五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

美濃から直虎、宗像大社の日曜日

2017年07月10日 | 第2章 五感と体感

郡上八幡のうだつ

美濃から直虎、宗像大社の日曜日 2017年7月10日

昨晩、美濃和紙を使った紙飛行機を飛ばす番組を見ました。
小さな紙飛行機の1500倍の大きさをチャレンジしたので、当然和紙を大量に使っていました。美濃市役所の方々、美濃の家屋の名物「うだつ」をモチーフにしたうだつ君も登場し、応援していました。
「うだつ」とは、「うだつの上がらない」のあの「うだつ」です。
町屋の家々は隣同士が接近しているので、家の両端に縦に軒を付けて、上には個性的な鬼瓦を施し、火事が広がるのを止める役割を果たします。
うだつを見れば、家の家計も一目瞭然なので、こぞって「うだつ」を飾り立てたのです。
「うだつ」が貧相であれば、「うだつが上がらない」と云われ、それが一般的にパッとしない人に対して「うだつの上がらない人だねぇ」という言葉へと広がっていったようです。


柿渋染めの美濃和紙

美濃紙は、表装をする者にとっても欠かすことの出来ない紙です。
強度もあり、裏打ちにも適していて、今では、海外の教会に描かれているフレスコ画の修復にも使われ、手漉きの極めて薄い紙を求めて海外からも絶賛されているのです。
なのに、手漉きの和紙の需要はどんどん少なくなっています。
昔から伝わっている文化や芸術には、欠かせないものであっても、一般家庭での需要が少なければ、消費量は一気に減り、認知度も低くなります。
生活に根付いたものが、いつしか必要とされなくっていくことは、それを生業としてきた人の次の世代への継承が途絶えてしまうという事にも繋がるのです。
和紙を漉く技術も、1年や2年で体得できるものではありません。

表装を手掛ける私自身、手漉きの美濃和紙は欠かすことの出来ない和紙ですし、常にストックが無いと非常に不安になります。
先日も、三栖(みす)の里のあるご夫妻が漉いていた三栖紙が手に入らなくなっている事を聞き、憂いを感じていました。

私にできることは、表装を手漉きの和紙で仕立て、半端になった和紙で手紙を書き、一片たりとも無駄にしないで人様にお渡ししていくことです。
科学的な材料を使用し、機械で仕立てる商業的な表装の存在も、今は必要なものです。
表装という文化がどんな形ででも、世間の目に触れる事も大事な事なのです。

やはり昨晩のテレビの話題になりますが、大河ドラマ直虎で、今川氏真がカッとして、三幅一対のクジャクの掛け軸をバッサリと切ってしまいました。
何だか、自分の首を切られたような嫌な気分になりつつ、あの時代にあーいう画はあるはずなく、刀で切った後の切り口から醸し出す機械表装のペラリン感が、一層私の寂しい思いを搔き立てました。
いろんな職業の人が見ているのになぁ~~、、、と、いう寂寥感が湧き、いつもは楽しみの大河ドラマが個人的には萎えた気分で見終えました。

兎にも角にも、文化の継承にも、栄枯盛衰もあるでしょうが、。

でも、
ユネスコ世界遺産に宗像大社から沖ノ島に至るいくつかの場所や島々が認定され、嬉しい気分も携えつつの日曜日でありました。日本人の精神性と古層を日本の宝として大事にしたいものですね。


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7月18日 つつじが丘講座
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7月28日15時半~雪谷校
7月28日10時半~たまプラーザ校
7月の東急講座は、第四週金曜日に雪谷講座が変更となっています。ご注意ください。

(NPOキュール会報もしくは東急セミナーBEのホームページをご覧ください)








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