお、物価上昇率は、ミャンマーでインフレが懸念される(2021年6.7%、2022年12.4%)以外は、概ね問題なく、カンボジアについても2021年3.3%、2022年2.3%と予測しています。
 AMROでは、回復への道はワクチン接種の進展が鍵となると指摘しています。ワクチン接種の進展により、旅行もサンドボックス方式等により再開されていくと期待を示しています。リスクとしては、ワクチン耐性があるウイルス変異株の出現等により新型コロナの影響が長引くことをあげています。
 AMROとCMIMは、アジア通貨危機の際の国際通貨基金(IMF)の対応が失敗続きであったために、日本が主導して設立したアジア版IMFです。2016年の設立協定発効以降、活動を本格化しており、アジアの視点に立った経済分析・監視を実施しています。

AMROの新聞発表(英文です)
https://www.amro-asia.org/recovering-from-covid-19-transiting-smoothly-from-pandemic-to-endemic-new-normal/


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カンボジア中央銀行 為替市場で連続してドル売り介入

2021年10月13日 | 経済
 本年9月以降、カンボジアの中央銀行であるカンボジア国立銀行(NBC)は、為替市場に介入する目的で、金融機関を対象とした入札でドル売り・リエル買いを行っています。NBCでは、今年の為替レート(リエル対ドル)の動き(リエル安ドル高)に懸念を示し、リエルの購買力を維持して、物価安定・マクロ経済安定に繋げたいとしています。9月の介入は合計7回、総額1億7000万ドルでした。入札結果による為替レートは、4114リエル/ドル~4123リエル/ドルでした(9月6日2000万ドル:4122リエル・ドル、9月8日2000万ドル:4118、9月10日30000万ドル:4117、9月20日2000万ドル:4117、9月23日4000万ドル:4114、9月28日4121、9月30日2000万ドル:4123)。また、9月30日に、10月には総額2億ドル規模の入札を行うと発表しています。
 NBCが為替市場に介入するのは、昨年に引き続き2年連続です。しかし、2019年以前となると、9年ほどは実績がなく、2009年、2010年にリエルの対ドルレートが4200リエル/ドルを超えるリエル安となったところで介入していました。介入規模は、2009年29回で合計5400万ドル、2010年48回で合計4800万ドルとなっています。 昨年・今年は4100リエル/ドルを超えたところで介入を決定しており、若干早く感じますが、NBCでは、新型コロナの影響やドル金利の上昇もあって、新興国や周辺諸国の為替が不安定になる可能性が高まっていることに懸念を有しているものと見られます。
 日本が為替市場に介入したのは、カンボジアとは逆で円高を防ぐためでした。ドル買い介入は東日本大震災があった2011年が最後ですが、この年は合計で14兆2971億円をつぎ込んでいます。しかし、市場の力には抗しきれず、2011年9月には74円台まで円高が進みました。カンボジアの場合、高度にドル化されており、リエルの発行額も限定されているため、これまでは少額の介入で為替レートを適正化できています。しかし今年は、繰り返し介入しているにも関わらず、市場レートは4100リエル/ドル前後で大きく動いていません。今年の介入金額(3億7000万ドル)は、これまでで最大規模と見られますが、カンボジアは潤沢な外貨準備を保有(207億ドル)しており、介入のためのドルが不足するといった可能性は相当に低いものと見られます。
 NBCは、中央銀行デジタル通貨バコンを導入する等して、高度にドル化したカンボジアで自国通貨リエルの使用を促進しています。ドル建て取引が8割以上というドル化の中で、リエルの使用を促進するためにはリエル・ドルの為替レートの安定は欠くことのできないものであり、NBCの今後の動きを注視する必要があるものと見られます。
(写真は、プノンペン市内のガソリンスタンド。全量輸入に頼るガソリンは、リエル安になると値上がりすることとなる。10月4日撮影)


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