学問空間

『承久記』『五代帝王物語』『とはずがたり』『増鏡』『太平記』『梅松論』等を素材として中世史と中世文学を研究しています。

黒島or黒嶋

2013-09-25 | 東北にて
黒島or黒嶋 投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2013年 9月25日(水)21時58分40秒

>筆綾丸さん
名字がクロシマで海に関心があると聞くと連合艦隊の奇人参謀、黒島亀人を連想してしまいますが、黒嶋敏氏は「嶋」ですから、御親戚という訳でもないんでしょうね。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BB%92%E5%B3%B6%E4%BA%80%E4%BA%BA

ネットで少し話題になっていた與那覇潤氏と東島誠氏の対談集『日本の起源』を通読してみたのですが、與那覇潤氏の中世に関する認識は網野善彦氏の多大な影響を受けていますね。

與那覇潤『日本の起源』序文
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yonahajun/20130829-00027638/

中世史の若手研究者は網野氏が大胆に広げ過ぎた「明るい中世」のイメージを、近世ときちんと接合できるように実証的に、聊か地味な「暗い中世」に引き戻す仕事を要求されている感じがしますが、黒嶋氏の『海の武士団』もその一環と言ってよいのでしょうね。

黒嶋氏の所謂<海の勢力>、とても学術的な概念とはいえない曖昧な表現なので、4字使うくらいだったらいっそのこと「海民」でいいんじゃないの、と思いましたが、最初の方を読み直したら網野氏が「海民」の定義らしきものをしているので(p16)、黒嶋氏としては安易に使うことはできないのでしょうね。
網野氏の網は広大かつ稠密で、後進の研究者はなかなか大変ですね。

※筆綾丸さんの下記投稿への返信です。
http://6925.teacup.com/kabura/bbs/6922
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