カンボジア経済

カンボジアの経済について、お堅い数字の話から、グルメ情報といったやわらかい話まで、ビジネス関係の方にお役に立つブログです

カンボジア政府 電子商取引戦略を策定

2020年07月31日 | 経済
 7月23日、カンボジア商業省主催の関係省庁会議で、2019年11月に施行された電子商取引法を実施していくための「電子商取引戦略(E-Commerce Strategy)が合意されました。パン・ソラサック商業大臣は、この戦略によって、第4次産業革命・デジタル経済化を目指していくという政府目標に向けて、デジタルビジネスのモデルを振興していきたいと述べています。また、この戦略により、競争力を強化し、ビジネス手続きを簡略化していくことにより、生産性向上、輸出拡大、雇用創出、経済成長に繋がっていくことが期待できるとしています。デジタル技術開発は、カンボジア産業開発政策(IDP)に沿ったもので、地場中小企業の能力向上を図り、経済構造を多様化し、国際バリューチェーンへの接続を図っていくためにも重要な課題です。
 カンボジア産業開発政策では、周辺に中国・タイ・ベトナムといった強力な競争相手がいるため、自動車産業や鉄鋼等の重化学工業はあきらめ、現在成功している労働集約型軽工業(縫製・製靴等)から労働集約型部品製造を経て、次のステップとして、デジタル産業を有望視しています。カンボジアのような途上国では、先進国が一歩一歩築いてきた技術の最先端を取り入れて、一気に先進国に追いつき、追い越していく「技術ジャンプ(蛙飛び)」がみられることがあります。カンボジアは、フィンテックや配車サービス、食事の宅配等では日本を上回るスピードで発展しています。電子商取引戦略は、こうした動きを更に後押しするものであり、今後のしっかりした施行が期待されます。
(写真は、食事の宅配サービスのニャム24)


↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へ
にほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

タイ湾の海上油田 タイとの交渉再開に向けて

2020年07月30日 | 経済
 タイのソンティラット・ソンティヂラウォン・エネルギー大臣は退任にあたり、タイ湾の海上油田に関するカンボジアとの交渉の早期進展に期待を示したとのことです。
 カンボジアとタイの間では、タイ湾の海上の国境線が確定しておらず、双方が領有権を主張する2万6400平方キロメートルの重複主張海域(Over-wrapping Claim Area: OCA)が存在しています。この海域では、石油・天然ガスが豊富に埋蔵されていると見られており、領有権問題を棚上げして、両国で共同開発を行う方向で協議が進められてきました。タイ側は、タクシン政権時代にこの考えに合意し、2001年に覚書の調印まで至りましたが、アピシット政権になってからこれを覆し、交渉は暗礁に乗り上げていました。2019年9月のASEANエネルギー大臣会合を契機に交渉再開に向けて動き始め、2019年末には早期の交渉再開で合意しているとのことです。しかし、新型コロナ問題の影響を受けて、交渉は延期されているため、新型コロナ終息後に早急に再開したいとしています。
 重複主張海域からの原油産出量は、5億バレルとも見込まれており、天然ガスも豊富と見られます。タイとしても既存の海上油田・ガス田が早晩枯渇する可能性が高いため、重複主張海域の開発に前向きとなっているものと見られます。新型コロナの影響等で国際石油価格は、4月以降大きく上下動していますが、最近は40ドル台に値を戻しており、新規油田開発への逆風も弱まってきているものと見られます。
 カンボジア領海の海上油田ブロックAではシンガポール系のクリスエナジーが、今年中の商業生産開始を目指しており、重複主張海域でも探査と開発が進められることが期待されます。

石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)のサイト
タイとカンボジアに跨る未境界画定水域
https://oilgas-info.jogmec.go.jp/info_reports/1007679/1007750.html



↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へ
にほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

信用保証公社設立に向けて

2020年07月29日 | 経済
 7月23日、カンボジア経済財政省のオウン・ポン・モニロット大臣は、カンボジア信用保証公社(the Credit Guarantee Corp Cambodia)の設立に向けた戦略的枠組みの方向性について承認したとのことです。信用保証公社の設立は、事業者・労働者に対する新型コロナの影響を軽減するための対策の一環であるとしています。
 経済財政省では、今後、法規制・手続き等の準備を進め、関係者との協議を通じて信用保証公社の早期立ち上げを目指したいとしています。適切な対象に効果的に信用保証を供与していくことを確保するために、対象セクターや対象企業の基準を定める等、信用保証の原則を定めることが必要となります。また、まずは、中小企業銀行が中小企業向けに実施している協調融資スキームへの信用保証を供与することを目指す計画です。但し、経済財政省では、信用保証はあくまでも金融機関とのリスクシェアであり、野放図な信用保証によって不良債権の増大に繋がることがないように留意しなければならないとしています。
 5月の政府の新型コロナ対策には、2億ドル(約210億円)規模の信用保証基金を設立し、20億ドル(約2100億円)以上の流動性を確保するとの政策が含まれていました。カンボジアでは、中小企業は、財務諸表も不十分で担保となる資産もないところが多いため、信用保証公社の設立は、中小企業の金融へのアクセスに効果があるものと期待されます。
(写真は、プノンペンの経済財政省本省)



↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へ
にほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ラタナキリとモンドルキリ 低圧送電線で連結

2020年07月28日 | 経済
 7月17日、カンボジア鉱業エネルギー省は、カンボジア北東部のラタナキリ州とモンドルキリ州を結ぶ低圧送電線が完成し、運用を開始したと発表しました。送電線は、35KVの低圧送電線で、延長約150キロメートルです。ラタナキリ州とモンドルキリ州は、カンボジア北東部でベトナムと国境を接する山岳部にあるため、電化が遅れていました。両州には、日本が支援した小型水力発電所があり、州都はその電力で需要を賄ってきていました。今月、ラタナキリ州の州都バンルンが、全国送電網に高圧送電線(230KV)で接続されました。モンドルキリ州の州都バンルンも今年中に高圧送電線で全国送電網に接続される予定です。ラタナキリ州とモンドルキリ州を繋ぐ送電線が完成したことで、クラチエ~センモノロム(モンドルキリ州)~バンルン(ラタナキリ州)~セサン第2水力発電所~ストゥントゥレン~クラチエが環状に接続されることとなり、電力の融通、電力供給の安定化、電圧等の電力の質の向上等の効果が期待されます。
 カンボジア政府は、地方電化を進めていく方針であり、8月にも中国からの借款で、地方送電線の拡充事業を開始する見込みです。22KVと35KVの低圧送電線を総延長2970キロメートル建設し、14州の133村落を電化する計画です。中国からの借款は、8200万ドルで、8月にフン・セン首相が訪中した際に借款契約が調印される予定です。
 2019年末の統計では、全国送電網と接続している村落数は、1万3131村で、全体の92.7%となっています。世帯ベースでは、357万世帯中268万世帯が電化されており、電化率は74.7%となっています。全国の村落の電化を進めることは、貧困削減や生活基盤整備に欠くことのできない基礎インフラ整備であり、今後もカンボジア政府が地道に整備を進めていくことが期待されます。
(写真は、日本の支援でモンドルキリ州センモノロム郊外に建設されたオモレン水力発電所)



↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へ
にほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

メルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」今週号は本日発行です

2020年07月27日 | 一般
 ブログ「カンボジア経済」は、毎日更新して、カンボジア経済情報をデイリーにお伝えしています。これらの情報をまとめて週刊でメルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」を発行しています。毎週月曜日に発行しています。「無料」です。
 配信御希望の方は、下記のアドレス、またはブックマークから、まぐまぐのページで皆様のメールアドレスのご登録をお願いします。

 メールマガジン「週刊カンボジア経済ニュース」
https://www.mag2.com/m/0001154670.html


↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へ
にほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新型コロナ カンボジアの状況 7月27日

2020年07月27日 | 経済
 カンボジアでの新型コロナウイルスの国内感染による新規感染者数は4月12日以降ゼロの日が続いています。しかし、海外帰国者の感染者が空港での検査や2回目の検査で発見されており、先々週までに帰国者のうち34名が陽性と確認されていました。先週の海外帰国者の新規感染は54名で、7月26日の保健省発表によれば、累計感染者数は225名となっています。死者は引き続きゼロとなっています。また、治癒数は143名です。なお、新規感染者は、マリの国連平和維持活動から帰国のカンボジア軍人4名、ロシア・エジプトからマレーシア経由で帰国したカンボジア人41名、韓国から帰国のカンボジア人1名、インドネシアから帰国のカンボジア人4名、インドネシアからマレーシア経由で入国したインドネシア人4名等でした。インドネシア及びマレーシアからの航空便での陽性者数が108名に達しているため、保健大臣は、8月1日から両国からの航空便を一時停止する方針です。
 カンボジア教育省は、新型コロナ対策が十分と認められる学校20校について、第1陣として8月からの再開を許可する方針です。日本人学校及び日本人補習校もこの第1陣に含まれています。ただ、関係者全員のPCR検査等、様々な対策を完全に実施する必要があるため、詳細は今後決定される見込みです。
 カンボジア日本人会とカンボジア日本人商工会は、8月中旬のプノンペン~成田間の臨時便の運航をANAに陳情していましたが、残念ながら実現には至りませんでした。ANAは会社としても大変な時期に、採算がとりにくい便を飛ばすことは難しいとしているものと見られます。
 7月22日、日本政府は、ビジネス往来再開第2弾としてカンボジアを含む10カ国(中国・香港・マカオ、韓国、台湾、モンゴル、マレーシア、ブルネイ、カンボジア、ミャンマー、ラオス、シンガポール)との協議を開始する方針を決定しました。日本側の入国規制が緩和されることが期待されます。
 カンボジアでは、新規感染者の数が落ち着いていることから、プノンペン等では経済活動が復旧してきています。ただ、引き続き、3密を避けることや、マスク、手洗い、アルコール消毒等の対策を続ける必要があるものと見られます。なお、カンボジアの入国規制については、度々変更されていますので、日本大使館のサイトやカンボジア日本人会のフェイスブックで最新情報をご確認ください。

カンボジア日本人会のフェイスブック
https://web.facebook.com/Jacambodia/

在カンボジア日本大使館のサイト(カンボジア入国時の防疫措置)
https://www.kh.emb-japan.go.jp/itpr_ja/b_000271.html


↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へ
にほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日曜日のゆったり朝食 Malis

2020年07月26日 | 生活環境
 クメール・キュイジーヌの高級レストラン「Malis」では、朝ごはんも楽しめます。場所は、独立記念塔の南、ノロドム通り沿いです。コイが泳ぐ池のある緑溢れるテラス席での朝食も気持ちいいです。今回頼んだのは、カンボジアン・ブレックファースト・セットです。クイティウに、アイスコーヒー、フレッシュ・オレンジジュース、デザートもついて8ドルとお得感があります。カンボジアのライスヌードルの「ノムバンチョック」も、野菜やお花がたっぷりついてくるので素敵です。白粥もとても美味しいです。付け合わせの魚の燻製が特に美味です。客層は、お金持ち風のカンボジアの方々がメインです。朝から打ち合わせという感じの人たちもいます。ゆったりとした気分で朝ごはんを食べるには、良い場所です。ぜひお試しください。

Malis Restaurant
www.malis-restaurant.com

色鮮やかなノムバンチョックの付け合わせの野菜やお花


クイティウ。大きな骨付き肉がゴロンゴロンと入っています。


白粥です。付け合わせのお漬物や魚の燻製が素晴らしいです。



↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へ
にほんブログ村

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

プノンペンで鰻三昧 雅楽

2020年07月25日 | 生活環境
 プノンペン南部63通りにあるプノンペンでも最高級の和食「雅楽」で、土用丑の日の期間限定特別うなぎコースを堪能しました。池の見える個室も、お座敷(掘りごたつ)と椅子席のタイプがあります。さて、特別うなぎコースは、先付け3種(鰻ざく、鰻巻き、鰻とろろ)、鮮魚刺身、うなぎ白焼き、うな重又はひつまぶし、最後にデザートというたっぷりのメニューです。まず、先付けが美味しいです。鰻とろろが予想外の美味しさで感動しました。白焼きには、山椒やゆずといった薬味に加えて、黄身醤油も付いてきて、素晴らしいプレゼンです。ひつまぶしが圧巻で、土鍋でドカンと3人前出てくると圧倒されます(写真上)。ダシをかけるのが好物です、土鍋に付いたおこげも最高です。これでお一人60ドルです。プノンペンでは最高級のお値段ですが、これだけ食べられるとコストパフォーマンスは良いと感じます。プノンペンでもこうした季節の美味しい和食が食べられるのは嬉しいです。なお、コースの他にも、うなぎ蒲焼(白焼き)、うな重(味噌汁、漬物付き)、ひつまぶし(薬味、茶漬けだし)、うなぎ茶漬けなどの特別メニューもあります。お勧めです。お試しください。なお、8月2日までの期間限定・夜のみで、特別コースは要予約ですのでご留意ください。

雅楽
#283, St. 63
https://www.facebook.com/phirunk1/

先付け3種(鰻ざく、鰻巻き、鰻とろろ)。酒が進みます。


白焼き。薬味が好いアクセントです。



↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へ
にほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ペステック カンボジア証券取引所に上場へ

2020年07月24日 | 経済
 7月22日、マレーシア系のPestech International Berhadは、カンボジア現地法人の電気設備会社ペステック(PESTECH (Cambodia) Plc)について、カンボジア証券取引委員会から、新規株式公開(IPO)実施の承認を受けたと発表しました。ペステック社は、カンボジア国内では、既に完成済みのプノンペン~コンポンチャム間送電線(230KV)の建設や、コンポンチャム~クラチエ間送電線(230KV)、コッコン州のストゥン・タタイ水力発電所~プンペン間送電線(230KV/500KV)等の建設に携わっています。
 まず、ロードショー(説明会)を、7月27日月曜日8:30からZoomを使用したビデオ会議で実施するとしています。その後、今回は、既に機関投資家が決定していることから、ブックビルディング(入札)は行わず、直ちに公募手続きに入ります。公募期間は、7月27日から8月4日までで、結果は8月7日に通知される予定です。証券取引所への上場は、8月12日の予定です。
 今回のIPO対象の株式数は、394万5000株ですが、その3分の2に当る263万1579株は機関投資家(Maschinenfabrik Reinhausen GmbH)に配分済、65万7895株はペステック社の役員・社員に配分予定で、残る65万5526株が一般公募対象となります。なお、公募価格は、3120リエル(約0.76ドル)/株です。
 ペステック社では、IPOにより調達予定の合計約300万ドルについて、200万ドルを今後の事業投資に、49万ドルを運転資金に、51万ドルを今回のIPO費用に充てるとしています。
 小規模なIPOではありますが、これまで6社しか上場していないカンボジア証券取引所にとって、7社目となる貴重な上場です。現在は、新型コロナの影響もあって、取引が少なくなっている株式市場の活性化にも繋がるものと期待されます。
 なお、IPOの詳細につきましては、主幹事のRHB証券他、カンボジアの各証券会社等にお問い合わせください。
(写真は、ストゥン・タタイ水力発電所~プンペン間送電線。同社のサイトより)

Pestech International Berhadの発表(英文です)
http://pestech-international.com/2020/07/others-pestech-international-berhad-pib-or-company-proposed-listing-of-pestech-cambodia-plc-pcl-a-wholly-owned-subsidiary-of-pib-on-the-main-board-of-cambodia-securities-exchange-4/


↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へ
にほんブログ村


(1)「カンボジア経済」は、カンボジア総合研究所(以下「弊研究所」)が発行するブログです。本ブログの著作権は弊研究所に属し弊研究所の事前の許可なく複製・再配信等を行うことはできません。
(2)本ブログに掲載された内容は、執筆時における筆者の見解・予測であり、情報の正確性や完全性について保証するものではありません。また過去の実績は将来の結果を保証するものでもありません。
(3)本ブログは情報提供のみを目的としており、投資勧誘を目的としたものではありません。
(4)弊研究所は有価証券価格や為替レート等の上昇または下落について断定的判断を提供することはありません。
(5)弊研究所は本ブログの内容に依拠してお客さまが取った行動の結果に対し責任を負うものではありません。投資にあたってはお客さまご自身の判断と責任でなさるようお願いいたします。

   カンボジア総合研究所 CEO/チーフエコノミスト 鈴木 博
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2020年上半期 税収は小幅な減少

2020年07月23日 | 経済
 カンボジア政府では、経済財政省の税務総局(GDT)と関税消費税総局(GDCE)が徴税を担当しています。2020年上半期(1月~6月)の実績は、対前年同期比0.7%減の29億5600万ドルとなりました。新型コロナの影響はありますが、上半期は小幅な減少にとどまりました。
 税務総局担当分は、対前年同期比12%増の総額16億8400万ドルに達しました。今年度予算額の59%を徴収済みとなります。内訳は、付加価値税が4.8%増の6億5700万ドル、所得税が23%増の3億3600万ドル等でした。税務総局では、税制改革、オンライン化の促進、徴税強化等に引き続き取り組むとしています。
 関税消費税総局担当分は、対前年同期比16%減の12億7200万ドルとなりました。今年度予算に対しては49%に留まりました。内訳は、関税が19.8%減、特別税が21.6%減、付加価値税が9.6%減でした。関税については、自動車が31.7%減、建設資材が28.2%減となる一方、石油製品は5%増、その他は3.1%増となっています。関税消費税総局では、新型コロナの影響で貿易量が減少したことと、国内需要減で輸入が減ったこと等が要因であると分析しています。
 経済財政省では、今年度の税収は、新型コロナの影響で20~30%は減少すると見ています。カンボジアは国債を発行していないため、歳入減を政府貯蓄の取り崩しと、国際機関や日本等のドナーからの支援によって乗り切りたいとしています。



↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へ
にほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

中央銀行 半期経済報告 マクロ経済の安定を強調

2020年07月22日 | 経済
 7月6日、カンボジアの中央銀行であるカンボジア国立銀行(NBC)は、2020年半期経済報告を発表しました。カンボジアは、新型コロナの国内感染は抑え込んでいるものの、経済には大打撃を受けており、政府としては、経済・社会の持続性を維持するための政策を実施しているとしています。
 経済については、カンボジアは海外に依存している経済のため、観光、輸出、海外からの投資等が急速に悪化しているとしています。建設・不動産セクターも海外からの投資の減少で大幅な減速に直面しています。農業だけは、今のところ大きな打撃を免れているとしています。ただ、マクロ経済は安定しており、物価上昇率は2.5%と安定し、為替・国際収支も大きく変動しておらず、十分な外貨準備を維持していると強調しました。2020年上半期が終わっても、不透明な状況が続いており、2020年のGDP成長率はマイナス1.9%に落ち込むと予測しています。2021年はV字回復が期待されますが、観光や建設は短期間での回復は見込めないものと見ています。
 銀行セクターも困難な状況に直面しているものの、上半期には貸付・預金ともに伸びており、強靭性を示しています。NBCも銀行セクターのリスクを防ぐことに加え、経済活動を支援する政策を実施しています。預金準備率の引下げや、銀行セクターへの潤沢な資金供給等に加え、新型コロナの影響を受けた借入について柔軟な貸付条件変更を認めるように銀行を指導しています。ただ、カンボジアは高度にドル化された経済であるため、金融政策の有効性には限界があるとしています。なお、中央銀行としては、銀行監督に加え、電子決済システムの普及、一般向けの金融教育の拡充や、マネーロンダリング対策も続けていくとしています。
 カンボジア経済は、新型コロナの影響を受けて厳しい状況にありますが、カンボジア政府やNBCは、脆弱な貧困層や打撃を受けやすい産業への支援策を実施しています。しかし、世界経済の回復がない限り、カンボジア経済の本格的な回復も見込めない状況であり、カンボジア政府・NBCの継続的な対策実施と、それを支える国際社会の支援が期待されます。

カンボジア国立銀行の半期経済報告(クメール語)
https://www.nbc.org.kh/download_files/publication/annual_rep_kh/Semi%20Annual%20Report%202020%20KH.pdf?fbclid=IwAR2JwoBBYG3S_qBZZcze6N2KQfJU_MwW4giWV6cFEg2o4BOdiJjuTispED4




↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へ
にほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カンボジア 2020年6月の物価上昇率

2020年07月21日 | 経済
 国家統計庁から発表された2020年6月の物価上昇率(対前年同月比)は、3.2%の上昇となりました。物価上昇率は、2012年以降、安定的に推移しています。細かくみると、2013年後半から若干の上昇が続いた後、2014年後半から下降し、2015年終盤から若干の上昇に転じています。その後、2017年初頭に4%台まで上昇しましたが、2017年5月以降は3%未満で安定していました。2018年10月は久しぶりに3%を超えてきましたが、11月は2%台に戻り、12月以降はさらに低下しました。しかし、2019年8月以降3%台となる月が出てきています(2015年1月0.4%、2月1.6%、3月1.1%、4月1.2%、5月1.0%、6月0.7%、7月0.8%、8月1.0%、9月0.9%、10月1.3%、11月1.9%、12月2.8%、2016年1月3.1%、2月2.3%、3月2.0%、4月2.8%、5月3.2%、6月3.3%、7月3.0%、8月3.0%、9月2.9%、10月3.4%、11月3.6%、12月3.9%、2017年1月4.4%、2月4.0%、3月4.2%、4月3.2%、5月2.5%、6月2.3%、7月2.3%、8月2.6%、9月2.7%、10月2.1%、11月2.3%、12月2.2%、2018年1月2.0%、2月2.3%、3月2.3%、4月2.4%、5月2.9%、6月2.8%、7月2.3%、8月1.9%、9月2.6%、10月3.1%、11月2.5%、12月1.6%、2019年1月1.6%、2月2.4%、3月2.3%、4月2.6%、5月2.3%、6月1.6%、7月2.2%、8月3.1%、9月1.7%、10月1.3%、11月1.8%、12月3.1%、2020年1月3.6%、2月2.7%、3月2.8%、4月1.9%、5月2.4%)。なお、5月と比べると6月は0.4%の上昇でした。
 ガソリン価格は、政府による価格メカニズム導入の効果もあって細かく動いており、5月の2500リエル/リットルから、6月は2779リエル/リットルに上昇しました。ディーゼルは、5月の2342リエル/リットルから、6月は2537リエル/リットルに上昇しました。国際原油価格(ニューヨーク市場のWTI)は、激しく動いています。最近は中東問題で60ドル台に一時上昇することもありましたが、概ね50ドル台で推移していました。しかし、コロナウイルス問題等で3月には一気に30ドル近辺に、4月は先物期日の特殊要因とは言え史上初めて価格がマイナスとなりました(石油タンク等が一杯で買っても引き取りようがないため、売手がお金を払って引き取ってもらうことになったもの)。その後も激しく上下動しましたが、5月には20ドル台、6月には30ドル台後半にまでもどし、最近は40ドル前後で推移しています。カンボジアのガソリン価格も国際価格に連動して動いており、4月に2250リエルまで低下した後、上昇に転じています。
 国際機関は、カンボジアの物価上昇率を引き続き安定的と見ています。2020年の物価上昇率について、アジア開発銀行は2.1%、世界銀行は1.6%、国際通貨基金(IMF)は1.5%、と予測しています。
(写真は、プノンペン市内のガソリンスタンド。6月23日撮影)



↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へ
にほんブログ村

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

メルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」今週号は本日発行です

2020年07月20日 | 一般
 ブログ「カンボジア経済」は、毎日更新して、カンボジア経済情報をデイリーにお伝えしています。これらの情報をまとめて週刊でメルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」を発行しています。毎週月曜日に発行しています。「無料」です。
 配信御希望の方は、下記のアドレス、またはブックマークから、まぐまぐのページで皆様のメールアドレスのご登録をお願いします。

 メールマガジン「週刊カンボジア経済ニュース」
https://www.mag2.com/m/0001154670.html


↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へにほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新型コロナ カンボジアの状況 7月20日

2020年07月20日 | 経済
 カンボジアでの新型コロナウイルスの国内感染による新規感染者数は4月12日以降ゼロの日が続いています。しかし、海外帰国者の感染者が空港での検査で発見されており、先々週までに帰国者のうち19名が陽性と確認されていました。先週の海外帰国者の新規感染は15名で、7月19日の保健省発表によれば、累計感染者数は171名となっています。死者は引き続きゼロとなっています。また、治癒数は136名です。なお、新規感染者は、サウジアラビアからマレーシア経由で7月10日にカンボジアに到着したカンボジア人が更に10名(2回目のPCR検査等で判明)、アメリカから台湾経由で7月15日入国のカンボジア人3名、アメリカから韓国経由で7月15日入国のアメリカ人外交官2名とのことです。なお、7月15日の韓国からの便に同乗し14日間の隔離中だったカンボジア系アメリカ人の女性が隔離先から逃亡するという事案がありました(その後、発見されました)。
 7月14日、全日本空輸(ANA)は、新型コロナウイルスの影響に伴う2020年夏季ダイヤの変更を発表し、成田~プノンペン直行便の運休は、これまでの7月31日までから8月31日までに延長されました。運休は4月12日からで、長期化の様相を見せており、様々な方面への影響が懸念されます。
 7月16日、労働職業訓練省は、省令を発出し、8月17日から21日をクメール正月の代休5日間とすると発表しました。今年のクメール正月は、4月13日~16日が休日となる予定でしたが、多くの人が国内で移動することによる新型コロナの感染が懸念されたため、延期とされていました。多くの企業や工場では、大型連休に備えて、生産計画や人員配置の変更・準備等が必要となっています。なお、連休中の国内旅行活発化への期待を示す声もあるようです。
 7月10日、経済財政省は、カンボジア日本人商工会(JBAC)を含む外国経済団体等に対して入国規制緩和に関する説明会を開催しました。カンボジアで登記されている企業が保証人となる場合は、今まで必要であった5万ドル以上の保険証書と各種費用のための3000ドルのデポジットが不要になるということです。保証人となる手続きは、今後オンラインで可能となる予定とのことです。
 カンボジアでは、新規感染者の数が落ち着いていることから、プノンペン等では経済活動が復旧してきています。営業禁止が求められているスパ、マッサージ、スポーツジム等も、再開しているところも出ている模様です。ただ、引き続き、3密を避けることや、マスク、手洗い、アルコール消毒等の対策を続ける必要があるものと見られます。なお、カンボジアの入国規制については、毎週のように変更されていますので、日本大使館のサイトやカンボジア日本人会のフェイスブックで最新情報をご確認ください。

カンボジア日本人会のフェイスブック
https://web.facebook.com/Jacambodia/

在カンボジア日本大使館のサイト(カンボジア入国時の防疫措置)
https://www.kh.emb-japan.go.jp/itpr_ja/b_000271.html

全日本空輸のサイト
https://www.anahd.co.jp/group/pr/202007/20200714.html



↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へ
にほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近のお気に入り 翁さんラーメン Oh San Ramen & Beyond

2020年07月19日 | 生活環境
 最近のお気に入りの一つの「翁さんラーメン Oh San Ramen & Beyond」です。新型コロナを乗り越えながら、人気を集めています。おつまみ系が充実したのも嬉しいです。レバ刺し等のモツ系も美味しく、私の好物のセンマイがあるのも嬉しいです。一手間かけたいわゆる「白センマイ」です。センマイには、コチュジャンと塩油の両方がついてきて2種類の味が楽しめます。モツ炒めや牛タンネギ塩だいだいポン酢も美味しいです。おつまみ系では、蜆のしょうゆ漬けもお酒好きにはたまらない一品です。炙りしめ鯖は、ちょっとあぶった香ばしさが好きです。本命のラーメンは各種揃っていますが、最近は「昔懐かしのつけ麺」に嵌っています。トッピングにたっぷりの野菜、キクラゲ、味玉等を選んで、がっつり食べてます(写真上)。カレー等の定食系もあるので、若い方々にも人気の様です。お酒は、流行りのレモンサワーの大ジョッキ(計量カップ入り)がすごいです。お客さんは、日本の方だけでなく、様々な国籍の方を見かけます。お勧めです。お試しください。

翁さんラーメン Oh San Ramen & Beyond
https://web.facebook.com/OhSanRamen/?ref=page_internal

好物のセンマイと蜆のしょうゆ漬け


炙りしめ鯖もおつまみに最適です。



↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へにほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする