学問空間

『承久記』『五代帝王物語』『とはずがたり』『増鏡』『太平記』『梅松論』等を素材として中世史と中世文学の中間領域を研究。

藤村シシン『古代ギリシャのリアル』

2019-05-16 | 森本あんり『異端の時代─正統のかたちを求めて』

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2019年 5月16日(木)09時28分50秒

気分転換にと思ってツイッターで見かけた藤村シシン『古代ギリシャのリアル』(実業之日本社、2015)を読んでみたところ、これはとても面白い本でした。

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青い海、青い空、白亜の神殿、ロマンチックな神話といった、私たちが日ごろイメージする古代ギリシャとはちょっと違う、「古代ギリシャのリアル」がわかる一冊。
なぜ古代ギリシャ人は血や涙を「緑色」と表現するのか? なぜ古代ギリシャの主神ゼウスはあんなに浮気性なのか? そして「壺絵の落書きにみる同性愛」に至るまで、ネットやツイッターで大人気の著者が詳細かつ面白く解説。

【オリンポスの神々履歴書】【神話・古代・現代 ギリシャ地図】【未来・現代・古代 神話時代までのギリシャ年表】【ギリシャ神話、神々の相関図】付き。

http://www.j-n.co.jp/books/?goods_code=978-4-408-13362-1

同書の「おわりに」の日付は、

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第698オリンピア紀 第3年 隣人を変える月 第27日
                神々、神慮めでたく
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となっていて、脚注によると、これは2015年9月10日だそうです。(p267)
藤村シシン氏は1984年生まれ、東京女子大学大学院博士前期課程修了だそうで、研究者としての基礎がしっかりしている上に、文章が軽妙で、大変な才能ですね。
別の著作も読んでみたいなと思ったのですが、今のところまとまった著作は『古代ギリシャのリアル』だけみたいです。
少し検索してみたところ、藤村氏の「今後の目標」のひとつは神殿を建てることだそうですね。

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――今後の目標は何かありますか?
藤村 たくさんあります! 例えば、神殿を建てたいですね!
――神殿!?
藤村 だって神殿建てたことあります!? ないでしょ!?
――えっ、いや、ない、ないです!
藤村 やっぱり、パルテノン神殿なんかはギリシャの神髄なんですよ。人間が見上げたときの目の錯覚をきちんと考えて柱の太さを考えられていて、そういうの、やってみたくないですか!?
――うーん……。神殿を建てるからには、今後は建築技術を学んでいかないとですね。
藤村 そこは、祭儀イベントをやったときみたくTwitterで石を運んで削る動画をアップします。そして「う~ん、一人で神殿建てるの難しいなぁ。誰か一緒に神殿建ててくれる人いないかな~?」って匂わせていくことにします。でも石って高いからなぁ……。最終目標かもしれません。死ぬまでには建てたいですね。

https://www.e-aidem.com/ch/listen/entry/2018/12/05/110000

>筆綾丸さん
10日(金)に深井智朗院長懲戒解雇のニュースが流れた後、この掲示板の投稿を保管している私の地味ブログ「学問空間」の訪問者が急増してびっくりしたのですが、昨日からやっと落ち着きました。

「カール・レーフラー」を探して(その1)(その2)
https://blog.goo.ne.jp/daikanjin/e/3581a30f36a9a15186088d3432aa7762
https://blog.goo.ne.jp/daikanjin/e/41688dfe5dbd85f2797c4320e7b9fdb2

捏造疑惑発覚前の自分の投稿を読み直してみたところ、2017年5月7日には、

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深井智朗氏は専門のドイツの宗教事情に関しては正確、というか仮に誤りがあっても一般読者との学識の差がありすぎるので読者が気づかないでしょうが、日本については要注意ですね。
出典の明示についてもちょっと雑なところがあり、『キリスト教の絶対性と宗教の歴史』の「解題」のように全然出典を示さない場合もあるので、これまた警戒が必要です。

https://blog.goo.ne.jp/daikanjin/e/1543ee9d89dede0bfc90a8223effdce3

などと書いており、まあ、一安心ですね。
絶賛していたら赤っ恥をかくところでした。

※筆綾丸さんの下記投稿へのレスです。

お悔やみ申し上げます(夏目金之助) 2019/05/12(日) 08:34:42
辱知猫久々病気の処、療養不相叶、昨夜いつの間にかうらの物置のヘッツイの上にて逝去致候。埋葬の儀は俥屋をたのみ箱詰にて裏の庭先にて執行仕候。但し主人『三四郎』執筆中につき、御会葬には及び不申候。以上
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