カンボジア経済

カンボジアの経済について、お堅い数字の話から、グルメ情報といったやわらかい話まで、ビジネス関係の方にお役に立つブログです

最近の金融危機のカンボジアへの影響

2008年10月30日 | 経済
 世界では最近のもっとも重要な経済問題になりましたので、カンボジアへの影響についての一般的な見方を取りまとめてみました。

1. 直接的影響
カンボジアの銀行・企業による、アメリカのサブプライム債権、サブプライム関係企業株式、リーマン関係債権等の保有は限定的なため、直接的な影響は、限定的なものに留まると見られています。
2. 間接的影響
(1)輸出
カンボジアの輸出、特にガーメントの輸出の7割は米国向けであり、米国の景気後退、特に消費減退による、カンボジアからの輸出への影響は避けられないものと思われます。ただし、本年上半期は、対米輸出に目立った減少は見られず、逆に若干増となっており、現時点では大きな影響は現れていません。
(2)投資
世界的にリスクプレミアムは大幅に上昇しており、カンボジアへの直接投資流入にも影響を与えるものと見られています。特に、カンボジアの不動産開発に大きく投資している韓国企業・中国企業の中には、サブプライムの直接的影響を受けている企業もあるものと見られ、韓国ウォンの大幅な下落もあって、カンボジアへのエクスポージャーを今後減少させる可能性があります。更に不動産投資に随伴する建設投資に今後影響が出るものと見込まれ、これは建設資材関係にも影響を与える可能性が強いと見られています。
(3)その他
カンボジアにとって重要な外貨収入源である観光業やODAについても、今後の影響が懸念されていますが、今のところ大きな影響は見られていません。
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カタン祭

2008年10月29日 | 経済
 この次期、カンボジアでは、「カタン祭(ボンカタンティエン)」と呼ばれる仏教行事が、各檀家グループ毎に多数行われています。職場の幹部に誘われて、そのひとつに参加してみました。
 「カンボジアを知るための60章(明石書店)」によりますと、カタン祭は、仏教徒にとって修行期間として重要な雨安居(うあんご)の3ヶ月があけた後、1ヶ月以内に行われる盛大なお祭りだそうです。イスラム教にとってのラマダン明けのようなものでしょうか。
 さて、実際のカタン祭は、飾り立てられた有力檀家のお宅に、近所の方や知り合いの方が正装で集まります。そこに、お坊さん(今回は5人)が来られ、小1時間ほどお経の合唱をされます。集まった人たちも合唱されていたので、良く知られたお経と言うことかと思います(写真上)。その後は、簡単な食事が供されます。ここで帰ってしまったのですが、一部の人は、夜遅くまで楽しまれるようです。
 この祭の趣旨のひとつは、お寺への寄進ですので、集まった人たちは、お布施を持ち寄ります(横目で見たところ、相当な額でした)。私も相場の金額を寄進させていただきました。また、来られたお坊さんたちには、大変な大きさと数のお土産が渡されていました。お寺では、ここで集めたお金で、新しい寺院を建てたりするとのことです。

家の前の道路に張られたテントには、特設の門(ベニヤ板です)が作られ、楽団が楽しげな演奏をして迎えてくれます。

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政府・開発パートナー調整委員会

2008年10月28日 | 経済
 カンボジアでは、カンボジア政府と開発パートナー(日本等の各国・国際機関)との協調を図るために「政府・開発パートナー調整委員会(Government – Development Partner Coordination Committee: GDCC)」を開催しています。本日(10月28日)、第13回会合がカンボジア開発評議会で開催されました。カンボジア側は、ソクアン副首相、キエットチョン経済財政大臣ほか主要閣僚、次官が参加されました。開発パートナー側は、篠原日本大使ほか各国の大使、国際機関の関係者が参加されました。今回の会議では、金融危機・インフレの現状と政府の対応、ガバナンス等について、時間をオーバーして熱心な議論がなされました。ソクアン副首相、キエットチョン大臣は、英語もお上手で、各国を相手にリーズナブルでスマートな対応をされていたのが印象的でした。
 このような会議の積み重ねが、各国とのコミュニケーションの強化、更には友好関係の発展につながり、カンボジアの開発に役立ってくれることを願ってやみません。

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盆踊り大会

2008年10月27日 | 生活環境
 10月26日(日曜日)に、第4回カンボジア日本人会盆踊り大会が、カンボジア日本人材育成センターで開催されました。日本の方だけでなく、カンボジアの方々も多数参加して、大変な盛況でした。踊りは、カンボジアの伝統的なゆっくりとした踊り、若い方々に人気のステップ、そして東京音頭等の日本の盆踊りと、いろいろでしたが、事前の練習の成果か、カンボジアの若い方々も浴衣姿で大変上手に踊っていました。また、篠原大使ご夫妻も参加され、踊りの輪に入って、カンボジアの踊りも一緒に楽しまれていらっしゃいました。
 会場の外には、日本人会の皆さんのご協力で夜店が多数開かれました。「猛虎会」のお好み焼き、「九州人会」の豚の角煮やしろくま等々美味しいものがたくさんありました。その中でも、「マグロの解体ショー」(写真下)は、大人気でした。この他、ゲームや綿菓子もあって縁日気分を盛り上げていました。
 みんなで盛り上げるこのようなお祭りは、本当に楽しいものでした。

多くの夜店が出ていました。日本人会の皆さんのご協力によるものです。


一番人気のマグロの解体ショー

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槇 徳子さんがカンボジアに来られました!

2008年10月26日 | 経済
 テレビ東京の経済キャスターでいらっしゃった槇徳子(まき のりこ)さんが、カンボジアに来られました。現在、日経新聞のサイトで「日経ヴェリタス(市場to市場)」を書かれていらっしゃいますが、今回はその取材のために来られたとのことです。槇さんは、取材のために世界中を飛び回っていらっしゃるそうですが、シンガポールやマレーシア等で「次はカンボジア」と言われているとのことで、カンボジアの発展振りを見て今後の可能性を感じられているようでした。

日経ヴェリタス
http://veritas.nikkei.co.jp/features/08.aspx
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がらがらのアンコールワット

2008年10月25日 | 社会・風土
 雨季のアンコールワットは、人が少なくてがらがらでした。特に、昼休み時間帯に行ったのが良かったのかも知れません。

誰もいない第一回廊。こんな景色はめったに見られないとのことです。


「逆さアンコールワット」で有名な正面の池も子供の遊び場となっていて、のんびりしたものです。

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2009年度予算政府案決定

2008年10月24日 | 経済
 カンボジア政府の来年度予算の政府案が決定されました。これから、国会での審議、承認がなされますが、大きな変更は無いものと思われます。
 好調な経済を背景に、税収が伸びていることもあって、来年度予算の総額は、18.7億ドル(約1900億円)と今年度と比べると、29.6%の大幅増となっています。

http://cambodiamirror.wordpress.com/2008/10/21/council-of-ministers-adopts-financial-draft-laws-for-2009-monday-20102008/
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ナイトマーケット

2008年10月23日 | 社会・風土
 プノンペンのナイトマーケットは、最近大変盛り上がっているようです。場所は、昨年とは変わっていて、108通りがトンレサップ川とぶつかるところです。お店で売っているものも、外国人観光客向けのものばかりでなく、ジモティ(地元の人)向けの洋服や、ちょっとした飲食店、ダーツのようなゲーム等もありました。週末の夜にお出かけください。
 なお、このブログの2007年11月22日版もご覧ください。

主催の一村一品運動委員会のページです。
http://ovopcambodia.com/#

ナイトマーケットの一角はゴザを敷いて、特設宴会場となっていました。周りの屋台では、いろいろなものを売っていました。

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トンレサップ川での船遊び

2008年10月22日 | 経済
 プノンペンを流れるトンレサップ川には夕方になるとたくさんの遊覧船が出ます。夕暮れ時に、ゆったりと船上に佇み、ビールでもあれば、言うことなしです。夕暮れに沈んでいくプノンペンのリバーサイドや王宮も見逃せません。暗くなってからも、明りが灯るリバーサイドは、とても幻想的でした。1隻1時間20ドルと料金もリーズナブルにゆったりと楽しめます。

夕焼けのトンレサップ川


夕暮れに灯りがきれいなリバーサイド。まるでヨーロッパの街並みです。

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ポルポト水路

2008年10月21日 | 経済
 ポルポト時代に、多くの無垢の人たちを動員して人力で作られた水路です。技術的に十分な検討なしに作られたため、活用されていないものも多く残っています。
 写真は、タケオ州に残る巨大な水路です。人力だけで作られたと思うと、気が遠くなりそうな規模です。残念ながら現在は必ずしも活用されていませんが、この種の水路を改修して、灌漑に役立てる計画も立てられているそうです。是非実現させてもらいたいと心から思いました。

巨大な水路が延々と続きます。


水門のコンクリートに「19-3-1978」との日付が残っていました・・・。

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最高水位(続)

2008年10月20日 | 社会・風土
 国道5号線と6号線を結ぶ国道61号線が、トンレサップ川をフェリーで渡る地点です。水位が、堤防一杯に迫っていました。今年1月の乾季のときの写真と比べてみてください。

上の写真と同じ場所の乾季。10メートル近く水位が低いです。


フェリー乗り場から見た大仏。
乾季。丘の上に在るように見えますが。             雨季。すぐ下まで水が迫っています。 



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The Place

2008年10月19日 | 経済
 プノンペンのシアヌーク通り、独立記念塔近くにOPENした、レストラン、バー、スポーツジム等が入っている複合クラブです。10階建てのビルは、高いビルがあまり無いプノンペンでは、夜になると煌々と灯りが灯ることもあって、大変目だっています。1階、2階は洋食系カフェレストラン、5階が中華レストランとなっています。6階から8階は、スポーツジムで、エアロビのスクールもあります。4階は、マッサージもあるビューティサロンです。9階は屋上テラスバー・レストラン「パラダイス・レストラン」となっていて、夜風に吹かれながら、プノンペンの夜景を楽しむことができます。10階はVIPルームです。
 なお、現在は、オープン記念で、飲食は20%OFFですのでお得です。
http://www.phnompenhpost.com/index.php/2008100121908/Post-Life/The-Place-An-elegant-oasis-to-see-and-be-seen.html
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TV番組「動き出したカンボジアビジネス」

2008年10月18日 | 経済
 10月11日に日本国内のJETROのTV番組「世界は今-JETRO Global Eye」で、特集「動き出したカンボジアビジネス」が放映されました。JETROのホームページから、インターネットで動画としてもご覧になれます。
http://www.jetro.go.jp/tv/internet/

 内容は、「近年、高い経済成長を遂げるカンボジア。中国や韓国など近隣諸国企業の進出に続き、最近では日本企業の進出も見られるようになった。進出日系企業の取り組みや、インフラの整備状況など投資環境の現状を概観する。(8分46秒)」とのことです。
 コンパクトながら、大変良くまとまった番組ですので、是非ご覧ください。

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コメントへのご回答

2008年10月17日 | 経済
NBさん、スブラマニアン Yさん、コメントありがとうございます。長くなったので、本文で回答させて頂きます。

NBさん:「カンボジア経済の行方」
はじめまして。最近の国内外の情勢はカンボジア経済にとってよろしくないですよね。世界不況の上に、プレアビヘアでのタイとの紛争で、カンボジアに来る外国人観光客はかなり減るのではないでしょうか。また、輸出先のアメリカが景気が悪いとカンボジアの主産業である縫製業も影響を受けるでしょうし。観光と縫製業の両方が下降傾向だと、外貨収入が減って、カンボジア経済もかなりの打撃ではないでしょうか。ここ数年ずっと改善傾向だったカンボジアの先行きにちょっと不安を感じています。今後のカンボジア経済に関するJackおじちゃんの分析をぜひお聞かせ下さい。

ご回答:おっしゃるとおりで、影響は免れないと思います。ただ、直接的な影響は軽微といわれています。最近発表された、世界銀行の世界経済見通しでは、カンボジアの成長率予想は2008年7.0%、2009年6.0%と引き続き高めの成長率を維持するものと見られています。アジア開発銀行の予測でも2008年6.5%、2009年6.0%です。カンボジア経済財政省のモニロット次官のインタビュー記事で同次官は、2009年6.0%~6.5%と見ていると述べています。ということで、若干減速しますが、引き続き堅調な経済成長が見込まれるというのが、一般的な見方のようです。

スブラマニアン Yさん:「22.6%!!!」
英国の最近発表になった物価上昇率が5.2%で、それだけでも驚いていましたが、カンボジアでは20%以上なんですね。これほど上昇率が高いと、現地の人々の生活にどれだけ影響を与えているのだろうか・・・と心配になります。機会がありましたら、またその変化を教えて頂けたらうれしいです。

ご回答:最近発行されたアジア開発銀行のアジア開発展望では、今回のインフレ、特に食料品価格の上昇によって、カンボジアの貧困ライン以下の貧困層の人口は現在の450万人から更に200万人ほど増えるのではないかと懸念しています。ただ、米の価格の上昇は、カンボジアの多くの農民(米の売り手)に大きな利益を与えているのも事実です。石油の国際価格もピークの半値まで下落していますので、物価上昇率は今後落ち着いてくると見られています。
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物価上昇率

2008年10月16日 | 経済
 1月から発表が途絶えていた物価上昇率が、先月から発表再開となりました。なお、2008年1月以降は、新バスケットとなっています。

2007年12月 10.8%
2008年1月 13.7%
2008年2月 15.4%
2008年3月 20.3%
2008年4月 24.2%
2008年5月 25.7%
2008年6月 24.8%
2008年7月 22.3%
2008年8月 22.6%

なお、カンボジアでもガソリン価格は、原油の国際価格下落により、急速に下がっています。ピーク時には5850リエル/ℓでしたが、10月15日には、4700リエル/ℓと既に20%の下落となっています。農産物価格もピークアウトしていますので、物価上昇率は、今後落ち着いてくるものと見られています。世界銀行の世界経済見通し(2008年10月)では、今年末の物価上昇率は16.3%ですが、来年は9.6%まで下がると予測しています。
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