カンボジア経済

カンボジアの経済について、お堅い数字の話から、グルメ情報といったやわらかい話まで、ビジネス関係の方にお役に立つブログです

クボタとメタウォーター プノンペン下水事業を受注

2021年04月30日 | 経済
 4月21日、株式会社クボタ建設とメタウォーター株式会社で構成する共同企業体は、プノンペン都初の公共下水道施設整備事業を受注したと発表しました。日本政府の政府開発援助(ODA)・無償資金協力案件「プノンペン下水道整備計画」の一環となります。受注金額は23億4000万円で、下水処理場(処理能力5000立方メートル/日)の建設及び下水管渠(1.9km)の敷設を行います。契約期間は32カ月で、5月に着工し2023年11月半ばの完工を目指すとのことです。
 プノンペンは現在、急速な都市化と人口増加により汚水量が増大しており、下水道処理施設の整備が喫緊の課題となっていますが、現状では下水処理場は存在せず、下水は全て中小河川からメコン河等に排出されています。そこで、本事業では、プノンペン都の中でも特に水質悪化が著しいチュングエック湖の周辺地域に下水道処理施設を建設するとともに、下水管渠を整備し、汚水処理を適正化することで、プノンペン都の水・衛生環境および地域住民の生活環境を改善します。
 また、本事業でメタウォーター社が開発した下水処理システム「前濾過散水濾床法(Pre-treated Trickling Filter法)」が採用されています。この技術は、日本下水道事業団の「海外向け技術確認」を受けており、すでにベトナム国ホイアン市の下水処理施設(2018年11月完成)で採用された実績があるとしています。このシステムは、稼働時の使用エネルギーが少なく、維持管理が容易という特徴を持ち、施設の運用コストを抑えることができるとのことです。
(写真は、JICAのサイトより。プノンペン都内の水路の状況。市街地からの汚水が下流のチュングエック湖に流下する。)

クボタの新聞発表
https://www.kubota.co.jp/news/2021/management_20210421.html

メタウォーター社の新聞発表
https://www.metawater.co.jp/news/2021/04/post-109.html


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デジタル通貨ランキング カンボジアが2位に

2021年04月29日 | 経済
 大手会計事務所の英プライスウォーターハウスクーパース(PwC)が発表した「中央銀行デジタル通貨(CBDC)グローバル・インデックス 第1号2021年4月」のリテール部門で、カンボジアはアジア第1位、世界第2位となりました。このインデックスの目的は、中央銀行デジタル通貨の普及に関する各中央銀行の成熟度を測定することにあります。対象となる中央銀行デジタル通貨は、一般国民が保有可能な「リテールCBDC」と、銀行間でのみ使用可能な「卸売りCBDC」の二つに分類されます。また、この報告書では、中央銀行デジタル通貨の2021年の注目すべきトレンドとして、CBDCプロジェクトが牽引力を得つつあること(60以上の中央銀行が検討中であり、国際決済銀行等の国際機関も注目)、CBDCが実際に取引され注目されていること(バハマとカンボジアの2カ国で実用段階)、ブロックチェーン技術が採用されていることの3点を挙げています。
 リテール部門のランキングは、第1位バハマ(スコア92点)、第2位カンボジア(83点)となっています。以下、中国(75点)、ウクライナ(71点)、ウルグアイ(71点)、エクアドル(71点)、東カリブ諸国連合(61点)、スウェーデン(58点)、韓国(51点)、トルコ(42点)の順となっています。点数の要素は、CBDCプロジェクトの現状、中央銀行の取り組み姿勢、一般の人々の興味の3点となっています。
 カンボジアのCBDCであるバコンについては、カンボジア国立銀行が2020年10月に公式に使用を開始し、国内11機関だけでなく、マレーシア等の銀行とも連携をテスト中として、評価しています。また、多くの国民が銀行へのアクセスが不十分な中で、スマートホンを活用した金融包摂の促進、銀行間即時決済、ドル化経済の中での現地通貨リエルの使用促進等にも効果があると分析しています。また、地方部の金融セクター開発や中小企業向け金融の振興にも役立つとしています。
 開発途上国では、先進国が一段ずつ登ってたどり着いた最新技術を一気に導入して、先進国に追いつき追い越していく「蛙飛び(リープフロッグ)」という現象がみられることがあります。カンボジアのCBDCバコンは、正にその好例ということができます。日本銀行は、銀行業界等への配慮もあって、CBDCについてようやく検討を始めたばかりです。カンボジアでは日本のようなしがらみが少ないため、最新技術を開発して一気に導入可能という利点を活かしていくことが可能であり、今後のこうした分野での発展が大いに期待されます。
(写真は、中央銀行デジタル通貨バコンの運用開始式典)

プライスウォーターハウスクーパースの報告書(英文です)
https://www.pwc.com/gx/en/industries/financial-services/assets/pwc-cbdc-global-index-1st-edition-april-2021.pdf


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非居住者のデジタルサービスへのVAT課税に向けて

2021年04月28日 | 経済
 4月8日、フン・セン首相は、非居住者が提供するデジタル製品及びサービスに付加価値税(VAT)を課税するための政令に署名しました。この政令は、カンボジア居住者だけでなく、カンボジアに恒久的施設を有しない非居住者についても、カンボジア税法に基づいて税務登録や毎月の税務申告を義務付ける内容となっています。
 カンボジアの郵政電気通信省では、カンボジア国内でデジタルサービス等により利益を上げているにもかかわらず税務登録をしていない企業として、ネットフリックス、アマゾン、アリババ、フェイスブック、グーグル等を挙げて、課税を行っていくとしています。
 しかし、これらの企業に対して、どのように課税するか、いくら課税するかといった技術的課題があるのも事実です。フランス等のヨーロッパ各国でも、これらの多国籍企業(主に米国系)に対する課税を如何に行うかについて、様々な課題・議論があり、課税方法や課税対象、どの国で課税するか等についての結論が出ているとは言えない状況にあると見られます。カンボジア政府では、税務登録や税務申告を行わない場合は、カンボジア税法に従って処罰されるとしています。今後の実際の運用等について注視していく必要があるものと見られます。
(写真は、郵政電気通信省)


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フン・セン首相 ロン・ノル時代の対米債務 米国大統領に債務免除を再度求める

2021年04月27日 | 経済
  4月10日、フン・セン首相は、米国のバイデン政権に対し、カンボジアが1970年代のロン・ノル政権時代に米国から借り入れた借金を開発援助に振り替えることを求めたと発表しました。フン・セン首相は、オバマ政権時代にも債務免除等の申し入れを3回行っているとしています。
 カンボジアは、内戦時代の債務の一部について各国と削減交渉を行っており、現在もなお交渉中の金額(元本)は、6億2005万ドルとなっています(カンボジア公的債務統計)。まず、大口のロシアについては、2018年10月に、利息等含めた総額約15億ドルの債務について投資等に振り替えることで合意しています。また、チェコから借り入れた約300万ドル(利息等を含めて約360万ドル)については、77%の債務を免除し、23%については保健・教育セクターへの支援に振り替えることで2019年9月に合意済です。
 残る大口の米国の債務については、フン・セン首相と敵対していたロン・ノル政権が借り入れたもので、使途不明や武器購入の疑い等があるため「汚れた借金(Dirty Debt)」と呼ばれています。元金は、2億7800万ドルで、金利等が加わって現在は5億500万ドルとなっている模様です。フン・セン首相は、「この資金は、米国製の爆弾の購入に使用され、購入された爆弾はカンボジア人民に対して使用され、多くの死傷者を出した。この忌まわしい記憶を思い出すたびに胸が痛む。」と述べています。
 この債務については、カンボジアは米国には絶対に返済しないとの立場に立っており、米国に対して債務免除を求めてきました。国が他国から借り入れた借金は、その後、政権が代わっても国として返済の義務を負うことが通則ではありますが、この件に限っては、フン・セン首相に分があるものと見られます。米国上院だけでなく、米国マスコミ等にも、キャンセルしてはどうかとの声もあり、2020年10月には、在カンボジア米国大使も本件に言及しています。
 なお、カンボジアが米国に対して債務を返済していないことは、カンボジアの格付けにも影響を与えている可能性があり、米国との交渉が早期に進展することが望まれます。
(写真は、1973年にカンボジアを爆撃する米軍機)



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メルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」今週号は本日発行です

2021年04月26日 | 一般
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新型コロナ カンボジアの状況 4月26日 ロックダウンが続き厳しい状況

2021年04月26日 | 経済
 カンボジアは、新型コロナウイルスの感染は、他国に比べればまだ低いレベルにありますが、国内感染に歯止めがかからなくなりつつあります。4月25日の保健省の発表によれば、死者は74名(4月18日から31名増)です。累計陽性者数は9975名(同3586名増)となっています。治癒数は3400名(同924名増)です。先週の新規陽性者のうち、3580名は2月20日市中感染事件による陽性者でした。それ以外の先週の海外帰国・入国者の新規陽性は6名でした。
 国内でのクラスターとしては、11月3日事変(陽性者4名:終息済)、11月28日市中感染事件(陽性者41名:終息済)に加え、2月20日市中感染事件が発生しました(4月25日現在陽性者9426名)。今回の感染は、中国人女性が隔離ホテルから賄賂を使って脱走し、クラブやサービスアパートメント等で感染を広げるという悪質なケースでした。なお、海外帰国者の陽性者も、空港での検査や2回目以降の検査等で引き続き発見されています。
 4月19日、政府は、ロックダウン区域内でさらに感染が拡大している地区について、原則外出禁止を課す「レッドゾーン」の指定を開始しました。プノンペン西部の一部地域が指定されています。これらの地区では食料購入の外出も許されないため、商業省では、食料購入のためのオンラインサイト立ち上げ、移動販売車の導入等を行っていますが、住民の不満は高まっている模様です。また、政府では、これらの地区の貧困世帯・脆弱世帯向けの緊急食糧支援を行っています。また、日本人会では、レッドゾーン内に居住する日本人向けに支援を行う予定です。本日(4月26日)8:00が締切りですが、対象の方は、下記のサイトにご登録をお願いします。
 ロックダウンについては、プノンペン都及びタクマウ市(4月28日まで)に加えて、シアヌークビルの一部(5月6日まで)、ポイペトの一部(5月8日まで)等も指定されました。また、プノンペン都では。都内のすべての市場について、4月24日から5月8日までの閉鎖を決定しています。
 ロックダウン規制については、警察官等が検問現場等で管理に当っており、違反者の逮捕等を行っていますが、行き過ぎて暴力をふるったり、横柄な態度をとっているケースも見られ、SNSで拡散され炎上している例が出ています。政府ではすぐに、サー・ケン内務大臣が綱紀粛正の指示を出しています。
 4月25日、政府はこれまで特定国立病院に限っていたラピッド抗原検査、陽性患者の受入れと治療を特定民間病院にも認めると決定しました。陽性患者、重症者・死者の急増を受けての対応と見られます。
 4月25日、政府は、州を越える移動の禁止、リゾートの閉鎖措置の終了を決定しました。ただ、各州での独自規制、ロックダウン規制は継続されますのでご留意ください。
 報道等によりますと、日系の進出企業の工場等でも、ロックダウンの影響で操業を停止しているところが多数ある模様です。操業停止が長引いて、精緻な国際サプライチェーンに影響を与えてしまうと、カンボジアの競争力が低下する恐れがあるとの指摘も出ています。
 こうした厳しい状況下で、在カンボジア日本大使館、カンボジア日本人会、カンボジア日本人商工会等では、休日返上で情報提供や支援を行っていただいており、敬意と感謝を表明したいと思います。
 カンボジアでは、感染拡大に歯止めがかからないことから、夜間外出禁止・州を越える移動の禁止・酒類販売禁止・外食禁止等の規制を矢継ぎ早に導入し、ついにはプノンペン等のロックダウンに踏み切りました。カンボジアの陽性者数や死者数は、欧米や日本に比べると圧倒的に少ないのですが、医療体制が脆弱という弱点があり、いわゆる医療崩壊の懸念が残ります。なお、各種の規制は、頻繁に変更され、即時適用されることが多い上、州毎に異なりますので、日本大使館のサイト等を十分にご確認ください。
(写真は、ロックダウンと市場閉鎖で人気の絶えたセントラルマーケット。4月24日撮影)

日本人会のレッドゾーン向け支援登録
https://forms.gle/GUkW46NrLqcxCbwB8

カンボジア日本人会のフェイスブック
https://web.facebook.com/Jacambodia/

在カンボジア日本国大使館のサイト
https://www.kh.emb-japan.go.jp/itpr_ja/b_000431.html


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プノンペンで町中華 翁さんラーメン& Beyond

2021年04月25日 | 生活環境
 プノンペンの有名ラーメン店の「翁さんラーメン& Beyond」で、町中華メニューが楽しめるようになりました。本職は、美味しいスープのとんこつ系ラーメンですが、最近町中華メニューも人気とのことです。最近日本のテレビで「町中華でやろうぜ」という番組が人気だそうですが、おじさんとしては町中華メニューで瓶ビールを飲めるのは確かに嬉しいです。青椒肉絲、酢豚、麻婆豆腐、中華丼、天津丼、餃子定食(しょうゆラーメン付き)等、本場中国とは一味違った日本風の街中華メニューが多数あります(写真上)。現在の私のお気に入りは、青椒肉絲と回鍋肉です。ちょっと濃い目の味付けで、ビールにもご飯にもぴったりです。なお、リクエストに応じて、色々作ってもらえるらしいので、ぜひお試しください。お勧めです。
 なお、ロックダウン等の規制があり、現在はデリバリーとテークアウトのみの対応です。でも、町中華メニューを「出前」してもらえるというのも、昭和的で、おじさんとしてはちょっと嬉しいです。

翁さんラーメン& Beyond
https://web.facebook.com/OhSanRamen/?ref=page_internal

一番のお気に入りの青椒肉絲。うまいっ!(写真は、ロックダウン前の撮影です)


ホイコーローと餃子と瓶ビール。「町中華でやろうぜ」です。



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人気のパン屋さんが移転 Bagel & Bakery Sancha

2021年04月24日 | 生活環境
 プノンペンで人気のパン屋さん「Bagel & Bakery Sancha」がバンケンコンに移転して再開店しました。場所は、バーガーキングの南向い、ホテルチアーズの表側です。今回のお店もガラス張りで明るい感じです。日本人女性の方が経営・パン作りをされていて、ベーグルだけでなく、日本風の総菜パンやサンドイッチも色々あります。店名の「Sancha」は、修行されたパン屋さんが東京の三軒茶屋(通称「さんちゃ」)にあったことから命名されたそうです。私が好きなのは、「王様のサンドイッチ King’s Sandwich」です。「王様」の名に恥じず、恐ろしくたくさんの分厚い具(ハム、レタス、卵、チーズ等)がしっかり詰まっています。しかも、これだけ具が厚くても、それを挟んでいるパンが柔らかくて、しっとりしていて最高でした。かぶりついても具がはみ出したり、パンとバラバラになったりしないことに感動です。ちなみに「隠し味は大人味にしあげたスペシャルマスタードソース」とのことです。BLTサンドイッチ、卵サンド等も美味しくて大好きです。デリバリーにも対応されています。

Bagel & Bakery Sancha
https://web.facebook.com/BagelSancha/?ref=page_internal

私の大好きなサンドイッチ達。本当に美味しいです。



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カンボジア銀行協会とマイクロファイナンス協会 新型コロナ影響顧客支援に関する声明

2021年04月23日 | 経済
 4月7日、カンボジア銀行協会(ABC)とカンボジア・マイクロファイナンス協会(CMA)は、新型コロナ禍における顧客支援に関する共同声明を発表しました。声明では、「金融機関は、政府の指針に従い、過去1年間に渡り、貸付条件の変更や緩和等により新型コロナの影響を受けた顧客を支援してきた。2021年2月までに、支援した顧客数は約34万人・社で、総額は約40億ドル(約4400億円)となっている。しかし、2月20日市中感染事件の発生を受けて、状況はさらに厳しくなっており、中央銀行(NBC)に指針に従い、更なる支援措置を実施する。」としています。
 具体的には、感染した顧客については、3カ月の繰り延べ、隔離対象となった場合は1カ月の繰り延べ、新型コロナの影響を受けている顧客については更なる条件変更を実施等となっています。
 声明では、最後に、金融機関といえども、出資者や融資機関、預金者の資金を使用しているのであり、健全性を維持しなければいけないので、関係者の協力を求めたいと述べています。
 今のところ、不良債権比率は小幅な上昇にとどまっており、銀行の健全性に問題は出ていないものと見られます。カンボジア経済の基幹である金融インフラの重要性について、関係者の理解を得る努力を続ける必要があると見られます。
(写真は、最大手の商業銀行のACLEDA銀行)

カンボジア銀行協会のサイト(クメール語及び英語)
https://www.abc.org.kh/news/secktiithlaengkaarnnruam-qmbii-qntraagmnpnthaemrpsgryhsthaandhnaagaar-ninghirnynyvtthu


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経済財政省 公的債務統計報告書2021春 債務状況は問題ないレベル

2021年04月22日 | 経済
 3月31日、カンボジア経済財政省は、公的債務統計報告書(Cambodia Public Debt Statistical Bulletin)第11号を公表しました。2020年末現在のカンボジア政府の債務状況について詳細な統計により報告しています。
 1993年から2020年末までの累積で見ると、借款契約の総額は、150億3914万ドル(約1兆6393億円)となっています。そのうち、83.6%がインフラ整備に向けたものです。国別では、中国が最大で52億5526万ドル(全体の34.9%)、以下、アジア開発銀行34億7583万ドル(23.1%)、日本20億48万ドル(13.3%)、世界銀行16億5852万ドル(11.0%)、韓国10億4175万ドル(6.9%)等となっています。2020年末の公的対外債務残高は、88億1042万ドル(約9603億円)となっています。
 債務持続性分析を見てみると、公的対外債務の現在価値の対GDP比率は24.0%(基準値40%)、同対輸出比率32.8%(同180%)、債務返済比率(債務返済の対輸出比率)1.8%(同15%)、債務返済の対歳入比率6.3%(同18%)と、いずれも健全とされる基準値を大きく下回っており、全く問題ありません。ストレステストでも基準値を超えることは全くなく、対外債務については、カンボジアは大変な優等生ということができます。世界銀行・国際通貨基金の判定でも「低リスク国(青信号国)」に分類されています。
(写真は、日本の円借款で整備されてきたシアヌークビル港)

経済財政省のサイト(英文及びクメール語です)
https://mef.gov.kh/assets/uploads/2021/03/Cambodia_Public_Debt_Statistical_Bulletin_Volume_11.pdf


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カンボジア証券取引所 中小企業向け市場に初の上場へ

2021年04月21日 | 経済
 4月8日、カンボジア証券取引所(CSX)は、中小企業向け市場の「成長市場(Growth Board)」に初の上場となるDBDエンジニアリング社(DBD Engineering Plc.)の上場審査について基本認可を与えたと発表しました。「成長市場」は、中小企業振興のために、カンボジア証券取引場が開設した市場で、メイン市場よりも緩和された条件で上場することが可能です。今後、上場に向けて、カンボジア証券取引委員会での新規株式公開に関する認可を得る手続きとカンボジア証券取引所での上場に関する最終認可手続きが必要となります。主幹事は、SBIロイヤル証券となります。2021年中の上場が期待されます。なお、中小企業振興政策の一環で、カンボジア証券取引所は、今回の上場に関し、上場審査手数料と上場手数料を免除するとしています。
 DBDエンジニアリング社は、カンボジアで20年以上の事業実績を有し、機械・電気・配管・建設等の工事の有力企業の一つとのことです。イオンモール、チップモンモール、カルメット病院等の建設工事に参加した実績があるとしています。2020年の売上は、1253万ドル(約13億8000万円)で、社員数は約700名とのことです。
 カンボジア証券市場は、2020年は新型コロナの影響もあって、沈滞した状況が続きましたが、市場参加者は、昨年のACLEDA銀行の上場もあって、増加しているものと見られます。新規上場により、上場企業数が増加していくことは、市場の活性化にも効果があるものと期待されます。
(写真は、カンボジア証券取引所)

カンボジア証券取引所の発表(英文です)
http://www.csx.com.kh/news/notice/viewPost.do?MNCD=8020&postId=502#.YHapt9Jxc2w


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メコン河委員会 10カ年流域開発戦略と5カ年戦略計画を発表

2021年04月20日 | 経済
 4月5日、メコン河委員会は、10カ年流域開発戦略(2021年~2030年)と5カ年戦略計画(2021年~2025年)を発表しました。この戦略と計画は、メコン諸国(カンボジア、ラオス、タイ、ベトナム)が、流域の諸課題に取り組み、全体的な状況を改善していくことを目的としています。10カ年戦略は、5つの優先分野を定めています。健全な環境と生産的なコミュニティのためのメコン河の環境的機能の改善、健全なコミュニティのための水及び関連資源の使用とアクセスの改善、包括的経済成長のための持続可能な開発、気候変動及び災害リスクへの耐性、流域全体の観点からの地域協力の強化です。この戦略は、水及び関連資源の開発とインフラによるインパクトに関する最近の調査結果に基づいています。ダムを含むインフラ開発は、流況を変化させ、堆積物の移動に影響し、河岸浸食を拡大してきました。これらのインパクトは、魚の生息数の減少、環境資産や氾濫原の減少、メコンデルタ堆積の補充の減少等に結びついています。
 10カ年戦略を実施するための5カ年計画では、95の活動が計画されており、現状の調査とそれに基づく洪水制御・干害対策・エネルギー安全保障・環境保全等に役立つ多目的投資事業を提言していくこととしています。この計画の所要資金は6000万ドルと見積もられ、そのうちの4割については加盟国が負担することとしています。
 メコン河は、上流の中国が本流に多数のダムを建設し、自国ファーストの水管理を行っているため、渇水や洪水の被害が拡大していると言われます。米国や日本等の協力を受けて、下流4カ国で構成されるメコン河委員会が流域全体を見渡す戦略と計画を策定したことは大変に意義のあることです。今後も地道な調査とその結果に基づく対策や新規事業が立案・実施されていくことが期待されます。
(写真は、プノンペンから見たメコン河)

メコン河委員会の発表(英文です)
https://www.mrcmekong.org/news-and-events/news/pr-05042021/


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メルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」今週号は本日発行です

2021年04月19日 | 一般
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新型コロナ カンボジアの状況 4月19日 ロックダウンに踏み切る

2021年04月19日 | 経済
 カンボジアは、新型コロナウイルスの感染は、他国に比べればまだ低いレベルにありますが、国内感染に歯止めがかからなくなりつつあります。死者は43名(4月11日から14名増)です。4月18日の保健省の発表によれば、累計陽性者数は6389名(同2151名増)となっています。治癒数は2476名(同290名増)です。先週の新規陽性者のうち、2141名は2月20日市中感染事件による陽性者でした。それ以外の先週の海外帰国・入国者の新規陽性は10名でした。
 国内でのクラスターとしては、11月3日事変(陽性者4名:終息済)、11月28日市中感染事件(陽性者41名:終息済)に加え、2月20日市中感染事件が発生しました(4月18日現在陽性者5846名)。今回の感染は、中国人女性が隔離ホテルから賄賂を使って脱走し、クラブやサービスアパートメント等で感染を広げるという悪質なケースでした。
 海外帰国者の陽性者も、空港での検査や2回目以降の検査等で引き続き発見されています。大規模クラスターが発生しているタイから出稼ぎ労働者が帰国していることもあり、タイと国境を接しているバッタンバン州やパイリン州で帰国者94名(4月11日から3名増)が陽性と確認されました。
 4月14日、政府は、プノンペン都とタクマウ市について、4月15日から28日までロックダウンを行うと決定しました。特定の例外を除き、ステイホームが原則となります。特定産業関係者の通勤や食品等の生活必需品の買い出し、通院等が例外となっています。食品や生活必需品のデリバリーも例外です。しかし、4月17日からは規制がさらに厳格化されたうえ、通行許可証の取扱等について二転三転する等混乱がありました。また、検問所等の現場対応も場所によってまちまちであるとの情報もあります。規制内容等につきましては、日本大使館等の確実な情報をご確認ください。なお、シェムリアップの一部地域も4月16日から29日までロックダウンとなっています。ロックダウンにあわせて、州境を越える移動の禁止・夜間外出禁止も4月28日まで延長されています。
 ロックダウンに際しては、事前にフン・セン首相の音声データが漏洩してしまい、前夜の4月14日は、スーパーマーケットや市場は、食品等を買い出しに来る人でごった返すという事態になりました。
 日本大使館によりますと、4月19日から、日本入国時の検疫がより厳格化されます。厚生労働省の発表によれば、新型コロナウイルス陰性証明書は、厚生労働省が指定する採取検体及び検査法によるもの以外は無効とされます。カンボジアの現在の検査方法では無効となるため、大使館よりカンボジア政府に申し入れて変更手続き中とのことです。日本に帰国される方は、ご留意ください。
 また、日本大使館によりますと、2月20日市中感染事件の拡大を受けてPCR検査に時間がかかるようになっており、カンボジア入国時の隔離期間が14日では完了せず20日以上となるケースもあるとのことです。大使館では、「カンボジアへの渡航を予定されている方、カンボジアへの出張者等の呼び寄せを検討されている方におかれては、カンボジア国内における感染状況が落ち着くまでの間、真に必要な渡航であるか、今一度ご検討されることをお奨めします。」と注意を呼び掛けています。
 ワクチンについては、4月16日現在で、人口の約8%に当る124万1947人(うち軍関係者27万4858人)への接種を行ったとのことです。また、4月17日には、中国シノバックのワクチン50万回分が到着しています。
 カンボジアでは、3回目の国内クラスター発生と対策法の施行で、全般的に防止対策が強化されていましたが、感染拡大に歯止めがかからないことから、夜間外出禁止・州を越える移動の禁止・酒類販売禁止・外食禁止等の規制を矢継ぎ早に導入し、ついにはプノンペンのロックダウンに踏み切りました。カンボジアの陽性者数や死者数は、欧米や日本に比べると圧倒的に少ないのですが、医療体制が脆弱という弱点があり、いわゆる医療崩壊の懸念が残ります。なお、各種の規制は、頻繁に変更され、即時適用されることが多い上、州毎に異なりますので、日本大使館のサイト等を十分にご確認ください。
(写真は、ロックダウン前夜、買い出しでごった返すスーパーマーケット)

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在カンボジア日本国大使館のサイト
https://www.kh.emb-japan.go.jp/itpr_ja/b_000431.html


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クメール正月2021

2021年04月18日 | 社会・風土
 カンボジアではお正月が3回あります。1月1日の「インターナショナルニューイヤー」、2月の「中国正月」(旧正月)、そして、4月のクメール正月です。クメール正月が一番大きなイベントです。今年は、4月14日から16日が3連休でした。例年は、お役所や工場では前後あわせて実質2週間ほど開店休業となるところも多く、地方出身者は田舎に帰る人が多いので、クメール正月の間は、プノンペンも大変静かになります。
 2020年のクメール正月は、新型コロナの影響で8月に延期されました。今年は、新型コロナの影響で、夜間外出が禁止となり、州を越える移動も規制され、仏教行事やイベントも自粛、更に途中からロックダウンも加わって、「ステイホーム」のお正月でした。
 日本のお正月ですと、午前0時を越えると新年を迎えますが、カンボジアでは、毎年時間が変わります。今年は4月14日4時00分に新年となりました。7人姉妹の女神のうちの一人が降りてくるとされています。今年は、女神ムンディアテーヴィー(写真上)が降臨したとのことです。
 クメール語での「あけましておめでとう」は「スオスダイ、チュナムタマイ」です(これはカタカナ読みでも結構通じます)。


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