Mr.コンティのRising JAPAN

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感動 !! 甲府昇格 !!

2005-12-11 | 京都サンガ J-League
スポーツと言う物は人に感動を与えると昔から思っていた。五輪で君が代の流れる時、ワールドカップでの母国の活躍、贔屓チームの勝利、母校の健闘。我が子が運動会で活躍したり立派にお遊戯を披露したり、それら全ては公平に見ている側に与えられたものだ。 また自分自身でも人知れず努力をした事に対して報われた時の感激は忘れられないものだ。最もそう言う感激はスポーツ以外でも味わえるが。 10日に柏スタジアムで行われた入れ替え戦の第二ラウンドは2部3位のヴァンフォーレ甲府がJ116位の柏レイソルを 6-2 で破りJ1への昇格を決めた。まず柏の降格というよりも第二戦ホームでの惨敗は柏サポーターのみならず甲府サポーターでも想像すら出来なかったのではないか?初戦、ホームで甲府は会心の勝利を収めたが、第二戦、ホームの柏が2点差以上で甲府を降すことは難しい事とは思えなかった。 だが蓋を開ければどちらがJ1チームか確認を要する展開。バレーが開始27分でPKを含む2得点。52分にレイナウドに1点を返すも、その直後のキックオフから繋がれ、柏の選手がボールを一度も触れる事無く3点目を上げ、この時点で柏残留の可能性は霧散した。残りの37分間に挙げられたバレーの3得点と宇野澤のゴールは甲府昇格祝いへの献花に過ぎなかった。確かに柏のチーム状態は万全ではなかった。エース玉田の離脱はただ1人の選手の代用では済まなかったのではないか?元代表の明神が初戦に出られれば結果は違ったかもしれない。第二戦はクーベル、平山を起用し攻撃的な布陣としたのかもしれないが、何故初戦からそう出来なかったか?と後悔は無いか? シーズン途中でラモスがスタッフに加わった。ラモスの自身を問題視するわけではないが、他のコーチ達が納得しての事であったのか?サラリーマン世界でも良くある事だ。一流会社から部長クラスを高給で引き抜き特別待遇にて迎える。経営者は彼が何でも出来る万能な神だと信じて疑わない。しかし、上手く行く実例は皆無に等しい。結果、最悪永年苦労を重ねた生え抜きの課長クラスや部下が去り、経験の無い人間と業績悪化だけが残る。柏がそんな縮図で無ければ良いのだが。マスコミは“名門柏の降格”と報道する。柏はJリーグ発足3年目に加入申請を受諾された。前年のJFLで2位以内を決めた試合後かつてのBrazil 代表の英雄カレッカが“ Yeaaaah !! J League !! “ と叫んだのは印象的だった。その前年は磐田、平塚の後塵を拝し、しかも”柏の様な競技場、運営、伝統のしっかりしたチームのJ入りが望ましい“とJリーグ当局の幹部から発言された上に”柏がナビスコ杯でベスト4ならJ入りは当確“との怪情報まで流れての加入申請見送りであった。 前身の日立製作所も日本リーグ時代から柏市をホームにした名門チーム。海外にも法人を持ち、70年代でも単独で東南アジア遠征を行える環境にあった。碓井、西野、松永、瀬田といった歴代の日本を代表する選手を輩出してきた伝統は確かにある。 しかし、伝統では甲府もけっして引けを取らない。前身の甲府クラブは1965年に甲府一高鶴城クラブが全国社会人大会に進出したのをきっかけに県内の他校OBも加えて結成され、後にJSL二部にまで登りつめた。特筆すべきは企業チームが誕生し続ける中、クラブチームとして2部ではあるが当時サッカーでは最高峰のJSLに最後に残ったクラブチームであった。参考までに1978年に京都パープルサンガの前身紫光クラブがJSL2部から降格し、最後に甲府クラブがJSLに残った。99年のJ2創設を機にヴァンフォーレ甲府がJリーグに入会。しかし、経営難が続き一時はチーム存続の危機もあった。福島FCの様に解散してしまうのではと心配もした。シーズン中でもコンビニでアルバイトをする選手もいたらしい。そんな危機を乗り越えて今季は最終戦の京都に逆転勝利で仙台をかわして3位に滑り込み入れ替え戦の出場権を手に入れた。だが、甲府の昇格を容易に予想できただろうか?昨シーズンJ2では安定した強さを見せた福岡が入れ替え戦では柏に歯が立たなかった事でJ1との実力差を思い知らされており、その上今年のJ2はJ1からの降格チームが無いのでレベルは昨季より低いと思われた。甲府の快挙はまずその勢いの流れに乗っていた事が挙げられる。最終戦の京都戦の良い動きをそのまま発揮できたのだろう。そしてかつて柏を解雇された長谷川、杉山のこの試合に賭ける執念を柏、早野監督は予知できたのか?私が観戦した京都との最終戦ではこの二人にバレー、アライールが入れ替え戦でも同様の動きが出来れば昇格を想像するのは無駄では無いと思った。そしてその通りになった。J1での闘いが苦戦を免れないことは想像にたやすい。予算の都合上選手補強もままならない。J1のワースト記録を次々と塗り替えるかもしれない。しかし、地元の人々は競技場に足を運んで欲しい。毎試合、スタンドを一杯にしてやって欲しい。たとえ連敗、惨敗が続こうとも。ワールドカップや Champions League ばかりがサッカーではない。 それから最後にもう1つ甲府が昇格できた最大の原因。それはロスタイムに京都の鈴木悟が放ったFKを阻んだゴールポストだ。

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