裏磐梯 秋元湖にほど近い森の中から・・・

裏磐梯の森の中の家、薪ストーブ、庭、山、酒、音楽を愛する独居老人の日常生活の記録、綴り続ける備忘録。

 

Ave verum corpus アヴェ・ヴェルム・コルプス

2010年03月20日 | 聴く・観る・オーディオ・映画・パソコン
暖かい。気温は10℃をだいぶ超えている。春霞に霞む磐梯山、甲府沼の水面に大きく張り出したカスミザクラ、あと一ヶ月もすれば満開の花を湖面に映しこむことになるだろう。
モーツァルト晩年の傑作「アヴェ・ヴェルム・コルプス」ニ長調、K.618、きょう偶然YouTubeで観た。なんとゆったりとした演奏、こんな「アヴェ・ヴェルム・コルプス」は聞いた事がない。そしてわずか4分にも満たないこの小品が与えた感動の大きさに愕いた。いったい・・・
レナード・バーンスタイン 指揮、バイエルン放送交響楽団&合唱団 1990年4月5日 Waldsassen 教会(ヴァルトザッセン修道院付属教会)にて収録という事が解った。この映像はずっと以前にDVD化され、アヴェ・ヴェルム・コルプスのほかにエクスルターテ・ユビラーテ K.165(158a)、ミサ曲ハ短調 K.427(417a)を収録、発売され、話題を呼んだ有名なDVDであることもわかった。1990年4月といえばバーンスタインが死去する半年前になる。迫り来る死をすでに受け入れている演奏なのだろうか、死の悟り、あらゆる隷従と拘束から解放されたバーンスタインがここにあるのだろうか。1791年6月 モーツァルトは「アヴェ・ヴェルム・コルプス」を書き上げている。そしてその年の半年後の12月この世を去っている。この映像のバーンスタインを見、演奏を聴いているとなにか因縁めいた物を感じてしまうのだが・・・
作曲したモーツァルト、演奏しているバーンスタイン、ともに現世の何事も受け入れ、悟りきった後におとづれる静謐、諦観・・
バーンスタインの演奏「アヴェ・ヴェルム・コルプス」お聞きください。

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