Mr.コンティのRising JAPAN

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祝 !! 京都サンガ J1 復帰 第1戦 またも終了直前の失点

2007-12-10 | 京都サンガ J-League
ロスタイムは4分。しかしもう47分を過ぎていた。途中出場の徳重がドリブルで突破をはかるがボールはGK下田の手へ、ストヤノフから逆襲に転じようとするのを石井がファールで止める。そしてイエローカードが出される。駒野が上げたFKは長身の盛田を狙う。身体を寄せた中谷のプレーがファールに取られる。時計は48分16秒だ。ゆっくりと森崎浩二ボールをセットする。ゴールマウスには9人の広島の選手が犇いている。そのFKが放たれたのは49分12秒だった。一旦は京都DFが跳ね返したがこぼれ球をペナルティーエリアの外に残っていた駒野が拾って左サイドのストヤノフに。ストヤノフが入れたクロスを槙野が見事なオーバーヘッドで捉える。あっっと思った瞬間だった。終了間際で手痛い失点を繰り返し続けていた京都だった。試合終了時間が近付けば近付くほどそんな事ばかり考えていた。しかしそのボールはポストに直撃し、そのままゴールラインを割ってくれた。ほっと息を吐いた。そして背筋がぞっとした。もう少しポストの内側を叩いていたら、ゴールインしていたかも、そしてゴールを割らずともそのままこぼれ球は詰めていた佐藤が押し込んだに違いない。その佐藤がボールを拾ってゴールキックのスポットにセットする。平井がゴールキックを蹴る前に遅延行為で警告を受ける。しかしもう49分は過ぎている。平井が蹴った時は49分54秒になっていた。そして50分が過ぎる。50分06秒。ようやく長い笛が吹かれ死闘に終止符が打たれると共に京都サンガのJ1復帰が決定した……….

J2最終戦の草津戦を前にサンガの自動昇格はほぼ絶望的であった。確かに前半途中までは札幌が水戸にリードを許しており、サンガは先制ゴールを挙げていた。しかし森岡がPKを失敗し、札幌がダヴィの連続ゴールで逆転しそのままJ1昇格をJ2優勝で花を添えた。そして京都は終了直前に寺田に失点を許し今シーズンの戦いぶりを表わすような試合内容で最終戦を終えた。対戦相手も最終戦を前に入れ替え戦出場がほぼ決定していたサンフレッチェ広島となった。 あぁ、広島か… 日本代表の駒野に佐藤、五輪代表の柏木、青山敏弘(負傷で入替戦には出場できなかった)U-20代表の槙野、平繁。これだけのメンバーが揃っていてどうして降格争いをせねばならなかったのだろう、こう言うチームからどうやって勝利を挙げれば良いのだろう…そんなことばかり入れ替え戦前の数日間は考えていた。

12月5日 前半 田原豊連続ゴールのサンガ先制

午後7時キックオフ。仕事をやりくりして何とかキックオフ直前に帰宅できた。本当は京都まで見に行こうかとも考えたがキックオフ時間が午後7時では最終の新幹線、シンデレラエクスプレス(古いか??)には間に合わないので(その上武蔵野線の最終電車にも間に合わない)テレビ観戦をする事に。まぁBSでの中継を知った時点で京都行きは断念したのだけど。開始3分には戸田からのロングパスが佐藤に通りそのままフリーでシュート。ボールはクロスバーの上を越えてくれた。6分には柏木がドリブル突破し前にいた佐藤にスルーを送るがそこは斉藤がカット。そのまま撃たれた方が危なかった。その直後にも佐藤のドリブル突破から最後はウェズレイのミドルが森岡、手島がチェックに入る前に炸裂する。8分には左サイドを上がった服部からのスルーがわずかに佐藤に合わなかった。愛する京都サンガはピンチの連続だ。さすがJ1と感心している場合ではなかったがミドルパスの正確さはリーグの違いを感じさせられた。広島はウェズレイが17得点、佐藤が12得点。その2トップが開いた位置に張り出し、2列目の柏木、森崎浩二がせり出してくる。 
サンガのDF陣は右から渡辺、角田、森岡そして手島の4人だが渡邉は高い位置に残っており3バック気味である。渡邉から田原を狙って入れられるクロスが何本良いのがあるかが一つのカギになると思われた。劣勢だったサンガも11分に負傷から復帰のパウリーニョがカウンター攻撃から右サイドを突破。戸田を外して逆サイドの中谷へ、中谷からのクロスは森崎和にクリアーされたが、そのまま撃っても良かったか。
16分には広島がチャンスを掴む。佐藤、森崎浩二と繋がったボールはウェズレーを経由して再び森崎浩二に渡りグラウンダーのシュートを撃つがクロスバーの左を通過していく。広島はサンガゴール前でもワンタッチでボールを回して行くのでサンガDF陣は捕まえ切れずに後手を踏む。こりゃ苦戦するぞと思うと18分、今度はサンガがポンポンといボールを繋ぐ。相手のトラップミスを拾った中山がパウリーニョに預け再び受けるといったん下げて中谷からまた左サイドの前線へ行く中山へ、柏木を振り切って中のパウリーニョに入れるとパウリは後ろの石井に下げる。石井は後方から上がっていた斉藤に。斉藤はそのまま左サイドを突破しクロスを入れる。槙野にクリアーされるもそのクリアボールをパウリが拾ってシュート。ブロックをされて跳ね返ったこぼれ球を渡辺が拾って右サイドから中の田原を狙ってクロスが入るが僅かに合わなかったがこの時間帯からサンガが主導権を握りだす。 右サイドには渡邉が左サイドには中山が高い位置に張っており中盤で数的優位を作る。そしてボランチの石井が前にあがる頻度が増え、中盤でも早い出足でこぼれ球を先に支配する。中山は駒野の上がりをケアーする。22分には駒野の突破から入れられたクロスをGK平井がしっかりと佐藤に届く前にキャッチをしたが、駒野の突破からピンチを招いたのは前半ではこれが最後だった。田原、パウリーニョ、渡邉の3人がハイポジションに位置するので広島の3バック、槙野、ストヤノフ、森崎和が中盤に絡めなくなった。そして29分。サンガが先制ゴールを挙げる。右から渡邉がクロスを入れるとストヤノフがクリアー。そのクリアボールを斉藤が拾って左の中谷へ、中谷が入れたクロスを田原がバックヘッドで右サイドの渡邉に送ると再び渡邉は服部を外して中にクロスを送る。そのクロスをGK下田が弾いたところをそのまま田原が頭で押し込む。森崎和幸がゴールに飛び込んでクリアーに入ったがその前にゴールネットを揺らした。田原は渡邉のクロスは下田がパンチでクリアーすると予測しクロスに合わせて飛び込まないで少し後ろに下がったその位置取りが非常に良く先制ゴールに結びつけた。

18分過ぎからの試合展開を見るとどちらがJ1のチームかわからない試合内容だ。サンガはこの先制ゴール後ラインを少し引き気味にし、相手の裏を中谷、渡邉が飛び出して狙う様に。一方の広島はストヤノフがドリブルで前方に上がる様になり柏木が左右に動いて現状打開を図ろうとする。しかし主導権はサンガのまま、40分にはパウリーニョのCKを一旦はクリアーされるがそれを拾った渡邉が右サイドからクロスを入れるとまたも田原が戸田、森崎和幸の間に割って入り高い打点から叩きつける様なヘッドを広島ゴールに叩き込み貴重な追加点を挙げる。
田原のヘッドも見事だが渡邉のクロスも素晴らしかった。更にロスタイムの47分平井のGKを田原が頭でパウリーニョに繋ぎ、そのまま角田そして渡邉と右サイドを前へつなぎ、渡邉からまたまた絶妙のグラウンダーのセンタリングが入る。中でフリーの田原がダイレクトで合わせたが今度はGK下田がしっかりとブロックし3点目は阻まれ、その直後に前半終了のホイッスルが鳴った。サンガがJ1チーム相手にこんな良い試合展開をするなんて何年振りに観るのだろう…. と思いまながらも3点目が入らなかった事を少し残念に思った。



後半 終了直前の失点。3点目がとれていればなぁ.....

後半、広島のペトロヴィッチ監督は森崎和幸に替わって長身の盛田を投入し田原のマークに付ける。好調のサンガはもちろんそのままだ。次のアウェーゲームを考えると何とか先に点を上げて3点差にしてほしいと願った。その願いが通じたか52分後方からのロングパスを左サイドで受けたパウリーニョがそのバウンドを利用してウェズレイをうまくかわして中に入れられたクロスを中山がワントラップし体を捻って豪快にボレーを放つがそのショットはクロスバーを直撃しゴールインには至らなかった。願いが足らなかったか? 
ペナルティーエリアまでボールが運べない広島はミドルを撃つ様になる。9分にはストヤノフのドリブル突破からボールを受けた森崎浩二がミドルを放つがこれはGK平井がセーブ。11分には柏木のドリブルからウェズレイがボールを受け放ったショットは森岡が顔面でクリアーをした。後半に入って柏木とDFストヤノフがドリブルで上がるようになった。62分サンガはまた決定的なチャンスを掴む。左サイドから中山がストヤノフをはずしてクロスを入れると中にいた盛田、服部を越えてフリーの石井に。しかし石井はやや体が前に入りすぎたか空振り。しかしそのまま右に流れたボールを渡辺が拾ったところを柏木に倒されてFKを。パウリーニョがそのFKを渡邊に戻し、またも渡邊が絶妙のクロスを入れ、角田のヘッドが広島ゴールを襲うがこれもポストを叩いた。これでサンガは前半終了直前の田原のシュートから3度追加点のチャンスを逸したことに。これが後の苦戦を招く。
何とか1点を還したい広島は64分に服部を下げて北朝鮮代表の李漢宰を投入する。今シーズンは怪我のせいか出場は6試合に限られスタメンフル出場はJリーグ最終節のガンバ大阪でようやく果たした。これで駒野が左サイドに回り李が右サイドに入った。そして70分にはウェズレイが下がりFIFA U-20 日本代表メンバーの平繁が投入される。今季17得点のウェズレイだが9月15日の第25節の浦和戦以降ゴールを挙げていない。交代したウェズレイはベンチに帰らずそのまま控え室に直行。その心中は理解できなくも無いが… しかしこれで広島は左からの駒野、右から李がサイド攻撃をしかけ、平繁が前線で動くことにより攻撃のバリエーションが増えた。76分には柏木、平繁のU-20 コンビのワンツーを見せる。さすがこれからの黄金世代早かったなぁ.. 80分には佐藤がドリブルで上がったところを中谷がファールで止めてイエローをもらってしまう。そしてそのFKを森崎浩二が入れ盛田の頭を狙うがそのヘッドはクリアーされるがそのこぼれダマを駒野が拾ってミドルを放つ。そのショットは平井がセーブを。今日も平井は当たっている。しかし83分にはストヤノフのドリブル突破から森崎浩二に渡り斉藤をかわして放ったミドルはクロスバーの上をかすめて肝を冷やした。徐々に押され始めた京都は75分に田原を下げて同じ長身FWの西野を投入、そして85分にはパウリーニョを下げてMFの倉貫を入れる。西野には前線からプレスをかけさせ、倉貫の投入で中盤を厚くし逃げ切り体制に入る。その直後には盛田からボールを受けた柏木がミドルを放つがこれは森岡がブロック。残り時間5分を切ったあたりから広島は焦りが生じてきたか戸田が石井へのファールでイエローを貰い、左サイドで渡邊と対峙した紺野がファールで倒す。88分には右サイドを抜けた槙野がクロスを入れるがGK平井がキャッチ。中には佐藤一人しかいなかった。柏木のドリブルも疲れのせいか切れが無くなって来た。このまま2点差のまま、と思った89分、中央やや左から森崎浩二の縦パスが通りすばやく反応した佐藤がシュート。いったんは平井がセーブをしたがこぼれダマに平繁が反応しそのまま押し込まれて1点を還されてしまった。佐藤に通る前に少し平繁が触ってコースを変えたかもしれないがその平繁に角田、森岡の二人がついてしまい佐藤がフリーになった。そしてその直後の平繁の動きも機敏でこぼれダマにうまく反応されてしまった。
この失点は痛かった。しかもロスタイムが3分と表示される。これで一気に広島は生き返りサンガは浮き足立ってしまいそうになる。広島の選手が雪崩れ込んでくるのをサンガが最終ラインを6人で守る。西野以外はすべて自陣コートに入る。シーズン中サンガが終了直前で失点するのはこういう雰囲気になるからか、と思った。
パウリーニョも田原もベンチに下がっている。田原の心配そうな表情が画面に映し出されるが、48分13秒、ホイッスルが響き第1戦を勝利で終えることが出来た。
試合後のインタビューを受ける田原も森岡も勝利の喜びよりもまだ終わっていないことと終了直前の失点を悔やむ表情が見て取れる。
サンガが先勝を収めたが次戦、広島が 1-0 で勝てばサンガの昇格は無くなる。アウェーゲームで終了直前に得点を決め1点差でホームに帰る広島はかなり勇気付けられただろう。
久しぶりにサンガの勝ち試合を見たが、“勝つには勝ったがあと1試合”と言うのが試合後の私の本音であった・・・



第二戦に続く  


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