学問空間

『承久記』『五代帝王物語』『とはずがたり』『増鏡』『太平記』『梅松論』等を素材として中世史と中世文学を研究しています。

猫の弄斎

2010-04-30 | 日本文学
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2010年 4月30日(金)01時02分52秒

下で引用した部分、けっこう難しいところもあるので、田中氏の解説も紹介しておきます。(p38以下)
恐るべき才能ですね。

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 右句は恋煩いで悩んでいる猫を詠んでいる。「らうさいけ」は「労※気(ろうさいけ)」で気鬱症の兆候があるという意味である。この句の場合は恋の悩みによる気鬱症である。これに「猫のらうさい」という小歌のタイトルを掛けた。当時「猫の弄斎(ろうさい)」という小歌があったようだが、どのような小歌か不明である。「弄斎」というのは弄斎節のことで江戸初期に流行した歌謡である。
 この句をほめて「よい作にや」(よい作ではなかろうか)と記し、そのあとに「きんにや。うにや」と続けているが、この言葉は小歌の合の手の「きんにゃらにゃ」のもじりで、「よい作にや」の「にや」に「きんにや。うにや」と続けて、猫の鳴き声の「にや、にや、にや」(ニャー、ニャー、ニャー)を利かせたのである。このような駄洒落に近い言葉遊びは、芭蕉の得意とするところであった。
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>筆綾丸さん
四番はまだ上品ですが、二番のテーマは男色、二十番は更に際どい作品で、とても国語の教科書には載せられないですね。
これだけ諧謔の精神に満ちていた人が、なぜ漂泊の求道者に変化してしまうのか。
田中善信氏が見出した芭蕉像を演じる役者を選ぶとしたら、お笑い芸人からあれよあれよという間に芸術家に転進した片岡鶴太郎氏がいいんじゃないですかね。

http://www.kataoka-tsurutaro.com/
http://www.kataoka-tsurutaro.com/blog/

>法華寺の鳥居
検索したら「やまとかんなび」というブログに若干の説明がありました。
丁寧な解説ですが、出典を明記してくれるとありがたいですね。

http://kannabi653.at.webry.info/200707/article_1.html

>出羽村山郡の白岩一揆
発生した場所は寒河江の慈恩寺のすぐ近くなんですね。

http://homepage2.nifty.com/nenkin-akita/rekisi/rekisi16.html
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