五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

表装のお話

2014年06月12日 | 第2章 五感と体感
科学糊を使わず、正麩糊を使って表装を仕立てていますが、古来から伝わっている古糊については、とても自宅でできるものではありません。
不純物の無い水を使うことに関しても、今やそれを叶えることは難しいかもしれません。

それでも正麩糊に拘ることを大切にしています。

科学糊は、一旦付けると剥がすことができず、歴史も浅いため、どのくらいの耐久力があるか、年月を経た変化も未だわからないそうです。

古い掛け軸や紙を保存、修復するためには古糊は欠かせないとは思いますが、正麩糊は、天然素材である為、表具の打ち直しもでき、本紙を痛めることはありません。

梅雨の季節、我が家の掛け軸も色々な表情を見せていますが、季節をまたいで仮貼板に貼って落ち着かせた掛け軸は、湿度80パーセントでも、キリリと下がっています。

紙と裂と水と空気の兼ね合いを塩梅良く見定めることは以前より判断できるようにはなってきましたが、気持を緩めると、紙と裂は私をすぐ見抜きます。怖いなぁ~と思います。

春先に頼まれた鎌倉の某寺のカレンダーを表装してほしいと頼まれ、ようやく作業を始めましたが、和紙に印刷した書の数々は、侮ることなかれ。。。印刷といえども裂を着せると、格好良いのです。
できることなら、梅雨明けの真夏の季節を体感させてから仕上げに入りたいので、梅雨の間はそれまでの作業を粛々と進めます。
後世に「なんでも鑑定団」に本物だと思って鑑定してもらうことになれば、値段は自信を持って「千円」と付けられ、あっさりと印刷だと言われること間違い無しですが、依頼された方が気に入っておられるのであれば、それはその方にとってのお宝です。
「印刷の書だけれど、お軸は味がありますねぇ~」等と、褒め言葉を頂けるよう、真摯に作業をしたいものです。

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