ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画の興行成績 [2月4日(金)~2月6日(日)]と作品紹介 ▶旧正月の5連休が終わって韓国映画の状況は・・・無風(?)

2022-02-08 21:45:32 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶前回は2月3日(木)に更新したこの韓国内の映画の興行成績ですが、今回は2日早く更新。その大きな理由は、ベスト10内に新登場の作品が全然なかったからです。まれなことですが、さほど意外でもありません。1月29日(土)~2月2日(水)の旧正月がらみの5連休の直後だったから。旧正月のかき入れ時を期して公開した作品が次週も当然継続して上映されてるわけです。近年でも旧正月明け1週目は19年は新登場1作品のみ、20年は再上映が2作品で新登場は0でした。
 さて、その旧正月用として1月26日に公開された韓国映画が「海賊:鬼の旗」「キングメーカー」の2作品でした。今累計観客動員数を見ると前者が約110万人、後者が約60万人とかなりの差がついてしまいました。(まあオミクロン株の蔓延があるとはいえ例年に比べるとさびしい数字ですが・・・。) 興味深いのは、ネチズンの評点も評論家・記者の評点も「キングメーカー」の方が上回っているのに観客動員数は「海賊」に水をあけられていること。私ヌルボもソル・ギョング金大中(役名はキム・ウンボム)を演じている「キングメーカー」は観てみたいですけどねー、新年最初にハン・ヒョジュとソル・ギョングのどちらの顔を見たいか?という至極単純な動機で映画を選ぶ人が多いのですかねー、やっぱり・・・(笑)。

▶《独立・芸術映画》の方のランキングも5位までに新登場の作品はありません。その代わり再上映作品が2作品入っています。韓国の映画館は日本に比べて往年のヒット作の再上映が多いように思われます。(※最近では日本以上に韓国の映画ファンの思い出の名作となっている岩井俊二監督の「Love Letter」が再上映されました。韓国では1999年の初公開以来何度目になるのかな?)
 で、その《独立・芸術映画》の再上映2作品というのが3位の「キャロル」と5位の「燃ゆる女の肖像」です。その作品名を見て気づいた共通点はどちらも女性同士の恋物語ということ。
 正直に言うと私ヌルボ、いわゆるLGBTQ関係の映画は近年多過ぎの感もあって、難病物、タイムスリップ物、体の入れ替わり等と共に観る前からウンザリ感があるのですが、この2作品は良かった!です。(※とくに「キャロル」の最後の場面は強く印象に残っていて、2016年のマイ・ベスト10の1位にしました。) どちらも社会的地位を異にする女性同士の愛の物語という共通点がありますね。これら2作品が共に再上映というのは、偶然というよりも、時代の必然と言うべきでしょうか。
     
【 「キャロル」と「燃ゆる女の肖像」の韓国版ポスター 】

▶あのポン・ジュノ監督2021年お気に入り映画7本発表! ・・・と題した記事を読みました。(→コチラ。)
「ドライブ・マイ・カー」が入っているのは当然として、私ヌルボが観た作品で「ドント・ルック・アップ」が選ばれているのはポン・ジュノ監督らしいところ。
 韓国映画では唯一、ドキュメンタリーの「ソーイング・シスターズ」が入っています。が、これって→コチラの記事で「ミシン縫製工だった少女たち」と仮題をつけてけっこう詳しく紹介した作品じゃあないですか! ・・・と「!」をつけることもないですが、ポン・ジュノ監督との連帯感を感じました(笑)。その他の4作品はもちろん未見ですが、その中で一番観たいのはデンマークのジョナス・ポエール・ラスムーセン監督によるドキュメンタリー・アニメ「フリー(Flee)」です。この作品を観た人たち9人のレビューが→Filmarksに載ってるんだけど皆さんどういう経緯でどこでご覧になったのかなー?

    ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績2月4日(金)~2月6日(日) ★★★
          1~6位は前週と変わらず 新登場の作品もナシ

【全体】
順位・・・・題名 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(1)・・海賊:鬼の旗(韓国)・・・・・・・・1/26 ・・・・164,819 ・・・・・・1,086,271・・・・・・10,543・・・・1,592
2(2)・・キングメーカー(韓国)・・・・・・1/26 ・・・・108,903 ・・・・・・・・616,494・・・・・・・5,975・・・・1,162
3(3)・・スパイダーマン・・・・・・・・・・・12/15 ・・・・・45,304 ・・・・・・7,449,332 ・・・・・74,306・・・・・・682
       :ノー・ウェイ・ホーム
4(4)・・SING/シング ・・・・・・・・・・・・・1/05 ・・・・・30,000・・・・・・・・828,905・・・・・・・7,676・・・・・・610
       :ネクストステージ
5(5)・・劇場版 こんにちはチャドゥよ・・1/19 ・・18,426・・・・・・・・・89,109・・・・・・・・・785・・・・・・526
       :済州島の秘密(韓国)
6(6)・・ハウス・オブ・グッチ・・・・・・・・・1/12・・・・・・・6,074・・・・・・・・134,548 ・・・・・・1,333・・・・・・・89
7(10)・・キングスマン・・・・・・・・・・・・・12/22 ・・・・・・4,102・・・・・・1,023,372 ・・・・・10,271・・・・・・・66
       :ファーストエージェント
8(7)・・特別手荷物[特送](韓国) ・・・・・1/12 ・・・・・・3,679・・・・・・・・437,829・・・・・・・4,143・・・・・・141
9(10)・・アナザーラウンド・・・・・・・・・・1/19・・・・・・・3,530・・・・・・・・・28,289・・・・・・・・・262・・・・・・・56
10(11)・・警官の血(韓国)・・・・・・・・・・・1/05・・・・・・・2,436・・・・・・・・681,366・・・・・・・6,713・・・・・・・83
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 冒頭にも書きましたが、順位変動が非常に少なく、新登場の作品もありませんでした。

【独立・芸術映画】
順位 ・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(2)・・アナザーラウンド ・・・・・・・・・・・・1/19・・・・・・・・・3,530・・・・・・・28,289・・・・・・・・・・262 ・・・・・・・56
2(3)・・ドライブ・マイ・カー(日本)・・・・12/23 ・・・・・・・・2,093・・・・・・・54,238・・・・・・・・・・512 ・・・・・・・41
3(再)・・キャロル ・・・・・・・・・・・・・・2016/2/04 ・・・・・・・・1,547・・・・・・353,666 ・・・・・・・2,917 ・・・・・・・15
4(5)・・私のローソク革命(韓国)・・・・・・・2/10・・・・・・・・・・・736 ・・・・・・・・2,113・・・・・・・・・・・22・・・・・・・・・3
5(再)・・燃ゆる女の肖像 ・・・・・・・・2020/1/16 ・・・・・・・・・・713・・・・・・156,118・・・・・・・・1,312 ・・・・・・・15

 コチラのランキングも新登場の作品はありません。入れ替わった3・5位は近年高い評価を得た名作の再上映です。