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「囲碁」は「スポーツ」なのだ!?

中国・広州でアジア大会が開かれていました
アジア大会はご存知の通り、4年ごとに開かれるアジアにおけるスポーツ最大の祭典です
今回の大会では様々なスポーツ競技に混じって、初めて「囲碁」が「スポーツ」として大会種目となったと知りびっくりです
日頃「囲碁」大会等に参加し気合をいれて打つとき、結構打ち終わると疲れを覚えます
「囲碁」位で疲れるなんて歳のせいかと思っていましたが、成る程「スポーツ」かと思うと納得です ・・・ちょっと単純かな   

初めてアジア大会の正式種目になった「囲碁」は、男女団体、混合ペアの3種目が行われ、善戦むなしく現在の国際囲碁界の勢力図をそのまま表す結果となり、▽韓国=金3、銅1、▽中国=銀3、▽日本=銅1、▽台湾=銅1のメタルの数でした

「囲碁」は古代中国が発祥の地と言われ、朝鮮半島を経て日本に伝わってきました
当初は貴族文化の中で育ってきた「囲碁」ですが、武家文化が育つに当り、「囲碁」の地取り戦略と国獲り戦略がマッチし、武家嗜みの文化として発展して来たものとおもわれます
江戸時代・幕府の手厚い保護により、勝負事であるとともに伝統文化として発展し、家元などのプロ制度も生まれ、一般庶民にも飛躍的に広まりました
この結果、日本は戦前・戦後を通じ、常に世界の囲碁界をリードしてきましたが、トップを維持していたのは十数年前までで、急激に発祥地の中国、韓国が台頭し、現在は、残念ながら日本は3番手争い(台湾も強いですよね)の位置にあります
日本は文化・精神的な面から、昔から結果よりも礼を含め内容を重視する風潮にあった様に思います
これに対し中国は「囲碁」を「頭脳スポーツ」としてとらえ、英才教育を展開し、韓国も数年前から「スポーツ」に位置づけ、集団教育に力を注ぎ、腕をあげてきたと言われています
即ち両国とも、良くも悪くも、勝負最優先の傾向にあると見られます
 
『広州アジア大会・ 囲碁 ・韓国ペアが反則負け ・スポーツか、伝統文化か!?』
こんなニュースがながれました
このニュースは、勝負最優先でおこった「事件」として取り上げられていました

「事件」の内容は、中国・韓国のペア碁対決で、激戦が続きながらも終盤に入って、内容的にほぼ中国の勝ちが確定したと思える頃から、韓国ペアがまったく無意味な地点への着手を始め、明らかに「時間切れ」を狙った行動をとりはじめた事であったそうです
勝負は審判団が協議して、規定(?)により、韓国の反則負けとしたそうで、韓国側は「ルールの中で行った」と弁明し、中国側は「勝ちたいとはいえ、世界を代表する棋士がそんなことをするなんて・・・」と憤ったそうです

私達日本人にも「囲碁はスポーツなのか、伝統文化なのか」という議論に一石を投じた出来事だったといえます
勝負に徹すると、勝ちたい一心で、色々の事を考える訳ですが、ズルをしてはいけません
そう云う事が起こらないように、いろいろなルールが生まれる訳です
従ってそのルールの範囲の行動は攻められるものではないのですが、日本人の美意識からはどうも「時間切れ狙い」などは何となく潔し良しとしないものがあります
これって柔道の時間切れを狙っての「技の掛け捨て」と同じですね
しかし国際的に勝つ為にはこれらの(あえて)甘さは棄てるべきなのかもしれません

アジア大会の持ち時間は各45~60分の早碁であり、中国、韓国の国内棋戦や国際棋戦は最長でも3時間で行うそうだし、大会によって短い場合では初手から1分以内に打たねばならないそうです
普段からこんな闘い方をしている各国に対し、長考スタイルの日本囲碁は、世界の流れに対応できていなくなっているのかもしれないですね

「囲碁」は「これまでは芸術・伝統文化という認識でやってきた」という大会で日本キャプテンを務めた山下敬吾本因坊の言葉は、世界で活躍する為には「頭脳スポーツ」の側面が大きくなった事に対する対応の仕方を教えているように思えます
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