五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

森から森を論ず

2012年09月15日 | 第2章 五感と体感
西洋美術館で行われているベルリン国立美術館展と三井記念美術館で行われている近江の神と仏展を見てきました。

大規模な展覧会に行くといつも思う事があります。

「ほんとうに日本人は学習欲旺盛だなぁ…」

多くの人が「私は宗教を持たない」と意識化しているのですが、聖母子像や聖人、そしてギリシャ神話に登場する神々の肖像画や彫刻を熱心に見ている光景を目にします。「ああ、これが日本人の信仰のありかたなのかな」と、勿論自分自身も神様仏様、キリスト、マリア、古層の神々…なわけですが、このような光景の中に居る自分が、宗教を妄信しているのでは無く、信仰している自分なのだ、ということを改めて意識化する良い機会と言えるかもしれません。

昨日の二つの展覧会に共通していたことは、つまり、これらのことなのです。

光を観る

「観光」は、人が普遍的に持ち備えている生き抜くためのエネルギーの媒体であり、その媒体をどのように自分が解釈し生き延びていこうとするか・・・、そのノウハウが日本人のアイデンティティとして確立しているというわけです。

一つの考え方だけを妄信する生き方を選ばなかった日本人は、森の豊かさゆえであったかもしれません。深い森、深い山、四方に囲まれた大海…、そして四季の移り変わりによる気候の変化。それに加え、太古から日本にやってきた渡来人との融合と隔離が人々の好奇心と排他を生み出ししてきたことも歴史の中で行われてきたことなのです。

森というファジーな境界線を海にも求めようとするならば、その思想をもう少し主張しても良いのではなかろうか。。。と、思うのは、文化的見地からしかモノを観ることができていない私の勝手な考えかもしれません。
昨日は、ドイツの森の木々から作られた木彫に心を奪われました。そして近江の神仏像も同じです。朽ちた木彫から醸し出される互いの国の信仰事情は、象徴的には違えども、普遍性としての本質は何ら変わるものは無いのです。

森が生み出す神話は私の心を動かします。

ケルトも然り。
山人も然り。

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