カンボジア経済

カンボジアの経済について、お堅い数字の話から、グルメ情報といったやわらかい話まで、ビジネス関係の方にお役に立つブログです

タイにおけるカンボジア人労働者の管理政策

2015年02月05日 | 経済
 アジア経済研究所が発行する「ワールドトレンド」2015年1月号に初鹿野直美先生執筆の「タイの外国人労働者管理政策-カンボジア人労働者の「大脱出」とその対応」が掲載されました。
 2014年6月、タイで働くカンボジア人労働者40万人のうち25万人が、カンボジアに大脱出する事態となりました。これは、クーデターで政権を掌握したタイ軍部が、カンボジア人労働者を迫害するとの情報によるものでした。しかし、この大脱出によって、カンボジア人労働者が職を失っただけでなく、タイ側でも深刻な人手不足状態となりました。このため、カンボジア側では、パスポート発行費用の大幅減額(124ドル→4ドル)や発行手続き期間の短縮(数か月→20日間)等を実施して、国籍証明書類をきちんと保有できる体制作りを行いました。タイ側では、まず、カンボジア労働帰還調整センター、更にはワン・ストップ・サービス・センターを設置して、暫定労働許可証を発行する等の対応を取りました。この結果、わずか2か月ほどの間に、カンボジア人労働者40万人以上が暫定労働許可証を得て、タイに戻ったとのことです。
 カンボジアとタイの間の微妙な関係や、現在のタイの軍事政権等を背景とした、今回の「大脱出」とその後の対応について大変わかりやすいレポートです。ぜひご覧ください。

アジア経済研究所 ワールドトレンド2015年1月号
http://d-arch.ide.go.jp/idedp/ZWT/ZWT201412_019.pdf

↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へ
にほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする