ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画の興行成績 [12月31日(金)~1月2日(日)]と作品紹介 ▶「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」 公開3週目で600万人超え ▶A24配給の「ラム」は(やっぱり)奇妙なホラー

2022-01-06 22:47:46 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶今回の記事中で注目の新作その1は「ラム」です。酒ではなく「Lamb」、つまり子羊のこと。アイスランド等3ヵ国合作のホラーで、昨年の<カンヌ国際映画祭>の<ある視点部門>で上映され、オリジナル視点賞を受賞した作品です。子羊がなんでホラーになるんだ?と疑問に思う向きもあろうかと思いますが、そこはあの「ミッドサマー」等々のケッタイなホラーを世に出してきたA24の配給ホラーですから・・・。日本での劇場公開は未定のようですが、なぜか(配信予定だから?)日本語字幕入り予告編(→コチラ)ができているので、まあ見てみてください。(この予告編もなんだかヘンだぞ・・・。)

▶注目の新作その2は「ノーホエア・スペシャル」(仮)です。2015年に日本でも公開され感動を呼んだイタリアのウベルト・パゾリーニ監督の久々の新作です。コチラのあらすじは下の記事を参照されたし。これも「ラム」同様日本での劇場公開は未定のようです。とくに海外の映画賞の受賞作は韓国の方が日本より何ヵ月も先に上映されるのが常で、その分当方としては事前に諸情報を仕入れることはできますが、それよりも本音はやっぱりじれったい!
       
【「ラム」(左)と「ノーホエア・スペシャル」のポスター 】

    ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績12月31日(金)~1月2日(日) ★★★
          3週目も「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」の独走続く

【全体】
順位・・・・題名 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(1)・・スパイダーマン・・・・・・・・・・・・12/15 ・・・・705,656・・・・・・6,074,296 ・・・・60,973 ・・・・2,159
       :ノー・ウェイ・ホーム
2(2)・・キングスマン・・・・・・・・・・・・・・12/22 ・・・・208,548・・・・・・・・776,391 ・・・・・7,739・・・・・・・911
       :ファーストエージェント
3(40)・・ハッピー・ニュー・イヤー(韓国)・・12/29・・113,709・・・・・・186,215 ・・・・・1,736・・・・・・・806
4(3)・・マトリックス・・・・・・・・・・・・・・12/22・・・・・・18,094 ・・・・・・・・202,905 ・・・・・2,037 ・・・・・・440
       レザレクションズ
5(4)・・ミラベルと魔法だらけの家・・11/24 ・・・・・・・8,987 ・・・・・・・・626,631 ・・・・・5,944 ・・・・・・160
6(5)・・シンデレラと言葉の魔法使い・・12/08 ・・・・・7,819 ・・・・・・・・・35,749・・・・・・・・314 ・・・・・・190
7(7)・・ドライブ・マイ・カー(日本) ・・12/23 ・・・・・・・6,370 ・・・・・・・・・22,591 ・・・・・・・208 ・・・・・・・92
8(51)・・ラム ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/29・・・・・・・5,206 ・・・・・・・・・10,525・・・・・・・・・94 ・・・・・・119
9(6)・・恋愛の抜けたロマンス(韓国)・・11/24 ・・・・・・2,944・・・・・・・・604,672・・・・・・6,137・・・・・・・139
10(43)・・ノーウェア・スペシャル・・・・12/29・・・・・・・2,337 ・・・・・・・・・・4,607・・・・・・・・・39・・・・・・・・62
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 新登場は3・8・10位の3作品です。
 3位「ハッピー・ニュー・イヤー」は韓国のラブロマンス。数多くの人々が滞在し、去り、出会い、別れる年末年始のホテルエムロス。そこを舞台に繰り広げられるさまざまな事情を抱いた人々が、それぞれの縁をつくっていきます。つまり、あの「グランド・ホテル」(1934)の現代韓国といったところか。15年間男友達に告白をためらっているホテルウーマンのソジン(ハン・ジミン)。そんなソジンの胸の内も知らないまま女友達のヨンジュ(コ・ソンヒ)との超高速ビックリ結婚を発表するスンヒョ(キム・ヨングァン)。すべてのものを持っていながら偶数強迫症に苦しむホテル代表のヨンジン(イ・ドンウク)。ミュージカル俳優の夢をたたんで生活戦線に飛び込んだハウスキーパーのイ・ヨン(ウォン・ジナ)。公務員試験に落ち続けて5年目、いいことがひとつもないホテルの客ジェヨン(カン・ハヌル)にかかってきた思いがけないモーニングコール。長い無名時代の果てに全盛期を迎えて共に最後のコンサートを前にした歌手イ・グァン(ソ・ガンジュン)とマネージャーのサンフン(イ・グァンスン)。40年ぶりに偶然初恋の人キャサリン(イ・ヘヨン)と再会したホテルの看板ドアマン、サンギュ(チョン・ジニョン)。毎週土曜日ホテルのラウンジで新しい縁を待っている出会い期待男(맞선남)のジノ(イ・ジヌク)。時として夢を見ながらも時として切なく、時として涙を流しながらも幸福な今年の最後。ホテルエムロスであなたをお待ちいたします・・・。原題は「해피 뉴 이어」です。
 8位「ラム」は、アイスランド・スウェーデン・ポーランド合作のホラー。(バルディマール・ヨハンソン監督の出身国)アイスランドが物語の舞台。雪嵐が吹き荒れたクリスマスの日の夜以降、羊牧場で産まれた神秘的な子羊をプレゼントされたマリア夫婦に予測できない恐怖が迫ります・・・。(具体的には記事冒頭のリンクから予告編を観てください。) 幼年期に祖父母の運営する羊牧場で過ごした監督の経験(民話等)からインスピレーションを受けたとのことです。韓国題は「램」。これも日本での劇場公開は未定のようですが、配信はありそう。
 10位「ノーホエア・スペシャル」(仮)はイタリア・イギリス合作のドラマ。「おみおくりの作法」(2013)で<第70回ヴェネチア国際映画祭>のオリゾンティ部門で監督賞等4賞を受賞したウベルト・パゾリーニ監督の7年ぶりの新作です。主人公は34歳の誕生日を迎えた窓掃除夫のジョン(ジェームズ・ノートン)。シングルファーザーの彼には4歳の息子マイケル(ダニエル・ラモント)がいます。ところがジョンはまだ若いのに病を患い、余命は長くはありません。その間彼にはやるべきことがあります。それはマイケルのために新しい親を探してやること。自分の亡き後1人残される息子のためにジョンは特別な親を探す旅を始めます。「まだ幼いですが言いつけもよく聞いて礼儀もよく守ります。私の子供を育ててくださるる新しい親御さんを探しています」・・・。彼には息子に死を説明するのか、そしてどんな親を選ぶのか?という重大問題もあります。この先の物語の展開ははたして・・・。韓国題は「노웨어 스페셜」。日本公開は未定のようです。「おみおくりの作法」も好評だったし、たぶん公開されるとは思いますが・・・。海外で観た人たち数人のレビューには<感動の涙>で満ち溢れています。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(1)・・ドライブ・マイ・カー(日本)・・・12/23・・・・・・・・・6,370・・・・・・・22,591 ・・・・・・・・・208 ・・・・・・・92
2(24)・・ラム ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/29・・・・・・・・・5,206 ・・・・・・10,525・・・・・・・・・・・94 ・・・・・・119
3(2)・・アメリ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/15 ・・・・・・・・・・846・・・・・・・11,996・・・・・・・・・・108 ・・・・・・・25
4(2)・・チタン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/09 ・・・・・・・・・・536・・・・・・・12,347・・・・・・・・・・122 ・・・・・・・24
5(83)・・恋の病・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11/17 ・・・・・・・・・・438・・・・・・・・7,751 ・・・・・・・・・・・51 ・・・・・・・・2
       ~潔癖なふたりのビフォーアフター~

 2・5位の2作品が新登場です。
 2位「ラム」については上述しました。
 5位「恋の病 ~潔癖なふたりのビフォーアフター~」は台湾のラブコメ。えっホラーも?? 日本では昨年8月20日公開。近所の映画館で見逃し、キネカ大森で先月まで上映していたのも結局観ずじまいでちょっと残念。原題は「괴짜들의 로맨스」です。
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